トルコ当局はイスタンブール在住のシリア難民26人を占領下のアレッポ県アフリーン郡に追放(2019年7月16日)

グータ情報センター(7月16日付)によると、トルコ当局はイスタンブール県エセンユルト地区で、ダマスカス県とダマスカス郊外県から逃れて来たシリア難民26人を拘束し、トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン郡に移送した。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Ghuta Media Center, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

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『クドス・アラビー』:シリア政府はアレキサンドレッタ地方(ハタイ県)の領有権回復に向けてトルコ人のアレヴィ派宗徒400人と10団体の勧誘(2019年7月16日)

『クドス・アラビー』(7月16日付)は、シリア政府がトルコ領内での破壊工作を行うため、トルコ人のアレヴィ派宗徒400人と10団体の勧誘に成功したと伝えた。

同紙が入手した文書によると、シリア政府は、トルコのハタイ県(シリア領アレキサンドレッタ地方)出身のトルコ人を勧誘し、アレキサンドレッタ地方解放人民戦線を率いるアリー・カヤーリー氏(別名ミフラチュ・ウラル)の指揮下で活動させようとする一方、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長が2018年3月にイタリアを訪問した際には、アレキサンドレッタ地方の処遇について協議したという。

協議の内容は、アレキサンドレッタ地方が分離を要求、同地での民衆抗議デモが高揚したことを受けて、国際社会が同地方に対するトルコの領有権を否定し、シリアの領有権を承認するというもので、トルコのアレヴィ派の勧誘は、この動きのなかでトルコ軍を攻撃するための組織を創出する狙いがあるという。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、al-Quds al-‘Arabi, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

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シリア政府支配地域からダイル・ザウル県東部の北・東シリア自治局支配地に避難した女性たちが惨状を訴える(2019年7月16日)

ANHA(7月16日付)は、人民防衛部隊(YPG)主体のシリア民主軍によるダーイシュ(イスラーム国)掃討後に北・東シリア自治局(ダイル・ザウル民政評議会)の支配下に置かれたダイル・ザウル県南東部のユーフラテス川東岸に、シリア政府支配地域からの避難民の流入が続いており、県東部のサフィーラ・タフターニー村のムハイミディーダ学校に仮設されている収容センターには15世帯以上が身を押せていると伝えた。

シリア政府支配下にあるマリーイーヤ村出身の女性(ウンム・ウサーマさん)は収容センターでANHAの取材に応じ、「人道機関は私たちことを訪ねてくれることはなかったし、私たちに何の支援もしてくれなかった。私は子供に与えるミルクと薬が欲しい」と述べた。

またブーカマール市出身の女性(ウンム・ファーティマさん)は「避難民に働く機会を保証し、日々の生活必需品を手に入れることができるようにして欲しい…。私たちは安全なダイル・ザウル県農村地帯に向かいましたが、支援が今すぐに必要なのです」と述べた。

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ダイル・ザウル県では、ユーフラテス・ポスト(7月16日付)によると、ムハイミーダ村の民家に押し入ろうとした3人組の住民が取り抑えた。

その後の調べで、この3人組は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のメンバーであることを認め、シリア民主軍に身柄が引き渡されたという。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Euphrates Post, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける反体制武装集団がバーブ軍事評議会地域(アレッポ県)を砲撃(2019年7月16日)

アレッポ県では、ANHA(7月16日付)によると、人民防衛部隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するバーブ軍事評議会の支配下にあるジュッブ・ダム村(バーブ市東)を、トルコの支援を受ける反体制武装集団が砲撃した。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県東部でシリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構と、トルコの支援を受ける国民解放戦線所属のアフラール軍が交戦(2019年7月16日)

イドリブ県では、ANHA(7月16日付)によると、県東部のトゥライハ村で、シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構と、トルコの支援を受ける国民解放戦線所属のアフラール軍が交戦した。

戦闘は、シャーム解放機構が指名手配者を捜索するとして同村に突入したことを受けたもので、アフラール軍が指名手配者の身柄引き渡しを拒否したことで発生した。

この戦闘で双方に複数の死傷者が出た。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

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イドリブ県、ハマー県に対するシリア軍の爆撃で民間人20人死亡(2019年7月16日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから76日目となる7月16日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より27人(民間人20人、シリア軍兵士5人、反体制武装集団戦闘員2人)増えて2,515人となった。

うち、665人が民間人(女性132人、子供172人を含む)、892人がシリア軍兵士、958人が反体制武装集団戦闘員。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は60回を記録、ロシア軍も47回の爆撃を行った。

またシリア軍の地上部隊による砲撃は460発におよんだ。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、ジスル・シュグール市、マアッルシューリーン村、スィフヤーン村、ハントゥーティーン村、ガッサーニーヤ村に対して爆撃を実施、マアッルシューリーン村で子供3人を含む10人が、ハーン・シャイフーン市で男性2人が、ガッサーニーヤ村で子供1人が死亡した。

またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地帯を砲撃した。

ロシア軍もハーン・シャイフーン市およびその一帯、スィフヤーン村、ルブア・ジャウル村、カフルサジュナ村を爆撃した。

一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がマアッルシューリーン村、ハーン・シャイフーン市にあるシャーム解放機構の拠点、ジスル・シュグール市近郊のガッサーニーヤ村一帯にあるトルキスタン・イスラーム党の拠点を砲撃した。

他方、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(7月16日付)によると、シャーム解放機構の治安機関が、4月24日にジスル・シュグール市で発生した爆発事件(22人が死亡、数十人が負傷)の容疑者を拘束した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でラターミナ町、カフルズィーター市、ラトミーン村、ムーリク市、ザカート村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地帯を砲撃、ラターミナ町近郊で男性1人が死亡した。

ロシア軍もタッル・ミルフ村、ジャビーン村、アルバイーン村、ラターミナ町、カフルズィータ市およびその一帯を爆撃した。

一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がラターミナ町一帯にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

ドゥラル・シャーミーヤ(7月16日付)によると、対する反体制武装集団はジューリーン村にあるシリア軍基地を激しく砲撃した。
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他方、スプートニク・ニュース(7月16日付)によると、反体制武装集団がジスル・バイト・ラース村とシリア政府支配下のジャイイド村間に位置する橋(バイト・ラース橋)を爆破した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がシリア政府の支配下にあるアレッポ市ハムダーニーヤ地区、アアザミーヤ地区を砲撃し、民間人1人が死亡、複数が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を1件(ラタキア県)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を7件(アレッポ県2件、ハマー県5件)確認した。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, July 16, 2019、Sputnik News, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

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イラク人民動員隊が展開していたブーカマール国境通行所にシリア軍部隊数百人が展開(2019年7月16日)

アラビー・ジャディード(7月16日付)は、シリア軍部隊は先週、2014年以降初めて、ユーフラテス川沿いのイラクとの国境に到達したと伝えた。

シリア軍部隊が展開したのは、シリア側のブーカマール国境通行所とイラク側のカーイム国境通行所が接する地域で、イラク軍第8師団の複数の情報筋によると、その数は数百人。

イラク人民動員隊の一つヌジャバー運動の部隊とともに同地に入ったという。

なたヌジャバー運動のほかにも、ヒズブッラー大隊、イマーム・アリー大隊もシリア軍部隊に同行したという。

イラク軍第8師団の情報筋によると、同地は、ダーイシュ(イスラーム国)掃討後はイラク人民動員隊が展開していた。

AFP, July 16, 2019、ANHA, July 16, 2019、AP, July 16, 2019、al-‘Arabi al-Jadid, July 16, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2019、Reuters, July 16, 2019、SANA, July 16, 2019、SOHR, July 16, 2019、UPI, July 16, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから374人、ヨルダンから1,022人の難民が帰国、避難民3人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年7月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(7月16日付)を公開し、7月15日に難民1,396人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは374人(うち女性52人、子供89人)、ヨルダンから帰国したのは1,022人(うち女性326人、子供553人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は311,096人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者101,916人(うち女性18,602人、子ども31,303人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者208,180人(うち女性4,559人、子ども7,722人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 539,376人(うち女性130,697人、子供222,002人)となった。

なお、45カ国で難民登録したシリア人の数は6,647,187人(うち女性1,994,156人、子供3,390,065人)。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うち東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山の通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は33,794人(うち女性8,674人、子供12,715人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,302,390人(うち女性391,233人、子供656,481人)となった。

なお、グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, July 16, 2019をもとに作成。

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