有志連合がハサカ県、ラッカ県で2回の爆撃を実施(2015年10月13日)

米中央軍(CENTCOM)は、10月13日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は2回実施され、フール町近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)のダーイシュに対して攻撃が行われた。

CENTCOM, October 14, 2015をもとに作成。

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サウジ・フランス首脳会談(2015年10月13日)

サウジアラビアのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王は、リヤドを訪問したフランスのエマニュエル・ヴァルス首相と会談し、シリアを含む中東情勢への対応について協議した。

ヴァルス首相の訪問には、ローラン・ファビウス外務大臣が同行した。

ファビウス外務大臣は、この会談に関して『ハヤート』(10月14日付)に対して、フランス、サウジアラビアのシリア情勢に対する視点が似ていると述べた。

一方、アーディル・ジュバイル外務大臣は、イエメン、イラク、シリア、レバノン情勢をめぐるサウジアラビアとフランスとの意見の一致が「両国にとって希有」と高く評価するとともに、反体制勢力の支援を継続すると強調、また国際社会にも同調を求めた。

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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アムネスティ・インターナショナルは米国が支援を強める民主統一党(PYD)がアラブ系住民に対して強制移住を強いていると非難(2015年10月13日)

アムネスティ・インターナショナルは、「Syria: US ally’s razing of villages amounts to war crimes」と題したレポート(https://www.amnesty.org/en/latest/news/2015/10/syria-us-allys-razing-of-villages-amounts-to-war-crimes/)を発表し、クルド民族主義政党の民主統一党が主導する西クルディスタン移行期民政局が実効支配地域内で住民(アラブ系住民)の強制移住が行われていると指摘、戦争犯罪にあたると非難した。

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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ヌスラ戦線指導者のジャウラーニー氏は声明で、アサド大統領とヒズブッラーのナスルッラー書記長の殺害に対して懸賞金を掛ける一方、チェチェン人にロシアへの報復を呼びかける(2015年10月13日)

アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線の司令官アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏は「ロシアの干渉…最後の賭け」と題した音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=duh1csQ_U6Q&spfreload=10)をインターネットを通じて発表し、コーカサス地方のムジャーヒディーン(チェチェン人)に対して、ロシアを攻撃するよう呼びかけるとともに、アサド大統領やヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の殺害に対して懸賞金を掛けると述べた。

音声声明は20分におよび、そのなかでジャウラーニー氏は以下のように述べた。

「コーカサスのくにの勇敢なるムジャーヒディーンよ…、ロシア軍がシャームの民を一人殺せば、彼らの民を一人殺すがよい。彼らが我らの兵を殺せば、彼らの兵を殺すがよい」。

「バッシャール・アサドを殺害し、彼の物語を終わらせる者に対して300万ユーロの懸賞金を与えよう。彼の部族、家族…であっても、私はアッラーの意志のもとに懸賞金支払いを保証しよう」。

「また、ハサン・ナスルッラーを殺した者にも200万ユーロの懸賞金を与えよう。彼の宗派、彼の部族であっても…」

「ロシアの介入の敗北の兆候は、その行き詰まった開始から目に見えていた。今日までの彼ら(ロシア軍)の空爆は、これまでの政権の空爆に何ら勝るものではなく、無差別で正確さを欠いている…。アッラーの意志によって、彼らはシャームの戸口で敗退するだろう」。

「ロシアの介入は、ムジャーヒディーンが達成した一連の圧倒的勝利を受けたものだ…。その戦果は最終的は(アサド)政権にも及んでいた…。それゆえ、ロシアの介入は、イラン、そしてその同盟者であるヒズブッラーどもの介入が破綻したことを宣言するようなものである」。

「シャームでの戦争は、ロシア人がアフガニスタンで直面した恐怖を忘れさせるほどのものになろう」。

「(シリア国内のすべての反体制組織は、)あらゆる内部衝突を停止し…、西洋とロシアのシャームの土地に対する十字軍的侵略が破綻するときまで対立を猶予すべきだ」。

「ダーイシュ(イスラーム国)が制圧した場所は、政権の深層には達していない」。

「ロシア軍の空爆がファトフ軍の諸派や、政府軍と直接対峙する勢力への攻撃から始まったこと、そして犯罪者である政権が行ってきたことを継続するかたちで、平穏な村々を空爆し、女性、子供を殺していることは驚くべきことではない」。

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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ロシア軍はシリア各地の86カ所を爆撃(2015年10月13日)

ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ報道官は、ロシア軍が過去24時間で、シリア国内のラッカ県、ハマー県、イドリブ県、ラタキア県、アレッポ県の86カ所に対して空爆を実施したと発表した。

空爆には、Su-34、Su-24、Su-25、そしてSu-30戦闘機が参加し、司令拠点、前線参謀司令部、武器弾薬庫、装備集結拠点、爆発物製造工場、キャンプ、基地など「テロ組織」のインフラを破壊したという。

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍はハーン・シャイフーン市の東部および西部前線を空爆した

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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ダマスカスのロシア大使館に迫撃砲弾2発が着弾(2015年10月13日)

ダマスカス県では、『ハヤート』(10月14日付)などによると、アダウィー地区にあるロシア大使館の敷地内に、迫撃砲弾2発が連続して着弾した。

迫撃砲が着弾した際、大使館前では、約300人がロシア軍によるシリアでの空爆を支持する集会を行っており、迫撃砲着弾後も参加者らは「魂と血にかけて、我々はあなたを守る、プーチンよ」などといった連呼し続けたという。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ダマスカスのロシア大使館を狙った迫撃砲攻撃に関して記者会見で、「2発の迫撃砲が着弾した。うち1発は運動場近く、もう1発は住居近くに着弾した」としたうえで、「テロ攻撃」と非難した。

一方、シリア人権監視団は、ロシア大使館への砲撃に関して、「首都ダマスカス周辺のジハード主義武装集団の拠点から発射された」と発表した。

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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シリア軍は「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室やヌスラ戦線との戦闘の末、クナイトラ県アフマル丘を奪還する一方、ダマスカス郊外県、アレッポ県で爆撃激化(2015年10月13日)

クナイトラ県では、SANA(10月13日付)によると、シリア軍は人民防衛諸集団とともに、同県北部の戦略的要衝のアフマル丘で反体制武装集団との交戦、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団を殲滅し、同地を奪還、完全制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、アマル農場一帯、およびシリア軍が奪還したアフマル丘一帯では、「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室に参加していないはずのアル=カーイダ系組織のヌスラ戦線やジハード主義武装集団がシリア軍と交戦、ジハード主義武装集団の戦闘員1人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアイン・タルマー村各所を空爆し、子供2人を含む12人が死亡、数十人が負傷した。

一方、ミスラーバー市・ハムーリーヤ市間の街道で、イスラーム軍が主導する東グータ統一軍事司令部傘下の司法組織「東グータ統一司法評議会」の元判事アブドゥルアズィーズ・ウユーン氏(アブー・アフマド)が何者かに襲撃され、銃殺された。

ウユーン氏は、2ヶ月前に東グータ統一司法評議会において「司法の独立や透明性がない」として辞任していた。

他方、SANA(10月13日付)によると、シリア軍がドゥーマー市、アルバイン市、ハラスター市、アイン・タルマー村で、イスラーム軍と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市内でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦し、シリア軍兵士1人が死亡した。

またARA News(10月13日付)によると、シリア軍がダーラト・イッザ市でシャーム戦線の拠点を空爆し、8人が死亡、数十人が負傷した。

シリア軍はまたハイヤーン町に対しても空爆し、女性、子供を含む10人が死亡した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(10月14日付)は、ダーラト・イッザ市、ハイヤーン町への空爆が、ロシア軍によるもので、これにより住民13人が死亡したと伝えた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はガントゥー市一帯を空爆、またタルビーサ市各所を砲撃した。

一方、SANA(10月13日付)によると、シリア軍が、カフルラーハー市、アブー・サナースィル丘、ハラーリーヤ村、ガジャル村、ジャッブーリーン村一帯、ウンム・シャルシューフ村で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(10月13日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、ラウダ村でシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点などを攻撃し、戦闘員34人(そのほとんどが外国人)を殲滅し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、アラブ系・アジア系外国人戦闘員がサルマー町一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

シリア人権監視団または、ロシア軍が空爆作戦で使用しているフマイミーム航空基地(バースィル・アサド国際空港)がシリア軍・治安当局によって閉鎖されたと発表した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がシリア政府の支配下にあるグール・アースィー村、クバイバート・アースィー村各所を砲撃した。

一方、SANA(10月13日付)によると、シリア軍が反体制武装集団の拠点への空爆を続けた。

他方、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構などからなるファトフ軍の作戦司令室は声明を出し、ハマー市制圧に向けた作戦を開始する、と発表した。

このほか、クッルナー・シュラカー(10月13日付)は、シリアの複数のメディアで、ロシアの多連装ロケットランチャーTOS-A1が、ハマー県北部のシリア軍部隊に配備されたとのニュースが報じられたと伝えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はジスル・シュグール市東部のカニーサ・ナフラ村を砲撃、またイドリブ市東部のタッル・スルターン村を空爆、男性1人が死亡した。

一方、SANA(10月13日付)によると、シリア軍が反体制武装集団の拠点への空爆を続けた。

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、October 14, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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イスラエル軍は「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室やヌスラ戦線に反転攻勢をかけるシリア軍の拠点を攻撃(2015年10月13日)

イスラエル軍は声明を出し、ゴラン高原内のシリア軍拠点2カ所に対して砲撃を行ったと発表した。

砲撃は、シリア領内で発射されたロケット弾複数発が、イスラエル占領下のゴラン高原に着弾したことへの報復で、物的被害、死傷者は出なかったという。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍が「堪え忍ぶ者たちに吉報をもたらせ」合同作戦司令室の制圧下にあるアマル農場一帯に「樽爆弾」、迫撃砲で攻撃を加えていたが、イスラエル占領下のゴラン高原に着弾したロケット弾を、シリア軍、反体制武装集団のいずれが発射したのかは不明だという。

一方、SANA(10月13日付)によると、シリア軍が県北部の戦略的要衝のアフマル丘を奪還するなか、イスラエル軍が、シリア軍の拠点1カ所に対して迫撃砲2発を撃ち込み、物的な被害が出た。

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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シリア軍がヒムス、アレッポ、ラッカ、ダイル・ザウルの各県でダーイシュ(イスラーム国)への攻勢を続ける(2015年10月13日)

ヒムス県では、SANA(10月13日付)によると、シリア軍がシャーイル・ガス採掘所一帯、ハヤワーニーヤ村、ラスム・サワーナ村、ラスム・アルナブ村、タドムル市西部で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、SANA(10月13日付)によると、シリア軍がジュッブ・サファー村、フマイマ村、カスィール・ワルド村、ナースィリーヤ村、ワディーア村、ダクワーナ村、タッル・スース村、サブイーン丘、ナアーム丘一帯、タッル・イスタブル村、タッル・ファーウーリー村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ダーイシュ(イスラーム国)の通信部門アアマーク通信は、アレッポ市北部の歩兵士官学校一帯を、シリア軍との交戦の末に奪還したと発表した。

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ラッカ県では、SANA(10月13日付)によると、シリア軍がラッカ市東部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ARA News(10月13日付)によると、アイン・イーサー市一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

また、タッル・アブヤド市にダーイシュ戦闘員が潜入し、アリー・ブン・アビー・ターリブ・モスクのイマーム、アンマール・ダルウィーシュ氏を暗殺した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(10月13日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(10月13日付)によると、カーミシュリー市南部(コルニーシュ通り)で、何者かによって爆弾が仕掛けられたバイクが爆発し、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュ隊員1人が死亡、住民複数が負傷した。

また、ARA News(10月14日付)によると、ハサカ市東部郊外で、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦した。

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スワイダー県では、SANA(10月13日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、アシュハイブ丘でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, October 13, 2015、AP, October 13, 2015、ARA News, October 13, 2015、October 14, 2015、Champress, October 13, 2015、al-Hayat, October 14, 2015、Iraqi News, October 13, 2015、Kull-na Shuraka’, October 13, 2015、al-Mada Press, October 13, 2015、Naharnet, October 13, 2015、NNA, October 13, 2015、Reuters, October 13, 2015、SANA, October 13, 2015、UPI, October 13, 2015などをもとに作成。

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ロシアのプーチン大統領「欧米諸国は錯乱しており、自分たちの標的が何なのかを理解していない」(2015年10月13日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、VTBキャピタルが主催する第7回投資フォーラムで講演し、米国によるシリア北部への武器投下に関して「これらの武器がテロ組織ダーイシュ(イスラーム国)の手に渡らないという保証はない」と指摘するとともに、「「テロとの戦い」のための協力を求める我々の呼びかけに彼ら(米国)は応えようとしない」と批判した。

プーチン大統領はまた、シリア紛争の解決に向けて、ドミトリー・メドヴェージェフ首相を団長とする大規模使節団を米国に派遣し、協議を行うと表明する一方、ロシア軍のシリア介入を批判する欧米諸国の姿勢について「錯乱しており、実際に何が起きているか、そして自分たちの標的が何なのかについて明確な理解がない」と批判した。

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スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表はロシアのモスクワを訪問し、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、シリア紛争の解決に向けた政治プロセスなどについて意見を交わした。

ラブロフ外務大臣は会談冒頭、紛争解決に向けたプロセスと「テロとの戦い」におけるさまざまな当事者の努力を一つに統合するプロセスとを結びつけるべきだと述べる一方、「一部の国がテロに対する統一戦線結成を遅らせようとしている」との懸念を表明した。

とりわけ、ラブロフ外務大臣は「ワシントンがシリアの反体制派に供与している武器の大部分がテロリストの手に渡っている」と指摘、「反体制派支配地域への弾薬の投下など、シリアの反体制派に対する米国の新たな支援計画には多くの疑問が残る」と批判した。

ラブロフ外務大臣はさらに「米国は昨日、反体制派支援に関するヴィジョンを変更したと発表し、彼らの教練に代えて、弾薬を投下した。しかし、これらの弾薬はどこに行くのか? これらの弾薬は、ダーイシュ(イスラーム国)の手に渡っている「トヨタ」の自動車と同じことになるのではないか…。欧米諸国は以前、モスクワに自由シリア軍と連絡をとるよう忠告してきたが、今度は「シリア民主軍」なる新たな同盟について云々している…。かつてダーイシュと協力し合ってきた組織もこうした同盟に加わっていることに懸念を感じる」と付言した。

そのうえで、「ロシアは、愛国的なシリアの反体制派とテロとの戦いという文脈において調整するが、(反体制派のなかに)世俗的で統一的なシリアの維持に関心がある勢力を見つけることはできない」と述べた。

一方、デミストゥラ共同特別代表は、ラブロフ外務大臣に対して、ロシア軍によるシリア空爆開始を踏まえて、ロシアを含む当事者と協議を行い、紛争終結をめざすと述べる一方で、「軍事介入は長くは続き得ない。また政治プロセスがなければ効果は生じ得ない」と表明した。

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