米軍はダイル・ザウル県の油田地帯で地上作戦(降下作戦)を実施、ダーイシュ戦闘員と交戦、少なくとも1人を拘束(2015年10月21日)

ダイル・ザウル県では、ARA News(10月22日付)が、マヤーディーン市のヤースィル・ダイリーを名乗るメディア活動家の情報として、米軍のヘリコプター6機がダイル・ザウル市東部のウマル油田一帯で、特殊部隊を降下させ、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦、少なくともメンバー1人を拘束した、と伝えた。

この活動家によると、米軍は降下作戦を行う前、ウマル油田地帯を激しく空爆していたという。

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一方、これに関して、有志連合の合同司令部は22日、ダイル・ザウル市近郊のウマル油田に対して21日深夜に空爆を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の資金収集能力に影響を及ぼすことになろう、と発表した。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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有志連合はシリア領内で8回の爆撃を実施(2015年10月21日)

米中央軍(CENTCOM)は、10月21日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して22回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は8回実施され、ラッカ市近郊(1回)、ワースィヤ村近郊(1回)、マーリア市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(5回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, October 22, 2015などをもとに作成。

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イランのアブドゥッラフヤーン外務副大臣「イランはアサド大統領を永遠に権力の座にとどまらせようとはしていない」(2015年10月21日)

イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)は訪問先のロンドンでフィリップ・ハモンド外務大臣と会談し、シリア情勢、ダーイシュ(イスラーム国)対策などについて意見を交わした。

ARA News(10月22日付)によると、会談でアブドゥッラフヤーン外務大臣は「イランはアサド大統領を永遠に権力の座にとどまらせようとはしていない…。シリア国民がいかなる決定をも支持する」と述べたという。

AFP, October 22, 2015、AP, October 22, 2015、ARA News, October 22, 2015、Champress, October 22, 2015、al-Hayat, October 23, 2015、Iraqi News, October 22, 2015、Kull-na Shuraka’, October 22, 2015、al-Mada Press, October 22, 2015、Naharnet, October 22, 2015、NNA, October 22, 2015、Reuters, October 22, 2015、SANA, October 22, 2015、UPI, October 22, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合がダマスカス郊外県で新たな武装連合「激戦の兵」を結成(2015年10月21日)

ダマスカス郊外県で活動するアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合が共同声明を出し、「激戦の兵」(ジュンド・マラーヒム)の名で新たな合同作戦司令室を結成、ロシア軍の介入に対抗すると発表した。
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一方、ハマー県で活動する革命フィダーイーン運動も声明を出し、中部師団に合流すると発表した。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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カタールのアティーヤ外務大臣「軍事介入が、シリア国民を政権の蛮行から守ることになるのなら、我々はそれを行う」(2015年10月21日)

カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣は米CNN(10月21日付)とのインタビュー(http://edition.cnn.com/videos/tv/2015/10/21/qatars-role-in-syria.cnn)で、シリア情勢に関して、軍事介入という選択肢を排除しない、と述べた。

アティーヤ外務大臣は、サウジアラビアやトルコがシリアに軍事介入した場合、これを支持するかとの質問に対して、「シリア国民とシリア国民を分裂から守ることであればいかなることであっても、我々はサウジとトルコの同胞とともに行う努力を惜しまない。それがどのようなことであってもだ」と述べた。

アティーヤ外務大臣はそのうえで「もし軍事介入が、シリア国民を政権の蛮行から守ることになるのなら、我々はそれを行うだろう」と強調した。

アティーヤ外務大臣はしかし「我々はいかなる対決も恐れないが、それゆえに我々は強い立場で対話を呼びかけている。なぜなら、我々は平和を信じており、平和への最短路が直接対話にあると考えているからだ」とも述べ、軍事衝突ではなく政治解決を追求しているとも付言した。

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アティーヤ外務大臣のCNNでの発言に対し、シリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は「もしカタールがシリアに軍事的に介入すると脅迫すれば、我々はそれを直接の攻撃だとみなすだろう…。我々の対応は極めて厳しいものとなろう」とコメントした。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、CNN, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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トルコのダウトオール首相「アサドがモスクワに長期滞在していたらよかった。そうすれば彼の国民は平和を取り戻し、移行期を開始できるからだ」(2015年10月21日)

トルコのアフメト・ダウトオール首相は、アサド大統領のモスクワ電撃訪問を受け、記者会見でシリア情勢に関して「シリアの移行期にアサドがいることはあってはならず、その退陣を含むかたちで移行期は進められるべきだ。アサドの退任を含んださまざまな提案が強調されるべきだ」と述べた。

ダウトオール首相はまた「トルコの対シリア政策は極めて明白で、我々は、国民に蛮行をはたらく指導者は正統性などないと見ている」と付言した。

さらにアサド大統領のモスクワ電撃訪問について聞かれると、興奮気味に「アサドがモスクワに長期滞在していたらよかった…。そうすれば彼の国民は平和を取り戻し、移行期を開始できるからだ」と答えた。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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フランスのオランド大統領「アサドの立場を強めるようないかなる行動をも阻止すべき」(2015年10月21日)

フランスのフランソワ・オランド大統領は、マリ大統領との会談後の記者会見でシリア情勢に触れ、「アサドの立場を強めるようないかなる行動をも阻止すべきだ。彼こそが問題であって、解決策になることはない」と述べた。

『ハヤート』(10月22日付)が伝えた。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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タッル・アブヤド市が西クルディスタン移行期民政局の4番目の行政地区に格上げ(2015年10月21日)

クッルナー・シュラカー(10月21日付)などによると、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党は公式サイトで、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が今年6月に制圧したラッカ県のタッル・アブヤド市(クルド語名ギレ・スピ)一帯が、4番目となる「地区」へと格上げになった、と発表した。

ギレ・スピ地区の新設は、21日晩にタッル・アブヤド市で、同市の自治を担う「タッル・アブヤド/ギレ・スピ名士会」結成会合が開催されたことを受けたもの。

会合には、地元名士、西クルディスタン移行期民政局コバネの代表団、そして人民保護部隊の渉外組織局のフサイン・クージャル氏、ユーフラテスの火山作戦司令室のシャルファーン・ダルウィーシュ報道官らが出席した。

この会合ではまた、「タッル・アブヤド/ギレ・スピ名士会」結成を受け、ギレ・スピ地区の自治を担う各委員会の委員長(閣僚に相当)が発表された。

発表された各委員会の代表は以下の通り:

タハーミー・ハッジ・アブドゥッラー教育委員会委員長

ムハンマド・ターハー農業委員会委員長

バーンキーン・ハッジ・アブドゥー保健委員会委員長

イブラーヒーム・ハリール・ハサン法務委員会委員長

フーリーヤ・ガーニム女性問題担当委員会委員長

マディーナ・ムスリム地方自治委員会共同委員長

ムハンマド・ハッジ・アブドゥッラー地方自治委員会合同委員長

ハーリド・ブーザーン総務関係委員会委員長

ハッジ・イスマーイール・アイダーン宗教問題担当委員会委員長

イブラーヒーム・イーサー・イブラーヒーム社会正義委員会委員長

西クルディスタン移行期民政局は、支配地域をジャズィーラ地区(ハサカ県)、コバネ(アレッポ県北東部)、アフリーン地区(アレッポ県北西部)の三つに分けて自治を行っており、6月に制圧されたタッル・アブヤド市一帯はコバネに編入されていた。


AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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シリア軍はヒムス県、ハマー県、アレッポ県などでダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続ける(2015年10月21日)

ヒムス県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍がカルヤタイン市、シャーイル・ガス採掘所一帯、タドムル市、ウンム・トゥワイナ村、ムシャイリファ村、ラッフーム村でダーイシュ(イスラーム国)拠点をで空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍がカスル・ブン・ワルダーン村、ミンタール村、ラフジャーン村、ウンム・ジュバイス村、ラスム・ハマーム村、ティワール・ダッバーギーン村、クライブ・サウル村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍がタッル・アラム村、ウンム・アマド村、ラドワーニーヤ村、タッル・イスタブル村、フマイマ村、マフラサ村、ジュッブ・サファー村、アイン・サービル村、ダクワーナ村、マスカナ市でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、クワイリス航空基地一帯でダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(10月21日付)によると、アイン・アラブ市郊外のスィッリーン町、カラ・クーザーク橋一帯にダーイシュ(イスラーム国)が進軍、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がこれを撃退した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村、ジャフラ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がダマスカス郊外県、アレッポ市南部一帯などで反体制武装集団に対して攻勢を続ける(2015年10月21日)

ダマスカス郊外県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍がハラスター市のマジュバル地区を、反体制武装集団との戦闘の末に制圧した。

シリア軍はまた、カラムーン地方無人地帯各所、マルジュ・スルターン飛行場西部一帯で、反体制武装集団拠点を空爆した。

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アレッポ県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍が、アレッポ市南部のハーン・トゥーマーン村、ズィルバ村、アーミリーヤ村、ハーディル村、ナイラブ航空基地一帯で、反体制武装集団の拠点に対する空爆など掃討作戦を継続した。

シリア軍はまた、アレッポ市ラームーサ地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区、カルム・ジャバル地区、ラーシディーン地区、シャッアール地区で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

クッルナー・シュラカー(10月21日付)によると、アレッポ市西部のザフラー協会地区では、反体制武装集団がシリア軍と交戦し、兵士10人を殺害した。

一方、ARA News(10月21日付)によると、シリア軍戦闘機がアレッポ市およびその周辺一帯を空爆し、ダイル・ジャマール村にある自由アレッポ県評議会の本部を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍がタルビーサ市、ティールマアッラ村でシャームの民のヌスラ戦線などの拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍はカフルヌブーダ町近郊のジュバイサート農場でシャームの民のヌスラ戦線の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまた、マンスーラ村一帯でもファトフ軍と交戦した。

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イドリブ県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍がハーン・シャイフーン市のファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月21日付)によると、シリア軍が西ガーリヤ村東部、アトマーン村一帯、ブスラー・シャーム市、ダルアー市避難民キャンプ一帯、カタキート工場一帯で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍はシリア国内(ダイル・ザウル県、アレッポ県、ハマー県、イドリブ県、ダマスカス郊外県、ラタキア県)83カ所を爆撃(2015年10月21日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、ロシア軍が過去24時間で、シリア国内のダイル・ザウル県、アレッポ県、ハマー県、イドリブ県、ダマスカス郊外県、ラタキア県のダーイシュ(イスラーム国)など国際テロ組織の拠点83カ所に対して、46回出撃し、空爆を実施したと発表した。

この空爆で、司令拠点16カ所、武器弾薬庫4カ所、爆弾製造工場、基地2カ所、防衛拠点など61カ所を破壊した。

アレッポ県では、アレッポ市近郊のシャームの民のヌスラ戦線が爆弾製造工場としてしようしていたビル複数棟を破壊した。

イドリブ県では、ハーン・シャイフ市近郊のヌスラ戦線の教練キャンプ、Syriatel丘の司令拠点、サルミーン市近郊の拠点、ジスル・シュグール市近郊の基地や武器弾薬庫を破壊した。

これに関して、シリア人権監視団は、ロシア軍が、サルミーン市の野戦病院に対して空爆を行い、医療スタッフを含む13人が死亡したと発表した。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領が電話会談で、トルコ、サウジアラビア、エジプト、ヨルダンの首脳にアサド大統領電撃訪問の成果を報告(2015年10月21日)

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ヴラジミール・プーチン大統領がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領、ヨルダンのアブドゥッラー2世国王と電話会談を行い、シリア情勢などについて意見を交わしたと発表した。

ロシアの複数のメディアが伝えたところによると、エルドアン大統領との電話会談で、プーチン大統領は、アサド大統領のモスクワ電撃訪問の成果を伝えた。

これに対して、複数のトルコ大統領筋によると、エルドアン大統領は電話会談で、アレッポ市およびその周辺地域(とりわけ南部)でのシリア軍による反転攻勢やロシアの空爆が、さらなる難民の発生につながるとの懸念を伝えた。

あるトルコ消息筋によると、「現時点において、我々はシリアからの新たな難民を確認していない。しかし、その(難民流入の)可能性はある」という。

なお、トルコの複数メディアによると、ヒムス県、ハマー県、アレッポ県でのシリア軍の反転攻勢により、数万人が避難を余儀なくされており、そのうちの約5万人が、トルコ語を母語とするトルクメン人で、トルコ当局の支援のもとにトルコ領内に向かっているという。

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一方、ペスコフ報道官によると、サウジアラビアのサルマーン国王との会談で、両首脳は、軍事的プロセスと続くかたちで政治解決を図ることが重要だとの点を確認したという。

『ハヤート』(10月22日付)が伝えた。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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アサド大統領がモスクワを電撃訪問し、プーチン大統領と会談(2015年10月21日)

アサド大統領が、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領の招待を受け、モスクワを電撃訪問し、プーチン大統領、セルゲイ・ラブロフ外務大臣、セルゲイ・ショイグ国防大臣と会談した。

アサド大統領が外国を訪問するのは、2011年3月以降初めて。

SANA, October 21, 2015
SANA, October 21, 2015

SANA(10月21日付)が伝えたところによると、アサド大統領は会談で、シリア情勢、国内での「テロとの戦い」をめぐるシリア軍の作戦計画およびその進捗について説明するとともに、ロシア軍の空爆によってさらに強化されたロシアの支援をシリア国民が高く評価しているとの謝意を伝えた。

アサド大統領はまた、ロシア軍のシリア領内での作戦が国際法および両国政府間の合意に基づくものだと確認し、両国の協力関係が継続し、さまざまな分野で復興が行われることを希望すると述べた。

そのうえで、アサド大統領とプーチン大統領は、シリアの未来に関して、シリア国民が担う必要があることを改めて確認した。

シリア領内でのロシア軍の空爆に関しては、アサド大統領はさらに、テロ組織の伸張を食い止めることに貢献しているとの見方を示す一方、テロ支援を行う諸外国が、テロ組織へのあらゆる支援を停止し、シリア国民が自らの願いを実現し、自らの未来を決することを認めるべきだと強調し、現下の軍事作戦の目的が、紛争の政治的解決を疎外するテロの根絶にあると述べた。

これに対して、プーチン大統領は、シリアにおける軍事、政治両プロセスを支援する用意があると表明した。

また、「テロとの戦い」と並行して、シリアの紛争を政治的に解決するために諸外国と連絡をとると述べた。

SANによると、この会談は2度にわたって行われ、1回目の会談では上記の通り、シリアの政治情勢について意見が交わされ、2度目はそれ以外の諸分野における二国間関係について意見が交わされたという。

また、プーチン大統領主催の晩餐会も行われ、アサド大統領、ドミトリー・メドヴェージェフ首相、ラブロフ外務大臣、ショイグ国防大臣らが出席した。

アサド大統領はすべての日程を終え、21日中にロシアを去った。

https://youtu.be/-ZdvK-XHn8A

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ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は22日、アサド大統領によるモスクワ電撃訪問に関する詳細を追加で明らかにした。

それによると、首脳会談は約3時間続き、そのなかでアサド大統領はまず、プーチン大統領と二者会談を行い、続いてラブロフ外務大臣、ショイグ国防大臣、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記、ミハイル・フラトコフ対外情報庁長官が会談に参加、その後晩餐となり、ドミトリー・メドヴェージェフ首相も加わったという。

AFP, October 21, 2015、AP, October 21, 2015、ARA News, October 21, 2015、Champress, October 21, 2015、al-Hayat, October 22, 2015、October 23, 2015、Iraqi News, October 21, 2015、Kull-na Shuraka’, October 21, 2015、al-Mada Press, October 21, 2015、Naharnet, October 21, 2015、NNA, October 21, 2015、Reuters, October 21, 2015、SANA, October 21, 2015、UPI, October 21, 2015などをもとに作成。

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