米主導の有志連合はシリア領内で9回の爆撃を実施(2015年10月31日)

米中央軍(CENTCOM)は、10月31日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して25回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は9回、フール町近郊(3回)、マーリア市近郊(6回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, November 1, 2015などをもとに作成。

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シリア軍はダルアー市国立病院南部、アレッポ市南部で支配地域を拡大する一方、ダマスカス郊外県、アレッポ市、イドリブ市を激しく爆撃・攻撃し、多数の住民が死傷(2015年10月31日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市、ドゥーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯を「樽爆弾」などで空爆し、子供1人を含む6人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(10月31日付)によると、ドゥーマー市への空爆はロシア軍によるもので、これにより住民4人が死亡、20人以上が負傷したという。

反体制武装集団はこれに対して、ダーヒヤト・アサド町を砲撃した。

一方、SANA(10月31日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、フーシュ・アドマル村およびその周辺、マルジュ・スルターン村一帯、ハラスター市郊外で、イスラーム軍などからなる反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまたダーライヤー市でアジュナード・シャーム・イスラーム連合の拠点に対し特殊作戦を行い、戦闘員10人を殺傷した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハーン・トゥーマーン村、タッル・ハディーヤ村、ダマスカス・アレッポ街道(ハーン・アサル村一帯)を15回にわたり空爆した。

一方、SANA(10月31日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市南部のマルイーン村、ハミーミーヤ村、ハミーディー村、マシュラファ村、スバイヒーヤ村で反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、これらの村を含む50平方キロの地域を制圧した。

シリア軍はまた、アレッポ市マイサル・ジャズマーティー地区、マルジャ地区、ラーシディーン地区でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シャームの民のヌスラ戦線はツイッターを通じて、「アレッポ南部郊外解放の戦い」の開始を宣言した。

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イドリブ県では、マアッラト・ヌウマーン市に対する空爆が実施され、子供3人を含む7人が死亡した。

またアブー・ズフール航空基地では、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、後者の戦闘員が死亡した。

一方、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市でファトフ軍の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、アトシャーン村一帯でのシリア軍との戦闘で、ジハード主義武装集団戦闘員1人が死亡した。

一方、SANA(10月31日付)によると、シリア軍が、ラターミナ町、スカイク村、ムスタリーハ村、ワーディ・ジャッファールなどでファトフ軍の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまたジュッブ・ザアルール村で反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がダルアー市内国立病院南部の建物群22カ所を制圧し、反体制武装集団戦闘員数十人を殲滅し、司令拠点、武器・装備などを破壊した。

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ヒムス県では、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がガントゥー市、アブー・サナースィル丘、ファルハーニーヤ村、タルビーサ市、ティールマアッラ村でシャームの民のヌスラ戦線の拠点などを空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(10月31日付)は、シリア軍戦闘機がタルビーサ市で毒ガスを装填したロケット弾で空爆を行ったと報じた。

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ダマスカス県では、SANA(10月31日付)によると、クスール地区にイスラーム軍が撃った迫撃砲弾1発が着弾し、少女1人が死亡した。

AFP, October 31, 2015、AP, October 31, 2015、ARA News, October 31, 2015、Champress, October 31, 2015、al-Hayat, November 1, 2015、Iraqi News, October 31, 2015、Kull-na Shuraka’, October 31, 2015、al-Mada Press, October 31, 2015、Naharnet, October 31, 2015、NNA, October 31, 2015、Reuters, October 31, 2015、SANA, October 31, 2015、UPI, October 31, 2015などをもとに作成。

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米国が間接支援するYPG主体のアラブ民主軍が「ハサカ県南部郊外解放作戦」の開始を宣言する一方、シリア軍はアレッポ県のダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つマンビジュ市を爆撃し、住民が死傷(2015年10月31日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のアラブ民主軍の総司令部はインターネットを通じて声明を出し、「我々の軍事行動の第1歩の開始を今日宣言する」と発表し、「ハサカ県南部郊外解放作戦」の開始を宣言した。

声明によると、この軍事行動には、シリア民主軍を構成するすべての武装組織が参加、また有志連合との調整のもとに行われている、という。

ユーフラテスの火山作戦司令室のシャルファーン・ダルウィーシュ報道官は、AFP(10月31日付)に対し、作戦が30日晩に開始され、シリア民主軍を構成するすべての武装集団が参加、シャッダーディー市、フール町、マリーシャ村、マルカダ町などダーイシュの支配下にある地域での作戦が遂行されると述べた。

これに関して、ARA News(10月31日付)は、人民防衛隊とサナーディード軍が30日深夜からフール町のダーイシュ拠点複数カ所に対する攻撃を開始したと伝えた。

また、シリア人権監視団によると、フール町とタッル・ハミース市の間に位置するガズィーラ村一帯で、シリア民主軍とダーイシュが交戦した。

さらに、有志連合もシリア民主軍の作戦開始を受け、フール町近郊のダーイシュ拠点を空爆したという。

なお、『ハヤート』(10月12日付)によると「シリア民主軍」は約5万人の兵力を擁し、以下の武装組織が参加しているという:

西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)および女性防衛部隊(YPJ):兵力は2万5,000人

シリア・アラブ同盟(SAC):ハサカ県のアラブ人戦闘員からなり、兵力は1,200人。有志連合から11日にパラシュートでの投下により弾薬を供与された組織。

革命家軍:アレッポ県郊外およびラッカ県のトルコ国境地帯の戦闘員からなり、兵力は2,500~3,000人)

ユーフラテスの火山作戦司令室:兵力は4,000~5,000人

サナーディード軍:ハサカ県のアラブ系部族の民兵で、兵力は700人

ジャズィーラ旅団連合:ハサカ県のアラブ系部族の民兵で、兵力は700人

シリア正教軍事評議会:ハサカ県のシリア正教徒の民兵で、兵力は1,500人

このうちSACは米軍から50トンの弾薬を供与されている。

バラク・オバマ米大統領はまた30日、シリア領内に米特殊部隊50人弱を派遣することに合意したが、特殊部隊はシリア民主軍を支援することが目的だとされている。

Kull-na Shuraka', October 31, 2015
Kull-na Shuraka’, October 31, 2015

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ハナースィル市・イスリヤー村(ハマー県)街道一帯で、シリア軍、国防隊、クドス旅団(パレスチナ人)がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

また、ARA News(10月31日付)によると、シリア軍は30日深夜、ダーイシュの拠点都市の一つマンビジュ市を空爆し、民間人数十人が死傷した。

一方、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がフマイマ村、シャイフ・アフマド村、ウンム・アルキーラ村、アブー・ダンナ村、カスキース村、マスカナ村、ハフサ町でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がラスム・サブア村、ガズィーラ村、フナイフィース村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(10月31日付)によると、シリア軍がラスム・アムーン村、ラスム・ティーナ村、ハムダーニーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(11月1日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるダイル・ザウル市ハミーディーヤ地区、タカーヤー地区、シャイフ・ヤースィーン地区をシリア軍戦闘機が空爆した。

また有志連合はウマル油田一帯のダーイシュ拠点を空爆した。

AFP, October 31, 2015、AP, October 31, 2015、ARA News, October 31, 2015、Champress, October 31, 2015、al-Hayat, November 1, 2015、Iraqi News, October 31, 2015、Kull-na Shuraka’, October 31, 2015、November 1, 2015、al-Mada Press, October 31, 2015、Naharnet, October 31, 2015、NNA, October 31, 2015、Reuters, October 31, 2015、SANA, October 31, 2015、UPI, October 31, 2015などをもとに作成。

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潘国連事務総長「たった1人の人物の進退によって政治交渉のプロセス全体が滞ることは非論理で、受け入れられない」(2015年10月31日)

国連の潘基文事務総長は、スペインの主要紙の共同インタビューに応じ、そのなかでシリア情勢に関して、「たった1人の人物の進退によって政治交渉のプロセス全体が滞ることは非論理で…受け入れられない」と述べた。

『ハヤート』(11月1日付)などが伝えた。

AFP, October 31, 2015、AP, October 31, 2015、ARA News, October 31, 2015、Champress, October 31, 2015、al-Hayat, November 1, 2015、Iraqi News, October 31, 2015、Kull-na Shuraka’, October 31, 2015、al-Mada Press, October 31, 2015、Naharnet, October 31, 2015、NNA, October 31, 2015、Reuters, October 31, 2015、SANA, October 31, 2015、UPI, October 31, 2015などをもとに作成。

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サウジアラビアのジュバイル外務大臣「ロシア、イランとアサド大統領退陣とイラン軍撤退の期日と手段で意見の一致を見なかった」(2015年10月31日)

サウジアラビアのアーディル・ジュバイル外務大臣は、スカイ・ニュース・アラビック(10月31日付)のインタビューに応じ、ウィーンでの30日の外相会合で「バッシャール・アサド退陣の期日と手段」と「外国軍、すなわちイラン軍撤退の期日と方法」の2点をめぐってロシア、イランとの意見の一致を見なかったことを明らかにした。

AFP, October 31, 2015、AP, October 31, 2015、ARA News, October 31, 2015、Champress, October 31, 2015、al-Hayat, November 1, 2015、Iraqi News, October 31, 2015、Kull-na Shuraka’, October 31, 2015、al-Mada Press, October 31, 2015、Naharnet, October 31, 2015、NNA, October 31, 2015、Reuters, October 31, 2015、SANA, October 31, 2015、Sky News Arabic, October 31, 2015、UPI, October 31, 2015などをもとに作成。

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米政府はシリアの反体制派に1億ドルの追加支援を準備(2015年10月31日)

ARA News(10月31日付)などは、アントニー・J・ブリンケン米国務省副長官が、米国がシリアの反体制派に1億ドルの追加支援を行う予定だと述べた、と伝えた。

ブリンケン米国務省副報道官によると、この新規の支援により、2012年以降の米国の反体制派への支援額は5億ドルになる見込みだという。

AFP, October 31, 2015、AP, October 31, 2015、ARA News, October 31, 2015、Champress, October 31, 2015、al-Hayat, November 1, 2015、Iraqi News, October 31, 2015、Kull-na Shuraka’, October 31, 2015、al-Mada Press, October 31, 2015、Naharnet, October 31, 2015、NNA, October 31, 2015、Reuters, October 31, 2015、SANA, October 31, 2015、UPI, October 31, 2015などをもとに作成。

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シリア治安当局はヒムス市バーバー・アムルー地区から避難していた住民約200世帯の帰宅を初めて許可(2015年10月31日)

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(10月31日付)によると、シリアの治安当局(ムハーバラート)は、2012年末のシリア軍によるヒムス市バーブ・アムル地区突入によって避難した同地区住民約200世帯の帰宅を許可した。

バーブ・アムル地区への住民の帰宅を認めたのはこれが初めてだという。

AFP, October 31, 2015、AP, October 31, 2015、ARA News, October 31, 2015、Champress, October 31, 2015、al-Hayat, November 1, 2015、Iraqi News, October 31, 2015、Kull-na Shuraka’, October 31, 2015、al-Mada Press, October 31, 2015、Naharnet, October 31, 2015、NNA, October 31, 2015、Reuters, October 31, 2015、SANA, October 31, 2015、UPI, October 31, 2015などをもとに作成。

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