シリア人権監視団発表:6月の死者数は1,433人(2018年7月1日)

シリア人権監視団は、2017年6月にシリア国内で1,433人が死亡したと発表した。

死者のうち市民は398人(うち子供92人、女性130人)。

130人(子供32人を含む)がロシア軍の爆撃、22人(子供4人を含む)がシリア軍の爆撃、89人(子供17人を含む)がシリア軍の砲撃、6人がシリア治安当局の拷問によって殺害されたという。

これに対して、反体制武装集団の攻撃による死者は18人(子供11人を含む)、またトルコ国境警備隊の発砲で5人、ダーイシュ(イスラーム国)によって2人、シャーム解放機構などの武装集団によって4人が殺害されたという。

米主導有志連合の爆撃による死者も50人(子供13人を含む)にのぼったという。

一方、戦闘によるシリア軍兵士の死者数は141人、親政権民兵は192人、ヒズブッラーは7人、外国人シーア派民兵は94人、ダーイシュ、シャーム解放機構を含む反体制武装集団戦闘員は252人。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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米国の調査報道記者ハーシュ氏「米諜報機関はサウジアラビアとトルコがヌスラ戦線にサリン生成に必要な化学物質を供与したことを確認した…。ホワイト・ヘルメットはプロパガンダ活動を行っている」(2018年7月1日)

米国の調査報道記者シーモア・ハーシュ氏は、RTのインタビュー番組「オン・コンタクト」(7月1日付)に出演し、そのなかで「サウジアラビアとトルコがシリアのアル=カーイダであるヌスラ戦線(シャーム解放機構)にサリン・ガスを生成するために必要な化学物質を供与していたと米諜報機関のレポートは断定している」と述べた。

RT, July 1, 2018

ハーシュ氏は「こうした報告は、2013年の東グータ地方での化学兵器攻撃で使用されたサリンが、シリア軍、すなわち政府の管理下にあったサリンではなかったことを示している」と付言した。

ハーシュ氏はまた、ホワイト・ヘルメットについても「プロパガンダ」活動を行っていると批判した。

https://www.youtube.com/watch?v=ejusjNsapO4

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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イスラエルのネタニヤフ首相「シリア側にイスラエルへの難民流入を阻止する旨誓約するよう求めている」(2018年7月1日)

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、毎週定例の閣議で、シリア南部の情勢に言及、そのなかで「イスラエル政府は(シリア政府に)、シリア南部からイスラエルへの難民の流入を阻止することを誓約するよう要請している」と述べた。

ネタニヤフ首相はまた「シリア南部に関して、我々は国境防衛を続ける。できる限りの人道支援を行う。だが、我々は領内への進入は許さない」と述べた。

『ハヤート』(7月2日付)などが伝えた。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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ボルトン米大統領補佐官「アサド大統領が戦略的問題だとは思っていない…。問題はイランだ」(2018年7月1日)

ジョン・ボルトン米国家安全保障問題担当大統領補佐官はCBS(7月1日付)のインタビューに応じ、7月16日にヘルシンキで予定されているドナルド・トランプ米大統領とロシアのヴラジミール・プーチン大統領の会談で、シリアからのイランの部隊の撤退について合意がなされることに期待を寄せる一方、「アサド大統領がシリアでの戦争で勝利したと思うか」との問いに対して、「率直に言って、アサド大統領が戦略的問題だとは思っていない…。(米国にとって)戦略的脅威はイランだ…。それはイランが核兵器開発を続けているからだけでなく、国際テロに大規模で継続的な支援を行っており、しかも中東に部隊を展開させているからだ」と述べた。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、CBS News, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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英空軍は6月下旬、米主導の有志連合が占領下に置くタンフ国境通行所一帯でシリア軍を爆撃(2018年7月1日)

英日刊紙『タイムズ』(7月1日付)は、英空軍が6月末にシリア政府を支援する民兵に爆撃を行っていたと伝えた。

同紙によると、英空軍は、シリア南部の砂漠地帯(ヒムス県タンフ国境通行所一帯)での英国の教練基地近くで戦闘が発生したのを受けて、シリア政府を支援する民兵を爆撃したという。

なお爆撃のきっかけとなった戦闘では、シリア軍士官1人が死亡、兵士7人が負傷したという。

これに関して、英国防省は声明を出し、この地域で6月21日に有志連合が攻撃を受けたとしたうえで、ダーイシュ(イスラーム国)が攻撃を行ったとは考えていないとの見方を示した。

またこの攻撃を受けて、英空軍は自衛措置として同地をミサイル攻撃したと付言した。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、The Times, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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イラク軍はシリア国境にテロ攻撃を抑止するための監視所と有刺鉄線の設置を開始(2018年7月1日)

イラクのアンバール県の国境警備隊司令部報道官のアンワル・フマイド・ナーイフ大佐は、ダーイシュ(イスラーム国)の支配から解放されたシリアとの国境地帯に有刺鉄線や監視所を設置していることを明らかにした。

ナーイフ大佐は「工事は10日前に開始された…。第1段階(の工事)は20キロにわたって行われ、テロ攻撃を抑えるための監視所を1キロ毎に設置した…。作業はカーイム地区から北に向かって開始された」と述べた。

同大佐によると、監視所と有刺鉄線に加えて、幅6キロ、深さ3キロの堀の掘削と無人航空機による監視活動も行われるという。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月1日付)が伝えた。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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イスラエル軍参謀総長はシリア南部でのアサド政権による軍事作戦を黙認するうえでのレッド・ラインを示す(2018年7月1日)

『イェディオト・アハロノト』(7月1日付)によると、イスラエル軍のガディ・エイゼンコット参謀総長(中将)が、米軍のジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長とワシントンDCで会談し、シリア南部の情勢ついて協議、アサド政権による同地での軍事作戦継続を黙認するうえでのレッド・ラインを示した。

同紙によるとエイゼンコット参謀総長は、シリア領内からイランの部隊が撤退すること、そしてシリア領内にイランが軍事基地を建設しないこと、シリア軍が奪還した地域にイラン人が入らないことを強調する一方、米国とイスラエルが連携し、シリアへのイランの駐留を阻止するための攻撃的措置を検討することを求めたという。

エイゼンコット参謀総長はまた、ダルアー県での戦闘激化に伴い、避難民数千人が占領下のゴラン高原に接近していることに懸念を表明した。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018、Ynet News, July 1, 2018などをもとに作成。

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トルコの実質占領下のアフリーン市で武装集団どうしが再び交戦(2018年7月1日)

アレッポ県では、ANHA(7月1日付)によると、トルコの実質占領下にあるアフリーン市東部入口のフィール通りで、東部自由人連合と別の武装集団(組織名は明示せず)が交戦し、双方合わせて4人が死亡した。

戦闘は27日のアフリーン市内での連続爆発事件に関連しているという。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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ヨルダンの仲介により、UNESCO世界文化遺産に指定されている円形劇場を擁するブスラー・シャーム市でロシアと反体制武装集団が停戦交渉、同市を支配するスンナ青年旅団が停戦に合意(2018年7月1日)

ダルアー県で抵抗を続けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の連合体である南部中央作戦司令室のイブラーヒーム・ジャバーウィー報道官はロイター通信(7月1日付)に対して、「自由シリア軍」の代表が現在、UNESCO世界文化遺産に指定されている円形劇場を擁するブスラー・シャーム市で、ヨルダンの仲介により、ロシアの士官らと交渉を行っている」ことを明らかにした。

反体制武装集団は30日、危機管理チームがロシア側代表団と交渉を開始したが、同日にその内容が一方的だとして、交渉を中断していた。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月1日付)によると、ブスラー・シャーム市でロシア軍と停戦交渉を行っていたスンナ青年師団がシリア政府との和解に合意し、投降した。

スンナ青年師団が受諾した合意は、①重火器、軽火器の引き渡し、②ブスラー・シャーム市を3ヶ月間はスンナ青年師団の支配下にとどめ置く、③ロシア軍憲兵隊が同市に進駐する、④水道、電気といったインフラを復旧する、⑤退去希望者の移動を阻止しない、⑥シリア軍、イランの民兵の進駐を阻止する、といった内容だという。

syria.liveuamap.com, July 1, 2018

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一方、ハウラーン地方の活動家からなるという「暫定危機管理チーム」が声明を出し、「いかなる合意も、チームに参加しているすべての文民、軍人が署名しない限り、ハウラーン地方およびその住民に対しては適用されない」と発表した。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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ダルアー市東部でシリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の戦闘続く(2018年7月1日)

ダルアー県では、SANA(7月1日付)によると、シリア軍が、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるダルアー市旧税関地区、ヌアイマ村などダルアー市東部一帯を集中的に砲撃した。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(7月1日付)によると、ロシア軍がタファス市を18回にわたり爆撃した。

これに対して、SANAによると、シャーム解放機構はダルアー市ナフダ地区を砲撃した。

また、南部中央作戦司令室は、カフルシャムス町近郊のヒルバト・ムライハ村に進攻し、アクラバー村とカフルシャムス村町を結ぶ街道を遮断しようとしたシリア軍と親政権民兵と交戦、これを撃退したと発表した。

一方、アナトリア通信(7月1日付)が伝えたところによると、南部中央作戦司令室のイブラーヒーム・ジャバーウィー報道官は、ロシア・シリア両軍の攻撃を受けてヨルダン国境に向けて逃れた避難民のうち、少なくとも15人が餓死・病死したと述べた。

死亡した15人の内訳は、女性2人、老人1人、子供12人だという。

syria.liveuamap.com, July 1, 2018

AFP, July 1, 2018、Anadolu Ajansı, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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ダルアー県のダーイル町で住民がシリア政府支配下への復帰を祝う(2018年7月1日)

ダルアー県では、SANA(7月1日付)によると、シリア政府の支配下に復帰したダーイル町の中心に位置する広場にシリア国旗が掲揚され、住民数百人が集まり、同地の解放を祝った。

SANA, July 1, 2018

 

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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レバノンから難民40人がダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市に帰還(2018年7月1日)

SANA, July 1, 2018

SANA(7月1日付)は、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村近郊の避難民キャンプに身を寄せていた難民の第1陣数十世帯(41人)が、ダマスカス郊外県のムウダミーヤト・シャーム市に帰還したと伝えた。

なお、第2陣(173人)、第3陣(1,000人以上)も近く帰国予定だという。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは9件の停戦違反を、トルコ側は0件の違反を確認(2018年7月1日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(7月1日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(アレッポ県1件、ラタキア県4件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部は声明を出し、6月30日に基地に接近した所属不明の小型無人航空機を撃破したと発表した。

AFP, July 1, 2018、ANHA, July 1, 2018、AP, July 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, July 1, 2018、al-Hayat, July 2, 2018、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 1, 2018、Reuters, July 1, 2018、SANA, July 1, 2018、UPI, July 1, 2018などをもとに作成。

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