シリア・ロシア軍戦闘機がヒムス県、ダイル・ザウル県のダーイシュ拠点を爆撃(2016年8月9日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカルヤタイン市郊外、シャーイル油断一帯、ウンク・ハワー村、シャンダーヒーヤ村、ジュッブ・ジャッラーフ町、ウンム・サフリージュ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆、同地およびタドムル市郊外の穀物サイロ地区一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月9日付)によると、シリア軍がジュッブ・ジャッラーフ町に近い西ハブラ村、東ハブラ村、ウンク・ハワー村、ラッフーム村、ラジャム・カスル村東部、ウンム・シャルシューフ村西部、マクサル・ヒサーン村西部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(8月9日付)によると、シリア軍戦闘機がムハイミーダ村を空爆し、住民19人が死亡、数十人が負傷した。

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スワイダー県では、SANA(8月9日付)によると、シリア軍がカスル村、ウルヤー丘東部、ブサイナ丘東部、サアド遺跡、マスィーダ村、ラジャム・ダウラ村、サーキヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

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アレッポ県では、ARA News(8月9日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室が県北部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、カサージク村、タッル・シャイール村を制圧した。

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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BBCはシリア領内で任務につく英特殊部隊の写真を入手・公開(2016年8月9日)

BBC(8月9日付)は、シリア国内で任務につく英特殊部隊の車輌や兵士の写真を公開した。

写真の撮影日付は、ダーイシュ(イスラーム国)がヒムス県の対イラク国境に位置するタンフ国境通行所一帯に展開する「新シリア軍」の基地を襲撃した2016年6月で、撮影された英特殊部隊は「新シリア軍」の基地一帯を守るために展開していたものと思われる。

BBCによると、新シリア軍の報道官は写真についてのコメントを拒否、「我々は英国と米国から特殊訓練を受けている。我々はまた、航空支援と合わせてペンタゴンから武器・装備を支給されている」と述べるのとどまったという。

BBC, August 9, 2016
BBC, August 9, 2016

 

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、BBC, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領が昨年11月のロシア軍機撃墜事件以降初めて会談、シリア情勢への対応を協議するため特別会合を設置し集中審議(2016年8月9日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアを訪問し、サンクトペテルブルクでヴラジミール・プーチン大統領と会談した。

エルドアン大統領の外遊は、7月16日のクーデタ未遂事件発生以降初めて。

またプーチン大統領との会談も、2015年11月にトルコ軍戦闘機がシリア・トルコ国境地帯でシリア駐留ロシア軍戦闘機を撃墜し、両国関係が悪化して以降初めて。

なお、この事件に関して、エルドアン大統領は、クーデタ未遂事件が発生する直前の6月27日にロシア側に対して正式な謝罪を行っていた。

また、クーデタ未遂事件以降、エルドアン大統領が強権的な姿勢を強めたことに、欧米諸国が反発を強めるなか、プーチン大統領はクーデタ未遂事件発生直後にエルドアン大統領に指示を表明しており、こうした一連の動きのなかで両国の緊張が緩和、今回の首脳会談が実現した。

ARA News, August 9, 2016
ARA News, August 9, 2016

シリア情勢をめぐって、両首脳は、外務大臣、国防大臣、治安機関幹部を同席させた非公開の特別会合を設け、集中審議を行う予定。

その詳細は明らかではないが、『ハヤート』(8月10日付)などによると、「シリアにおける事態収拾にむけた共通の理解に達すること」がめざされているという。

プーチン大統領は、エルドアン大統領との共同記者会見で、現下のシリアの紛争を解決するための工程に関して、ロシアとトルコは「常に一致していた訳ではない」としつつ「共通の目標があり、我々はすべての当事者が満足するような解決策を検討する」と述べた。

また、両国首脳会談の目的が「ロシアとトルコの協力再開の仕組みを構築」することにあると強調、「最優先事項は、二国間関係を以前のレベルに戻し、Su24撃墜事件に伴う危機を乗り越えることにある」と強調した。

そのうえで、2015年11月以降にロシア側は科したガス・パイプライン(トゥルク・ストリーム)、原子力発電所建設計画への支援、観光・通商・経済協力の再開の必要を強調した。

これに対して、エルドアン大統領はプーチン大統領を「親友」と呼び、両国の関係改善に向けた詳細且つ本質的な議論を行うと述べるとともに、「すべての当事者、とりわけロシアの友人とともにテロとの戦いを継続することが重要だ」と強調した。

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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ロシア空軍長距離爆撃機とシリア軍戦闘機がヒムス県東部のダーイシュ拠点を爆撃(2016年8月8日)

ヒムス県では、ロシア国防省の声明によると、長距離爆撃機6機がロシア国内の基地から出撃し、県東部のスフナ市一帯、アーラーク村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

また、SANA(8月8日付)によると、シリア軍が県東部のアーラーク油田一帯、マヌーフ村、ウンク・ハワー村、ジュッブ・ジャッラーフ町一帯、カルヤタイン・ダム北部、ウンム・サフリージュ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して空爆を実施した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマンビジュ市内に潜伏していたダーイシュ(イスラーム国)の残党の掃討を完了した。

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ハマー県では、SANA(8月8日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がアブー・アラーヤー村を砲撃した。

AFP, August 8, 2016、AP, August 8, 2016、ARA News, August 8, 2016、Champress, August 8, 2016、al-Hayat, August 9, 2016、Iraqi News, August 8, 2016、Kull-na Shuraka’, August 8, 2016、al-Mada Press, August 8, 2016、Naharnet, August 8, 2016、NNA, August 8, 2016、Reuters, August 8, 2016、SANA, August 8, 2016、UPI, August 8, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍がファトフ軍支配下のイドリブ県での爆撃を継続するなか、シリア軍はラタキア県キンサッバー市一帯の治安と安定を回復(2016年8月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がイドリブ市を白リン爆弾で空爆した。

ロシア軍はまた、サラーキブ市一帯に対しても断続的に空爆、住民数百世帯が避難した。

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ラタキア県では、SANA(8月8日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにシャルフ砦、トゥーバール丘を完全制圧し、同地に近いキンサッバー町の治安と安定を回復した。

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ダマスカス郊外県では、イスラーム軍は声明を出し、フーシュ・ファーラ村一帯のシリア軍およびヒズブッラーの拠点複数カ所を制圧し、シリア軍兵士20人以上を殺害したと発表した。

またシリア人権監視団によると、ハムーリーン村近郊(アシュアリー農場)でラフマーン軍団司令官が何者かによる暗殺未遂に遭った。

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ハマー県では、ARA News(8月8日付)によると、反体制武装集団がハマー市郊外のハマー航空基地を砲撃した。

一方、SANA(8月8日付)によると、シリア軍がマアルカバ村周辺の丘陵地帯を反体制武装集団との戦闘の末に制圧した。

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ARA News(8月8日付)によると、シャーム自由人イスラーム運動が主導する反体制武装集団がシャイフ・マスキーン市一帯でシリア軍への攻撃を開始した。

一方、SANA(8月8日付)によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市一帯で反体制武装集団と交戦した。

また、SANA(8月8日付)によると、2016年政令第15号に従い、120人が投降し、免罪となった。

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クナイトラ県では、SANA(8月8日付)によると、シリア軍がバアス市一帯でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)と交戦した。

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スワイダー県では、SANA(8月8日付)によると、シリア軍がハラバー村・ジュビーブ村間で反体制武装集団の拠点を攻撃、破壊した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月7日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は952件。

AFP, August 8, 2016、AP, August 8, 2016、ARA News, August 8, 2016、Champress, August 8, 2016、al-Hayat, August 9, 2016、Iraqi News, August 8, 2016、Kull-na Shuraka’, August 8, 2016、al-Mada Press, August 8, 2016、Naharnet, August 8, 2016、NNA, August 8, 2016、Reuters, August 8, 2016、SANA, August 8, 2016、UPI, August 8, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はアレッポ市南部の全街道・回廊を射程圏内に収めることを明らかにしすることで、ファトフ軍によるアレッポ市東部包囲解除を事実上認める(2016年8月8日)

アレッポ県では、SANA(8月8日付)によると、シリア軍・ロシア軍の戦闘機がアレッポ市南部郊外の士官学校各学科一帯、ハーン・トゥーマーン村回廊、ズィルバ村回廊、サラーキブ市(イドリブ県)・アレッポ市回廊で反体制武装集団拠点に対して空爆を加えた。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市サアドッラー・ジャービリー広場一帯を砲撃し、子供6人を含む9人が負傷した。

また『ハヤート』(8月9日付)などによると、アレッポ市南西部のハムダーニーヤ地区一帯、3000集合住宅計画地区、サラーフッディーン地区、セメント工場一帯、水道会社一帯でも反体制武装集団(ファトフ軍)がシリア軍と戦闘を続けた。

さらにクッルナー・シュラカー(8月8日付)によると、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員、イラン人民兵らがアレッポ市ラームーサ地区やマフルーカート丘への突入を試み、ファトフ軍と交戦、シリア軍、ロシア軍が同地を空爆、砲撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月8日付)によると、地中海沖に展開するロシア海軍艦艇から発射された艦対地ミサイルと思われる砲弾がダーラト・イッザ市に着弾し、6人が死亡した。

また、ARA News(8月8日付)は、地元活動家の話として、シリア軍が有毒ガスを焦点した砲弾でアレッポ市東部を空爆、住民複数人が中毒症状を訴えたと伝えた。

他方、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に属する「命じられるまま正しく進め」連合によると、反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)はアレッポ市イザーア地区方面でシリア軍が陣地として使用していたビルを爆破した。

爆破はビルの地下に掘削したトンネルにしかけた爆弾の爆発によるもの。

また、ARA News(8月8日付)によると、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区農場地帯では、シリア軍とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室が交戦した。

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なお、シリア軍消息筋は、シリア軍地上部隊が航空部隊の支援と協調のもと、アレッポ市南部での作戦地域におけるすべての街道と回廊を射程圏内に納めたことを明らかにした。

シリア軍は6日までアレッポ市南部郊外でのファトフ軍の進軍によるアレッポ市東部包囲解除を否定してきたが、上記消息筋の発言により、包囲が解除されていたことを事実上認めた。

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シリア人権監視団によると、シリア軍を支援するためシリア人、イラク人、イラン人の民兵、ヒズブッラー戦闘員合わせて約2,000人が増援部隊としてシリア中部からアレッポ市北部のカースティールー街道を経由してアレッポ市南西部に向かった。

また『ワタン』(8月8日付)によると、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯などでの戦闘に参加しているパレスチナ人からなるクドス旅団も大規模部隊をアレッポ市南部シャイフ・サイード地区(セメント工場方面)に派遣したという。

シリア人権監視団によると、これに対して、ファトフ軍を構成するシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)とトルコ系戦闘員数百人が、イドリブ県からアレッポ市西部郊外に到着したという。

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シリア軍総司令部は、アレッポ治安軍事委員会のアディーブ・ムハンマド委員長(少将)を解任し、ザイド・サーリフ少将を後任委員長に任命した。

ARA News(8月8日付)が伝えた。

AFP, August 8, 2016、AP, August 8, 2016、ARA News, August 8, 2016、Champress, August 8, 2016、al-Hayat, August 9, 2016、Iraqi News, August 8, 2016、Kull-na Shuraka’, August 8, 2016、al-Mada Press, August 8, 2016、Naharnet, August 8, 2016、NNA, August 8, 2016、Reuters, August 8, 2016、SANA, August 8, 2016、UPI, August 8, 2016、al-Watan, August 8, 2016などをもとに作成。

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欧米諸国は国連安保理で、アレッポ市東部の人道状況、シリア・ロシア両軍の爆撃、イラン、ヒズブッラーの「宗派主義」を引き合いに出し、アレッポ市でのアル=カーイダの勢力伸長を黙認(2016年8月7日)

『ハヤート』(8月9日付)などによると、国連安保理でシリアのアレッポ市の人道状況をめぐる会合が開かれ、米国が招聘した民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)の幹部や野戦病院で医療活動を続ける医師がロシア代表と非難を応酬するなか、シリア軍やロシア軍の空爆批判とアレッポ市東部(反体制武装集団支配地域)の人道状況改善に固執する欧米諸国からは、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍によるアレッポ市南西部での攻勢の黙認ともとれる発言が相次いだ。

会合に招聘されたのは、ホワイト・ヘルメットのハーリド・ジャッラーフ氏、アレッポ市内の野戦病院で活動しているという医師のザーヒル・サフルール氏、サーミル・アッタール氏。

ロシアのヴラジミール・サフロンコヴ国連副大使は、アレッポ市をめぐる情勢に関して、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるアレッポ市東部がファトフ軍の攻撃によって封鎖の脅威に曝されていると主張するとともに、「人道問題を政治化し、アレッポ市東部の住民を人間の盾として使用することを拒否する」と述べた。

サフルール医師は「スターリングラードの住民は第2次大戦中ナチスから同じ批判を受けた」と反論した。

またサマンサ・パワー米国連大使は、現下のアレッポ市の状況が「シリア政府とロシアによる民間人への空爆とカースティールー街道封鎖」の結果だと批判する一方、ファトフ軍によるアレッポ市西部(シリア政府支配地域)への攻勢に関しては「アレッポ市西部の住民に今、支援物資を搬入することは極めて困難」と述べた。

フランス、英国、ニュージーランド、スペイン、ウクライナの国連代表は、シリア軍やロシア軍による民間人への空爆停止とアレッポ市への人道支援物資搬入を主唱した。

また、イラン・イスラーム革命防衛隊、ヒズブッラーなどの宗派主義的民兵が、シリア政府軍による民間人への攻撃を後押ししていると批判した。

サウジアラビアの国連代表は、「シリアの子供たちの苦しみをなくすための取り組み」を求めるとともに、「アレッポ市がシリア政府とその同盟者による虐殺と民族浄化に脅かされている」と警鐘を鳴らした。

AFP, August 8, 2016、AP, August 8, 2016、ARA News, August 8, 2016、Champress, August 8, 2016、al-Hayat, August 9, 2016、Iraqi News, August 8, 2016、Kull-na Shuraka’, August 8, 2016、al-Mada Press, August 8, 2016、Naharnet, August 8, 2016、NNA, August 8, 2016、Reuters, August 8, 2016、SANA, August 8, 2016、UPI, August 8, 2016などをもとに作成。

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ファトフ軍支配下のイドリブ県での爆撃でホワイト・ヘルメット拠点が被弾(2016年8月7日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がファトフ軍支配下のサラーキブ市、カフルヌブル市、カフルアミーム村を空爆し、サラーキブ市の民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)の拠点が被弾した。

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ラタキア県では、ARA News(8月7日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、トルキスターン・イスラーム党などからなる「ヤルムークの戦い」作戦司令室は、クルド山に位置するシャルフ村、シャルフ砦一帯に侵攻し、シリア軍と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍が予備部隊の支援を受け、ジハード主義武装集団と交戦し、フーシュ・ナスリー村の大部分を制圧した。

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ダルアー県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍がダルアー市郊外のタファス市・ヤードゥーダ村街道で反体制武装集団を要撃した。

また2016年政令第15号の恩赦を受け、264人の指名手配者が出頭、免罪となった。

AFP, August 7, 2016、AP, August 7, 2016、ARA News, August 7, 2016、Champress, August 7, 2016、al-Hayat, August 8, 2016、Iraqi News, August 7, 2016、Kull-na Shuraka’, August 7, 2016、al-Mada Press, August 7, 2016、Naharnet, August 7, 2016、NNA, August 7, 2016、Reuters, August 7, 2016、SANA, August 7, 2016、UPI, August 7, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市東部包囲解除をめぐり、シリア人権監視団代表は「シリア軍の重大な敗北を喫し、シリア政府支配下のアレッポ市西部が逆に反体制派に包囲された」と評する一方、SANAは包囲解除を引き続き否定(2016年8月7日)

アレッポ市東部の包囲解除に関して、AFP(8月7日付)特派員は、トマト、ポテトを積載した車輌がラームーサ地区を経由して、アレッポ市東部に搬入されたと伝えた。

しかし、シリア人権監視団によると、食糧を搬入した車輌はたったの3台で、包囲解除を誇示するための「象徴的な動き」に過ぎず、ラームーサ地区の街道の安全は確保されておらず、住民の往来は不可能なままだという。

SANA(8月7日付)もまた、軍消息筋の話として「テロ組織はアレッポ市東部に対する包囲を解除できていない」と伝え、アレッポ市包囲解除に関する報道を否定し続けるとともに、SANAのアレッポ特派員は、アレッポ市ハムダーニーヤ地区第4街区に反体制武装集団が進攻したとの一部報道を事実無根だと伝えた。

なお、シリア人権監視団のアブドゥッラフマーン代表によると、シリア軍は「ロシア軍の600回におよぶ空爆にもかかわらず重大な敗北を喫し」、またファトフ軍は「アレッポ市東部の包囲を解除できただけでなく、(シリア政府が支配する)アレッポ市西部に通じるシリア軍側の最後の兵站路も遮断し、アレッポ市西部を逆に包囲した」という。

『ハヤート』(8月8日付)によると、アレッポ市東部の反体制武装集団支配地域には25万人の住民が、アレッポ市西部のシリア政府支配地域には20万人の住民が暮らしているという。

AFP, August 7, 2016、AP, August 7, 2016、ARA News, August 7, 2016、Champress, August 7, 2016、al-Hayat, August 8, 2016、Iraqi News, August 7, 2016、Kull-na Shuraka’, August 7, 2016、al-Mada Press, August 7, 2016、Naharnet, August 7, 2016、NNA, August 7, 2016、Reuters, August 7, 2016、SANA, August 7, 2016、UPI, August 7, 2016などをもとに作成。

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アレッポ県南部および南西部一帯でシリア軍とファトフ軍の戦闘が続くなか、シリア・ロシア両軍が86回にわたり爆撃(2016年8月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市南西部の士官学校各学部一帯で、シリア軍とファトフ軍(シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動などからなる武装連合体)が交戦、戦闘機(所属明示せず)による空爆が散発的に行われた。

同監視団およびARA News(8月7日付)によると、空爆は前日にファトフ軍によって制圧された士官学校の砲兵科、武器科一帯のほか、アレッポ市スッカリー地区、ブアイディーン地区に対して行われたという。

一方、SANA(8月7日付)によると、シリア軍地上部隊が、予備部隊の支援とシリア・ロシア両空軍航空部隊との連携のもと、アレッポ市南西部の士官学校各学科一帯に陣地を確保し、反体制武装集団(ファトフ軍)に対して集中砲火を浴びせ、その攻撃を封じた。

このうち航空部隊は、過去12時間で21回の出撃を行い、アレッポ市南部および南西部の郊外一帯に対して86回の空爆を実施したという。

またシリア・ロシア両空軍は、ハーン・トゥーマーン村、ハーン・アサル村、アターリブ市、カフルナーハー村、アウラム・クブラー町、ズィルバ村、ハルサ村、サラーキブ市(イドリブ県)・アレッポ市間回廊、タフタナーズ市(イドリブ県)・アレッポ市間回廊でファトフ軍の拠点、車輌を激しく空爆したという。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市ルーワード協会地区を砲撃し、女児1人、女性2人の合わせて3人が死亡、4人が負傷した。

しかし、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表はAFP(8月7日付)に対して、戦闘・空爆は「比較的小規模」だったと述べた。

このほか、クッルナー・シュラカー(8月7日付)は、ファトフ軍を主導するシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)がSNSを通じて、アレッポ市南西部の士官学校航空技術科制圧時にシリア軍准将を捕捉したと発表したと伝えた。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月6日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は944件。

AFP, August 7, 2016、AP, August 7, 2016、ARA News, August 7, 2016、Champress, August 7, 2016、al-Hayat, August 8, 2016、Iraqi News, August 7, 2016、Kull-na Shuraka’, August 7, 2016、al-Mada Press, August 7, 2016、Naharnet, August 7, 2016、NNA, August 7, 2016、Reuters, August 7, 2016、SANA, August 7, 2016、UPI, August 7, 2016などをもとに作成。

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ファトフ軍はアレッポ市全土解放に向けた「アレッポ大血戦」の戦い第4段階の開始を宣言する一方、アレッポ市南西部ではシリア軍とファトフ軍の戦闘が続く(2016年8月7日)

アレッポ県では、ファトフ軍の作戦司令室は声明を出し、「アレッポ大血戦」の戦いの第4段階を開始すると宣言した。

第4段階は「イブラーヒーム・ユースフの攻撃」と銘打たれ、アレッポ市の全土解放に向けて兵力を倍増させるという。

また、声明において、ファトフ軍は、アレッポ市のすべての住民に対して、政権に協力せず、シャームの民に刃向かわなければ身の安全を保障すると呼びかけ、その目的が体制打倒のみにあると表明した。

そのうえで、シリア軍将兵に対しても離反を呼びかけた。

なおクッルナー・シュラカー(8月7日付)によると、第4段階はアレッポ市南西部のラームーサ地区に確保された兵站路の拡大を目的とするという。

Kull-na Shuraka', August 7, 2016
Kull-na Shuraka’, August 7, 2016

AFP, August 7, 2016、AP, August 7, 2016、ARA News, August 7, 2016、Champress, August 7, 2016、al-Hayat, August 8, 2016、Iraqi News, August 7, 2016、Kull-na Shuraka’, August 7, 2016、al-Mada Press, August 7, 2016、Naharnet, August 7, 2016、NNA, August 7, 2016、Reuters, August 7, 2016、SANA, August 7, 2016、UPI, August 7, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュは米英が支援する「新シリア軍」所属組織の基地を襲撃(2016年8月7日)

ヒムス県では、ダーイシュ(イスラーム国)の戦果を宣伝するアアマーク通信(8月7日付)によると、ダーイシュの特攻自爆戦闘員(インギマースィー)2人が、タンフ国境通行所近く(タンフ農業計画地区)にある「新シリア軍」所属部隊の基地に対して自爆攻撃を行った。

新シリア軍は米英の支援を受ける「穏健な反体制派」。

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同じくヒムス県では、SANA(8月7日付)によると、シリア軍がシャーイル油田一帯のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

AFP, August 7, 2016、AP, August 7, 2016、ARA News, August 7, 2016、Champress, August 7, 2016、al-Hayat, August 8, 2016、Iraqi News, August 7, 2016、Kull-na Shuraka’, August 7, 2016、al-Mada Press, August 7, 2016、Naharnet, August 7, 2016、NNA, August 7, 2016、Reuters, August 7, 2016、SANA, August 7, 2016、UPI, August 7, 2016などをもとに作成。

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ハサカ市では国防隊とアサーイシュが逮捕合戦(2016年8月6日)

ハサカ県では、ARA News(8月6日付)によると、ハサカ市東ヌシューワ地区近くで国防隊が西クルディスタン移行期民政局アサーイシュの隊員多数を逮捕したことを受け、アサーイシュも対抗措置としてシリア軍兵士多数を逮捕した。

AFP, August 6, 2016、AP, August 6, 2016、ARA News, August 6, 2016、Champress, August 6, 2016、al-Hayat, August 7, 2016、Iraqi News, August 6, 2016、Kull-na Shuraka’, August 6, 2016、al-Mada Press, August 6, 2016、Naharnet, August 6, 2016、NNA, August 6, 2016、Reuters, August 6, 2016、SANA, August 6, 2016、UPI, August 6, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍がダーイシュとの戦闘の末、マンビジュ市をほぼ完全に制圧する一方、ダーイシュは反体制派の拠点都市アアザーズ市に侵攻(2016年8月6日)

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、米主導の有志連合の航空支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマンビジュ市中心部の治安厳戒地区をダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧、同市を「ほぼ完全」に制圧した。

シリア民主軍に参加するマンビジュ軍事評議会のシャルファーン・ダルウィーシュ報道官はロイター通信(8月6日付)に対して、マンビジュ市の約90%からダーイシュを排除したことを明らかにした。

ARA News(8月6日付)によると、これに対して、ダーイシュ(イスラーム国)が、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)を含むジハード主義武装集団と「穏健な反体制派」の県北部における中心拠点アアザーズ市東部方面の複数カ所から市内に侵入、シャーム軍団、ハムザ旅団などと交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月6日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市北西部のバズーク丘一帯、南西部のパノラマ交差点一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, August 6, 2016、AP, August 6, 2016、ARA News, August 6, 2016、Champress, August 6, 2016、al-Hayat, August 7, 2016、Iraqi News, August 6, 2016、Kull-na Shuraka’, August 6, 2016、al-Mada Press, August 6, 2016、Naharnet, August 6, 2016、NNA, August 6, 2016、Reuters, August 6, 2016、SANA, August 6, 2016、UPI, August 6, 2016などをもとに作成。

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イスラーム軍がダマスカス県旧市街を砲撃し、女性2人が負傷(2016年8月6日)

ダマスカス県では、SANA(8月6日付)によると、イスラーム軍が旧市街のジャウラ地区を砲撃し、女性2人が負傷した。

シリア人権監視団によると、着弾した迫撃砲弾は2発。

これに対して、シリア軍はジャウバル区一帯を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯を砲撃、戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市・シャイフーニーヤ村間、ウーターヤー町、フーシュ・サーリヒーン村、フーシュ・ダワーヒラ村、ダーライヤー市を空爆した。

またダーライヤー市一帯では、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、県北部のシャラフ砦一帯でシリア軍が、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、トルキスターン・イスラーム党などからなる反体制武装集団と交戦し、シリア軍がトルクメン山一帯を「樽爆弾」で空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、ビンニシュ市一帯、サラーキブ市を空爆した。

またサルミーン市に、地中海に配備されているロシア海軍艦艇から発射された艦対地ミサイルと思われる砲弾が着弾し、市内の病院が利用不能となった。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、スワイダー中央刑務所の収監者が行っていた抗議の座り込みに対してシリア軍が介入し、抗議行動に参加していた一部収監者を拘束、ダマスカス県方面に連行した。

スワイダー中央刑務所の収監者の多くは2011年以降の反体制デモなどに参加し、無期懲役刑となった受刑者だという。

抗議の座り込みは5日に開始され、刑務所内での処遇改善などが要求した受刑者は刑務所内の一部施設を占拠、看守らが現場を放棄し逃走したことを受け、軍・治安部隊が刑務所を包囲していた。

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ヒムス県では、SANA(8月6日付)によると、シリア軍がウンム・シャルシューフ村、タルビーサ氏、タッル・ルース村、カフルナーハー村でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)の拠点を空爆などで攻撃した。

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ハマー県では、SANA(8月6日付)によると、シリア軍がザーラ村近郊の電力発電所一帯でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなる武装集団と交戦した。

また関係当局はカルアト・マディーク町で「地獄の大砲」など反体制武装集団の武器・弾薬多数を発見、押収した。

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ダルアー県では、SANA(8月6日付)によると、シリア軍がタファス市・ヤードゥーダ村街道一帯で反体制武装集団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月5日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は936件。

AFP, August 6, 2016、AP, August 6, 2016、ARA News, August 6, 2016、Champress, August 6, 2016、al-Hayat, August 7, 2016、Iraqi News, August 6, 2016、Kull-na Shuraka’, August 6, 2016、al-Mada Press, August 6, 2016、Naharnet, August 6, 2016、NNA, August 6, 2016、Reuters, August 6, 2016、SANA, August 6, 2016、UPI, August 6, 2016などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍はアレッポ市東部に対するシリア軍の包囲解除を達成したと発表、シリア軍側はこれを否定(2016年8月6日)

アレッポ県では、クッルナー・シュラカー(8月6日付)、ARA News(8月6日付)、シリア人権監視団などによると、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団などからなるファトフ軍が、アレッポ市南西部で進攻を続け、シリア軍、シリア人・外国人民兵組織と激しく交戦、これを受け、シリア軍は同地を砲撃、戦闘機(所属明示せず)が同地一帯を数十回にわたって空爆した。

この戦闘で、ファトフ軍に所属する武装集団はSNSを通じて、士官学校(砲兵科、兵器科、航空技術科)、アレッポ市シャイフ・サイード地区内の主要施設(セメント工場、ガス工場など)、ハムダーニーヤ地区、サラーフッディーン地区、3000集合住宅計画地区、ラームーサ地区、アーミリーヤ村、マフルーカート丘を制圧したと次々と発表した。

Kull-na Shuraka', August 6, 2016
Kull-na Shuraka’, August 6, 2016
Kull-na Shuraka', August 6, 2016
Kull-na Shuraka’, August 6, 2016

この戦闘に関して、シャーム自由人イスラーム運動は、ロイター通信(8月6日付)に対して、アレッポ市南西部のラームーサ地区を完全制圧し、同市東部への街道を解放したと述べた。

また、ヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)も「アレッポ市外のムジャーヒディーンは、市内の同胞と再会、包囲解除に向けて残された拠点制圧への活動を継続する」と発表した。

さらにトルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍がアレッポ市東部に対するシリア軍の包囲解除を達成したと発表した。

Kull-na Shuraka', August 6, 2016
Kull-na Shuraka’, August 6, 2016

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一方、ファトフ軍と連携し、5日にアレッポ市東部に対する包囲解除に向けた作戦の開始を宣言していたアレッポ・ファトフ軍作戦司令室は、シリア政府支配下のアレッポ市内の住民に向けて声明を出し、「家に入れば安全だ、モスクに入れば安全だ、教会に入れば安全だ、武器を棄てれば安全だ」と呼びかけた。

Kull-na Shuraka', August 6, 2016
Kull-na Shuraka’, August 6, 2016

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しかし、SANA(8月6日付)は、シリア軍地上部隊が予備部隊の支援を受け、レッポ市南部郊外および南西部郊外に潜入を試みた反体制武装集団と激しく交戦、また空軍が同地一帯を空爆し、反体制武装集団の動きを封じたと報じ、アレッポ市東部包囲解除を否定した。

シリア軍消息筋によると、反体制武装集団はアレッポ市東部に対するシリア軍の包囲解除を試みたがこれに失敗、しかし反体制武装集団の殺戮に協力する複数のメディアが、心理戦をしかけ、多数のねつ造画像・映像を配信、市民の心理や世論を揺さぶり、反体制武装集団側の被害を隠蔽しようとしているのだという。

またSANA(8月6日付)によると、反体制武装集団はアレッポ市ハムダーニーヤ地区、サラーフッディーン地区を砲撃し住民10人が死亡した。

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なお、アレッポ市南西部以外では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯でシリア軍、クドス旅団(パレスチナ人)などからなる民兵組織が、反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)と激しく交戦した。

AFP, August 6, 2016、AP, August 6, 2016、ARA News, August 6, 2016、Champress, August 6, 2016、al-Hayat, August 7, 2016、Iraqi News, August 6, 2016、Kull-na Shuraka’, August 6, 2016、al-Mada Press, August 6, 2016、Naharnet, August 6, 2016、NNA, August 6, 2016、Reuters, August 6, 2016、SANA, August 6, 2016、UPI, August 6, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合は5日にシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年8月6日)

米中央軍(CENTCOM)は、8月5日のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

同発表によると、有志連合はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して19回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ラッカ市一帯(1回)、ダイル・ザウル市一帯(1回)、マンビジュ市近郊(4回)に対して攻撃が行われた。

AFP, August 6, 2016、AP, August 6, 2016、ARA News, August 6, 2016、Champress, August 6, 2016、al-Hayat, August 7, 2016、Iraqi News, August 6, 2016、Kull-na Shuraka’, August 6, 2016、al-Mada Press, August 6, 2016、Naharnet, August 6, 2016、NNA, August 6, 2016、Reuters, August 6, 2016、SANA, August 6, 2016、UPI, August 6, 2016などをもとに作成。

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シャーム・ファトフ戦線(ヌスラ戦線)のジャウラーニー氏は音声声明で「アレッポ大血戦」の戦いの戦果が「紛争のバランスを覆す」ことになると主張(2016年8月5日)

ブンヤーン・イスラーム広報機構は、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏によるとされる音声声明(https://www.youtube.com/watch?v=gjzPsjVu3io)を配信した。

「アレッポにおける我らが民に向けた音声メッセージ」と題された声明のなかで、ジャウラーニー氏とされる人物は、新生ファトフ軍による「アレッポ大血戦」の戦いに関して、「アレッポに対する包囲解除の戦いを強化する勝利」と賞賛した。

ジャウラーニー氏は「アレッポ大血戦」の戦いの成果が「包囲を受ける人々に至る道を開くだけでなく、シャームの戦場における紛争のバランスを覆すものとなり、シャームの民に対する国際社会の陰謀のテーブルをひっくり返し、戦いの行方に新たな様相を与えるだろう」としたうえで、反体制武装集団に対して「自らの敵に対して一体となり、糾合する」よう呼びかけた。

アレッポ市住民に対しては「ムジャーヒドゥーンは、アッラーのお許しのもと、あなた方を落胆はさせない。彼らはあなた方の勝利と防衛を確約した。圧政を振るうロシア、憎むべきラーフィディーン(シーア派、アラウィー派)はあなた方の足下で打ち崩されるだろう」と述べた。

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アレッポ県では、ARA News(8月5日付)によると、シャーム・ファトフ戦線指導者のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏による思われる音声声明「アレッポにおける我らが民に向けた音声メッセージ」の配信とほぼ時を同じくして、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室がアレッポ市東部に対するシリア軍の包囲解除に向けた作戦を開始したと発表した。

声明は「穏健な反体制派」と目される「命じられるままに正しく進め」連合が発表したが、作戦の詳細は明らかにしていない。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

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シリア人権監視団は「アレッポ大血戦」の戦い開始以降、反体制派側が殺害した民間人の数がシリア・ロシア軍側を上回っていると発表(2016年8月5日)

シリア人権監視団は、新生ファトフ軍による「アレッポ大血戦」の戦い開始(7月31日)以降、アレッポ市内で子供33人を含む民間人112人が死亡したと発表した。

このうち42人(子供11人を含む)はシリア軍、ロシア軍によるアレッポ市東部地区への空爆などにより死亡、65人(うち子供22人)はシリア政府支配地域(アレッポ市西部)への反体制武装集団の砲撃で死亡、5人が西クルディスタン移行期民政局支配地域(シャイフ・マクスード地区)への反体制武装集団の砲撃で死亡したという。

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ただし集計は、シリア政府支配地域と西クルディスタン移行期民政局支配地域での民間人死者をそのまま反体制武装集団の攻撃による被害者とカウントし、反体制派武装集団支配地域での民家人死者をそのままシリア軍、ロシア軍の攻撃による被害者とカウントしており、「実際に誰が殺したのか」は断定できない。

 

なお、シリア人権監視団とともに引用されることが多いシリア人権ネットワークによる被害者集計は、反体制派支配地域に事実上限定されているとともに、加害者別、すなわち「誰が殺したのか」を基準に内訳を発表することが多く、中立性、信頼性を欠く。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

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ファトフ軍がアレッポ市南西部のシリア軍士官学校(砲兵学校)一帯に侵攻し、シリア軍と一進一退の攻防を繰り広げる(2016年8月5日)

アレッポ県では、SANA(8月5日付)によると、シリア軍地上部隊が予備部隊の支援を受けアレッポ市南西部郊外に位置する軍士官学校(砲兵学校)一帯の拠点を強化し、反体制武装集団(新生ファトフ軍)と交戦、これを撃退した。

この戦闘で、シリア軍は反体制武装集団の戦車6輌などを破壊、戦闘員300人以上を殲滅、そのなかにはシャーム自由人イスラーム運動、シャーム戦線、シャーム軍団、イスラーム軍、イスラーム・トルクメン党の幹部数十人が含まれているという。

またシリア空軍は、地上部隊の迎撃と並行して、ハーン・トゥーマーン村から軍士官学校にいたる回廊、ヒクマ学校から軍士官学校にいたる回廊、バーズー丘から軍士官学校にいたる回廊、ズィルバ村からアレッポ市にいたる回廊、アウラム・クブラー町からアレッポ市にいたる回廊一帯を空爆した。

SANA, August 5, 2016
SANA, August 5, 2016

これに対して、反体制武装集団はアレッポ市ハムダーニーヤ地区を砲撃し、子供3人を含む5人が死亡、5人が負傷した。

一方、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などのジハード主義主義武装集団からなる新生ファトフ軍と、ジハード主義武装集団と「穏健な反体制派」の混成組織の双方に参加するシャーム自由人イスラーム運動は、この戦闘で軍士官学校を完全掌握したと発表した。

Kull-na Shuraka', August 5, 2016
Kull-na Shuraka’, August 5, 2016

なお、シリア人権監視団は、アレッポ市南部郊外一帯での戦闘に関して「特筆すべき進展はなかった」と評する一方で、「アレッポ市マルジャ市でシリア軍かロシア軍か確認できない戦闘機が行った「虐殺」によって、子供7人を含む民間人10人が死亡した」と発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアルバイン市、カフルバトナー町、ジスリーン町、アイン・タルマー村・ハッザ町間、マディーラー市、シャイフーニーヤ村、フーシュ・ファーラ村を空爆し、一家5人全員が死亡した。

またフーシュ・ファーラ村とマイダアーニー村を結ぶ回廊一帯では、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦を続けた。

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ダルアー県では、SANA(8月5日付)によると、シリア軍がダルアー市ハマーディーン地区、避難民キャンプ一帯、中心街、カラク地区、西ガーリヤ村などでシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、ARA News(8月5日付)によると、南部戦線(自由シリア軍)に所属するスンナ青年師団のメンバーによる「反乱」が失敗に終わり、アフマド・アウダ司令官が復職した。

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イドリブ県では、SANA(8月5日付)によると、シリア軍がウンム・ハーラタイン村西部でファトフ軍の拠点に対して特殊作戦を行い、戦闘員28人を殲滅した。

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ハマー県では、SANA(8月5日付)によると、シリア軍がタマーニア町でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)の拠点を攻撃し、戦闘員9人を殲滅した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月3日に8件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ダマスカス県ジャウバル区、ラタキア県で発生したという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は928件。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

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マンビジュ市でYPG主体のシリア民主軍とダーイシュの戦いが続く(2016年8月5日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、有志連合の航空支援を受ける西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がマンビジュ市内でダーイシュ(イスラーム国)との戦闘を続けた。

またマンビジュ軍事評議会は、マンビジュ市北部のマンクーマ村を制圧したと発表した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月5日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにダイル・ザウル市北西部のバズーク丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員150人以上を殲滅した。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

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米・ロシア両国外相は電話会談で有毒ガスを使用する「過激な「穏健な反体制派」への対応について協議(2016年8月5日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と米国のジョン・ケリー国務長官が電話会談を行い、シリア情勢への対応について協議した。

ロシア外務省の発表によると、電話会談でラブロフ外務大臣は、米国が支援する「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザンキー運動が行ったとされるアレッポ市での有毒ガスによる攻撃に関して、「民間人に有毒ガスを使用するシリアの過激派への戦闘に重点を置くべき」と伝えたという。

一方、バラク・オバマ米大統領は国防総省での軍幹部との2時間におよぶ会合後、シリア情勢に関して「ロシア、そしてプーチン大統領を信頼できる確証がない。だから、我々は敵対行為の実質的停止の可否を評価せねばならない」と述べた。

そのうえで、シリア政府が敵対行為停止合意を遵守していないと批判、「アサド政権の野蛮さが人々を過激派の腕のなかへと追いやっている…。ロシアはそれには対処できない。なぜならロシアがそうすることを望んでいないから、ないしはアサドに十分な影響力を行使できないからだ。これが我々の評価だ」と付言した。

この発言を受け、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は、タス通信(8月5日付)に対して「米国が誠実さと責任感をもって両国間のアジェンダに対処しなければ、ロシアと米国の信頼関係は回復できない…。米国はシリアの問題をめぐって話す際、パートナーとは思えない振る舞いをすることがある」と批判した。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、TASS, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

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デンマーク空軍の戦闘機がシリア領内でのダーイシュに対する爆撃に初めて参加(2016年8月5日)

デンマーク国防省高官は、有志連合に参加するデンマーク空軍の戦闘機がラッカ市内のダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆に初めて参加したと発表した。

ARA News(8月5日付)が伝えた。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

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米主導の有志連合は4日にシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年8月5日)

米中央軍(CENTCOM)は、8月4日のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

同発表によると、有志連合はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して14回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は4回で、ダイル・ザウル市一帯(1回)、マンビジュ市近郊(3回)に対して攻撃が行われた。

AFP, August 5, 2016、AP, August 5, 2016、ARA News, August 5, 2016、Champress, August 5, 2016、al-Hayat, August 6, 2016、Iraqi News, August 5, 2016、Kull-na Shuraka’, August 5, 2016、al-Mada Press, August 5, 2016、Naharnet, August 5, 2016、NNA, August 5, 2016、Reuters, August 5, 2016、SANA, August 5, 2016、UPI, August 5, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がイスラーム軍などとの戦闘の末ダマスカス郊外県フーシュ・ファーラ村を制圧(2016年8月4日)

ダマスカス郊外県では、SANA(8月4日付)によると、シリア軍がジハード主義武装集団(イスラーム軍など)との戦闘の末、東グータ地方のフーシュ・ファーラ村を制圧した。

一方、シリア人権監視団によると、マイダーニー村一帯でシリア軍とジハード主義武装集団が交戦、またシリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がサルミーン市、アルマナーズ市を空爆し、子供1人が負傷した。

またイドリブ市では、サブア・バフラート交差点近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、ファトフ軍のメンバー1人が死亡、5人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が籠城を続けるヒムス市ワアル地区でシリア軍が住民を狙撃し、3人が負傷した。

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダルアー市内各所を空爆し、女性1人を含む2人が死亡した。

またシリア軍がブスラー・シャーム市各所を砲撃した。

一方、SANA(8月4日付)によると、反体制武装集団がダルアー市ダルアー・バラド地区などを砲撃し、8人が負傷した。

また、ダルアー市、イズラア市郡、サナマイン郡、マスミヤ町で、2016年7月28日に施行された2016年政令第15号に従い、兵役忌避者256人が出頭し、免罪となった。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月2日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は921。

AFP, August 4, 2016、AP, August 4, 2016、ARA News, August 4, 2016、Champress, August 4, 2016、al-Hayat, August 5, 2016、Iraqi News, August 4, 2016、Kull-na Shuraka’, August 4, 2016、al-Mada Press, August 4, 2016、Naharnet, August 4, 2016、NNA, August 4, 2016、Reuters, August 4, 2016、SANA, August 4, 2016、UPI, August 4, 2016などをもとに作成。

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「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系組織はアレッポ市南西部で反転攻勢する一方、アレッポ市内の全長20キロの戦線で6~8ヶ月にわたり「消耗戦」を行うと主張(2016年8月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市南西部の第1070計画地区などを空爆するなか、シリア軍地上部隊が同地を砲撃、ヒクマ学校一帯、科学研究所一帯、マフルーカ丘一帯、ジャムイーヤート地区一帯、アーミリーヤ村一帯などで国防隊や外国人(イラン人)戦闘員とともに、新生ファトフ軍に所属するシャーム・ファトフ戦線(シャームの民のヌスラ戦線)、トルキスターン・イスラーム党、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シャーム軍団、ウズベク人戦闘員などと交戦した。

戦闘は新生ファトフ軍の進軍を受けたもので、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の司令官やメディア活動家らが戦死したが、クッルナー・シュラカー(8月4日付)によると、ファトフ軍側は、アーミリーヤ村、ジャムイーヤート地区を新たに制圧した。

戦闘機(所属明示せず)はまた、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯、ジャンドゥール交差点一帯に対しても空爆を実施した。

さらにアレッポ市ジスル・ハッジ地区に対しても空爆が行われ、住民1人が死亡した。

一方、SANA(8月4日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ハムダーニーヤ地区のパン製造工場を砲撃し、従業員1人が死亡、6人が負傷した。

Kull-na Shuraka', August 4, 2016
Kull-na Shuraka’, August 4, 2016

アレッポ市外では、戦闘機がアターリブ市近郊の避難民キャンプを空爆し、子供2人が死亡、またハーン・アサル村西部の電力協会一帯も空爆を受け、複数人が負傷した。

このほか、西クルディスタン移行期民政局の支配下のアフリーン市一帯では、ジハード主義武装集団が住民を狙撃し、負傷させた。

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複数の反体制武装集団幹部は『ハヤート』(8月5日付)に対して、「穏健な反体制派」と目されるアレッポ・ファトフ軍作戦司令室とイスラーム過激派からなる(新生)ファトフ軍は、アレッポ市南西部のアーミリーヤ村から同市北西部のカースティールー街道一帯に至る全長22キロの「戦線」、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯で、6ヶ月から8ヶ月にわたって「消耗戦」を行う用意があると述べ、徹底抗戦の構えを示した。

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室は同紙において「穏健な反体制派」と評されているが、実態はムジャーヒディーン軍、第101師団、第13師団、ヌールッディーン・ザンキー運動といった「自由シリア軍」系の組織と、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団、イスラーム軍、シャーム戦線といったジハード主義武装集団の混成組織である。

また(新生)ファトフ軍は、シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動、トルキスターン・イスラーム党、シャーム軍団、スンナ軍、ハック旅団、アジュナード・シャーム・イスラーム連合からなるジハード主義連合組織。

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YPG主体のシリア民主軍が有志連合の支援を受けマンビジュ市でダーイシュとの戦いを続ける(2016年8月4日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が市街戦を続けるマンビジュ市の工業地区で、ダーイシュがシリア民主軍拠点に対して爆弾を仕掛けた車で自爆攻撃を行った。

これに対して、米軍主導の有志連合は、マンビジュ市の予備製パン工場一帯を空爆した。

またダーイシュはマンビジュ市外に避難しようとしていた住民を狙撃し、女性1人が死亡した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍んがジャズル油田一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦するなか、戦闘機(所属明示せず)がタドムル市東部の第3石油輸送ステーション(T3)一帯のダーイシュ拠点を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン地方のジャラージール町郊外の無人地帯で、シャーム・ファトフ戦線(シャームの民のヌスラ戦線)がダーイシュ(イスラーム国)を名のる武装集団と交戦した。

AFP, August 4, 2016、AP, August 4, 2016、ARA News, August 4, 2016、Champress, August 4, 2016、al-Hayat, August 5, 2016、Iraqi News, August 4, 2016、Kull-na Shuraka’, August 4, 2016、al-Mada Press, August 4, 2016、Naharnet, August 4, 2016、NNA, August 4, 2016、Reuters, August 4, 2016、SANA, August 4, 2016、UPI, August 4, 2016などをもとに作成。

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アサド大統領「地域の安定は、一部諸国のテロ支援策に対峙し、犠牲を払い、テロと戦い、自らの国の存続や独立を維持している諸国民が描くことになる」(2016年8月4日)

アサド大統領はシリアを訪問中のイランのアラーッディーン・ボロージェルディー国会国家安全保障外交政策委員長と会談し、シリア情勢などについて意見を交わした。

会談で、アサド大統領は、一部の諸国が非合理的な政策を継続し、テロ組織を支援し続けて、地域の不安定を助長していると指摘するとともに、「地域の安定は、こうした政策に対峙し、犠牲を払い、テロと戦い、自らの国の存続や独立を維持している諸国民が描くことになる」と強調した。

ボロージェルディー氏はまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)ら外務在外居住者省幹部とも個別に会談した。

SANA(8月4日付)が伝えた。

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米主導の有志連合は3日にシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年8月4日)

米中央軍(CENTCOM)は、8月3日のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

同発表によると、有志連合はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、タンフ国境通行所一帯(1回)、マンビジュ市近郊(5回)に対して攻撃が行われた。

AFP, August 4, 2016、AP, August 4, 2016、ARA News, August 4, 2016、Champress, August 4, 2016、al-Hayat, August 5, 2016、Iraqi News, August 4, 2016、Kull-na Shuraka’, August 4, 2016、al-Mada Press, August 4, 2016、Naharnet, August 4, 2016、NNA, August 4, 2016、Reuters, August 4, 2016、SANA, August 4, 2016、UPI, August 4, 2016などをもとに作成。

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米英が支援する「新シリア軍」の主力を構成するアサーラ・ワ・タンミヤ戦線が「方針の違い」を理由に「新シリア軍」から離脱(2016年8月3日)

米国や英国の支援を受け、シリア南東部(対イラク国境地帯など)で活動を行う「新シリア軍」の主力を構成するアサーラ・ワ・タンミヤ戦線は、新シリア軍から離脱すると発表した。

アサーラ・ワ・タンミヤ戦線事務局が発表した声明によると、離脱は「新シリア軍」と戦線の方針の違いによるもので、戦線は離脱後も引き続きシリア南東部での支援国からの後援を受け活動を続けるという。

ただし「方針の違い」の詳細は不明。

ARA News, August 4, 2016
ARA News, August 4, 2016

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アサーラ・ワ・タンミヤ戦線は2014年半ばにダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル県で勢力を拡張したのを受け、シリア西部に逃走した武装集団の一つ。

2014年8月には、東部獅子軍をなのる連合組織の結成を主導、同連合はダマスカス郊外県などでシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、シャーム自由人イスラーム運動といったイスラーム過激派と共闘している。

また2015年11月、米国の教練を受けた「穏健な反体制派」とともに「新シリア軍」を結成、同組織を主導してきた。

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