有志連合はシリア領内で2回爆撃を実施(2015年10月16日)

米中央軍(CENTCOM)は、10月16日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して21回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回実施され、ラッカ市近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, October 17, 2015をもとに作成。

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シリア人権監視団は紛争による死者数が25万人を越えたと発表、反体制武装集団の死者を民間人として集計(2015年10月16日)

シリア人権監視団は、2011年3月18日から2015年10月15日までのシリアでの紛争による死者数が25万人を越えたと発表した。

同監視団によると、死者総数は25万124人で、内訳は以下の通りだという。

民間人:11万5,627人(うち子供(18歳未満)は1万2,517人、18歳以上女性は8,062人、戦闘部隊およびイスラーム主義部隊の戦闘員は4万1,201人)

離反兵:2,551人

シリア軍:5万2,077人

国防隊、バアス大隊、人民諸委員会、シリア民族社会党、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線、シャッビーハ、パレスチナ解放軍、体制への内通者:3万5,235人

ヒズブッラー戦闘員:971人

イラン、アフガニスタン、アジア諸国、アラブ諸国国籍のシーア派親体制戦闘員、パレスチナ人のクドス旅団、アラブ国籍の親体制武装集団:3,395人

ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線、ジュヌード・シャーム、ジュンド・アクサー、ジュンド・シャーム機構、ハドラー大隊、トルキスターン・イスラーム党、チェチェン・ジュヌード・シャームなどイスラーム主義運動に参加して戦闘を行う湾岸、北アフリカ、エジプト、イエメン、イラク、レバノン、パレスチナ、ヨルダン、スーダンなどアラブ諸国国籍の戦闘員、欧州、ロシア、中国、インド、アフガニスタン、チェチェン、米国、オーストラリア国籍の戦闘員:3万7,010人

身元:3,258人

なお上記の死者数には、シリア当局による逮捕者で消息が不明な者、シリア軍・国防隊の行方不明者2万人以上、戦闘部隊、イスラーム主義部隊、ダーイシュ、ヌスラ戦線、人民防衛隊の行方不明者1,500人以上、シリア軍による捕虜7,000人以上、戦闘部隊、イスラーム主義部隊、ダーイシュ、ヌスラ戦線、人民防衛隊による捕虜約2,000人、人民防衛隊の外国人戦闘員数百人は含まれないという。

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シリア人権監視団の死者数統計における政治的偏向については、青山弘之・浜中新吾「シリア人権監視団発表の死者数統計に潜む政治的偏向」Synodos、2015年7月17日を参照のこと。


AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県東部、ハマー県東部、ヒムス県中部でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年10月16日)

アレッポ県では、SANA(10月16日付)によると、シリア軍がアレッポ市東部航空士官学校一帯、サフィーラ市東部、シャワーヤー丘、マダーファ丘、ムスリミーヤ村、フライターン市、サブイーン丘、バクジーヤ村、カフル・カルミーン村で反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月16日付)によると、シリア軍がイスリヤー村、ウカイリバート町、マスウーディーヤ村、ラフジャーン村、カスル・ブン・ワルダーン村、アンカーウィー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月16日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市、タフハ村、シャーイル・ガス採掘所一帯、タドムル市郊外三角地帯、柑橘農園一帯、サワーナ町一帯、ハヤワーニーヤ村、ラスム・アルナブ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、ARA News(10月16日付)によると、ハサカ市東部のカウカブ山にあるシリア軍連隊基地一帯で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続いた。

AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市南部、ダマスカス郊外県東グータ地方の失地を回復(2015年10月16日)

アレッポ県では、SANA(10月16日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、アレッポ市南部で反体制武装集団と交戦し、アブティーン村、ハッダーディーン村、カサーラート村、畜産農場地区を制圧した。

シリア軍はまた、ナイラブ航空基地一帯、タッル・シャイール村、ワディーヒー村、アレッポ市サーフール地区、バニー・ザイト地区、ライラムーン地区で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

これに関して、AFP(10月16日付)は、シリア軍消息筋の話として、シリア軍が16日早朝、ヒズブッラーおよびイラン・イスラーム革命防衛隊の戦闘員数百人の支援を受け、アレッポ市南部での大規模作戦を開始したと伝えた。

またシリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外では、イランとヒズブッラーの軍事専門家の支援を受けたシリア軍がアブティーン村一帯に進軍し、ジハード主義武装集団と交戦し、またサービキーヤ村一帯の拠点を奪還したとの情報が流れた。

シリア軍はまた、ロシア軍の空爆と並行して、ハーン・トゥーマーン村、アブティーン村一帯、ワディーヒー村を空爆した。

これに対して、ジハード主義武装集団は、アッザーン山、ワディーヒー村でシリア軍将兵6人を捕捉した。

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シリア軍武装部隊総司令部報道官は、ダマスカス県ジャウバル地区、ダマスカス郊外県東グータ地方でのシリア軍の軍事作戦により、ハラスター市とドゥーマー市を見下ろすすべての丘陵地帯、リーマー水道会社、ハラスター市内の建物群25カ所、ジャウバル区建物群複数カ所を制圧し、反体制武装集団の司令拠点、通信拠点複数カ所を破壊した、と発表した。

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ダルアー県では、SANA(10月16日付)によると、ダルアー市カッダーフ・ビル東部一帯で、シリア軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月16日付)によると、シリア軍がマンスーラ村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月16日付)によると、シリア軍がタスニーン村、ジャッブーリーン村一帯、ティールマアッラ村、タルビーサ市、サムアリール村、サアン・アスワド村、北サアン村、ウンム・シャルシューフ村、ウンク・ハワー村、バルグースィーヤ村、カフルラーハー市で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍の空爆と並行して、シリア軍がタルビーサ市一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

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ラタキア県では、シリア軍武装部隊総司令部報道官によると、シリア軍は、ジュッブ・アフマル村、ラビーア町一帯で反体制武装集団への攻撃を続け、支配地域を拡大した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(10月16日付)によると、サルキーン市で爆弾が仕掛けられた車3台が相次いで爆発した。

死傷者はなかった。

AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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ロシア参謀本部のカルタポロヴ作戦部長「9月30日以降の爆撃でダーイシュなどの拠点380カ所以上に600回以上の爆撃を実施」(2015年10月16日)

ロシア参謀本部のアンドレイ・カルタポロヴ作戦部長は記者会見を開き、9月30日に開始されたロシア軍によるシリア国内での作戦により、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点380カ所以上に対して600回以上の空爆を実施したと発表した。

カルタポロヴ作戦部長によると、このうち過去1週間でのロシア軍戦闘機の出撃回数は394回におよび、これにより、司令通信本部46カ所、爆発物製造工場6カ所、燃料庫22カ所、教練キャンプ272カ所、拠点456カ所を破壊し、テロ組織のインフラに大打撃を与えたという。

カルタポロヴ作戦部長はまた、シリア、イラク、イランの空軍がロシア軍との調整のもとにダーイシュなどに対する特殊任務を遂行していると強調するとともに、「シリア国内でロシア軍の統合軍事基地を設置する可能性がある」とのドミトリー・ペスコフ大統領府報道官の発言については、ロシア軍の総司令官である大統領の決定に従うと述べた。

一方、ロシア軍将兵がシリア軍地上部隊に参加しているとの情報については、これを否定した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊の進軍と並行するかたちで、ロシア軍戦闘機がハーン・アサル村、ハーディル村、ハーン・トゥーマーン村一帯を空爆した。

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ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、カザフスタン北部ブラバイで開かれた独立国家共同体(CIS)首脳会議で演説し、そのなかでシリア情勢に関して、「ロシア軍の空爆が具体的な成果を達成している」と述べるとともに、「より広範な対テロ同盟の結成」を呼びかけた。

AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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トルコ軍が領空侵犯した所属不明の無人航空機を撃墜、米国はロシア機だと疑う(2015年10月16日)

『ハヤート』(10月17日付)によると、トルコ軍は、トルコ空軍戦闘機が、トルコ領空を侵犯した所属不明の無人航空機を撃墜したと発表した。

NTV(10月16日付)によると、撃墜された無人航空機は、国境から約3キロのトルコ領内の地点に墜落した。

トルコ政府高官はロイター通信(10月16日付)に対して、撃墜された航空機が「無人航空機であり、我々の国籍を特定しようとしている」と述べた。

また、米政府高官(匿名)はロイター通信に対して、トルコ軍が撃墜した無人航空機が、シリアに展開しているロシア軍の無人航空機であると疑っていると述べた。

これに対して、ロシア国防省は、シリア領内で任務についているロシア軍戦闘機が無事基地に帰還したとしたうえで、「すべての無人航空機は計画に従って作戦に従事している」と発表した。

AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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ヒズブッラーがベカーア県のダーイシュ(イスラーム国)とヌスラ戦線の拠点を砲撃(2015年10月16日)

マナール・チャンネル(10月16日付)によると、ヒズブッラー戦闘員がベカーア県バアルベック郡ラアス・バアルベック村近郊で、ダーイシュ(イスラーム国)、シャームの民のヌスラ戦線の拠点を砲撃し、戦闘員5人を殺害した。

AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Qanat al-Manar, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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フランスのオランド大統領「ロシア軍の爆撃はアサドを救うことにはならない」(2015年10月16日)

フランスのフランソワ・オランド大統領は欧州議会出席のために訪問しているブリュッセルでの記者会見で、ロシア軍のシリアへの介入に関して「シリアの現政権を強化するかもしれないが、バッシャールを救うことはない…。政治的移行プロセスに迅速に向かわねばならない…。バッシャールがシリアの未来にいてはならない」と述べた。

オランド大統領はまた「民間人への空爆、とりわけシリア政府による空爆を停止することが肝要だ」と付言した。
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トルコの大統領府は声明を出し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とバラク・オバマ米大統領が電話会談でシリア情勢などについて意見を交わしたと発表した。

声明によると、電話会談では、ダーイシュ(イスラーム国)への軍事的圧力を強めるとともに、シリアでの政治的移行にふさわしい状況を創出するべく「穏健な反体制派」を強化することを確認したという。

AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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米国防総省報道官「米国が投下した50トンの弾薬の一部はYPGに渡っている可能性がある」(2015年10月16日)

米国防総省のピーター・クック報道官は、米国がシリア北部で活動するシリア・アラブ同盟に対して約50トンの弾薬を投下したことに関して、「シリアのアラブ人武装勢力のためのものだと理解しているが、現地には他の反体制組織もおり、これらの組織が武器の一部を手にし得る可能性はある」と述べ、弾薬の一部が西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊にも供与されている可能性を示唆した。

ARA News(10月16日付)が伝えた。

AFP, October 16, 2015、AP, October 16, 2015、ARA News, October 16, 2015、Champress, October 16, 2015、al-Hayat, October 17, 2015、Iraqi News, October 16, 2015、Kull-na Shuraka’, October 16, 2015、al-Mada Press, October 16, 2015、Naharnet, October 16, 2015、NNA, October 16, 2015、Reuters, October 16, 2015、SANA, October 16, 2015、UPI, October 16, 2015などをもとに作成。

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