YPGはダーイシュの米国人戦闘員1人を米当局に引き渡す(2019年7月18日)

CNN(7月18日付)は、米政府複数高官の話として、ダーイシュ(イスラーム国)に参加していた米国人1人が、シリア民主軍を主導する人民防衛隊(YPG)から米当局に引き渡され、近く米本国で裁判にかけられると伝えた。

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ダイル・ザウル県では、アアマーク通信(7月18日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシュハイル村入口に仕掛けた爆弾を爆発させ、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の装甲車を破壊、戦闘員6人を殺傷した。

ダーイシュはまた、ダフラ村でYPGを襲撃、戦闘員3人を殺害した。

AFP, July 19, 2019、ANHA, July 19, 2019、AP, July 19, 2019、CNN, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 19, 2019、Reuters, July 19, 2019、SANA, July 19, 2019、SOHR, July 19, 2019、UPI, July 19, 2019などをもとに作成。

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トルコの支援を受ける国民解放戦線の報道官はロシア軍地上部隊がハマー県北部の前線で戦闘に参加しているとロイター通信に述べる一方、ロシア国防省はこれを否定(2019年7月18日)

ロイター通信(7月18日付)は、複数の反体制武装集団司令官の話として、シリア軍と親政権民兵の苦戦が伝えられるイドリブ県とハマー県の前線にロシア軍が陸軍特殊部隊を派遣したと伝えた。

同通信社によると、ロシア軍地上部隊はこれまでは後方で作戦を指揮してきただけだったが、トルコの支援を受ける国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官(大尉)は「ロシア軍特殊部隊は今、戦場にいる」としたうえで、ハマー県北部のハマーミーヤート村一帯に展開していると述べたという。

ロシア軍地上部隊の派遣が事実であれば、4月末にイドリブ県を中心とする緊張緩和地帯に対するシリア・ロシア軍の爆撃が再開されて以降、初めての動き。

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これに対して、ロシア国防省は声明を出し、イドリブ県一帯での戦闘にロシア軍特殊部隊が参加しているとの報道は「フェイク」だと否定、シリア領内にロシアの陸軍部隊は駐留していないと強調した。

AFP, July 18, 2019、ANHA, July 18, 2019、AP, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2019、Reuters, July 18, 2019、SANA, July 18, 2019、SOHR, July 18, 2019、UPI, July 18, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍がタッル・アブヤド市(ラッカ県)に部隊を増派し、航空機による偵察活動を行うなか、フルシ国防大臣は参謀総長、陸海空軍司令官を連れ、ハタイ県の国境地帯の基地を緊急視察(2019年7月18日)

ANHA(7月18日付)は、ラッカ県タッル・アブヤド(ギレ・スピ)市に面する国境地帯(シャンルウルファ県アクチャカレ市)にトルコ軍が17日夜、7輌の軍用車輌からなる増援部隊を派遣したと伝えた。

派遣された増援部隊は、タッル・アブヤド市西部および東部の農村地帯に面する国境地帯に展開したという。

また、ANHAによると、トルコ軍の偵察機3機が18日夜、タッル・アブヤド市上空に飛来した。

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トルコのフルシ・アカル国防大臣は、ハタイ県のシリア国境近くに配置されているトルコ軍基地を緊急視察した。


視察には、ヤシャル・ギュレル参謀総長参謀総長、ウミト・ドゥンガル陸軍司令官、アドナン・オズバル海軍司令官、ハサン・クジュカクユズ空軍司令官が同行した。

アナトリア通信(7月18日付)によると、アカル国防大臣ら一行は、シリア国境地帯に展開するトルコ軍司令官らと面談し、同地での任務についての説明を受けた。

AFP, July 18, 2019、Anadolu Ajansı, July 18, 2019、ANHA, July 18, 2019、AP, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2019、Reuters, July 18, 2019、SANA, July 18, 2019、SOHR, July 18, 2019、UPI, July 18, 2019などをもとに作成。

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ロシア軍がラタキア県、イドリブ県を爆撃、トルコの支援を受ける国民解放戦線の司令官1人と民間人1人を殺害(2019年7月18日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから78日目となる7月18日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍が190回の砲撃を行うとともに、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より10人(民間人1人、シリア軍兵士8人、反体制武装集団戦闘員1人)増えて2,531人となった。

うち、668人が民間人(女性132人、子供172人を含む)、904人がシリア軍兵士、959人が反体制武装集団戦闘員。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がカッバーナ村一帯を爆撃、トルコの支援を受けるシャーム軍団(国民解放戦線所属)の司令官1人を殺害した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でハーン・シャイフーン市、スフーフン村、カフル・ウワイド村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊がカッサービーヤ村、フバイト村を砲撃した。

ロシア軍もジスル・シュグール市一帯を爆撃し、ドゥラル・シャーミーヤ(7月18日付)によると、民間人1人が死亡、5人が負傷した。

これに対して、反体制武装集団はカッサービーヤ村一帯のシリア軍・親政権民兵の拠点を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でアルバイーン村に対して爆撃を実施するとともに、カフルズィーター市、ラトミーン村、ラターミナ町、アルバイーン村に機銃掃射を行った。

またシリア軍は地上部隊がサルマーニーヤ村、カストゥーン村、ザイズーン村、タッル・ミルフ村、ジャビーン村、カフルズィーター村一帯を砲撃した。

これに対して、反体制武装集団はカスル・マアルーフ検問所一帯のシリア軍・親政権民兵の拠点を砲撃した。

一方、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は、ジューリーン村にあるシリア軍基地一帯を砲撃し、兵士多数を殺傷したと発表した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(ラタキア県2件、アレッポ県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を8件(ハマー県3件、イドリブ県4件、アレッポ県1件)確認した。

AFP, July 18, 2019、ANHA, July 18, 2019、AP, July 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, July 18, 2019、Reuters, July 18, 2019、SANA, July 18, 2019、SOHR, July 18, 2019、UPI, July 18, 2019などをもとに作成。

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