サウジ日刊紙:イランとイスラエルが秘密交渉、シリア南部での戦争が発生した場合、イラン・イスラーム革命防衛隊やヒズブッラーを参戦させないことで合意(2018年5月28日)

サウジアラビア日刊紙『イーラーフ』(5月28日付)は、イランとイスラエルがシリア南部での戦闘発生時の対応について秘密交渉を行っていたと伝えた。

同紙によると、秘密交渉はヨルダンの首都アンマンにあるホテルで行われ、ホテル内の一室に在ヨルダン・イラン大使が、別の一室にイスラエル治安関係者が待機、仲介者となるヨルダン政府関係者が、両室を往復し、文書でやりとりを行ったという。

その結果、シリア南部のダルアー県やクナイトラ県で(シリア軍と反体制派の)戦闘が発生した場合、イラン・イスラーム革命防衛隊とその支援を受ける民兵、さらにレバノンのヒズブッラーを参戦させないことで合意がなされたという。

なお、ロシア政府もこの交渉を注視、合意の保障国となったという。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Ilaf, May 28, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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トルコが支援するシャーム軍団、アル=カーイダと共闘する自由イドリブ軍など11組織が新たな武装組織「国民解放戦線」を結成(2018年5月28日)

シリア北部で活動する反体制武装集団11組織が共同声明を出し、新たな武装組織「国民解放戦線」の結成を宣言した。

参加したのは、トルコが支援するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、シャーム解放機構と共闘してきた自由イドリブ軍、第1沿岸師団、第2沿岸師団、第1歩兵師団、第2軍、精鋭軍、ナスル軍、ダーライヤー・イスラーム殉教者、自由旅団、第23師団。

司令官はファドルッラー・ハッジー大佐が、副司令官はスハイブ・ルユーシュ中佐が、参謀長はムハンマド・マンスール少佐が、報道官はナージー・ムスタファー大尉がそれぞれ務める。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、国民解放戦線に参加する11組織は、それ以外の武装連合体に所属しないという。

al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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バーブ市で東部自由人連合とワーキー家が和解、東部自由人連合はバーブ市通行などを禁じられる(2018年5月28日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、トルコの実質占領下にあるバーブ市で5月6日に発生した東部自由人連合とワーキー家の衝突に関して、9項目からなる和解合意が結ばれた。

和解合意は、①東部自由人連合幹部のアブー・ジャンムー氏のバーブ市からの追放、②東部自由人連合が接収したバーブ市内の民家、農地の返還、③東部自由人連合の車列のバーブ市内の通行禁止、③東部自由人連合戦闘員とワーキー家子息の今後の個人的な紛争に連合およびワーキー家は関与しない、といった点を骨子とする。

al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はシリア政府から制憲委員会メンバー候補名簿を受け取る(2018年5月28日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の事務所は、国連がシリア政府から制憲委員会メンバー候補名簿を受け取ったと発表した。

スプートニク・ニュース(5月28日付)が伝えた。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、Sputnik News, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ヤルダー市、バッビーラー町、バイト・サフム市で解放を祝いシリア国旗が掲揚される(2018年5月28日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月28日付)によると、反体制武装集団が退去したヤルダー市、バービッラー市、バイト・サフム市が11日にシリア政府支配下に復帰したことを記念して、同地中心街の広場にシリア国旗が掲揚、住民らが同地の解放を改めて祝った。

SANA, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは4件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年5月28日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(アレッポ県2件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ハマー県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 28, 2018をもとに作成。

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ラッカ市内でYPGとラッカ革命家旅団が交戦、米軍が介入しYPGを市外に撤退させる(2018年5月27日)

ラッカ県では、DPA(5月28日付)、『ハヤート』(5月29日付)、ロイター通信(5月28日付)などによると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)とラッカ革命家旅団が27日晩、ラッカ市内で交戦し、民家などが巻き添えとなり被弾した。

ロジャヴァの治安部隊であるアサーイシュがラッカ市ラムラ地区バザーリー交差点近くにあるラッカ革命家旅団司令官のアブー・アウワード氏の自宅に対して強制捜査を行ったことに、同地区の若者が反発、アサーイシュとYPGが増援部隊を派遣し、ラッカ革命家旅団の本部を包囲し、ラッカ市からの退去を迫ったことで、戦闘に発展したという。

事態を受けて、有志連合を主導する米軍が介入し、YPGをラッカ市西の本営に撤退させた。

YPGとラッカ革命家旅団はこれまでにもラッカ市内で度々小競り合いを繰り返してきた。

YPGとラッカ革命家旅団はともにシリア民主軍に参加しており、ラッカ革命家旅団はシリア民主軍における最大のアラブ人民兵と目されている。

al-Hayat, May 29, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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イランのシャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長はシリア駐留継続を改めて強調(2018年5月27日)

イランのアリー・シャムハーニー国家安全保障最高評議会事務局長は「シリアの治安がテロによって脅かされ、シリア政府が要請を続ける限り、イラン・イスラーム革命防衛隊のシリア進駐を続ける意思を示した。

IRNA(5月27日付)が伝えた。

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、IRNA, May 27, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相はイランによるレバノンへの武器供与、シリア進駐を改めて拒否(2018年5月27日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は定例閣議で「レバノンに殺戮兵器を持ち込んだり、同地で生産しようとするイランのいかなる試みにも対抗する…。我々はイランによる核兵器保有を阻止するために行動するとともに、テヘランがシリア国内で我々に対する軍事拠点することに対抗する…。イランの敵対行為に対する戦いは終わっていないどころか、いまだに戦いの最中にある」と述べた。

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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ドゥラル・シャーミーヤ:シリア北部とトルコ領内にシリア軍の「自爆無人偵察機」2機が墜落か?(2018年5月27日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)は、シリア軍の「自爆無人偵察機」2機が、イドリブ県西部のハムブーシーヤ村近郊と、トルコ領内で自爆したと伝え、その破片を写したとされる写真を掲載した。

2機の自爆による被害はなかったという。

複数の地元消息筋によると、「イランの民兵が、この手の「自爆航空機」で解放区を狙うようになっている」のだという。

al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍ヘリコプターはイドリブ県北部に投降と和解を呼びかけるビラを散布(2018年5月27日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)によると、ロシア軍ヘリコプター複数機が、県北部のサルマダー市近郊にある避難民キャンプ一帯に、投降とシリア政府との和解を呼びかけるビラを散布した。

al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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シリア軍消息筋:ダマスカス郊外県バッビーラー町でロシア軍憲兵隊に取り抑えられた男たちは「シリア軍兵士ではなく指名手配者」(2018年5月27日)

SANA(5月27日付)は、ロシア軍憲兵隊が、ダマスカス郊外県バービッラー市の空き家で窃盗・略奪を行っていたシリア軍兵士複数人をとり抑えた瞬間を捉えたとされる写真がSNSを通じて拡散されたことに関して、シリア軍消息筋の話として、公開された写真に写っている拘束された男性たちが、シリア軍に所属しておらず、治安当局によって指名手配され、すべての検問所にその氏名を告知されていた人物だと伝えた。

al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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SANA:ダーイシュはヤルムーク・パレスチナ難民キャンプの学校を児童戦闘員の養育・育成場所として利用していた(2018年5月27日)

SANA(5月27日付)は、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市やダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプを支配していたダーイシュ(イスラーム国)が同地の学校を、児童戦闘員を育成・動員するために利用していたと伝え、ダーイシュのプロパガンダや紋章が描かれた学校施設の写真や映像を公開した。

SANA, May 27, 2018
SANA, May 27, 2018
SANA, May 27, 2018
SANA, May 27, 2018
SANA, May 27, 2018

ハジャル・アスワド市とヤルムーク・パレスチナ難民キャンプは21日にシリア軍によって解放され、現在はシリア政府の支配下に復帰している。

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省はダイル・ザウル県でロシア軍顧問4人がテロ集団に襲撃され死亡したと発表(2018年5月27日)

ロシア国防省は声明を出し、ダイル・ザウル県南東部にあるシリア軍の拠点が「テロ集団」によって襲撃され、同拠点にいたロシア軍の顧問4人が死亡、3人が負傷した。

死亡した4人のうち2人は即死し、2人は搬送先の病院で死亡した。

殺害された日時は明らかにされなかったが、シリア軍拠点を襲撃した「テロ集団」も、戦闘で43人が死亡、重火器を装備した車輌6台を破壊されたという。

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一方、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(5月26日付)は、ダイル・ザウル県のシリア軍とロシア軍の車列をダーイシュが奇襲し、ロシア軍兵士を含む23人を殺害したと伝えた。

AFP, May 27, 2018、ANHA, May 27, 2018、AP, May 27, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、May 27, 2018、al-Hayat, May 28, 2018、Reuters, May 27, 2018、SANA, May 27, 2018、UPI, May 27, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは5件の停戦違反を、トルコ側は4件の違反を確認(2018年5月27日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月27日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県3件、ハマー県1件、イドリブ県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも4件(ハマー県3件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 27, 2018をもとに作成。

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レバノンのバースィール外務大臣は法律第10号に関して「一部の難民の帰還しかもたらさない」との懸念をムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣と国連のグテーレス事務総長に書簡で伝える(2018年5月26日)

レバノンのジュブラーン・バースィール外務大臣(自由国民潮流)は、3年半ばに施行された法律第10号に関して、シリアのワリード・ムアッリム副首相兼外務在外居住者大臣および国連のアントニオ・グテーレス事務総長に、「レバノンは、(この法律)の実施条件が、一部の難民の帰還しかもたらさないのではと懸念している」と書簡で伝えた。

法律第10号(都市再開発法)は、開発地域内の私有地を接収し、同地域での新規プロジェクトにかかる収益の一部を配当金として所有者に支払い、補償を行うことなどを定めている。

同法では、シリア政府による開発地域設定後、1ヶ月以内に当局が域内の土地所有者に配当金補償についての告知を行い、これを受諾した所有者は配当金を受け取る一方、この申し出を拒否する所有者は30日以内に土地の所有権を証明する必要がある。

バースィール外務大臣の書簡では、「30日以内」という規定が、国外で非難生活を送る難民には不充分だと指摘している。

NNA(5月26日付)が伝えた。

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、NNA, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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米・トルコは米軍などが駐留するロジャヴァ支配下のマンビジュ市の治安と安定を確保するための行程の概要を確定(2018年5月26日)

トルコ外務省と在アンカラ米国大使館は共同声明を出し、米・トルコ両国が、西クルディスタン移行期民政局(ロジャバ)の支配下にあるアレッポ県東部(ユーフラテス川西岸)にある「マンビジュ市の治安と安定を確保するための協力にかかる行程の概要を確定した」と発表した。

合意は、25日にトルコ入りした米使節団とトルコ政府側の折衝を受けたもの。

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、NNA, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍憲兵隊がダマスカス郊外県バッビーラー町内の空き家で窃盗・略奪を行うシリア軍兵士を取り抑えた写真がSNSで拡散(2018年5月26日)

ドゥラル・シャーミーヤ(5月26日付)は、ロシア軍憲兵隊が、ダマスカス郊外県バービッラー市の空き家で窃盗・略奪を行っていたシリア軍兵士複数人を取り抑えた瞬間を捉えたとされる写真を、複数の活動家がSNSを通じて拡散していると伝え、その写真を掲載した。

 

al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、NNA, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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ダルアー市でシャーム解放機構が主導する「堅固な建造物」作戦司令室とシリア軍が交戦するなか、ダルアー県とクナイトラ県の武装集団が新組織「救済軍」を結成(2018年5月26日)

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月26日付)によると、シャーム解放機構が主導する「堅固な建造物」作戦司令室に所属するスンナ聖戦軍団が、ダルアー市内の国立病院近くでシリア軍の拠点を砲撃した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が、反体制武装集団の支配下にあるダルアー市内各所(ダム街道地区)を砲撃した。

こうしたなか、ドゥラル・シャーミーヤ(5月27日付)によると、ダルアー県とクナイトラ県で活動する反体制武装集団が、「救済軍」の名で新たな武装集団を結成した。

『ハヤート』(5月28日付)によると、救済軍には、ナワー自由人師団、殉教者ジャミール・アブー・ザイン師団、特殊任務師団、ゴラン住民連合などが参加、ムハンマド・ハーリド少佐が司令官を務める。

ロシア・シリア軍によるシリア南部への攻勢を受けた動きだという。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が県北部のカフルズィーター市、ラターミナ町、ハスラーヤー村、ザカート村、アルバイーン村、サフル村を砲撃した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月26日付)によると、アル=カーイダ系のシャーム解放機構などの反体制武装集団の支配下にあるイドリブ市中止部のサラースィーン地区の集合住宅近くで、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、5人が死亡、30人が負傷した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月26日付)によると、ハーディル村に近いタッル・ハディーヤ村にあるホワイト・ヘルメットの事務所が何者かの襲撃を受け、ボランティア・スタッフ5人が死亡、複数が負傷した。

al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、May 27, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、NNA, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下にあるバーブ市(アレッポ県)で住民とスルターン・ムラード師団に所属するヒムス県出身の戦闘員が衝突(2018年5月26日)

アレッポ県では、ANHA(5月26日付)によると、トルコの実質占領下にあるバーブ市で、トルコ軍の支援を受けるスルターン・ムラード師団に所属するヒムス県出身の戦闘員が住民(タムルー家)と衝突した。

この衝突で双方に負傷者が出たという。

ANHA, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、NNA, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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ロジャヴァが実効支配するハサカ県、アレッポ県、ラッカ県各所でトルコの侵攻、占領、住民の強制移住に反対する抗議デモが行われ、各会場に多数の住民が集まる(2018年5月26日)

ANHA(5月26日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)支配下のハサカ県、アレッポ県、ラッカ県各所で、トルコの侵攻、占領、住民の強制移住に反対する抗議デモが行われ、各会場には住民数百人から数千人が集まった。

抗議デモが行われたのは、ハサカ県カーミシュリー市、カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェフ)市、アームーダー市、ハサカ市、ダイリーク市、カルマアバダ(カルキールキー)町、タッル・タムル町、ラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市、ダルバースィーヤ市、

アレッポ県アレッポ市、バズハダーン避難民キャンプ(タッル・リフアト市近郊)、ファーフィーン村、アイン・アラブ(コバネ)市、マンビジュ市、
ラッカ県タブカ市、ラッカ市など。

ロジャヴァを主導する民主統一党(PYD)の前共同党首で、民主連合運動(TEV-DEM)の渉外メンバーを務めるサーリフ・ムスリム氏は24日、トルコのクルディスタン占領に抗議するための世界規模のデモを行うと述べ、参加を呼びかけていた。

ANHA, May 26, 2018
ANHA, May 26, 2018
ANHA, May 26, 2018
ANHA, May 26, 2018
ANHA, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、NNA, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

 

 

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ロジャヴァによる強制徴用に対する抗議デモがハサカ市で発生(2018年5月26日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月26日付)、ハーブール(5月26日付)、SANA(5月26日付)などによると、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)が分割統治(共同支配)するハサカ県のグワイラーン地区と西ヌシューワ地区で、ロジャヴァの治安部隊であるアサーイシュに対する抗議デモが行われ、住民多数が抗議した。

デモは、アサーイシュが25日深夜、西ヌシューワ地区の住宅街で強制捜査を行い、若者3人を拘束・連行したことを受けて発生、ロジャヴァの支配下にあるヌシューワ地区、グワイラーン地区、タラーイア地区、アズィーズィーヤ地区で住民数百人が抗議行動を行い、ロジャヴァによる強制徴用に反対の意思を表明した。

これを受け、アサーイシュは西ヌシューワ地区などで厳戒態勢を敷き、検問所で、老人3人を含む複数人を逮捕した。

一方、SANAによると、タッル・ブラーク町近郊のスマイハーン村や県内の主要幹線道路の検問所でも、アサーイシュが若者を拘束しているという。

また、反体制系のユーフラテス・ポスト(5月26日付)も、ロジャヴァを主導する民主統一党(PYD)の「民兵」がハサカ県のサッド避難民キャンプで強制捜査を行い、多数を拘束したほか、飲料水などの提供を中止するなどして避難民に制裁を加えたと伝えた。

なお、カーミシュリー市でも、タッル・ハミース市の住民がアサーイシュによる子息16人の逮捕に抗議してデモを行った。

al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、Euphrates Post, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、al-Khabur, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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ヒムス県北部とハマー県南部で活動を続けていた反体制武装集団戦闘員数十人が投降し、放免となる(2018年5月26日)

ヒムス県では、SANA(5月26日付)によると、同県北部とハマー県南部で活動していた反体制武装集団戦闘員のうち、同地からの退去を拒否した戦闘員の免罪手続きが行われ、戦闘員数十人が武器を引き渡し、放免となった。

SANA, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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シリア政府はロシアと中国に制憲委員会メンバー候補名簿を回付(2018年5月26日)

外務在外居住者省の公式筋は、SANA(5月26日付)に対して、1月のロシアのソチでのシリア国民対話大会で設置合意された制憲委員会のメンバー候補名簿を、外務在外居住者省が駐シリア・ロシア大使館と中国大使館に回付した述べた。

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは1件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年5月26日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月26日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(アレッポ県)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(アレッポ県1件、ハマー県3件、ダルアー県1件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 26, 2018をもとに作成。

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米国務省長官「米国はダルアー県でのアサド政権の停戦違反に対して適切且つ断固たる措置を講じるだろう」(2018年5月25日)

米国務省のヘザー・ナウアート報道官は、シリア軍がダルアー県制圧に向けた準備が進めているとの情報に関して、「我々は、紛争を拡大し、停戦を反故とする恐れのあるいかなる行動もとらないようシリア政府に警告している」としたうえで、「ロシア、ヨルダンとともに、この緊張緩和地域(ダルアー県)の保障国を務める米国は、アサド政権の違反に対して適切且つ断固たる措置を講じるだろう」と述べた。

ダルアー県は、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構やシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)が主導する「堅固な建造物」作戦司令室などの反体制武装集団の支配下にある。

al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合のヘリコプターがハサカ県南部のシャダーディー市近郊の米軍基地からロジャヴァ支配下のハサカ中央刑務所に米軍顧問を移送(2018年5月25日)

ハサカ県では、ハーブール(5月26日付)によると、米主導の有志連合所属の軍用ヘリコプター複数機がハサカ市に飛来、グワイラーン地区上空を通過し、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が拠点として使用しているハサカ中央刑務所に着陸した。

同サイトによると、ヘリコプターには、ハサカ県南部のシャッダーディー市近郊にある米軍基地に進駐していた米軍顧問複数人が乗っていたという。

米軍顧問はハサカ市でのテロ対策のために派遣されたという。

AFP, May 26, 2018、ANHA, May 26, 2018、AP, May 26, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 26, 2018、al-Hayat, May 27, 2018、al-Khabur, May 26, 2018、NNA, May 26, 2018、Reuters, May 26, 2018、SANA, May 26, 2018、UPI, May 26, 2018などをもとに作成。

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シリア人権監視団:トルコ軍の支援を受ける反体制武装集団はアフリーン郡で「商売をするかのように逮捕を行い、「身代金」(保釈金)を家族に支払わせている」(2018年5月25日)

シリア人権監視団は、トルコ軍とその支配を受ける反体制武装集団の支配下にあるアレッポ県アフリーン郡で、住民が武装集団による恣意的逮捕への不満を募らせていると発表した。

同監視団によると、武装集団による住民逮捕は日常化しており、「住民は武装集団が「商売」をするように逮捕を行っていると疑っている。逮捕された人々は拘置所に連行され、暴行や拷問を受け、家族は釈放と引き替えに「身代金」を支払わされている…。武装集団はまた、アフリーン郡に戻ってきた家族に対して、人民連合党(PYD)やクルド人部隊とつながりがないかを尋問を行っている」という。

AFP, May 25, 2018、ANHA, May 25, 2018、AP, May 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2018、al-Hayat, May 25, 2018、Reuters, May 25, 2018、SANA, May 25, 2018、UPI, May 25, 2018などをもとに作成。

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ラタキア県の殉教者バースィル・アサド国際空港とUAEのシャールジャを結ぶ定期旅客便が運行再開(2018年5月25日)

アリー・ハンムード運輸大臣は、ラタキア県の殉教者バースィル・アサド国際空港とUAEのシャールジャを結ぶ定期旅客便が25日に運行再開したと発表した。

『ハヤート』(5月26日)などが伝えた。

AFP, May 25, 2018、ANHA, May 25, 2018、AP, May 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2018、al-Hayat, May 25, 2018、Reuters, May 25, 2018、SANA, May 25, 2018、UPI, May 25, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はダルアー県の反体制武装集団支配地域に投降を呼びかけるビラを散布(2018年5月25日)

ダルアー県では、『ハヤート』(5月26日付)によると、シリア軍ヘリコプターが反体制武装集団の支配下にあるハーッラ市、ジャースィム市、ナワー市にビラを散布した。

散布されたビラは、シリア軍武装部隊総司令部の署名入りで「グータの同胞は正しい判断を下した。シリア軍に参加して、町や村から武装集団を排除しよう。日常生活を回復しよう」、「戦闘員よ、あなたの命を賭けるには二つの選択肢しかない。確実に死にいたるか、武器を棄てるかだ。シリア軍の兵士たちがやって来る。時を逸する前に決断せよ」などと書かれていたという。

だが、ダルアー県で活動する武装集団の一つスンナの獅子師団のアブー・ウマル・ザグルール司令官は、ビラが指揮を挫くためものだとして、呼びかけを拒否する姿勢を示している。

また、アル=カーイダ系組織の一つシャーム自由人イスラーム運動(シリア解放戦線)のアブー・サービト・カファリー司令官は、県内(とりわけ県東部)で活動する武装集団に対して、同じくアル=カーイダ系のシャーム解放機構が主導する「堅固な建造物」作戦司令室に参加し、シリア軍に対する徹底抗戦を行うよう呼びかけている。

こうしたなか、サナマイン市では、同地での停戦を仲介しているシリア政府の和解委員会のメンバーが乗った車が爆弾の爆発に巻き込まれ、負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「堅固な建造物」作戦司令室の支配下にあるダルアー市内各所を砲撃した。

AFP, May 25, 2018、ANHA, May 25, 2018、AP, May 25, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 25, 2018、al-Hayat, May 25, 2018、Reuters, May 25, 2018、SANA, May 25, 2018、UPI, May 25, 2018などをもとに作成。

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