HRW:ロシア軍がシリア国内での爆撃で新型クラスター爆弾「SPBE」を初めて使用(2015年10月10日)

ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明(https://www.hrw.org/news/2015/10/10/syria-new-russian-made-cluster-munition-reported)を出し、ロシア軍がシリア国内での空爆で新型のクラスター爆弾「SPBE」を初めて使用したと発表した。

声明によると、SPBEは10月4日、アレッポ県のカフル・ハラブ村での空爆に投入されたが、死傷者はなかった。

ナディーム・フーリー中東北アフリカ副局長は、シリア軍がこの新型爆弾を入手し、民間人に使用することへの懸念を表明、ロシア、シリア両国政府に、クラスター爆弾禁止条約に加盟するよう呼びかけた。

AFP, October 11, 2015、AP, October 11, 2015、ARA News, October 11, 2015、Champress, October 11, 2015、al-Hayat, October 12, 2015、Iraqi News, October 11, 2015、Kull-na Shuraka’, October 11, 2015、al-Mada Press, October 11, 2015、Naharnet, October 11, 2015、NNA, October 11, 2015、Reuters, October 11, 2015、SANA, October 11, 2015、UPI, October 11, 2015などをもとに作成。

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SANAは有志連合がアレッポ県の発電所2カ所を爆撃で破壊したと非難(2015年10月10日)

SANA(10月10日付)は、シリア軍筋の話として、米国が主導する有志連合のF-16戦闘機2機が、アレッポ県アレッポ市東部のラドワーニーヤ村にある発電所2カ所を破壊、同地一帯で停電が発生したと伝えた。

一方、シリア軍は、サフィーラ市東部、タッル・リーマーン村、シャーミル村、バクジーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、シリア人権監視団によると、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、トルコ国境に近い戦略的要衝のタッル・カッラーフ村を奪還した。

タッル・カッラーフ村は、米トルコ両政府が設置合意した「安全地帯」内に位置する村。

このほか、ダーイシュの拠点都市の一つバーブ市郊外で、ダーイシュの爆弾製造工場、武器弾薬庫が爆発した。

爆発の原因は不明だが、爆発発生時、バーブ市一帯上空には戦闘機(所属不明)が飛行していたという。

Kull-na Shuraka', October 10, 2015
Kull-na Shuraka’, October 10, 2015

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ヒムス県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍が、ラスム・アブド村、西ヒブラ村、ウンム・トゥワイナ村、シャンダーヒーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、シャーイル・ガス採掘所一帯、カルヤタイン市一帯、ラッフーム村一帯を空爆し、ダーイシュの戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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米中央軍(CENTCOM)は、10月10日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して24回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回におよび、ハサカ市近郊(1回)、フール町(ハサカ県)近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(1回)、タドムル市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、ワフシーヤ村(アレッポ県、CETNCOM声明によると「ワシーヤ村」)近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われたという。

AFP, October 10, 2015、AP, October 10, 2015、ARA News, October 10, 2015、Champress, October 10, 2015、al-Hayat, October 10, 2015、Iraqi News, October 10, 2015、Kull-na Shuraka’, October 10, 2015、al-Mada Press, October 10, 2015、Naharnet, October 10, 2015、NNA, October 10, 2015、Reuters, October 10, 2015、SANA, October 10, 2015、UPI, October 10, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がハマー県北部のアトシャーン村、スカイク丘を制圧し、イドリブ県ハーン・シャイフーン市への進路を確保(2015年10月10日)

ハマー県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍がラターミナ町、アトシャーン村、スカイク丘一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)などの拠点を空爆、戦闘員50人を殲滅、拠点・装備を破壊し、アトシャーン村、スカイク丘一帯を完全制圧した。

シリア人権監視団によると、シリア軍がアトシャーン村一帯、とりわけ同村とイドリブ県ハーン・シャイフーン市の間に位置するスカイク丘を制圧したことで、同地の拠点都市であるハーン・シャイフーン市への進路が確保されたという。

SANAによると、シリア軍はまた、ウンム・ハーラタイン村でヌスラ戦線の拠点を攻撃し、戦闘員75人を殲滅したという。

さらにシリア軍は、カフルヌブーダ町、カッサービーヤ村、マガッル・ハマーム村、ズィヤーラ町、キャンプ・アルマーン一帯で、ヌスラ戦線などの拠点を空爆した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月11日付)は、複数の地元消息筋の話として、カフルヌブーダ町近郊のジャイイド村にシリア軍ヘリコプターが墜落したと伝えた。

墜落したヘリコプターは反体制武装集団の対地上兵器の攻撃を受け、被弾し、墜落したという。

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イドリブ県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市で、ファトフ軍の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍が、サルマー町、ジュッブ・アフマル村、アブー・リーシャ村、ルワイサト・タンブール村を空爆し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、県北部の丘陵地帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラーとファトフ軍が交戦した。

また、ロシア軍の空爆と並行して、カフルダルバ村一帯で、シリア軍と反体制武装集団と交戦した。

シリア軍はさらに、サルマー町一帯を砲撃した。

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クナイトラ県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍と人民防衛諸集団がカブア丘で反体制武装集団を攻撃、同地を奪還、完全制圧した。

シリア軍はまた、ナブア・サフル村で反体制武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊とシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団がカブア丘一帯で交戦した。

またジハード主義武装集団は、シリア政府支配下のバアス市、ハーン・アルナバ村、シャッアール丘一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍がカフルシャムス町、シャイフ・マスキーン市、西ガーリヤ村、ヒルバト・ガザーラ町南東部でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍はラスタン・ダム一帯、ウンム・シャルシューフ村、ハラーリーヤ村、フーシュ・ザバーディー村、ガントゥー市、アシュラフィーヤ村、アブー・サナースィル丘、サアン・アスワド村で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月10日付)によると、アル=カーイダ系組織のシャーム自由人イスラーム運動が、ヒムス市ワーディー・ザハブ地区でシリア軍のハサン・マフムード・イーサー大佐を暗殺した。

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アレッポ県では、SANA(10月10日付)によると、シリア軍がアレッポ市西部科学研究センター一帯、マンスーラ村、ワディーヒー村、フライターン市一帯、ナイラブ航空基地一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(10月10日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団が交戦した。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(10月10日付)によると、シリア軍がバイト・サワー村一帯を空爆し、一家7人全員が死亡、15人が負傷した。

AFP, October 10, 2015、AP, October 10, 2015、ARA News, October 10, 2015、October 11, 2015、Champress, October 10, 2015、al-Hayat, October 10, 2015、Iraqi News, October 10, 2015、Kull-na Shuraka’, October 10, 2015、al-Mada Press, October 10, 2015、Naharnet, October 10, 2015、NNA, October 10, 2015、Reuters, October 10, 2015、SANA, October 10, 2015、UPI, October 10, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍がシリア各地に過去最大規模の爆撃を実施(2015年10月10日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、ロシア軍が過去24時間で、ダーイシュ(イスラーム国)など国際テロ組織の拠点・標的55カ所に、64回の空爆を行った、と発表した。

1日に64回という空爆の規模は、9月30日にロシア軍がシリア領内での空爆を開始していた以降最大。

コナシェンコフ報道官によると、空爆は、Su-34、Su-24M、Su-25Mによって行われ、『ハヤート』(10月11日付)によると、ロシア軍の空爆は、ダマスカス郊外県、アレッポ県、ハマー県、ラッカ県、イドリブ県、ラタキア県に及んだ。

ハマー県では、コナシェンコフ報道官によると、ロシア軍は、ダーイシュの司令拠点2カ所、教練キャンプ29カ所、防衛拠点23カ所を破壊した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(10月10日付)は、ロシア軍が、タマーニア町を空爆し、一家6人が死亡したと伝えた。

またロシア軍高官によると、アレッポ県において、ロシア軍は、タッル・アラム村一帯を空爆し、ダーイシュの拠点1カ所を破壊したという。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機が、ラタキア県北部(クルド山一帯)を空爆した。

https://youtu.be/iLS3iOxciEM

AFP, October 10, 2015、AP, October 10, 2015、ARA News, October 10, 2015、Champress, October 10, 2015、al-Hayat, October 10, 2015、Iraqi News, October 10, 2015、Kull-na Shuraka’, October 10, 2015、al-Mada Press, October 10, 2015、Naharnet, October 10, 2015、NNA, October 10, 2015、Reuters, October 10, 2015、SANA, October 10, 2015、UPI, October 10, 2015などをもとに作成。

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シリア領空での爆撃作戦を調整するための米ロシア協議再開の準備整う(2015年10月10日)

AFP(10月10日付)によると、米国防総省は、米国とロシアの間で、シリア領空での空爆作戦を調整するための協議を再開する準備が整ったと発表した。

ピーター・クック国防総省次官は「国防総省は、ロシア外務省から、シリア領内での空爆作戦の安全保障に関する提案についての正式な回答を得た」としたうえで、国務総省高官がこの回答について検討、今週中にロシア側との協議が再開できるだろうと述べた。

AFP, October 10, 2015、AP, October 10, 2015、ARA News, October 10, 2015、Champress, October 10, 2015、al-Hayat, October 10, 2015、Iraqi News, October 10, 2015、Kull-na Shuraka’, October 10, 2015、al-Mada Press, October 10, 2015、Naharnet, October 10, 2015、NNA, October 10, 2015、Reuters, October 10, 2015、SANA, October 10, 2015、UPI, October 10, 2015などをもとに作成。

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ドイツに入国したシリア難民のうち3分の2がシリア政府の暴力、3分の1がダーイシュ(イスラーム国)の暴力から逃れて移民(2015年10月10日)

『ハヤート』(10月11日付)は、ドイツに入国したシリア難民を対象とした世論調査の結果、92%の回答者が国内での暴力を逃れてきたと回答した。

同報道によると、そのうち約3分の2がシリア軍の暴力、3分の1がダーイシュ(イスラーム国)の暴力を逃れてきたと回答したという。

世論調査は、シリア難民を支援するベルリンの社会学センターの研究スタッフの支援のもと、9月24日から10月2日にかけてドイツ国内(ベルリン、ハノーバー、ブレーメンなど5都市)で居住するシリア難民889人を対象に実施された。

また52%の回答者が、帰国を検討するにあたって、アサド大統領が退任すべきだと答えた。

ドイツに留まりたいと答えた回答者は8%だけだった。

一方、58%の回答者が、欧州あるいは国際社会が、シリア軍の「樽爆弾」投下を阻止するための飛行禁止空域をシリア領内に設置すれば、シリア国内にとどまっていただろうと答え、24%の回答者が、人道支援の増大があれば、シリア国内にどまっていただろうと答えた。

また、86%の回答者が、シリア国内にとどまっていたら、逮捕、拉致されると恐れていたと回答、うち77%が政府によって、42%がダーイシュによって拉致されることを恐れていたと答えた。

他方、シリアでの紛争の原因に関しては、回答者の79%がシリア政府によるデモへの軍事的弾圧を、31%がダーイシュなどジハード主義武装集団の暴力が主因だと答えた。

また、回答者の8%が紛争下での兵役を嫌って難民となったと回答、うち75%がシリア軍の兵役忌避者だった。

兵役忌避者の84%は国民を殺すことを嫌い、また21%は死ぬことを恐れて、難民となったという。

AFP, October 10, 2015、AP, October 10, 2015、ARA News, October 10, 2015、Champress, October 10, 2015、al-Hayat, October 10, 2015、Iraqi News, October 10, 2015、Kull-na Shuraka’, October 10, 2015、al-Mada Press, October 10, 2015、Naharnet, October 10, 2015、NNA, October 10, 2015、Reuters, October 10, 2015、SANA, October 10, 2015、UPI, October 10, 2015などをもとに作成。

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ムジャーヒディーン軍がアレッポ市でロシア軍偵察機を撃墜か?(2015年10月10日)

ムジャーヒディーン軍のアレッポ市ラーシディーン地区作戦司令室のアミーン大尉を名乗る戦闘員は、クッルナー・シュラカー(10月10日付)に対して、7日にハーン・アサル村近郊で、ロシア軍の偵察機を撃墜したと述べた。

Kull-na Shuraka', October 10, 2015
Kull-na Shuraka’, October 10, 2015

AFP, October 10, 2015、AP, October 10, 2015、ARA News, October 10, 2015、Champress, October 10, 2015、al-Hayat, October 10, 2015、Iraqi News, October 10, 2015、Kull-na Shuraka’, October 10, 2015、al-Mada Press, October 10, 2015、Naharnet, October 10, 2015、NNA, October 10, 2015、Reuters, October 10, 2015、SANA, October 10, 2015、UPI, October 10, 2015などをもとに作成。

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