フランスのエロー外相「我々はPKKを非難しているが、シリアのクルド人部隊はダーイシュと戦っている」(2016年8月27日)

フランスのジャン=マルク・エロー外務大臣は『ル・モンド』(8月27日付)のインタビューで、トルコ軍によるアレッポ県ジャラーブルス市への進攻に関して、「トルコがダーイシュ(イスラーム国)との戦いにはっきりと関与することは良いことで…、トルコが国境の安全保障を確保することは正当だ」としつつ、「しかし暴力に埋没し、シリアのクルド問題に干渉しようとする傾向があることに警戒すべきだ」と述べた。

エロー外務大臣はまた「我々はクルディスタン労働者党(PKK)がトルコで行っている敵対行為を非難しているが…、シリアではクルド人部隊はダーイシュと戦っている」と付言した。

AFP, August 27, 2016、AP, August 27, 2016、ARA News, August 27, 2016、Champress, August 27, 2016、al-Hayat, August 28, 2016、Iraqi News, August 27, 2016、Kull-na Shuraka’, August 27, 2016、al-Mada Press, August 27, 2016、Le Monde, August 27, 2016、Naharnet, August 27, 2016、NNA, August 27, 2016、Reuters, August 27, 2016、SANA, August 27, 2016、UPI, August 27, 2016などをもとに作成。

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アレッポ市での攻防戦を戦う反体制武装集団は26日にアレッポ市への人道支援に同意、27日に拒否(2016年8月27日)

ヌールッディーン・ザンキー運動、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム覚醒大隊、シャーム戦線、ムジャーヒディーン軍、第1連隊、「命じられるまま正しく進め」連合、シャーム軍団の8組織は共同声明を出し、22日に国連の代表と会談し、アレッポ市での48時間停戦と同市への人道支援物資搬入について協議し、協力の意思の示しつつも、シリア政府支配地域を経由した人道物資の搬入に反対の意思を表明したと発表した。

協議において、8組織は、国連側が提案するアレッポ市北部のカースティールー街道(シリア政府支配地域)を経由する搬入ルートが、停戦が実現しない限りは安全を確保し得ないと指摘するとともに、ファトフ軍とシリア軍の戦闘が続くアレッポ市南西部のラームーサ地区(ファトフ軍支配地域)を経由するルートの方がより安全だと進言したという。

Kull-na Shuraka', Augusat 27, 2016
Kull-na Shuraka’, Augusat 27, 2016

Kull-na Shuraka', Augusat 27, 2016
Kull-na Shuraka’, Augusat 27, 2016

 

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26日には、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室が声明を出し、シリア政府支配下のカースティールー街道を経由して、アレッポ市東部に国連の車輌が人道支援物資を搬入することに同意した、と発表していた。

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室はムジャーヒディーン軍、第101師団、第13師団、シャーム自由人イスラーム運動、シャーム軍団、イスラーム軍、シャーム戦線、ヌールッディーン・ザンキー運動からなっている。

つまり、ヌールッディーン・ザンキー運動、シャーム自由人イスラーム運動、ムジャーヒディーン軍、シャーム戦線の4組織は2日の間に矛盾する声明を発表したことになる。

Kull-na Shuraka', Augusat 27, 2016
Kull-na Shuraka’, Augusat 27, 2016

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なお、スイスのジュネーブで26日に12時間にわたり行われたジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣による協議は、アレッポ市への人道支援物資搬入のための48時間停戦、反体制武装集団と連携するアル=カーイダ系組織に対する「テロとの戦い」のいずれの対応に関しても結論に達せずに終わっている。


AFP, August 27, 2016、AP, August 27, 2016、ARA News, August 27, 2016、Champress, August 27, 2016、al-Hayat, August 28, 2016、Iraqi News, August 27, 2016、Kull-na Shuraka’, August 27, 2016、al-Mada Press, August 27, 2016、Naharnet, August 27, 2016、NNA, August 27, 2016、Reuters, August 27, 2016、SANA, August 27, 2016、UPI, August 27, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュ掃討を目的にシリア領内に進攻したトルコ軍戦車部隊がYPG主体のシリア民主軍と初めて本格交戦(2016年8月27日)

アレッポ県では、AFP(8月27日付)によると、トルコ軍がジャラーブルス市一帯に戦車部隊を増派し、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍所属部隊と交戦した。

トルコ軍とシリア民主軍が本格的に交戦したのはこれが初めて。

シリア人権監視団によると、戦闘はジャラーブルス市南部10キロの地点に位置するアマールナ村一帯で起こり、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に近いジャラーブルス軍事評議会がトルコ軍戦車と対峙し、交戦したという。

AFPによると、トルコ軍戦車部隊と交戦したのはジャラーブルス軍事評議会、革命家軍、北の太陽旅団。

さらに、『ハヤート』(8月28日付)によると、トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団はまた、ジャラーブルス市南部の複数の村から人民防衛隊と連携する武装集団を掃討したという。

『ヒュッリイイェト』(8月27日付)によると、この増派により、シリア領内に展開しているトルコ軍の戦車は50輌、兵士は380人に上っているという。

ARA News(8月27日付)によると、この戦闘でジャラーブルス軍事評議会側はトルコ軍戦車2輌を破壊し、トルコ軍兵士1人が死亡、3人が負傷した。

一方、ジャラーブルス軍事評議会は声明を出し、トルコ軍戦闘機がアマールナ村にある同評議会の拠点や住居を空爆したと発表した。

この空爆で民間人複数人が死亡したという。

他方、「ユーフラテスの盾」作戦に参加するシャーム軍団はSNSを通じて声明を出し、ジャラーブルス市西部のフルワーニーヤ村(ダクナク村)、下ビール村(カンカウィー村)、上ビール村(カッラ・カウィー・アクラード村)、トゥライヒーム村を制圧したと発表した。

また、トルコのイスタンブールを拠点とするシリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「自由シリア軍」がダーイシュとの戦闘の末に27日にタッル・シャイール村、フルワーニーヤ村、ハミール・アッジャージュ村を制圧したと主張した。

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このほか、クッルナー・シュラカー(8月27日付)、ARA News(8月27日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室は、県北部のラーイー村東部を東進、ダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、サルジュ・ガルビー村とハダバート村を制圧した。

AFP, August 27, 2016、AP, August 27, 2016、ARA News, August 27, 2016、Champress, August 27, 2016、al-Hayat, August 28, 2016、Hurriyet, August 27, 2016、Iraqi News, August 27, 2016、Kull-na Shuraka’, August 27, 2016、al-Mada Press, August 27, 2016、Naharnet, August 27, 2016、NNA, August 27, 2016、Reuters, August 27, 2016、SANA, August 27, 2016、UPI, August 27, 2016などをもとに作成。

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ハサカ県シャッダーディー市南部でYPG主体のシリア民主軍拠点をダーイシュが爆弾攻撃(2016年8月27日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャッダーディー市南部のアナード村で大きな爆発が起きた。

爆発は、ダーイシュ(イスラーム国)が西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍拠点を狙った爆弾攻撃によるもの。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、スフナ市、タイバ村、アーラーク油田一帯、タドムル市・スフナ市街道のダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

一方、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がタドムル市東部郊外でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がラジャム・ダウラ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

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クナイトラ県では、ARA News(8月27日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ビン・ワリード軍(ヤルムーク殉教者旅団)がシャーム・ファトフ戦線(シャームの民のヌスラ戦線)の司令官の一人アブー・ハムザ・ジャワービラ氏を爆殺した。

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シリア軍がアレッポ市の葬儀会場を「樽爆弾」で爆撃し15人が死亡(2016年8月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がアレッポ市マアーディー地区の葬儀会場を2度にわたって「樽爆弾」で空爆し、子供11人を含む民間人15人が死亡、多数が負傷した。

一方、ARA News(8月27日付)などは、アレッポ市南西部士官学校一帯での戦闘で、砲兵学科長のアースィフ・ハイルベク准将が戦死したと報じた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、トルクメン山のアイン・イーサー村回廊一帯で、シリア軍が、シャーム・ファトフ戦線(シャームの民のヌスラ戦線)、トルキスターン・イスラーム党などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がヒムス市ワアル地区を14回にわたって空爆した。

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イドリブ県では、SANA(8月27日付)によると、ファトフ軍がフーア市に向かって狙撃し、子供2人が負傷した。

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ダルアー県では、SANA(8月27日付)によると、シリア軍がダルアー市旧税関地区で反体制武装集団と交戦した。

AFP, August 27, 2016、AP, August 27, 2016、ARA News, August 27, 2016、Champress, August 27, 2016、al-Hayat, August 28, 2016、Iraqi News, August 27, 2016、Kull-na Shuraka’, August 27, 2016、al-Mada Press, August 27, 2016、Naharnet, August 27, 2016、NNA, August 27, 2016、Reuters, August 27, 2016、SANA, August 27, 2016、UPI, August 27, 2016などをもとに作成。

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停戦合意が成立したダーライヤー市(ダマスカス郊外県)で反体制武装集団戦闘員とその家族の退去が完了(2016年8月27日)

ダマスカス郊外県では、SANA(8月27日付)によると、25日に発表された停戦合意に基づき、ダーライヤー市で籠城を続けてきた反体制武装集団戦闘員のその家族の第2陣がシリア政府の手配した大型旅客バスで同地をあとにし、ファトフ軍の拠点都市イドリブ市に向かった。

なおダーライヤー市での作戦を指揮した前線司令官の一人は、SANAに対して、イドリブ市に退去した武装集団戦闘員以外にも、多くの戦闘員が免罪を求め、当局に投降したことを明らかにした。

また、ダーライヤー市の全住民は一端、仮設居住センターに移動、シリア軍が同地に展開し、インフラ復旧後に帰宅するという。

SANA, Augusat 27, 2016
SANA, Augusat 27, 2016

AFP, August 27, 2016、AP, August 27, 2016、ARA News, August 27, 2016、Champress, August 27, 2016、al-Hayat, August 28, 2016、Iraqi News, August 27, 2016、Kull-na Shuraka’, August 27, 2016、al-Mada Press, August 27, 2016、Naharnet, August 27, 2016、NNA, August 27, 2016、Reuters, August 27, 2016、SANA, August 27, 2016、UPI, August 27, 2016などをもとに作成。

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