ロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使「シリア経済の損失額は4,000億ドル、一部の国は復興への貢献に際して条件を課そうとしている」(2017年12月22日)

アスタナ会議でロシア政府の代表団長を務めるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使はRT(12月22日付)に対して、「シリア経済の損害は甚大で、実際の損失額は少なくとも4,000億米ドルに達していると思う。危機によってすべての部門が甚大な被害を受けるなか、シリアは外資とドナー国の支援を必要としている」と述べた。

ラヴレンチエフ特使はしかし「残念ながら、政治プロセスを通じて圧力をかけ、復興に貢献するために条件を課そうとしている国が存在する…。復興を目的とする財政支援に際してダブル・スタンダードに立っている」と述べ、欧米諸国を暗に批判した。

AFP, December 23, 2017、ANHA, December 23, 2017、AP, December 23, 2017、ARA News, December 23, 2017、Champress, December 23, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 23, 2017、al-Hayat, December 24, 2017、al-Mada Press, December 23, 2017、Naharnet, December 23, 2017、NNA, December 23, 2017、Reuters, December 23, 2017、RT, December 22, 2017、SANA, December 23, 2017、UPI, December 23, 2017などをもとに作成。

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アスタナ8会議に参加するロシアのアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使:「PYDはソチでのシリア国民対話大会には参加しない」(2017年12月22日)

ロシア代表団の団長を務めるアレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使は、シリア諸国民大会(シリア国民対話大会)への招待者リストのなかに、西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)のメンバーは含まれないと述べた。

スプートニク・ニュース(12月22日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、Sputnik News, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017などをもとに作成。

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シャーム解放機構はダーイシュとの戦闘の末にハマー県北東部の丘を奪還(2017年12月22日)

ハマー県では、イバー通信(12月22日付)によると、シャーム解放機構が県北東部でダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、戦闘員9人を殲滅し、ザグバク丘を奪還した。

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017、Wikalat al-Iba’ al-Ikhbariya, December 22, 2017などをもとに作成。

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オーストラリアはシリア、イラクでのダーイシュに対する爆撃を終了すると発表(2017年12月22日)

オーストラリアのマライズ・バーイン国防産業大臣は記者会見を開き、シリア、イラク領内でのダーイシュ(イスラーム国)に対する空爆を終了すると発表した。

パイン大臣は「戦場での戦果は我々の作戦が転換点に来たことを意味する。我が軍の戦闘機は来年初めには、オーストラリアへの帰還を開始する」と述べた。

ロイター通信(12月22日付)が伝えた。

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017などをもとに作成。

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アスタナ8会議が閉幕:1月29~30日にソチでシリア国民対話大会(シリア諸国民大会)を開催することを決定(2017年12月22日)

ロシア、トルコ、イランを保証国とするシリア政府と反体制武装集団の停戦協議「アスタナ8会議」が、カザフスタンの首都アスタナで2日間にわたる日程を終え閉幕した。

カザフスタンのカイラット・アブドラフマノフ外務大臣は会場で、ロシア、トルコ、イランの保証国が作成した閉幕声明を読み上げ、アスタナ8会議の成果を発表した。

それによると、アスタナ8会議での主な合意事項は以下の通り:

1. 逮捕者・失踪者消息調査と遺体・捕虜返還にかかる作業グループを設置する。
2. 史跡地域での地雷・爆発物撤去にかかる作業グループを設置する。
3. シリアのすべての当事者が参加するシリア国民対話大会を2018年1月29~30日にロシアのソチで開催する。
4. アスタナ9会議を2月半ばに開催する。

『ハヤート』(12月23日付)などが伝えた。

AFP, December 22, 2017

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シリア政府代表を率いるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は閉幕時の記者会見で、シリア領内のトルコ軍と米軍の進駐を「明白な敵対行為」とみなしていると述べ、シリア領内に違法に進駐する外国軍部隊の即時、無条件の撤退を要請した。

記者会見で、ジャアファリー国連シリア代表は、「アスタナ8会議では緊張緩和地帯、とりわけイドリブ県の緊張緩和地帯にかかる合意について協議した。シリア政府は、シリア領内におけるトルコ軍の進駐を、5月のアスタナ4会議の合意に反する明白な敵対行為とみなしている」と述べた。

ジャアファリー国連シリア代表はまた「シリア政府の合意なしにシリア領内に部隊を残留させようとしている米国の姿勢は、シリア・アラブ共和国の主権の侵害で、国連憲章に違反している」と非難した。

一方、「シリア諸国民大会」については、「シリアはソチでの国民対話大会に出席する。我々は、シリア人どうしの対話を基礎とするこの大会の準備に向け、可能な取り組みを行う」と強調した。

なお、2日の議事に先立って、シリア政府代表団は、ホセイン・ジャーベリー・アンサーリー外務副大臣(アラブ・アフリカ担当)を団長とするイラン代表団と会談した。

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これに対し、反体制武装集団の代表団「シリア軍事革命諸勢力代表団」は、セダト・オナル外務大臣特別顧問を団長とするトルコ代表団、アレクサンドル・ラヴレンチエフ・シリア問題担当大統領特使を団長とするロシア代表団と会談した。

シリア軍事革命諸勢力代表団によると、トルコ代表団との会談では、緊張緩和地帯でのシリア軍による違反行為、イドリブ県の緊張緩和地帯でのトルコ軍監視部隊の展開、シリア諸国民大会への対応などについて協議したという。

一方、ロシア代表団との会談では、ラヴレンチエフ特使がシリア軍事革命諸勢力代表団に対して「シリアにおける危機は、アサドであれ誰であれ、1人の人間(の進退)によって解決するものだへない。シリア人どうしの対話大会が最終的な問題解決に向けた突破口となるべきだ」と述べたという。

シリア軍事革命諸勢力代表団の団長を務めるアフマド・トゥウマ氏(暫定内閣前首班)はアスタナ8会議閉幕後に記者会見を開き、逮捕者・失踪者消息調査にかかる作業グループの設置が合意されたことを高く評価する一方、ソチでのシリア国民対話大会の日程が決まったことについては「我々は武装勢力や政治幹部と協議したい。我々は自らの原則に立ち返ってソチでの大会への参加についての最終決定をしたい」と述べた。

『ハヤート』(12月23日付)が伝えた。

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モスクワからアスタナ入りしたスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、シリア国民対話大会開催日を発表したアスタナ8会議閉幕声明を高く評価するとともに、ダマスカス郊外県東グータ地方などへの円滑な人道支援の必要を主張した。

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017などをもとに作成。

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アレッポ県北部でトルコ軍とYPGが砲撃の応酬(2017年12月22日)

アレッポ県では、ANHA(12月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局の拠点としてあるアフリーン市郊外およびタッル・リフアト市郊外をトルコ軍が砲撃した。

トルコ軍の砲撃は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)および女性防衛部隊が、トルコ軍の支援を受けてアアザーズ市一帯で活動を続ける反体制武装集団の砲撃に応戦したことに対抗して行われ、マルアナーズ村、マーリキーヤ村、フィーラート・カーディー村、シャワーリガ村が標的となった。

しかし、ドゥラル・シャーミーヤ(12月22日付)によると、トルコ軍はYPGがアアザーズ市一帯を砲撃したために反撃したという。

ANHA, December 22, 2017

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県東部でダーイシュと交戦(2017年12月22日)

ダイル・ザウル県では、ANHA(12月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が東ジャラス村を襲撃したダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017などをもとに作成。

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シリア軍はダマスカス郊外県南西部、ハマー県北東部でシャーム解放機構などからなる武装集団と交戦(2017年12月22日)

ダマスカス郊外県では、SANA(12月22日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、県南西部のバイト・ジン村一帯でシャーム解放機構などからなる武装集団と交戦した。

『ハヤート』(12月23日付)によると、シリア軍はまたラフマーン軍団の拠点であるアイン・タルマー村一帯を砲撃したほか、ザマルカー町、ナシャービーヤ町、ズライキーヤ村を爆撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(12月22日付)によると、シリア軍はドゥーマー市を砲撃する一方、首都ダマスカスとヒムス市を結ぶ国際幹線道路一帯でイスラーム軍と交戦した。

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ハマー県では、SANA(12月22日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、県北東部のムシャイリファ村一帯、県北部のラターミナ町一帯でシャーム解放機構などからなる武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、カスル・イブン・ワルダーン村、ウンム・ザフマク村一帯を爆撃した。

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イドリブ県では、SANA(12月22日付)によると、シリア軍がアブー・ダーリー村一帯を爆撃した。

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スワイダー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月22日付)によると、スワイダー市とマズラア町の民兵が、スワイダー市内にある政治治安部の施設を包囲し、士官1人を拉致、連行した。

民兵は、政治治安部が拘束しているとされるラーカーン・サリーム・バッカール氏の釈放を求めているという。

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017などをもとに作成。

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ロシアのショイグ国防大臣はロシア軍によるシリアでの「テロとの戦い」の戦果を発表(2017年12月22日)

ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣は、ロシア軍司令部の会合で、シリアでの「テロとの戦い」の戦果を報告し、テロリスト6万人以上を殲滅したと発表した。

報告によると、ロシア軍は2015年9月末のシリア領内での空爆開始以降、4万8,000人の兵士をシリアでの「テロとの戦い」に参加させ、ロシアを含む独立国家共同体(CIS)出身者2,800人を含む6万318人を殲滅した。

また、シリア軍を支援し、6,533ヘクタールの地域、街道総延長1,410キロ、建物17万138棟で地雷・爆発物(10万5,054発)を撤去した。

ロシア海軍の巡航ミサイルによる攻撃は100回におよび、戦闘機および戦略爆撃機による爆撃回数は6万6,000回におよんだという。

SANA(12月22日付)、ドゥラル・シャーミーヤ(12月22日付)などが伝えた。

AFP, December 22, 2017、ANHA, December 22, 2017、AP, December 22, 2017、ARA News, December 22, 2017、Champress, December 22, 2017、al-Durar al-Shamiya, December 22, 2017、al-Hayat, December 23, 2017、al-Mada Press, December 22, 2017、Naharnet, December 22, 2017、NNA, December 22, 2017、Reuters, December 22, 2017、SANA, December 22, 2017、UPI, December 22, 2017などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは1件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2017年12月22日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(12月22日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(アレッポ県)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(イドリブ県2件、ダマスカス県・ダマスカス郊外県1件)の停戦違反を確認したという。

ほとんどの停戦違反は、シャーム解放機構の支配地域として登録されている地域で発生したという。

シリア政府との停戦に応じた自治体は現在、2,313市町村、武装組織の数は234組織。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 22, 2017をもとに作成。

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