フランスのマクロン大統領「シリアでのダーイシュとの戦いは2月に終わる…そのあとでアサド大統領と話さねばならない」(2017年12月17日)

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、フランス2(12月8日付)のインタビューに応じ、そのなかで、シリア国内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する戦いが来年2月半ば、あるいは2月末には終わるだろうとの見方を示したうえで、その後にアサド大統領との対話が必要になるだろうと述べた。

マクロン大統領は「フランスは、シリアでの(危機の)平和的解決のためのイニシアチブを発揮したいと考えている…。そのための最優先事項はダーイシュの根絶だ。そのあとにバッシャール・アサドがおり、我々は彼、ないしは彼の代理と対話しなければならない。それと同時に、シリアを追われ、域内各国にいる反体制派のすべての幹部と話さねばならない…。みながシリアの将来について考えるために話し合わねばならない…。シリア国民がアサドが犯した罪を裁くべきだ」と述べた。

マクロン大統領はまた、ダマスカスのフランス大使館の再開の是非について「まだ決めていない。再開を決定したら、理由を説明する」と述べた。

al-Hayat, December 19, 2017

AFP, December 18, 2017、ANHA, December 18, 2017、AP, December 18, 2017、ARA News, December 18, 2017、Champress, December 18, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2017、France 2, December 18, 2017、al-Hayat, December 18, 2017、al-Mada Press, December 18, 2017、Naharnet, December 18, 2017、NNA, December 18, 2017、Reuters, December 18, 2017、SANA, December 18, 2017、UPI, December 18, 2017などをもとに作成。

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トルコ紙は米軍がダーイシュのバグダーディー指導者をシリア国内で拘置していると伝えるも、有志連合はこれを否定(2017年12月17日)

トルコの『イェニ・シャファク』(12月17日付)は、米軍がダーイシュ(イスラーム国)のアブー・バクル・バグダーディー最高指導者をイラク領内で拘束し、シリア領内に移送、ハサカ県ラアス・アイン市にある米軍基地で拘置していると伝えた。

同紙によると、米軍はバグダーディー氏のほか、イラク人幹部ら7人も拘束したという。

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この報道に関して、米国防総省のエイドリアン・ランキン・ギャロウェイ報道官はタス通信の質問に対して「この問題についてのコメントはない」と述べた。

しかし、有志連合はその後、「残念ながら、この報道が事実でない。彼の居場所はまだ分からない」と否定した。

AFP, December 18, 2017、ANHA, December 18, 2017、AP, December 18, 2017、ARA News, December 18, 2017、Champress, December 18, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2017、al-Hayat, December 18, 2017、al-Mada Press, December 18, 2017、Naharnet, December 18, 2017、NNA, December 18, 2017、Reuters, December 18, 2017、SANA, December 18, 2017、UPI, December 18, 2017、Yeni Safak, December 18, 2017などをもとに作成。

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ダーイシュ戦闘員と家族数十人がダイル・ザウル県でYPG主体のシリア民主軍に投降(2017年12月17日)

ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(12月18日付)によると、県東部に潜伏していたダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員とその家族数十人が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の諜報機関に投降した。

AFP, December 18, 2017、ANHA, December 18, 2017、AP, December 18, 2017、ARA News, December 18, 2017、Champress, December 18, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2017、Euphrates Post, December 18, 2017、al-Hayat, December 18, 2017、al-Mada Press, December 18, 2017、Naharnet, December 18, 2017、NNA, December 18, 2017、Reuters, December 18, 2017、SANA, December 18, 2017、UPI, December 18, 2017などをもとに作成。

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イランはヘテランから、イラク、シリアを経由して地中海に至る兵站路の利用開始(2017年12月17日)

SANA(12月17日付)、アナトリア通信(12月17日付)など複数のメディアは、イラン・イスラーム革命防衛隊とイラク人民動員隊の車列が最近になって、イラクのアンバール県カーイム市とシリアのダイル・ザウル県ブーカマール市を結ぶ街道を通じてユーフラテス川河畔のイラク・シリア国境を越境している、と伝えた。

これらのメディアによると、車列は軍事物資を搬送しており、イランが、テヘランから、イラク、シリアを経由して地中海(レバノン)に至る陸路の使用を開始したことを示しているという。

AFP, December 17, 2017、Anadolu Ajansı, December 17, 2017、ANHA, December 17, 2017、AP, December 17, 2017、ARA News, December 17, 2017、Champress, December 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2017、al-Hayat, December 17, 2017、al-Mada Press, December 17, 2017、Naharnet, December 17, 2017、NNA, December 17, 2017、Reuters, December 17, 2017、SANA, December 17, 2017、UPI, December 17, 2017などをもとに作成。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構に近いイバー通信は、ハマー県北東部でのシリア軍とダーイシュの連携を示す地図を公開(2017年12月17日)

アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構に近いイバー通信(12月17日付)は、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)が、ハマー県北東部のイドリブ県境地域で連携していることを示す証拠として、自らが作成した勢力図を公開した。

この地図によると、シリア軍は、ダーイシュの支配地域を回避して、その東部に位置するラフジャーン村、シャークースィーヤ村、ウンム・マイヤール村、そして西部に位置するイドリブ県のアブー・ダーリー村、ムシャイリファ村のシャーム解放機構支配地域に進攻、一方ダーイシュは、両地域の間に位置するラスム・ハンマーム村方面への北進を試みている。

Wikalat al-Iba’, December 17, 2017

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首都の声(サウト・アースィマ)(12月17日付)は、複数の匿名消息筋の話として、ダマスカス県およびダマスカス郊外県で活動するダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員1人がシリア政府支配下のダマスカス県マイダーン区にあるマハーイニー病院で、軍事情報局パレスチナ課が厳戒態勢を敷くなか、同課の医師から治療を受けたと伝えた。

この戦闘員は、ダマスカス県タダームン区での反体制武装集団との戦闘で負傷したという。

AFP, December 17, 2017、ANHA, December 17, 2017、AP, December 17, 2017、ARA News, December 17, 2017、Champress, December 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2017、al-Hayat, December 17, 2017、al-Mada Press, December 17, 2017、Naharnet, December 17, 2017、NNA, December 17, 2017、Reuters, December 17, 2017、SANA, December 17, 2017、Sawt al-‘Asima, December 17, 2017、UPI, December 17, 2017などをもとに作成。

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トルコのエルドアン大統領「ダーイシュにラッカ市からの退去を命じた者とPYDにラッカ市制圧を指示した者は同じ」(2017年12月17日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、カラマン市で開催された与党公正発展党(AKP)の党大会に出席し、そのなかで西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によるラッカ市解放を「劇場」と非難、ダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)が「コインの表と裏」だと評した。

エルドアン大統領は「ダーイシュにラッカ市からの退去を命じた当事者と、PYDにラッカ市制圧を指示した当事者は同じだ」と述べ、米国を暗に批判した。

アナトリア通信(12月17日付)が伝えた。

AFP, December 17, 2017、Anadolu Ajansı, December 17, 2017、ANHA, December 17, 2017、AP, December 17, 2017、ARA News, December 17, 2017、Champress, December 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2017、al-Hayat, December 17, 2017、al-Mada Press, December 17, 2017、Naharnet, December 17, 2017、NNA, December 17, 2017、Reuters, December 17, 2017、SANA, December 17, 2017、UPI, December 17, 2017などをもとに作成。

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アル=カーイダ系組織のシャーム解放機構と共闘する自由シリア軍イッザ軍、トルキスタン・イスラーム党、アフラール軍がハマー県北部でシリア軍に対して攻勢(2017年12月17日)

ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月17日付)によると、アル=カーイダ系のシャーム解放機構と共闘関係にある「穏健な反体制派」(自由シリア軍所属)のイッザ軍が、シリア軍との戦闘の末、県北部のズラーキーヤート村および同村一帯のシリア軍検問所、ザリーン検問所を制圧した。

この戦闘で、シリア軍兵士数十人が死傷、多数が捕捉、イッザ軍は捕捉した兵士の映像をインターネットを通じて公開した。

al-Durar al-Shamiya, December 17, 2017

なおこの戦闘と前後して、同じくシャーム解放機構と共闘関係にあるアフラール軍が、シリア政府支配下のハラファーヤー市一帯でのシリア軍とイッザ軍、トルキスタン・イスラーム党との戦闘に参加すると表明した。

また、ロシア軍がラターミナ町、カフルズィーター市、ハラファーヤー市一帯を爆撃した。

一方、ヒズブッラーの中央戦争広報局は、シリア軍と同盟部隊がラスム・スィヤーラ村、ウバイダ村を制圧したと発表した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月17日付)によると、ロシア軍戦闘機が、アル=カーイダ系のシャーム解放機構などからなる武装集団の支配下にあるハーン・シャイフーン市を爆撃し、女性7人と子ども2人の9人が死亡、また多数が負傷した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(12月17日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、県南西部でシャーム解放機構などからなる武装集団と交戦、ザフル・アブヤド丘とナッジャール農場を完全制圧した。

シリア軍はまた、東グータ地方のタッル・クルディー町の女性刑務所近郊で反体制武装集団が掘削した全長300メートルの地下トンネルを発見、これを破壊した。

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ヒムス県では、SANA(12月17日付)によると、反体制武装集団がマシュラファ村、ジャッブーリーン村を砲撃した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月17日付)によると、シリア・ロシア両軍が県南部のタッル・ダマーン村一帯を激しく砲撃・空爆、またシリア軍が同地およびフワイリー村一帯でアル=カーイダ系のシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(12月17日付)によると、アレッポ市ハラブ・ジャディーダ地区を反体制武装集団が砲撃し、同地区の学校が被弾、女性教師2人と女子生徒1人が負傷した。

このほか、アブー・アマーラ特殊任務連隊は声明を出し、17日にアレッポ市内でフサイン・ファラフー人民議会議員(アレッポ市A部門)の息子で国防隊司令官の一人ムハンマド・ファラフー氏を暗殺したと発表した。

しかし、『ハヤート』(12月18日付)は、政権に近い複数の消息筋が、ファラフー氏が暗殺ではなく、短銃の暴発によって死亡したと話していると伝えた。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月17日付)によると、ウマリー旅団連合が西ムライハ村、シハーヤ村にあるシリア軍拠点を襲撃し、同地一帯で爆弾の敷設を行ってきたとされる部隊員7人を拘束した。

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ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(12月17日付)によると、シリア軍と人民防衛隊がダイル・ザウル市ジャウラ地区、クスール地区で兵役を忌避している18歳から42歳の男性数十人を拘束した。

AFP, December 17, 2017、ANHA, December 17, 2017、AP, December 17, 2017、ARA News, December 17, 2017、Champress, December 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2017、Euphrates Post, December 17, 2017、al-Hayat, December 17, 2017、al-Mada Press, December 17, 2017、Naharnet, December 17, 2017、NNA, December 17, 2017、Reuters, December 17, 2017、SANA, December 17, 2017、UPI, December 17, 2017などをもとに作成。

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ハサカ県のロジャヴァ支配地域に非難していたダイル・ザウル県住民1,100人が帰還(2017年12月17日)

ハサカ県では、ANHA(12月17日付)によると、アリーシャ町に設置されたサッド収容キャンプで避難生活をしていたダイル・ザウル県住民のうち約1,100人が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とダイル・ザウル民政評議会によって用意された旅客バスに分乗し、帰還した。

帰還した住民は、ブサイラ市、スブハ村、ズィーバーン町の住民。

ANHA, December 17, 2017

AFP, December 17, 2017、ANHA, December 17, 2017、AP, December 17, 2017、ARA News, December 17, 2017、Champress, December 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2017、al-Hayat, December 17, 2017、al-Mada Press, December 17, 2017、Naharnet, December 17, 2017、NNA, December 17, 2017、Reuters, December 17, 2017、SANA, December 17, 2017、UPI, December 17, 2017などをもとに作成。

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シリア赤新月社、ロジャヴァ傘下のラッカ文民評議会はラッカ県に人道支援物資を搬入(2017年12月17日)

ラッカ県では、SANA(12月17日付)によると、シリア赤新月社の支援チームが件南部のディブスィー・アフナーン村、ディブス・ファラジュ村および両地一帯の村々に貨物トラック38台分の人道支援物資(食糧、調理器具、毛布など)を搬入し、住民に配給した。

ラッカ県南部への人道支援は10月29日の物資搬入に続いて今回が2度目。

SANA, December 17, 2017

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一方、ANHA(12月17日付)によると、西クルディスタン移行期民政局支配下のラッカ市では、同民政局傘下のラッカ文民評議会が、ジャズラ地区、シャイフ・ダウラ地区、アブー・ヒーシュ地区の住民に対して人道支援物資500パックを配給した。

ANHA, December 17, 2017

AFP, December 17, 2017、ANHA, December 17, 2017、AP, December 17, 2017、ARA News, December 17, 2017、Champress, December 17, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 17, 2017、al-Hayat, December 17, 2017、al-Mada Press, December 17, 2017、Naharnet, December 17, 2017、NNA, December 17, 2017、Reuters, December 17, 2017、SANA, December 17, 2017、UPI, December 17, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは11件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2017年12月17日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(12月17日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(アレッポ県7件、クナイトラ県2件、ヒムス県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件、アレッポ県2件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

一方、過去24時間にヒムス県の1カ村とハマー県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,311市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 17, 2017をもとに作成。

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