ファトフ軍の事実上の統括者で「サウジアラビア人」のムハイスィニー氏がアレッポ市旧市街のウマイヤ・モスク中庭でインタビューに応じた映像が公開(2016年8月12日)

アレッポ市南西部で「アレッポ大血戦」を展開するファトフ軍の事実上の統括者のサウジアラビア人説教師アブドゥッラー・ムハイスィニー氏がアレッポ市の総カーディーを務めるというイブラーヒーム・シャーシュー氏とともに、アレッポ市旧市街にあるウマイヤ・モスクの中庭と思われる場所でインタビューに応じる映像がYoutube内のアカウント「シャーム・フィー・ウスブーア」(https://www.youtube.com/watch?v=uiWEpUzyxpg)を通じて公開された。

インタビューは約30分に及び、そのなかでムハイスィニー氏は、アレッポ市東部の解囲について「神がかった戦い」だったと自賛し、戦闘に参加した兵力は全体の20%に過ぎなかったと述べた。

Youtube, August 12, 2016
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AFP, August 12, 2016、AP, August 12, 2016、ARA News, August 12, 2016、Champress, August 12, 2016、al-Hayat, August 13, 2016、Iraqi News, August 12, 2016、Kull-na Shuraka’, August 12, 2016、al-Mada Press, August 12, 2016、Naharnet, August 12, 2016、NNA, August 12, 2016、Reuters, August 12, 2016、SANA, August 12, 2016、UPI, August 12, 2016などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はマンビジュ市内のダーイシュ残党約100人の掃討を完了し、同地を制圧(2016年8月12日)

アレッポ県では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するマンビジュ軍事評議会のシャルファーン・ダルウィーシュ報道官がロイター通信(8月12日付)に対して、マンビジュ市内に依然として約100人のダーイシュ(イスラーム国)戦闘員が残留しているとしたうえで、その掃討にむけた「最後の作戦、最後の攻撃」を行っていると述べた。

これに関して、シリア人権監視団は、シリア民主軍がマンビジュ市サラブ地区にあるダーイシュの最後の拠点を制圧し、ダーイシュの残党はトルコ国境に面するユーフラテス河畔のジャラーブルス市に敗走したと発表した。

シリア民主軍の司令部筋によると、同軍はダーイシュ敗走のための経路を確保、ダーイシュの残党はこの経路を通って敗走したという。

なお、シリア人権監視団によると、2016年5月に始まったシリア民主軍と有志連合によるマンビジュ解放作戦での死者は、民間人437人(うち子供105人)で、そのうちの203人が有志連合の空爆による犠牲者だという。

またシリア民主軍の死者数は299人、ダーイシュの死者数は1,091人にのぼるという。

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同じくアレッポ県では、ARA News(8月12日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県北部の反体制武装集団の戦略都市マーリア市を砲撃した。

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スワイダー県では、SANA(8月12日付)によると、シリア軍がシャンワーン村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

AFP, August 12, 2016、AP, August 12, 2016、ARA News, August 12, 2016、Champress, August 12, 2016、al-Hayat, August 13, 2016、Iraqi News, August 12, 2016、Kull-na Shuraka’, August 12, 2016、al-Mada Press, August 12, 2016、Naharnet, August 12, 2016、NNA, August 12, 2016、Reuters, August 12, 2016、SANA, August 12, 2016、UPI, August 12, 2016などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県のフーシュ・ナスル村を制圧(2016年8月12日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市、アルバイン市、ナシャービーヤ町、シャイフーニーヤ村を空爆し、子供2人を含む住民3人が死亡した。

またシリア軍はダーライヤー市を砲撃、これに対して反体制武装集団はハラスター市項がのダーヒヤト・アサド町一帯を砲撃した。

一方、SANA(8月12日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにフーシュ・ナスリー村で反体制武装集団を掃討、同地を制圧した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(8月12日付)によると、シリア・ロシア両軍の戦闘機がタッルアーダ村など県内の複数の市村を空爆し、15人が死亡した。

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ダルアー県では、SANA(8月12日付)によると、シリア軍がダルアー市南東部に潜入しようとした反体制武装集団を迎撃した。

また反体制武装集団は、ダルアー市カーシフ地区、鉄道駅北部地区を砲撃した。

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ヒムス県では、ARA News(8月13日付)によると、シリア軍戦闘機がラスタン市、タルビーサ市を空爆した。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月11日に10件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動などが砲撃を行ったという。


AFP, August 12, 2016、AP, August 12, 2016、ARA News, August 12, 2016、August 13, 2016、Champress, August 12, 2016、al-Hayat, August 13, 2016、Iraqi News, August 12, 2016、Kull-na Shuraka’, August 12, 2016、al-Mada Press, August 12, 2016、Naharnet, August 12, 2016、NNA, August 12, 2016、Reuters, August 12, 2016、RT, August 12, 2016、SANA, August 12, 2016、UPI, August 12, 2016などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ市西部への人道回廊を確保する一方、「人権団体」を名のるトルコのIHHがアレッポ市東部に食糧物資を搬入(2016年8月12日)

RT(8月12日付)は、シリア軍がアレッポ県アレッポ市北部のバニー・ザイド地区を経由してアレッポ市西部地区(シリア政府支配下)に人道物資を搬送するための人道回廊を設置、ロシア国防省が10日に発表した3時間(午前10時から午後1時)までの人道停戦を利用して、同地に物資搬入を行う模様だと伝えた。

一方、ARA News(8月12日付)によると、「人道支援」団体」を名のるトルコのIHH(人道支援基金)が、アレッポ市東部(反体制武装集団支配地域)に支援物資を積載した貨物トラックの車列を2度にわたり派遣し、同地に野菜、穀物を配給した。

支援物資は、トルコおよびクウェートから寄せられ、トルコのハタイ県を経由して同地に運び込まれたという。

ARA News, August 12, 2016
ARA News, August 12, 2016

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市北部のフライターン市、ハイヤーン町、アジア地区を空爆し、女性、子供を含む9人が少なくとも死亡、多数が負傷し、またフライターン市の小児科病院が空爆で利用不能となった。

戦闘機はまた、アレッポ市南西部のアウラム・クブラー町、ダーラト・イッザ市に対しても空爆を行い、少なくとも8人が死亡、

空爆はさらに、アレッポ市カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、旧市街、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ライラムーン交差点一帯、第1070集合住宅計画地区、スーク・ジャバス地区、ラーシディーン地区にも及んだほか、シリア軍ヘリコプターはアレッポ市旧市街各所を「樽爆弾」を攻撃、同地一帯ではシリア軍、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなるファトフ軍と交戦した。

これに対して、SANA(8月12日付)は、シリア軍がアレッポ市南西部の士官学校(各学科)一帯、ヒクマ学校南部、第1070集合住宅計画地区、ラームーサ地区一帯、カフルナーハー村、カフルハムラ村、アーミリーヤ村、ガス工場南部で反体制武装集団(ファトフ軍)の拠点を空爆したと伝えた。

また、反体制武装集団は、アレッポ市ハムダーニーヤ地区、バロン通り地区、ハーディル村を砲撃し、子供と女性合わせて2人が死亡、7人が負傷したと伝えた。

一方、アレッポ市とハナースィル市を結ぶ街道が通るアレッポ市南東部の養畜所一帯では、シリア軍と反体制武装集団(バヤーン運動とナスル軍)が戦闘を続けた。

なお、クッルナー・シュラカー(8月12日付)によると、反体制武装集団は、養畜所一帯のシリア軍拠点複数カ所を制圧し、街道を遮断したという。

これが事実だとすると、反体制武装集団はアレッポ市西部に至るシリア軍の唯一の兵站路をアレッポ市南東部で寸断することに成功したことになる。

しかし、RT(8月12日付)は、これを否定、シリア軍が11日夜に養畜所一帯に進攻し、同地を奪還したと伝えた。

AFP, August 12, 2016、AP, August 12, 2016、ARA News, August 12, 2016、Champress, August 12, 2016、al-Hayat, August 13, 2016、Iraqi News, August 12, 2016、Kull-na Shuraka’, August 12, 2016、al-Mada Press, August 12, 2016、Naharnet, August 12, 2016、NNA, August 12, 2016、Reuters, August 12, 2016、SANA, August 12, 2016、UPI, August 12, 2016などをもとに作成。

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ロシアは、ダーイシュに対する「テロとの戦い」でロシアとの共同作戦実施への意思を表明したトルコの姿勢を歓迎する一方、米国は両国の協力がダーイシュとの戦いに限定されるべきと慎重な対応(2016年8月12日)

ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣は、トルコがダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」でロシアとの合同作戦の実施を検討する用意があるとメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣が述べたことに歓迎の意を示した。

ボグダノフ外務副大臣は「もちろん、トルコは極めて重要なパートナーであり、もし彼らがそうした方針を持つのであれば、我々はチャヴシュオール外務大臣の発言を歓迎しないはずない。これは、我々はトルコのパートナーとハイレベル、そしてそのほかのレベルで連絡をとりあったことの結果だ」と述べた。

TASS通信(8月12日付)が伝えた。

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チャヴシュオール外務大臣はこれに先立ち、NTV(8月12日付)で「我々は詳細についての検討を行っている。我々が、共通の敵である…ダーイシュに対する作戦の実施をロシアによびかけており…こうした提案を今も行っている」と述べていた。

一方、アサド政権に関して、チャヴシュオール外務大臣は「多くの人々を殺戮した政権が国を指導できるはずもない。しかし、アサドの処遇をめぐって合意に達していないという理由だけで、ロシアとの対話を無視することなどできない…。我々はともに戦い、ダーイシュを根絶し…、シリアなどの国における病が流行らないようにせねばならない」と述べた。

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米国務省のエリザベス・トルドー報道官は、こうしたロシアとトルコの歩み寄りに関して、「我々は今も、ダーイシュと戦うため、同盟国であるトルコと連絡をとり合っている。ダーイシュに対する行動は我々みなにとって最優先事項だ。(ロシアとトルコの)協力がこの方向に実質的に向かうものであれば、我々はそれを歓迎する」と述べた。

トルドー報道官はまた「ロシアがダーイシュとの戦いを望むのであれば、我々はそれを支援する」と付言した。

一方、アレッポ市内でシリア軍が塩素ガスを装填した「樽爆弾」で攻撃を行ったとする現地活動家を守る者たち張に関しては「アレッポで化学兵器が使用されたことを示す情報について精査してお…、この情報を深刻に受け止めている」と述べた

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米主導の有志連合は11日にシリア領内で6回の爆撃を実施(2016年8月12日)

米中央軍(CENTCOM)は、8月11日のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

同発表によると、有志連合はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して18回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は6回で、ラッカ市近郊(1回)、ダイル・ザウル市一帯(2回)、マンビジュ市近郊(2回)、アイン・イーサー市近郊(1回)に対して攻撃が行われた。

AFP, August 12, 2016、AP, August 12, 2016、ARA News, August 12, 2016、Champress, August 12, 2016、al-Hayat, August 13, 2016、Iraqi News, August 12, 2016、Kull-na Shuraka’, August 12, 2016、al-Mada Press, August 12, 2016、Naharnet, August 12, 2016、NNA, August 12, 2016、Reuters, August 12, 2016、SANA, August 12, 2016、UPI, August 12, 2016などをもとに作成。

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