トルコ軍はラッカ県北部の国境地帯でトンネル掘削を行う一方、反体制派にマンビジュ進攻作戦の準備をするよう要請(2019年7月17日)

ANHA(7月17日付)は、北・東シリア自治局の支配下にあるラッカ県タッル・アブヤド(ギレ・スピ)市に面するアクチャカレ市(シャンルウルファ県)一帯に派遣されたトルコ軍部隊が、国境地帯でトンネルの掘削作業を行っていると伝えた。

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アラビー21(7月17日付)は、自由シリア軍諸派の軍消息筋の話として、トルコが、同国占領下のアレッポ県北部(いわゆる「ユーフラテスの盾」地域および「オリーブの枝」地域)で活動を続ける国民軍(自由シリア軍)に対して、北・東シリア自治局の支配下にあり、米軍も駐留するアレッポ県マンビジュ市一帯地域への軍事進攻への準備を進めるよう要請したと伝えた。

トルコ側からの要請は15日に行われたトルコ側高官と国民軍代表の会合の場で行われたという。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、Arabi 21, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣「米国はヌスラ戦線をブラック・リストから外し、和平プロセスの当事者にしようとしている」(2019年7月17日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、コートジボワールのマルセル・アモン=タノー外務大臣との会談後の共同記者会見でシリア情勢について触れ、米国がシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)をテロのブラック・リストから外し、シリア危機解決に向けた和平プロセスの当事者にすることで、「時限爆弾」を仕掛けようとしていると断じた。

ラブロフ外務大臣はまた、欧米諸国に対して、シリア難民の帰国を妨害する根拠のない口実をでっち上げるのではなく、彼らの帰還を促すような状況を作り出すために行動すべきだと批判した。

一方、米軍が駐留するシリア北東部情勢については、「我々はクルド問題に対する米国の姿勢が責任あるものだとは見ていない。米国は有志連合の支配下にあるシリア東部をクルド人に移住させようとしている」と批判した。

さらに、ロシア・イラン両軍のシリアでの協力が原因でシリア人600万人が避難生活を余儀なくされていると述べたマイク・ポンペオ米国務長官の言葉について、「この情報をどこから得たのか理解できない」と反論、ロシアが持っている情報では、31万人以上の難民がレバノンやヨルダンから帰国していると述べた。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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ロシア連邦チェチェン共和国から派遣されていたロシア軍憲兵隊約300人がシリア国内での特殊任務を終え帰国(2019年7月17日)

タス通信(7月17日付)は、ロシア連邦北カフカース連邦管区に属するチェチェン共和国から派遣されていたロシア軍憲兵隊約300人がシリア国内での特殊任務を終え、帰国したと伝えた。

チェチェン共和国からの憲兵隊はIL-76で空路祖国に向かったという。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、TASS, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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ロシア外務省報道官「米軍はシリア北東部で民間軍事会社の人員を増員させており、その数は4,000人に達している」(2019年7月17日)

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官はモスクワでの記者会見で、北・東シリア自治局支配下のシリア北東部各所に部隊を駐留させている米軍が、部隊の人員削減を推し進める一方で、民間軍事会社の人員を増員させていると指摘した。

ザハロワ報道官によると、民間軍事会社の人員は4,000人に達しており、今年6月後半には新たに540人が派遣された。

ザハロワ報道官は「民間軍事会社は、親米の武装組織や、石油・ガス部門のインフラ施設の警備員の教練を主要な任務としており、米中央軍が民間軍事会社の活動を支援している」と付言した。

スプートニク・ニュース(7月17日付)が伝えた。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、Sputnik News, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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イスラーム国のバグダーディー指導者の運転手がアレッポ県でシリアのアル=カーイダに拘束される(2019年7月17日)

アレッポ県では、反体制派系サイトのジスル・プレス(7月17日付)によると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構の治安部隊が県西部のダーラト・イッザ市でダーイシュ(イスラーム国)のアジトを襲撃し、アブー・バクル・バグダーディー指導者の運転手として知られるイラク人のアブー・アブドゥッラティーフ・ジャブーリー氏(本名ハーリド・ニウマ・ジャブーリー)と同氏に随行していたメンバー2人を拘束した。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Jisr Press, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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ハサカ市内で爆発が発生し民間人に負傷者が出る一方、ダーイシュはダイル・ザウル県で有志連合とシリア民主軍の空挺作戦を迎撃し、複数の兵士を殺害したと発表(2019年7月17日)

ハサカ県では、SANA(7月17日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるハサカ市のグワイラーン地区で車に仕掛けられた爆弾が爆発し、民間人2人が負傷した。

ANHA(7月17日付)によると、負傷した民間人は3人。

しかし、ドゥラル・シャーミーヤ(7月17日付)によると、負傷者は人民防衛隊(YPG)の隊員だという。

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ラッカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月17日付)によると、県北部のカーリタ村に至る街道で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、シリア民主軍兵士3人が死亡、複数が負傷した。

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ダイル・ザウル県では、ダーイシュ(イスラーム国)に近いアアマーク通信(7月17日付)によると、ダーイシュの幹部を拘束することを目的として、トゥカイヒー村に対する降下作戦を行った米主導の有志連合と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対して、ダーイシュが応戦し、複数の兵士を殺害した。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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ダルアー県でシリア軍の車輌が攻撃を受け、士官4人が死亡(2019年7月17日)

ダルアー県では、SANA(7月17日付)によると、ダルアー市とヤードゥーダ村を結ぶ街道を走行中のシリア軍の車輌を「テロリスト」が襲撃、兵士複数人が死傷した。

RT(7月17日付)によると、襲撃は「テロリスト」がシリア軍の兵員輸送車に仕掛けた爆弾を爆発させて行ったもので、乗っていた兵士4人が死亡したという。

スワイダー24ネット(7月17日付)によると、死亡した兵士のなかにはスワイダー県アンズ村出身の大佐1人(殉死により准将に昇進)が含まれていたという。

また、ドゥラル・シャーミーヤ(7月17日付)によると、死亡したのは第4機甲師団の大尉1人、中尉2人、少尉1人だとの情報も流れているという。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、RT, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、Suwayda 24, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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ヒムス県ラスタン市でシリア軍による緊張緩和地帯第2ゾーン解放1周年を祝う集会が開催される(2019年7月17日)

ヒムス県では、SANA(7月17日付)によると、緊張緩和地帯第2ゾーン(ヒムス県北部およびハマー県南部)の解放1周年を祝う記念集会がラスタン市で開催され、同市の関係者や住民が参加した。

参加者は、シリア国旗やアサド大統領の写真を掲げ、シリア国家を謳い、シリア軍を讃えるスローガンを連呼した。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県へのシリア・ロシア軍は爆撃は大幅に減少したものの、民間人2人が死亡(2019年7月17日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから77日目となる7月17日、シリア・ロシア軍は爆撃は大幅に減少したものの、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦を続けた。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より6人(民間人2人、シリア軍兵士4人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,521人となった。

うち、667人が民間人(女性132人、子供172人を含む)、896人がシリア軍兵士、958人が反体制武装集団戦闘員。

なお、死亡した民間人2人はいずれも前日の攻撃での重篤者。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でズィヤーラ町、サルマーニーヤ村、カルクール村、ドゥワイル・アクラード村、アムキーヤ町、タッル・ワースィト村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がタッル・ミルフ村、ジャビーン村、サフル村、ハマーミーヤート村、サルマーニーヤ一帯、フワイジャ村、ハウワーシュ村、サフリーヤ村を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機カフルサジュナ村、ハザーリーン村、マダーヤー村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がダイル・サンバル村を砲撃した。

ロシア軍もがトゥラムラー村、カフル・アイン村を爆撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(ラタキア県4件、ハマー県1件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を11件(ハマー県6件、イドリブ県5件)確認した。

AFP, July 17, 2019、ANHA, July 17, 2019、AP, July 17, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 17, 2019、Reuters, July 17, 2019、SANA, July 17, 2019、SOHR, July 17, 2019、UPI, July 17, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから352人、ヨルダンから1,131人の難民が帰国、避難民2人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年7月17日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月17日付)を公開し、7月16日に難民1,483人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは352人(うち女性105人、子供180人)、ヨルダンから帰国したのは1,131人(うち女性201人、子供342人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は311,579人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者102,268人(うち女性18,602人、子ども31,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者209,311人(うち女性61,827人、子ども106,736人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 540,859人(うち女性120,047人、子供203,908人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,187人(うち女性1,994,156人、子供3,390,065人)。

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一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は33,794人(うち女性8,674人、子供12,715人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,302,390人(うち女性391,233人、子供656,481人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 17, 2019をもとに作成。

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