シリア民主軍のアブディー総司令官「マムルーク国民安全保障会議議長との会談でシリア民主軍を「未来のシリア軍」として維持するよう求めた」(2019年12月18日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は『シャルク・アウサト』(12月18日付)のインタビューに応じ、2週間前にアリー・マムルーク国民安全保障会議議長と会談を行ったとしたうえで、その詳細を明らかにした。

アブディー総司令官によると、会談では、「平和の泉」作戦でトルコが新たに占領した北東部と北・東シリア自治支配地の境界地帯全域にシリア軍部隊を展開させることが合意され、この合意には自身とマムルーク国民安全保障会議議長が署名、ロシアが保証人となったという。

シリア軍の展開に関して、アブディー総司令官は、トルコとの国境にシリア軍が正式に駐留していることを示すのが目的で、「トルコの占領に対する抵抗作戦は、愛国的な合同作戦として展開するだろう」と強調した。

アブディー総司令官はまた、マムルークとの会談では、11万人の兵力(内務治安部隊(アサーイシュ)を含む)を擁するシリア民主軍を「将来のシリア軍」(ジャイシュ・スーリヤー・アル=ムスタクバル)として維持することをシリア政府側に要請したと付言した。

一方、政治をめぐる合意はなされなかったとしたうえで、「より多くの時間、より長い対話が必要だ。使節団は政治的な相互理解に至るため、長い時間会合を持つべきだ」と強調した。

このほけ、米軍の駐留については、ドナルド・トランプ米大統領の決定に従い、ユーフラテス川東岸の新たな地域に米軍が展開していると述べた。

米軍の駐留は、イスラーム国から油田を守るためのもので、どのような当事者がどのような攻撃を行おうと米軍は反撃するとの姿勢を示しているという。

AFP, December 18, 2019、ANHA, December 18, 2019、AP, December 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2019、Reuters, December 18, 2019、SANA, December 18, 2019、al-Sharq al-Awsat, December 18, 2019、SOHR, December 18, 2019、UPI, December 18, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領はアラブ作家連合設立50周年式典の出席者と懇談し、「概念の戦線」に身を置き「概念の戦い」に対抗するよう呼びかける(2019年12月18日)

アサド大統領は、アラブ作家連合設立50周年式典の出席者と懇談した。

懇談では、シリアの思想・文化の現状、そしてそれが直面している脅威について意見が交わされた。

アサド大統領は懇談のなかで、有識者が、社会に広まっている価値観、概念、週間、伝統を科学的・体系的に評価・分析し、その保護、維持、確立に寄与し、近代化や技術革新に意識的に対峙することで、その衰退や改悪を回避する役割を担うことが重要だと述べた。

アサド大統領はまた、有識者が、祖国の利益に反する外国の計略に対抗するための「概念の戦線」にその身を置くことの必要を強調、「概念への戦い」に対抗するため、批判的な言説や、文化・創造的対話に基づく仕組みを確立するべきだと付言した。

大統領はさらに、アラビア語を、祖国や社会の問題にかかわる思想や文化を担うもっとも重要な要素、アラブ・アイデンティティの基礎と位置づけ、これに関心を払うよう述べた。

また、文化にかかるプロジェクトへの投資が、知識を身につけ、社会と祖国を発展させる能力を有する人間を創り出すもっとも利益をもたらす投資だと述べた。

AFP, December 18, 2019、ANHA, December 18, 2019、AP, December 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2019、Reuters, December 18, 2019、SANA, December 18, 2019、SOHR, December 18, 2019、UPI, December 18, 2019などをもとに作成。

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シリア民主軍が米主導の有志連合とともにダイル・ザウル県東部で強制捜査を行い、IDPs3人を拘束(2019年12月18日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が米主導の有志連合の航空支援を受けて、県東部のスブハ村の民家に対して強制捜査を行い、国内避難民(IDPs)の若者3人を拘束した。

一方、シュハイル村では、シリア民主軍の検問所で、ダーイシュ(イスラーム国)のメンバーと思われる武装集団とシリア民主軍が交戦した。

AFP, December 18, 2019、ANHA, December 18, 2019、AP, December 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2019、Reuters, December 18, 2019、SANA, December 18, 2019、SOHR, December 18, 2019、UPI, December 18, 2019などをもとに作成。

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トルコ占領下のタッル・アブヤド市とラアス・アイン市近郊で爆弾が相継いで爆発し子どもと女性を含む9人死亡(2019年12月18日)

ラッカ県では、シリア人権監視団、SANA(12月18日付)によると、トルコ占領下にあるタッル・アブヤド市の入り口で爆弾が爆発し、子ども2人と女性1人を含む4人が死亡、4人が負傷した。

一方、ANHA(12月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がアイン・イーサー市近郊のフーシャーン村、シャルカラーク村とアイン・イーサー市を結ぶM4道路沿線、タッル・アブヤド市近郊のヒルバト・バカル村を砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が県北部のシャルカラーク村一帯でトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍と交戦した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団、SANA(12月18日付)によると、トルコ占領下にあるラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市近郊のマブルーカ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、5人が死亡、15人が負傷した。

一方、ANHA(12月18日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がタッル・タムル町近郊のバーブ・ハイル村一帯を砲撃した。

AFP, December 18, 2019、ANHA, December 18, 2019、AP, December 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2019、Reuters, December 18, 2019、SANA, December 18, 2019、SOHR, December 18, 2019、UPI, December 18, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍によるイドリブ県への爆撃・砲撃でシャーム自由人イスラーム運動メンバー5人を含む10人死亡(2019年12月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がマアッル・シャマーリーン村にあるシャーム自由人イスラーム運動の拠点を爆撃し、戦闘員5人が死亡した。

シャーム自由人イスラーム運動は、国民解放戦線に参加するアル=カーイダ系組織。

ロシア軍戦闘機はまた、ハーン・スブル村、ダイル・シャルキー村に対しても爆撃し、2人が死亡した。

ロシア軍戦闘機の爆撃はこのほかにも、マアッルシューリーン村、ジャルジャナーズ町、ハラーキー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯、ハルバ村、バーブーリーン村、タッル・マルディーフ村、ガドファ村、タッル・マンス村にも及んだ。

一方、シリア軍は戦闘機で、タッル・マンス村、ガドファ村、バービーラー村、ハーン・スブル村一帯、ジャルジャナーズ町、マアッラト・ヌウマーン市、サラーキブ市一帯、マアッルシューリーン村、ジスル・シュグール市、スッカリーヤ村、バルナーン村、ハルバ村を爆撃した。

またシリア軍ヘリコプターが、マアッル・シャマーリーン村、マアッラト・ヌウマーン市を「樽爆弾」で爆撃し、2人が死亡した。

シリア軍ヘリコプターはまた、タッル・マンス村、タッフ村、ラッファ村、カトラ村、ガドファ村、マアッルシャムシャ村、マアッルシューリーン村、ダイル・ガルビー村、タッフ村、タッル・シャイフ村、マアッラト・ヌウマーン市一帯に対しても「樽爆弾」で爆撃した。

シリア軍地上部隊もマアッラト・ヌウマーン市を砲撃し、1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を45件(イドリブ県14件、ラタキア県12件、アレッポ県11件、ハマー県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を40件(イドリブ県32件、ラタキア県4件、アレッポ県4件、ハマー県0件)確認した。

AFP, December 18, 2019、ANHA, December 18, 2019、AP, December 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 18, 2019、Reuters, December 18, 2019、SANA, December 18, 2019、SOHR, December 18, 2019、UPI, December 18, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから318人、ヨルダンから459人の難民が帰国、避難民1人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年12月18日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月18日付)を公開し、12月17日に難民777人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは318人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは459人(うち女性138人、子供234人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は497,031人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者158,003人(うち女性47,790人、子ども80,876人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者339,028人(うち女性101,750人、子ども172,893人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,676,088人(うち女性2,002,826人、子供3,404,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 726,311人(うち女性218,198人、子供370,691人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した1人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は37,634人(うち女性11,516人、子供17,095人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,306,230人(うち女性394,075人、子供660,861人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 18, 2019をもとに作成。

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