シリア・ロシア両軍がアレッポ市南西部への兵站路遮断に向け、イドリブ県サラーキブ市、タフタナーズ市を爆撃(2016年8月9日)

イドリブ県では、SANA(8月9日付)、ARA News(8月9日付)によると、シリア・ロシア両空軍戦闘機がサラーキブ市南部、タフタナーズ市を空爆し、イドリブ県とアレッポ市南部・西部郊外を結ぶ兵站路を寸断したほか、サルマダー市に対しても空爆を行った。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタルビーサ市を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダルアー市各所、第52旅団基地一帯、ラハム村・東カラム村街道一帯を砲撃した。

一方、SANA(8月9日付)によると、シリア軍がダルアー市アッバースィーヤ製パン工場西部、郵便局一帯、ワーディー・ザイディーとブスラー・シャーム市間の地域などで反体制武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがダーライヤー市を「樽爆弾」、地対地ミサイルと思われる砲弾で攻撃し、同市一帯でジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまたドゥーマーシを砲撃、戦闘機(所属明示せず)もナシャービーヤ町、フーシュ・サーリヒーン村など東グータ地方一帯を砲撃した。

さらにフーシュ・ナスリー村一帯では、シリア軍とジハード主義武装集団が交戦を続けた。

なお、ARA News(8月9日付)によると、東グータ地方各所に空爆を行ったのはシリア・ロシア両軍戦闘機。

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SANA(8月9日付)によると、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、イドリブ県で、2016年政令第15号に従い、94人が国民和解委員会の呼びかけに応じるかたちで当局に出頭、免罪となった。

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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ファトフ軍による解囲にもかかわらずアレッポ市東部への物資搬入は依然として滞ったまま(2016年8月9日)

アレッポ県では、アレッポ市東部の反体制武装集団支配地域への食糧、燃料といった物資の搬入が、ファトフ軍による解囲成功にもかかわらず、依然として滞っている、とARA
News(8月9日付)が伝えた。

また、シリア人権監視団によると、アレッポ市南部郊外、南西部郊外(マフルーカート丘など)、そして西部郊外一帯(ラーシディーン地区など)、ハフルハムラ村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区などで、シリア軍、シリア人および外国人からなる民兵とファトフ軍が交戦するなか、戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。

またアレッポ市東部のサーフール地区、カラム・ナズハ地区、タッル・ザラーズィール地区などに対しても戦闘機(所属明示せず)が空爆を行った。

一方、SANA(8月9日付)によると、シリア・ロシア両空軍戦闘機がアレッポ市南部および西部郊外一帯(士官学校各学科、ハーン・トゥーマーン村、フライターン市、カフルハムラ村、ヒクマ学校南部、1070計画地区、アーミリーヤ村)で反体制武装集団(ファトフ軍)に対して集中的な空爆を実施した。

両軍戦闘機はまた、ズィルバ村を空爆し、イドリブ県とアレッポ市南部・西部郊外を結ぶ兵站路を寸断したほか、ハーン・アサル村、アターリブ市に対しても空爆を行った。

またファフド・ジャースィム・フライジュ国防大臣がアサド大統領の指示を受けアレッポ市一帯で任務にあたるシリア軍地上部隊を視察した。

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍戦闘機がヒムス県、ダイル・ザウル県のダーイシュ拠点を爆撃(2016年8月9日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカルヤタイン市郊外、シャーイル油断一帯、ウンク・ハワー村、シャンダーヒーヤ村、ジュッブ・ジャッラーフ町、ウンム・サフリージュ村でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆、同地およびタドムル市郊外の穀物サイロ地区一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(8月9日付)によると、シリア軍がジュッブ・ジャッラーフ町に近い西ハブラ村、東ハブラ村、ウンク・ハワー村、ラッフーム村、ラジャム・カスル村東部、ウンム・シャルシューフ村西部、マクサル・ヒサーン村西部でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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ダイル・ザウル県では、クッルナー・シュラカー(8月9日付)によると、シリア軍戦闘機がムハイミーダ村を空爆し、住民19人が死亡、数十人が負傷した。

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スワイダー県では、SANA(8月9日付)によると、シリア軍がカスル村、ウルヤー丘東部、ブサイナ丘東部、サアド遺跡、マスィーダ村、ラジャム・ダウラ村、サーキヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃した。

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アレッポ県では、ARA News(8月9日付)によると、ハワール・キリス作戦司令室が県北部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、カサージク村、タッル・シャイール村を制圧した。

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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BBCはシリア領内で任務につく英特殊部隊の写真を入手・公開(2016年8月9日)

BBC(8月9日付)は、シリア国内で任務につく英特殊部隊の車輌や兵士の写真を公開した。

写真の撮影日付は、ダーイシュ(イスラーム国)がヒムス県の対イラク国境に位置するタンフ国境通行所一帯に展開する「新シリア軍」の基地を襲撃した2016年6月で、撮影された英特殊部隊は「新シリア軍」の基地一帯を守るために展開していたものと思われる。

BBCによると、新シリア軍の報道官は写真についてのコメントを拒否、「我々は英国と米国から特殊訓練を受けている。我々はまた、航空支援と合わせてペンタゴンから武器・装備を支給されている」と述べるのとどまったという。

BBC, August 9, 2016
BBC, August 9, 2016

 

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、BBC, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領が昨年11月のロシア軍機撃墜事件以降初めて会談、シリア情勢への対応を協議するため特別会合を設置し集中審議(2016年8月9日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はロシアを訪問し、サンクトペテルブルクでヴラジミール・プーチン大統領と会談した。

エルドアン大統領の外遊は、7月16日のクーデタ未遂事件発生以降初めて。

またプーチン大統領との会談も、2015年11月にトルコ軍戦闘機がシリア・トルコ国境地帯でシリア駐留ロシア軍戦闘機を撃墜し、両国関係が悪化して以降初めて。

なお、この事件に関して、エルドアン大統領は、クーデタ未遂事件が発生する直前の6月27日にロシア側に対して正式な謝罪を行っていた。

また、クーデタ未遂事件以降、エルドアン大統領が強権的な姿勢を強めたことに、欧米諸国が反発を強めるなか、プーチン大統領はクーデタ未遂事件発生直後にエルドアン大統領に指示を表明しており、こうした一連の動きのなかで両国の緊張が緩和、今回の首脳会談が実現した。

ARA News, August 9, 2016
ARA News, August 9, 2016

シリア情勢をめぐって、両首脳は、外務大臣、国防大臣、治安機関幹部を同席させた非公開の特別会合を設け、集中審議を行う予定。

その詳細は明らかではないが、『ハヤート』(8月10日付)などによると、「シリアにおける事態収拾にむけた共通の理解に達すること」がめざされているという。

プーチン大統領は、エルドアン大統領との共同記者会見で、現下のシリアの紛争を解決するための工程に関して、ロシアとトルコは「常に一致していた訳ではない」としつつ「共通の目標があり、我々はすべての当事者が満足するような解決策を検討する」と述べた。

また、両国首脳会談の目的が「ロシアとトルコの協力再開の仕組みを構築」することにあると強調、「最優先事項は、二国間関係を以前のレベルに戻し、Su24撃墜事件に伴う危機を乗り越えることにある」と強調した。

そのうえで、2015年11月以降にロシア側は科したガス・パイプライン(トゥルク・ストリーム)、原子力発電所建設計画への支援、観光・通商・経済協力の再開の必要を強調した。

これに対して、エルドアン大統領はプーチン大統領を「親友」と呼び、両国の関係改善に向けた詳細且つ本質的な議論を行うと述べるとともに、「すべての当事者、とりわけロシアの友人とともにテロとの戦いを継続することが重要だ」と強調した。

AFP, August 9, 2016、AP, August 9, 2016、ARA News, August 9, 2016、Champress, August 9, 2016、al-Hayat, August 10, 2016、Iraqi News, August 9, 2016、Kull-na Shuraka’, August 9, 2016、al-Mada Press, August 9, 2016、Naharnet, August 9, 2016、NNA, August 9, 2016、Reuters, August 9, 2016、SANA, August 9, 2016、UPI, August 9, 2016などをもとに作成。

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