エジプトのスエズ運河庁長官はシリアへのイラン産石油の移送を阻止しないと述べる(2019年7月10日)

エジプトのスエズ運河庁のムハーブ・マミーシュ長官(大将)は報道声明を出し、同庁が運河の国際航法が定める自由を遵守し、一部の例外的状況を除いて船舶の運航を認めていると述べ、イラン産の石油を積みシリアに向かうウクライナ船籍の通行を阻止したとの情報を否定した。
マミー主長官は、「いかなる船舶であれ、その通行を阻止することはできない。石油取引は合法的であり、武器取引も然りだ」と述べたうえで、通行阻止は「国連からの通達があった場合と政令に違反した貨物を積んでいる場合に限られる」と付言した。

サダー・バラド(7月10日付)が伝えた。

AFP, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、Sada al-Balad, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019などをもとに作成。

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イラクのアブドゥルマフディー首相は、ホルムズ海峡緊張化に対処するため、シリアとヨルダンに石油を輸出することを決定したことを明らかにする(2019年7月10日)

イラクのアーディル・アブドゥルマフディー首相は記者会見で、イラク政府がシリアとヨルダンに石油を輸出することを決定したことを明らかにした。

スーマリーヤ・ニュース(7月10日付)によると、アブドゥルマフディー首相は「イラクは石油輸出の窓口を失っている。輸出経路を多角化する必要がある…。政府は、ホルムズ海峡を経由した輸送路が封鎖された場合、その代わりとなる経路を作るための緊急計画を検討している」と述べた。

AFP, July 10, 2019、Alsumariya TV, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019などをもとに作成。

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RT、『ワタン』はマムルーク国民安全保障会議議長の副大統領就任内定とザイトゥーン総合情報部長の国民安全保障会議議長就任を否定(2019年7月10日)

RT(7月10日付)は、複数の消息筋の話として、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長の副大統領就任内定とディーブ・ザイトゥーン総合情報部長の国民安全保障会議議長就任が事実ではないと伝えた。

また親政権日刊紙の『ワタン』(7月10日付)もフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/alwatan.sy/)で、この人事が「根拠のない事実無根だ」と発表した。

AFP, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、RT, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019、al-Watan, July 10, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局の支配下にあるマルカダ町(ハサカ県)でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発し、子供3人と男性1人が負傷(2019年7月10日)

ハサカ県では、ANHA(7月10日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるマルカダ町でオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発し、子供3人と男性1人が負傷した。

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アレッポ県では、アフリーン解放軍団が声明を出し、9日にトルコ占領下のアフリーン郡ジンディールス町でシャーム解放機構の車輌を攻撃し、戦闘員1人を殺害したと発表した。

ANHA(7月10日付)が伝えた。

AFP, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019などをもとに作成。

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シリアの文化省古物博物館総局はトルコとその支援を受ける反体制派がアレッポ県アフリーン郡の遺跡を略奪していると非難、その写真を公開(2019年7月10日)

シリアの文化省古物博物館総局は声明を出し、トルコ占領下のアレッポ県アフリーン郡にある遺跡、遺構が、トルコ軍やその支援を受ける反体制武装集団により破壊、略奪の対象となっていると懸念を表明し、略奪現場を撮影したとされる写真を公開したうえで、関連する国際機関、学術機関に対してこうした行為を停止させるよう呼びかけた。


声明によると、トルコ軍と反体制武装集団は、アフリーン郡内の丘陵遺跡を重機で掘り起こし、遺物や美術品を略奪している。

こうした行為は、タッル・ブルジュ・アブダールー、タッル・アイン・ダーラ、タッル・ジンディールス、キュロス(ネビ・フリ)遺跡などで行われいるという。

公開された写真は、紀元前1000年頃の古代ローマの稀少な彫像だという。

SANA(7月10日付)が伝えた。

AFP, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019などをもとに作成。

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ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表がダマスカスでムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相と会談(2019年7月10日)

9日にシリア入りしたゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、首都ダマスカスでワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相と会談した。

SANA(7月10日付)によると、会談では、制憲委員会設置について意見を交わし、同委員会の設置がシリア人の手によって行われるべきものであることを改めて確認した。

会談ではまた、ペデルセン特使の活動を成功に導くための連携を継続することに重要性が確認されたという。

会談後、ペデルセン特使は記者会見を行い、会談が非常に良好で建設的なものだったと述べた。

会談には、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣兼副首相、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、ムハンマド・ウムラーニー外務在外居住者省特別局長が同席した。

AFP, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019などをもとに作成。

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アル=カーイダと自由シリア軍の連合部隊がシリア軍との戦闘の末にハマー県北部の戦略的要衝ハマーミーヤート村を奪還(2019年7月10日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから70日目となる7月10日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より115人(民間人14人、シリア軍兵士32人、反体制武装集団戦闘員21人)増えて2,344人となった。

うち、606人が民間人(女性123人、子供155人を含む)、830人がシリア軍兵士、908人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は72回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」50発を投下、ロシア軍も22回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は550発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でジスル・シュグール市およびその一帯、アルバイーン山、ハーン・シャイフーン市、カフルサジュナ村、ラカーヤー村、シャイフ・ムスタファー村、バーブーリーン村、ヒーシュ村、バスィーダー村、アリーハー市、タッル・マンス村、タッル・マルディーフ村、サラーキブ市およびその一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでハーン・シャイフーン市、タマーニア町、カフルルーマー村、カニーサト・ナフラ村、バシュラームーン村に「樽爆弾」を投下した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月10日付)によると、シリア軍の爆撃により、ジスル・シュグール市で民間人6人が死亡した。

シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、地上部隊が無人大隊基地一帯、ライヤーン村、シャイフ・イドリース村、ブジュガース村を砲撃した。

ロシア軍もカフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、カフルサジュナ村、シャイフ・ムスタファー村、スィフヤーン村、マアッラト・ハルマ村およびその一帯を爆撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月10日付)によると、ロシア軍の爆撃は、マアッラト・ハルマ村の避難民キャンプにも及び、女児1人を含む民間人3人が死亡した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でクルド山に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下した。

ロシア軍もカッバーナ村一帯を爆撃した。

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ハマー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月10日付)、イナブ・バラディー(7月10日付)などによると、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、トルコの後援を受けるいわゆる自由シリア軍の国民解放戦線、米バラク・オバマ前政権の支援を受け、「革命のサヨナキドリ」ことアブドゥルバースィト・サールート氏も参加していたイッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室がシリア軍との激戦の末、戦略的要衝のハマーミーヤート村およびハマーミーヤート丘を制圧した。

反体制派が同地を奪還するのは2カ月ぶり。


ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでサルマーニーヤ村、カフルズィーター市に「樽爆弾」発を投下した。

またシリア軍は地上部隊がタッル・ミルフ村、ジャビーン村、ハマーミーヤート村、ムーリク市、ハウワーシュ村、フワイジャ村、アルバイーン村、ジャイサート村、サフル丘、ハスラーヤー村を砲撃した。

一方、SANA(7月10日付)によると、シャーム解放機構がシリア政府支配下のスカイラビーヤ市を砲撃し、民間人2人が死亡、2人が負傷した。

シリア軍はこの攻撃に対して、ただちに反撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がザンマール町、ジャズラーヤー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(アレッポ県1件、ラタキア県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(ハマー県6件、アレッポ県1件、イドリブ県1件)確認した。

AFP, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、‘Inab Baladi, July 10, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019などをもとに作成。

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米占領地が立ちはだかるルクバーン・キャンプの難民数十世帯が新たにシリア政府支配地域に帰還(2019年7月10日)

SANA(7月10日付)によると、米主導の有志連合の占領下にあるヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプでの生活を余儀なくされていた避難民数十世帯が、新たにスフナ市南部のジュライギーム通行所を通過し、シリアに帰国した。

AFP, July 10, 2019、ANHA, July 10, 2019、AP, July 10, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 10, 2019、Reuters, July 10, 2019、SANA, July 10, 2019、SOHR, July 10, 2019、UPI, July 10, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから314人、ヨルダンから923人の難民が帰国、避難民14人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年7月10日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月10日付)を公開し、7月9日に難民1,237人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは314人(うち女性108人、子供183人)、ヨルダンから帰国したのは923人(うち女性240人、子供409人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は299,072人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者98,966人(うち女性29,314人、子ども49,492人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者200,106人(うち女性60,066人、子ども102,042人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 528,352人(うち女性158,569人、子供269,357人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,187人(うち女性1,994,156人、子供3,390,065人)。

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一方、国内避難民14人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは14人(女性5人、子供6人)、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは0人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は33,243人(うち女性4,013人、子供5,015人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,301,839人(うち女性386,572人、子供648,781人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 10, 2019をもとに作成。

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