ハマース幹部のマフムード・ザハール氏「シリア政府との関係改善には利益があり、そのために取り組んでいる…アサド大統領は我々のために門戸を開いてくれた」(2019年7月9日)

パレスチナのハマースの幹部の一人マフムード・ザハール氏はナフダ・ニュース(7月9日付)のインタビューに応じ、シリア政府との関係改善には利益があると述べた。

ザハール氏は「シリア、レバノン、イランなど、イスラエルと敵対し、占領に対して明確な姿勢を示しているすべての国と良い関係を築くことが、抵抗運動の利益となる…。(シリアと)関係改善に向けた取り組みは行われている」と述べた。

「アサド大統領は我々のために門戸を開いてくれた。我々はパレスチナで活動するのと同じように、シリアで活動してきた。たが、シリア危機を背景として関係は突如衰退してしまった。危機のなかで、我々は彼のもとを去るべきではなく、彼を支持したり、彼に反対したりもすべきではないと考えてきた」と述べた。

AFP, July 9, 2019、ANHA, July 9, 2019、AP, July 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 9, 2019、al-Nahda News, July 9, 2019、Reuters, July 9, 2019、SANA, July 9, 2019、SOHR, July 9, 2019、UPI, July 9, 2019などをもとに作成。

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サウジ人説教師でアル=カーイダ諸派とつながりのあるムハイスィニー氏はアレッポ県南部を視察中にシリア軍に狙われたと明かす(2019年7月9日)

サウジアラビア人説教師で、シャーム解放機構、シャーム自由人イスラーム運動などのアル=カーイダ系組織に近い、元シャーム解放機構幹部の自称「無所属戦闘員」アブドゥッラー・ムハイスィニー氏は、テレグラムのアカウントを通じてビデオ声明(静止画)を出し、アレッポ県南部の前線を視察中にシリア軍の攻撃を受けていたことを明らかにした。

https://www.youtube.com/watch?v=uhTuF-zcArI&feature=youtu.be

ムハイスィニー氏によると、同地では、「ハンダク(塹壕)の戦い」の名のもと、進攻を試みるシリア軍との戦闘が行われており、同氏は、元シャーム解放機構の幹部であるシャイフ・ムスリフ・アルヤーニー氏とシャイフ・アブドゥッラッザーク・マフディー氏らを従えて前線視察を行っていたが、その際にシリア軍に狙われたという。

ムハイスィニー氏によると、この攻撃で自身は無事だったが、同行していた「アブー・アスヤド」なる人物が死亡したという。

AFP, July 9, 2019、ANHA, July 9, 2019、AP, July 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 9, 2019、Reuters, July 9, 2019、SANA, July 9, 2019、SOHR, July 9, 2019、UPI, July 9, 2019などをもとに作成。

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リビア国民合意政府はハフタル将軍が資金と武器を得るためシリア政府に航空燃料を密輸していると非難(2019年7月9日)

国連の主導のもとに2016年に発足したリビア国民合意政府(GNA)は、ハリーファ・ハフタル将軍が率いるリビア国民軍(LNA、2014年発足)傘下の投資委員会が、資金や武器を得るために、シリア政府に航空燃料を密輸したとの情報を入手した、と発表した。

リビア国民合意政府によると、この委員会はまた「現在ダマスカスを掌握している複数の治安当局と連携して、シリアのラタキア港からリビア国内に密輸されようとしていた麻薬を押収した」ほか、「シリアのパスポートを所有する複数名に偽のビザや許可証を発給し、彼らをベンガジなどから密入国させた」という。

AFP, July 9, 2019、ANHA, July 9, 2019、AP, July 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 9, 2019、Reuters, July 9, 2019、SANA, July 9, 2019、SOHR, July 9, 2019、UPI, July 9, 2019などをもとに作成。

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YPG主体のシリア民主軍はダイル・ザウル県南東部でダーイシュとつながりがあると疑われる2人を拘束(2019年7月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が県南東部のブサイラ市に近いザッル村で強制捜査を行い、住民2人を拘束した。

2人はダーイシュ(イスラーム国)につながりがあるとの容疑をかけられているという。

AFP, July 9, 2019、ANHA, July 9, 2019、AP, July 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 9, 2019、Reuters, July 9, 2019、SANA, July 9, 2019、SOHR, July 9, 2019、UPI, July 9, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県の避難民キャンプへのシリア軍の爆撃で5人が死亡、ハマー県のシリア政府支配地域への反体制派の砲撃で3人死亡(2019年7月9日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから69日目となる7月9日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より48人(民間人8人、シリア軍兵士23人、反体制武装集団戦闘員17人)増えて2,229人となった。

うち、592人が民間人(女性116人、子供148人を含む)、798人がシリア軍兵士、887人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は80回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」を投下、ロシア軍も20回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は450発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタマーニア町、ハーン・シャイフーン市およびその一帯、タッル・タルイー村、カフルバッティーフ村一帯、タフタナーズ航空基地、シャイフ・ムスタファー村、カフルサジュナ村、ダイル・シャルキー村一帯、ジャバーラー村、マアッルズィーター村、フバイト村一帯、キヤーサート村、ブサンクール村一帯に対して爆撃を実施した。

シリア軍の爆撃はダイル・シャルキー村の国内避難民キャンプにもおよび、5人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊がビダーマー町一帯、マルアンド村、カフルヤディーン村、ジスル・シュグール市、クファイル村を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市、カフル・アイン村、ジャバーラー村、マアッルズィーター村、ラカーヤー・サジュナ村を爆撃した。

一方、SANA(7月9日付)によると、シリア軍がフバイト村郊外の農道を移動するシャーム解放機構の車輌2台を攻撃、これを破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでドゥワイル・アクラード村に「樽爆弾」を投下した。

またシリア軍は地上部隊がタッル・ミルフ村、アルバイーン村、ジャビーン村、ジャイサート村、サフル丘、ムーリク市、カフルズィーター市一帯、ハスラーヤー村、サルマーニーヤ村、ムーリク市、ジャビーン村、アルバイーン村を砲撃した。

これに対して反体制武装集団もシリア政府支配地域を砲撃、ジューリーン村では住民3人が死亡した。

ロシア軍もジャビーン村、アルバイーン村、カフルズィーター市を爆撃した。

これに関して、SANA(7月9日付)も、反体制武装集団がシリア政府支配下のジューリーン村とアイン・スライムー村を砲撃し、住民3人が死亡、6人が負傷したと伝えた。

この砲撃を受け、シリア軍がただちに反撃、反体制武装集団と交戦の末、複数の戦闘員を殺傷した。

これに対して、シャーム解放機構に近いイバー通信(7月9日付)は、シャーム解放機構がフワイズ村近郊のシリア軍拠点をミサイルで攻撃し、これを破壊し、兵士多数を殺傷したと報じた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフル・ハラブ村、バウワービーヤ村に対して爆撃を実施した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月9日付)によると、県東部のダイル・ハーフィル市近郊にあるシリア軍検問所が何者かの襲撃を受けて、兵士4人が死亡、2人が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がトルコマン山、クルド山を砲撃し、反体制武装集団と交戦、戦闘員16人が死亡した。

これに対して反体制武装集団も反撃、シリア軍兵士23人を殺害した。

この戦闘に関して、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室は、テレグラムの公式アカウントを通じて、トルコマン山におけるシリア軍の第一防衛線を攻撃し、多数の兵士を殺傷、3名を捕捉したと発表した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(ハマー県4件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(ハマー県)確認した。

AFP, July 9, 2019、ANHA, July 9, 2019、AP, July 9, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 9, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 9, 2019、Reuters, July 9, 2019、SANA, July 9, 2019、SOHR, July 9, 2019、UPI, July 9, 2019などをもとに作成。

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