アムネスティ・インターナショナルは投獄経験のある国外避難民65人の証言をもとにシリア国内の刑務所での拷問に関する報告書を作成(2016年8月16日)

アムネスティ・インターナショナルは、2011年3月以降、シリア国内の刑務所で拷問を受け殺害された犠牲者が17,723人に及ぶとする報告書をインターネットを通じて発表した。

報告書は「‘It breaks the human’: Torture, disease and death in Syria’s prisons」(https://www.amnesty.org/download/Documents/MDE2445082016ENGLISH.PDF)と題され、獄中で拷問を受けながらも生存し、国外に避難した65人の証言をもとに、シリア国内の刑務所における非人道的な状況を紹介している。

AFP, August 18, 2016、AP, August 18, 2016、ARA News, August 18, 2016、Champress, August 18, 2016、al-Hayat, August 19, 2016、Iraqi News, August 18, 2016、Kull-na Shuraka’, August 18, 2016、al-Mada Press, August 18, 2016、Naharnet, August 18, 2016、NNA, August 18, 2016、Reuters, August 18, 2016、SANA, August 18, 2016、UPI, August 18, 2016などをもとに作成。

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米国はロシア空軍のハマダーン航空基地利用に「遺憾の念」(2016年8月16日)

米国務省のマーク・トナー副報道官は、ロシア空軍のハマダーン航空基地利用に関して、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣に「遺憾の念」を伝えたことを明らかにした。

トナー副報道官は、ロシアの今回の動きに関して、イランへの戦闘機の輸出、売却、移送を禁じた国連安保理決議第2231号への違反にあたらないか否かの検討を行うとしたうえで、「すでに複雑で緊迫したシリア情勢をいっそう難しくするだけ」と批判した。

AFP, August 17, 2016、AP, August 17, 2016、ARA News, August 17, 2016、Champress, August 17, 2016、al-Hayat, August 18, 2016、Iraqi News, August 17, 2016、Kull-na Shuraka’, August 17, 2016、al-Mada Press, August 17, 2016、Naharnet, August 17, 2016、NNA, August 17, 2016、Reuters, August 17, 2016、SANA, August 17, 2016、UPI, August 17, 2016などをもとに作成。

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イランのハムダーン航空基地から飛来したと思われるロシア軍機などがアレッポ県、イドリブ県のファトフ軍支配地域を激しく爆撃(2016年8月16日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イランのハマダーン航空基地から飛来したと思われるロシア軍機がアレッポ市南西部の士官学校一帯とアレッポ市東部を結ぶラームーサ地区、第1070集合住宅計画地区を激しく空爆し、ジハード主義武装集団戦闘員12人が死亡した。

またアレッポ市南西部のマフルーカ丘一帯、アーミリーヤ村では、シリア軍、アラブ人・外国人戦闘員が、シャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)、トルキスターン・イスラーム党、ウズベク人戦闘員などからなるファトフ軍と交戦した。

ロシア軍機はこのほかにも、シリア政府の支配下にとどまるアレッポ市西部周辺一帯、アレッポ市ザバディーヤ地区、ブスターン・バーシャー地区、アナダーン市、タカード村、ダーラト・イッザ市に対しても空爆を行う一方、アレッポ市バーブ街道地区とサーフール地区では、所属不明の戦闘機が空爆を行い、子供3人を含む19人が死亡、数十人が負傷した。

クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、ダーラト・イッザ市に対するロシア軍の空爆は、リーフ・ムルサラ病院にったいに集中したという。

他方、シリア軍ヘリコプターもアレッポ市マシュハド地区、サイフ・ダウラ地区を「樽爆弾」で空爆し、1人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団はアレッポ市マイダーン地区、アアザミーヤ地区、サイフ・ダウラ地区を砲撃、ブスターン・カスル地区、イザーア地区、ジュッブ・ジャバリー地区などでシリア軍と交戦した。

一方、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がハーン・トゥーマーン村、カフルハムラ村、マンスーラ村西部、アレッポ市南西部の士官学校一帯およびバーズー丘でファトフ軍の拠点に対して空爆を実施した。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市サラーフッディーン地区、サイフ・ダウラ地区を砲撃し、8人が死亡、12人が負傷した。

なお、シリア人権監視団によると、ロシア軍の空爆によりアレッポ市東部と市外を結ぶ兵站路上に位置するハーン・トゥーマーン橋(ハーン・トゥーマーン村)が破壊された。

だが、アレッポ市東部への反体制武装集団(ファトフ軍)の兵站路は依然として機能を続けているという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がサラーキブ市一帯、マアッラトミスリーン市、ハルブヌーシュ村を空爆した。

一方、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がタマーニア町西部、スカイク丘、ハーン・シャイフーン市、シャイフ・ムスタファー村、マアッラト・ヌウマーン市でシャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の拠点を空爆した。

これに対して、反体制武装集団はフーア市を砲撃し、1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とジハード主義武装集団がザーラ村、ヒルブナフサ村一帯、ブワイダ村一帯で交戦し、シリア軍大佐が死亡した。

一方、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がアトシャーン村西部などでシャーム自由人イスラーム運動、ジュンド・アクサー機構、アジュナード・シャーム・イスラーム連合の拠点を空爆した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハウラ地方、ガントゥー市各所を砲撃した。

一方、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がアーミリーヤ村でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)の拠点に対して特殊作戦を行い、これを破壊した。

これに対して、反体制武装集団はヒムス市ザフラー地区を砲撃、迫撃砲弾2発が同地区に着弾した。

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スワイダー県では、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がヨルダン領内から潜入した反体制武装集団の車列に対して特殊作戦を実施し、車輌10輌を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がダルアー市避難民キャンプ北西部でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)と交戦した。

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ダマスカス県では、SANA(8月16日付)によると、バーブ・トゥーマ区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾1発が着弾した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月14日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は1003件。

AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、August 18, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。

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戦闘機(所属不明)がダイル・ザウル県内のダーイシュ拠点を激しく爆撃(2016年8月16日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・ザウル市労働者住宅地区を空爆し、3人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、ダイル・ザウル市一帯での空爆では民間人10人が死亡したという。

一方、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がダイル・ザウル市工業地区でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マンビジュ市南西部および南東部郊外のイーラーン村、大ガッラ村、小ガッラ村で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、同3カ村を制圧した。

一方、クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、反体制武装集団(ARA News(8月16日付)によると、シャーム軍団、「命じられるまま正しく進め」連合などシャーム戦線の武装集団)がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、トルコ国境に近いラーイー村の大部分を制圧した。

ARA News(8月16日付)によると、ダーイシュはこれに対して、「穏健な反体制派」の拠点都市マーリア市に対して塩素ガスを装填した迫撃砲で砲撃を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がタドムル市近郊の穀物サイロ地区でダーイシュ(イスラーム国)拠点に対して空爆を行った。

一方、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がスフナ市、ウンム・サフリージュ村、ムシャイリファ村一帯にあるダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(8月16日付)によると、シリア軍がシュアーブ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)のトレーラー5輌を攻撃、破壊した。

またシリア軍戦闘機が、アーバール・ラシーダ地区東部のマシュバク・ワドヤーン地区でダーイシュの拠点を空爆した。


AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。

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ロシア軍長距離爆撃機がイランのハムダーン航空基地を初めて使用し、シリア領内のダーイシュ、ヌスラ戦線の拠点を爆撃(2016年8月16日)

ロシア国防省は、ロシア空軍のTu-22M3長距離爆撃機複数機がイランのハマダーン航空基地を離陸し、シリア領内のアレッポ県、ダイル・ザウル県、イドリブ県でダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)の拠点複数カ所に対する空爆を集中的に実施したと発表した。

この空爆で、サラーキブ市(イドリブ県)、バーブ市(アレッポ県)、アレッポ市、ダイル・ザウル市、ジャフラ村(ダイル・ザウル県)にある武器弾薬庫5カ所、指令拠点3カ所を破壊、テロリスト多数を殲滅したという。

またこの空爆では、ラタキア県フマイミーム航空基地に配備されているロシア空軍のSu-30戦闘機およびSu-35戦闘機複数機がTu-22M3長距離爆撃機を援護するために作戦に参加したという。

なお、シリア領内での作戦に参加するロシア空軍の長距離爆撃機は、これまでは北オセチア共和国の航空基地を発着していたが、イランのハマダーン航空基地を使用することで、シリアまでの到達時間を60%短縮できるようになったという。

またこれによって、爆弾搭載量も倍増するという。

SANA, August 16, 2016
SANA, August 16, 2016

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イランのアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長は、ロシア空軍長距離爆撃機のハマダーン航空基地への使用に関して「イランとロシアは、シリアでの「テロとの戦い」を行うための戦略的に協力しており、このためにさまざまな能力を交わしている」と述べた。

イランが外国軍に国内の航空基地の使用を許可するのは1979年のイラン・イスラーム革命以降初めて。

またロシア軍がシリア領内での作戦において、シリアおよびロシア以外の第三国の航空基地を使用するのもこれが初めて。

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米軍高官がAP(8月16日付)に述べたところによると、この作戦の数時間前に、ロシア空軍のTu-22長距離爆撃機6機が装備などを積載した貨物機1機とともにイランのハマダーン航空基地に配備されていたという。

また米国の複数の高官は、「米国はロシアが去年からイランに航空機を移送する可能性があると承知していたが、火曜日(16日)の決定は突然のことだった」と述べたという。

AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。

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シリア・アラブ航空のダマスカス・カイロ便が20日に再開(2016年8月16日)

SANA(8月16日付)は、シリア・アラブ航空のダマスカス・カイロ間の週1回の定期旅客便が8月20日から再開すると伝えた。

AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。

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米国防総省報道官はマンビジュ市からのYPG撤退に関して「トルコとの約束」を守ると発言(2016年8月16日)

米国防総省のエイドリアン・ランキン=ギャロウェイ報道官は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によるマンビジュ市(アレッポ県)制圧に関して、「作戦の目的がマンビジュのダーイシュ(イスラーム国)を打ち負かすことにあり、同地を地元住民の支配とガヴァナンスのもとに復帰させることを、作戦に参加するすべての勢力に明示してきた」としたうえで「我々は作戦が二国(米国とトルコ)の間で交わされた約束に沿って今後も行われると公約してきた」と述べ、トルコ側の意向に応じる意思を示した。

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は15日、「米国は、シリア民主軍の民主統一党戦闘員がマンビジュでの作戦が終わったらユーフラテス以東に戻るだろう、と我々に約束してくれた…。米国は約束を守らねばならない」と述べていた。

AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。

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親政権の国防隊と西クルディスタン移行期民政局アサーイシュがハサカ市内各所で激しく交戦(2016年8月16日)

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(8月16日付)によると、ハサカ市内のシリア正教会一帯、マルシュー交差点、東ヌシューワ交差点近くで、西クルディスタン移行期民政局アサーイシュと国防隊が激しく交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

ARA News(8月16日付)によると、アサーイシュは西クルディスタン移行期民政局支配下の西ヌシューワ地区からシリア政府支配下の東ヌシューワ地区に進攻したという。

両者の交戦は、1週間ほど前に、国防隊側がクルド人を、アサーイシュ側がアラブ人を逮捕したことを受けたもので、ハサカ市の部族長や名士らが両者の仲裁にあたっていたという。

AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。

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シリア国民連合暫定内閣はYPG主導下で結成されたバーブ軍事評議会を拒否(2016年8月16日)

ARA News(8月16日付)は、14日に発足が宣言されたバーブ市軍事評議会に関して、トルコのガジアンテップ一帯を拠点とするシリア革命反体制勢力国民連立暫定内閣所属のマンビジュ市地元評議会が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が結成したと断じ、「シリア革命の諸目的を実現しようとする国民の意思をになっておらず、価値の正当性もない」と批判した。

なお、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は、アレッポ県マンビジュ市攻略に際して、マンビジュ軍事評議会を設置している。

バーブ軍事評議会は14日に、バーブ市一帯の活動家がダーイシュ(イスラーム国)掃討に向けて結成を宣言していた。

ARA News, August 16, 2017
ARA News, August 16, 2017

 

AFP, August 16, 2016、AP, August 16, 2016、ARA News, August 16, 2016、Champress, August 16, 2016、al-Hayat, August 17, 2016、Iraqi News, August 16, 2016、Kull-na Shuraka’, August 16, 2016、al-Mada Press, August 16, 2016、Naharnet, August 16, 2016、NNA, August 16, 2016、Reuters, August 16, 2016、SANA, August 16, 2016、UPI, August 16, 2016などをもとに作成。

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