ファトフ軍による「アレッポ大血戦」開始以降、アレッポ市での民間人死者数が200人を越える、うち6割がシリア・ロシア軍ではなく「反体制派」の砲撃による犠牲者(2016年8月13日)

シリア人権監視団は、アレッポ市南西部でのファトフ軍による「アレッポ大血戦」開始以降の民間人の犠牲者数が200人を越えたと発表した。

同監視団によると、13日時点での民間人死者数は209人(子供55人を含む)、このうち90人(子供17人、女性7人を含む)がシリア・ロシア両軍の空爆・砲撃により死亡、これに対してファトフ軍などの反体制武装集団の砲撃での死者数は119人(子供38人、女性18人)にのぼるという。

なおこの数値はアレッポ市郊外各所へのシリア・ロシア両軍の空爆による犠牲者67人(子供17人、女性10人を含む)は含まれていないという。

AFP, August 13, 2016、AP, August 13, 2016、ARA News, August 13, 2016、Champress, August 13, 2016、al-Hayat, August 14, 2016、Iraqi News, August 13, 2016、Kull-na Shuraka’, August 13, 2016、al-Mada Press, August 13, 2016、Naharnet, August 13, 2016、NNA, August 13, 2016、Reuters, August 13, 2016、SANA, August 13, 2016、UPI, August 13, 2016などをもとに作成。

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シリア・ロシア両軍はファトフ軍の本拠地イドリブ県各所に激しい爆撃を実施、少なくとも16人が死亡(2016年8月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア・ロシア両軍の戦闘機がイドリブ市、サラーキブ市、サルミーン市、カフル・ヤフムール村、カフルナブル市、アブー・ズフール町、トゥウーム村、タッル・マルディーフ村、ハザーヌー町、アラブ・サイード村、タッル・スルターン村、アリーハー市、ハーン・シャイフーン市、マアッラータ村、カフルタハーリーム町、ラーム・ハムダーン村、マアッラト・ヌウマーン市、タフタナーズ市、カフルルーヒーン村などを空爆し、少なくとも16人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(8月13日付)によると、この空爆により、イドリブ市内にある聖マリア教会が損害を受けたという。

一方、クッルナー・シュラカー(8月14日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、反体制武装集団戦闘員3人が死亡した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がシャイフーニーヤ村を空爆、またシリア軍ヘリコプターがダーライヤー市を「樽爆弾」で攻撃した。

シリア軍はまたハラスター市各所を砲撃した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、オートストラード・アダウィー地区にあるダール・シファー病院近くに迫撃砲弾1発が着弾した。

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ダルアー県では、SANA(8月13日付)によると、シリア軍がダルアー市ダム街道地区、カラク貯水場一帯、避難民キャンプ一帯でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月12日に7件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動などが砲撃を行ったという。

AFP, August 13, 2016、AP, August 13, 2016、ARA News, August 13, 2016、Champress, August 13, 2016、al-Hayat, August 14, 2016、Iraqi News, August 13, 2016、Kull-na Shuraka’, August 13, 2016、August 14, 2016、al-Mada Press, August 13, 2016、Naharnet, August 13, 2016、NNA, August 13, 2016、Reuters, August 13, 2016、SANA, August 13, 2016、UPI, August 13, 2016などをもとに作成。

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シリア・ロシア両軍はアレッポ市南西部郊外一帯を激しく爆撃(2016年8月13日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア・ロシア両軍の戦闘機がアレッポ市南部、西部、南西部郊外(ラームーサ地区)、東部、ダーラト・イッザ市、カフル・ハラブ村、アナダーン市に対して空爆を行った。

また、ARA News(8月13日付)によると、シリア政府の支配下にあるアレッポ市北西部のヌッブル市、ザフラー町をアレッポ・ファトフ軍作戦司令室が砲撃した。

一方、SANA(8月13日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市サラーフッディーン地区、ハムダーニーヤ地区、ザフラー地区、アアザミーヤ地区を砲撃し、子供1人を含む9人が死亡し、22人が負傷した。

また、アレッポ市(西部)の食糧備蓄を拡充するため、穀物取引製造公社が小麦1,500トンを貨物トラック30輌で搬入した。

なお、シリア人権監視団によると、また反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部内の市場では、ラームーサ地区を経由して搬入された食糧、燃料の売買が行われるようになる一方、シリア政府支配下のアレッポ市西部では食糧、燃料の価格がファトフ軍による「アレッポ大血戦」開始以前の1.5倍に高騰しているという。

AFP, August 13, 2016、AP, August 13, 2016、ARA News, August 13, 2016、Champress, August 13, 2016、al-Hayat, August 14, 2016、Iraqi News, August 13, 2016、Kull-na Shuraka’, August 13, 2016、al-Mada Press, August 13, 2016、Naharnet, August 13, 2016、NNA, August 13, 2016、Reuters, August 13, 2016、SANA, August 13, 2016、UPI, August 13, 2016などをもとに作成。

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ダーイシュはマンビジュ市で「人間の盾」としていた住民数百人を解放(2016年8月13日)

アレッポ県では、AFP(8月13日付)が、ダーイシュ(イスラーム国)がマンビジュ市籠城時に「人間の盾」としていた住民数百人を解放したと伝えた。

住民は、ダーイシュがマンビジュ市を放棄し、トルコ国境に面するジャラーブルス市方面に敗走する際に解放されたという。

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ヒムス県では、ARA News(8月13日付)によると、シリア軍がファルハーニーヤ村にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、住民3人が死亡した。

一方、SANA(8月13日付)によると、シリア軍がジュッブ・ジャッラーフ町、マクサル・ヒサーン村、タドムル市郊外穀物サイロ地区一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(8月13日付)によると、シリア軍がサルダ山一帯、ダイル・ザウル航空基地一帯、アイヤーシュ村、ジャフラ村、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ハミーディーヤ地区、ジュバイリーヤ地区、ハウィーカ地区でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

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スワイダー県では、SANA(8月13日付)によると、シリア軍がアーバール・ラシーダ地区でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, August 13, 2016、AP, August 13, 2016、ARA News, August 13, 2016、Champress, August 13, 2016、al-Hayat, August 14, 2016、Iraqi News, August 13, 2016、Kull-na Shuraka’, August 13, 2016、al-Mada Press, August 13, 2016、Naharnet, August 13, 2016、NNA, August 13, 2016、Reuters, August 13, 2016、SANA, August 13, 2016、UPI, August 13, 2016などをもとに作成。

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イラン外相がトルコを訪問しエルドアン大統領らと会談:シリアの領土の一体性を強調することで、クルド民族主義勢力を牽制(2016年8月13日)

イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はトルコを訪問し、首都アンカラでトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、メヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と相次いで会談し、二国間関係、トルコでの軍事クーデタ未遂事件、エルドアン大統領のロシア訪問の成果などについて意見を交わした。

会談に先立ち、ザリーフ外務大臣はロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣と電話会談を行い、ヴラジミール・プーチン大統領とエルドアン大統領の会談の成果について意見を交わしていた。

チャヴシュオール外務大臣は「トルコを支援してくれたイラン政府と国民に感謝したい」と述べ、軍事クーデタ未遂事件に際して、ロシアとともにエルドアン政権への支持を表明したイランに謝意を示した。

チャヴシュオール外務大臣また、「イランの治安と安定はトルコの治安と安定である」と述べ、両国の治安部門での連携の重要性を強調した。

さらに「シリアの領土の統一性などで、我々が合意に達している問題がある一方、見解を異にしている問題もある。しかし我々は対話のチャンネルを閉ざすことはない。なぜなら、トルコがシリアの問題の持続的解決のために建設的な役割を果たすことが重要だと当初から考えてきたからだ」と述べた。

そのうえで、トルコ、イラン、そしてシリアにおけるクルド民族主義組織が、「アンカラとテヘランにとっての脅威の源泉であり…、ダーイシュ(イスラーム国)やヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)といった地域の過激派との戦いに向けたテヘランとの協力関係を創出する必要がある」と強調した。

これに対して、ザリーフ外務大臣も「一部の問題をめぐって意見や見解の相違はあるが、ダーイシュ、ヌスラ戦線などのテロリストに対処する必要があるとの点で共通の見解を持っている。イランとトルコには、テロとの戦いにおいて共通の目標がある」と述べた。

そのうえで「両国は、シリアの領土の統一性を望んでいる…。シリア国民が自らの未来を決せねばならない」と強調した。

さらに「イランは常に、トルコとロシアの良好な関係を望んでいる…。すべての域内諸国がシリアにおいて和平を実現し、過激派と戦うために協力しなければならない」と付言した。

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