シリア人権監視団:2019年の死者総数は11,215人、うち民間人は3,473人(2019年12月31日)

シリア人権監視団は、2018年12月31日から2019年12月31日までの1年間でのシリア国内での死者の統計を発表した。

それによると、過去1年間における死者総数は11,215人。

内訳は以下の通り:

  • 民間人3,473人(うち子ども1,021人、女性508人)
  • イスラーム主義諸派、武装諸派などのシリア人戦闘員1,592人
  • 人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍戦闘員1,005人
  • シリア軍離反兵3人
  • シリア軍兵士1,523人
  • 人民諸委員会、国防隊、シリア人親政権民兵の戦闘員1,241人
  • ヒズブッラー戦闘員7人
  • 非シリア人親政権民兵の戦闘員(ほとんどがシーア派)188人
  • 身元不明61人
  • ダーイシュ(イスラーム国)、シャーム解放機構、ムハージリーン・ワ・アンサール軍、トルキスタン・イスラーム党の非シリア人戦闘員2,096人
  • トルコ軍兵士22人
  • 米主導の有志連合の兵士4人

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

東グータ地方で勢力を誇っていたイスラーム軍のアッルーシュ元司令官がイスタンブールの高級繁華街で大規模レストランを開店(2019年12月31日)

ドゥラル・シャーミーヤ(12月31日付)などは、イスラーム軍の元司令官のムハンマド・アッルーシュ氏がトルコのイスタンブール市の高級繁華街に大規模レストランを開店したと伝えた。

アッルーシュ氏は、ダマスカス郊外県東グータ地方で勢力を誇ったイスラーム軍の創設者の一人で、2016年のジュネーブ3会議で交渉責任者を務めたが、2018年5月にイスラーム軍政治委員会のメンバーを辞任し、武装闘争・政治活動から身を引いていた。

活動家らは、SNS上で「革命の承認」、「湾岸諸国から開店資金を得た」、「汚職で蓄財していた」と痛烈に批判、ボイコットを呼びかけている(https://twitter.com/Maria_Alsheikh/status/1211261177025769472/video/1)。

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

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貨物車輌や装甲車など150輌以上からなる米主導の有志連合の車列がシリア領内に進入(2019年12月31日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、貨物車輌や装甲車など150輌以上からなる米主導の有志連合の車列がイラク・クルディスタン地域のワリード国境通行所を経由してシリア領内に入った。

車列は、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍を支援するための武器、装備などを積んでいるという。

https://www.facebook.com/syriahro/videos/526185451312547/

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

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シリア人権監視団によると、ダーイシュの元メンバー1人がトルコの支援を受ける国民軍に参加していることを新たに確認(2019年12月31日)

シリア人権監視団は、トルコの支援を受ける国民軍傘下の東部自由人連合にダーイシュ(イスラーム国)の元メンバー1人が参加していることが新たに確認されたと発表した。

東部自由人連合に参加していることが新たに確認されたのは、ダイル・ザウル県マヤーディーン市出身のN.S.H氏。

2014年にダーイシュに忠誠を誓い、イラクのアンバール県などで活動後、ダイル・ザウル航空基地をめぐる攻防戦に参加した。

ダーイシュから月50ドルの報酬を受けていたが、その後離反し、東部自由人連合の手引きによりアレッポ県バーブ市方面に逃亡、同地で東部自由人連合に参加した。

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

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トルコ軍と国民軍がハサカ県、アレッポ県でシリア民主軍を砲撃(2019年12月31日)

ハサカ県では、SANA(12月31日付)、ANHA(12月31日付)によると、トルコ軍の支援を受ける国民軍がタッル・タムル町近郊のウンム・ハイル村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(12月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマーリキーヤ村、マルアナーズ村、アキーバ村、スーガーニカ村を砲撃した。

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

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アサド大統領はイランのハージー外務大臣補と会談(2019年12月31日)

アサド大統領は首都ダマスカスで、イランのアリー・アスガル・ハージー外務大臣補と会談した。

SANA(12月31日付)によると、会談でハージー外務大臣補は、アスタナ14会議で協議された制憲委員会(憲法委員会)の進捗、ユーフラテス川東岸地域(ジャズィーラ地方)情勢などについて説明する一方、シリア北東部へのシリア軍の展開を賞賛、イドリブ県でのシリア軍の勝利に祝意を示した。

これに対して、アサド大統領は、制憲委員会における反体制派代表団とその支援国が議事を妨害していると指摘、イドリブ県でのシリア軍の進軍についてはテロ根絶をめざしていることを明らかにした。

ハージー外務大臣補はまた、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣兼副首相とも個別に会談した。

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの支援を受ける国民解放戦線がハマー県、イドリブ県でシリア軍への反撃を激化、兵士8人を殺害(2019年12月31日)

ハマー県では、SANA(12月31日付)が軍情報筋の話として伝えたところによると、マイダーン・ガザル村およびイドリブ県マアッルハッタート村一帯で活動を続けるシャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などの反体制武装集団が県北部のシリア政府支配地域を激しく砲撃し、ジューリーン村で士官1人が死亡、兵士複数人が負傷した(シリア人権監視団によると、士官1人が死亡、兵士4人が負傷)。

シリア人権監視団によると、反体制武装集団はまた、県北西部のアスィーラ村、ジュッブ・ラムラ町を砲撃した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、シリア政府支配下のハーン・シャイフーン市を砲撃し、アブー・ダフナ村、ジャルジャナーズ町一帯でシリア軍と交戦した。

この戦闘でシリア軍兵士7人、反体制武装集団戦闘員3人が死亡した。

これに対して、ロシア軍戦闘機がマアッル・シャマーリーン村を爆撃、シリア軍地上部隊もタッル・マンス村、ハーン・スブル村、カフルナブル市、ハザーリーン、マアッラト・ヌウマーン市、カンスフラ村、ダイル・シャルキー村、サラーキブ市などを砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアレッポ市ザフラー地区を砲撃した。

これに対して、シリア軍はアレッポ市西の反体制武装集団拠点を砲撃した。

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ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月31日付)によると、ブスル・ハリール市の入り口に設置されているシリア軍検問所が何者かの襲撃を受け、シリア軍兵士1人が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県10件、ラタキア県8件、アレッポ県4件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(イドリブ県7件、ラタキア県3件、アレッポ県3件、ハマー県6件)確認した。

AFP, December 31, 2019、ANHA, December 31, 2019、AP, December 31, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 31, 2019、Reuters, December 31, 2019、SANA, December 31, 2019、SOHR, December 31, 2019、UPI, December 31, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから346人、ヨルダンから754人の難民が帰国、避難民3人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年12月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月31日付)を公開し、12月30日に難民1,100人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは346人(うち女性103人、子供176人)、ヨルダンから帰国したのは754人(うち女性226人、子供385人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は511,819人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者163,772人(うち女性49,522人、子ども83,820人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者348,027人(うち女性104,457人、子ども177,494人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,682,935人(うち女性2,004,881人、子供3,408,297人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 741,099人(うち女性222,637人、子供378,236人)となった。

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一方、国内避難民3人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは3人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した3人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は37,665人(うち女性11,516人、子供17,095人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,306,261人(うち女性394,075人、子供660,861人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 31, 2019をもとに作成。

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