シャーム解放機構のジャウラーニー指導者はビデオ声明で「我々は体制打倒という段階を越えて、ロシアとイランの占領に対する解放独立戦争に入った」と主張、徹底抗戦を呼びかける(2019年12月24日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者はビデオ声明を出し、イドリブ県での戦況に関して、「我々は体制打倒という段階を越えて、我々の宗教、我々の土地、そして我々の財産を付け狙う野蛮なロシアとイランの占領に対する解放独立戦争に入った」と述べた。

3分弱のビデオ声明の主な内容は以下の通り。

**

「今日行われている虐殺と悲劇は、この戦争の一幕であり、我々にはこれに立ち向かう以外の選択肢はない。日々とは国家のように移り変わる。日に日に変わっていく。戦いとは、占領者に立ち向かうことを選び、解放に向けて努力した土地の持ち主の占領に対するありようがもたらす結果によって判断されるものだ」。

「我々には、占領者に立ち向かい、その不正や専制に対して不屈の精神を示す以外の選択肢はない。勝敗の理由は、我々のなかにある。我々の自己、侵攻、犠牲に対する普段の心構えにある」

「敵の前線の背後、製油所やガス田といった敵の経済の心臓部、空港などの軍事的深部を狙った特殊作戦を祝福したい」。

「アラブ湾岸諸国やトルコなど、地域、そして世界の諸国民はみな、この戦争の結果、すなわち、その政治、経済、安全保障、軍事に与える影響に対して責任がある。これにより、国際社会のカードが混ぜられ、この地域のパワーバランスが再編されることになるだろう」。

「敵と対峙する諸派のムジャーヒディーンすべてに謝意を示したい…。また国内避難民(IDPs)に支援の手を差し伸べてくれる人にも謝意を示したい」。

「アッラーと最後の日を信じてきた者は、武器を手にする力がある武器を取り、ムジャーヒディーンの隊列に加わろう。戦いは長く続き、我々には忍耐が必要とされる」。

https://www.facebook.com/AJA.Syria/videos/1471386756347925/

AFP, December 25, 2019、ANHA, December 25, 2019、AP, December 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2019、Reuters, December 25, 2019、SANA, December 25, 2019、SOHR, December 25, 2019、UPI, December 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル日刊紙:イランがアフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員をゴラン高原に派遣、イスラエルへの攻撃を企てている(2019年12月24日)

『エルサレム・ポスト』(12月25日付)は、イランがアフガン人民兵組織のファーティミーユーン旅団の戦闘員をゴラン高原に派遣、イスラエルへの攻撃を企てていると伝えた。

同紙によると、ファーティミーユーン旅団がゴラン高原近くで撮影したとされる画像(https://twitter.com/Jtruzmah/status/1209378917041049600/video/1)がツイッターを通じて公開されていることがこの企てを裏付けているという。

AFP, December 25, 2019、ANHA, December 25, 2019、AP, December 25, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2019、The Jerusalem Post, December 24, 2019、Reuters, December 25, 2019、SANA, December 25, 2019、SOHR, December 25, 2019、UPI, December 25, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの要請を受け、アレッポ県北部で活動する反体制派がリビアへの転戦を準備、戦闘員への給与は2,000~3,000ドル(2019年12月24日)

ザマーン・ワスル(12月24日付)は、匿名軍事筋の話として、トルコがアレッポ県北部の占領地(「ユーフラテスの盾」地域および「オリーブの枝」地域)で活動を続ける国民軍に所属する複数の組織に対して、リビアの国民合意政府(GNA)を支援し、ハリーファ・ハフタル司令官が率いるシリア国民軍との戦闘に参加するため、部隊を派遣するよう要請と伝えた。

同軍事筋によると、この要請は、22日に開かれたトルコの諜報機関の代表と国民軍司令官の会合で行われた。

会合では、リビアへの転戦を希望する戦闘員を氏名や数を示したリストが提示され、内容の検討が行われた。

このリストは、トルコとの関係が強いスルターン・ムラード師団とムウタスィム旅団が、トルコ軍部隊とともにリビアで実施する「戦闘任務」への参加を希望するメンバーを募って作成したもの。

同軍事筋によると、この任務に参加する戦闘員には、士官の場合月給3,000米ドル、一般の戦闘員の場合2,000ドルの月給をトルコが支払われるとともに、武器、弾薬、食糧なども支給されるという。

AFP, December 24, 2019、ANHA, December 24, 2019、AP, December 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 24, 2019、Reuters, December 24, 2019、SANA, December 24, 2019、SOHR, December 24, 2019、UPI, December 24, 2019、Zaman al-Wasl, December 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

21日に「テロ攻撃」を受けたヒムス製油所とライヤーン・ガス工場の修理が完了(2019年12月24日)

石油鉱物資源省は声明を出し、21日に「テロ攻撃」を受けたヒムス製油所とライヤーン・ガス工場の修理が完了し、復旧したと発表した。

SANA(12月24日付)が伝えた。

AFP, December 24, 2019、ANHA, December 24, 2019、AP, December 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 24, 2019、Reuters, December 24, 2019、SANA, December 24, 2019、SOHR, December 24, 2019、UPI, December 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構のジャウラーニー指導者は緊急指令を発し、メンバーにイドリブ県での戦闘継続を呼びかける(2019年12月24日)

シリアのアル=カーイダと目され、イドリブ県を中心とする反体制派支配地域(緊張緩和地帯第1ゾーン)で活動する反体制武装集団を主導するシャーム解放機構のアブー・ムハンマド・ジャウラーニー指導者は、緊急指令を発し、メンバーに回付した。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月24日付)が入手した緊急司令のコピーによると、このなかでジャウラーニー指導者は「解放区に対する占領国ロシアの攻撃は熾烈さを増し、我々にはさらなる努力が特に求められている」としたうえで、「汝らの兄弟は、自らの敵に対する攻撃を開始した。アッラー、現世、そして来世を信じる者は、武器を掲げて、ただちに前線で従軍し、自らの直接の司令官(アミール)と連携しよう」と呼びかけた。

**

シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー報道官は、トルコ占領下のアレッポ県北東部(いわゆる「ユーフラテスの盾」地域)で活動を続ける反体制武装集団(国民軍)が、イドリブ県でのシリア軍との戦闘への参加が禁じられているとの一部報道に関して、これを強く否定した。

シャーミー報道官は「戦場に赴き、真剣に(戦闘に)参加することを望むすべての者と連携している…。戦うために赴くことが禁止されていると主張する者はいずれも嘘つきだ」と述べた。

イバー・ネット(12月24日付)が伝えた。

AFP, December 24, 2019、ANHA, December 24, 2019、AP, December 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 24, 2019、Reuters, December 24, 2019、SANA, December 24, 2019、SOHR, December 24, 2019、UPI, December 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍・国民軍とシリア民主軍はラッカ県のM4高速道路沿いで攻防戦(2019年12月24日)

ラッカ県では、ANHA(12月24日付)によると、アイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿いのカンタリー村をトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が攻撃し、M4高速道路を一時制圧したが、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が反撃し、これを奪還した。

AFP, December 24, 2019、ANHA, December 24, 2019、AP, December 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 24, 2019、Reuters, December 24, 2019、SANA, December 24, 2019、SOHR, December 24, 2019、UPI, December 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍武装部隊総司令部はイドリブ県の40以上の町・村、320平方キロメートル以上を制圧したと発表、シャーム解放機構などからなる反体制派はM5高速道路沿線からも撤退か?(2019年12月24日)

シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、イドリブ県南部および南東部でヌスラ戦線(シャーム解放機構)などの「武装テロ組織」との交戦の末、40以上の町・村を含む320平方キロメートル以上の地域を浄化・制圧したと発表した。

12月19日以降の戦闘でシリア軍が浄化・制圧したのは、ウンム・ティーナ村、タッル・ダム村、アブー・シャルキー村、サイヤード村、シャッアーラ村、ムダイリサ村、ルバイア村、ハリーバ村、バルナーン村、バルサ村、ファルワーン村、カトラ村、ハラーキー村、アブー・ダフナ村、ヒルバト・マアッラーター村、ファアルール村、アブー・マッキー(アブー・マッカ)村、サルマーン村、サキーア村、カルサンタ村、ブルジュ村、サルジュ村、サハール村、ブライサ村、ファルジャ村、ウンム・ジャラール村、タッル・シャイフ村、アブー・フッバ村、ラッファ村、タッル・ハッラーン村、ハッラーン村、カラーティー村、ハルバ村、タアル・タッフ村、タッフ村、ムアイサルーナ村、タッル・マアッラーン村、ジャルジャナーズ町、タフターヤー村、タッル・サイイド村、ジャアファル村、バルータ村、ウンム・ジャバル村、タッル・アブー・ハーミド村など。

なお、シリア人権監視団によると、12月24日の戦闘での死者は、民間人10人(うち子ども6人、女性2人)、シリア軍兵士23人、反体制武装集団戦闘員19人。

イドリブ県南東部での戦闘が激化した12月19日以降の犠牲者数は、民間人88人(うち子ども19人、女性19人)、シリア軍兵士134人、反体制武装集団戦闘員167人。

シリア軍が爆撃を再開した4月30日以降の犠牲者数は5,352人で、内訳は、民間人1,354人(うち子ども342人、女性248人)、シリア軍兵士1,868人、反体制武装集団戦闘員1,424人。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室が、M5高速道路上に位置するカフル・バースィーン村、バーブーリーン村、スィフヤーン村、マアッルハッタート村から撤退した。

シリア軍はこれらの村に進軍はしていないという。

一方、ロシア軍戦闘機は、タッル・マンス村、バービーラー村とハーン・スブル村間のM5高速道路、ジャウバース村を爆撃し、ジャウバース村では国内避難民(IDPs)を収容していた学校が被弾し、女性2人と子ども6人を含む10人が死亡した。
https://eldorar.com/sites/default/files/styles/696×367/public/photo_2019-12-24_12-03-03.jpg?itok=7TdrSei5&ezimgfmt=rs:615×329/rscb2/ngcb2/notWebP

ロシア軍戦闘機はまた、M5高速道路上の主要都市の一つマアッラト・ヌウマーン市に照明弾を発射した。

シリア軍も戦闘機とヘリコプターでマアッラト・ヌウマーン市一帯の村々、サラーキブ市などを爆撃した。

他方、ドゥラル・シャーミーヤ(12月24日付)によると、シャーム解放機構はシリア軍によって制圧されたジャルジャナーズ町で爆弾を積んだ車をシリア軍部隊に向けて特攻させ、兵士数十人を殺傷した。

また、シャーム解放機構はシリア軍に反撃し、バルサ村を奪還したという。

なお、シリア人権監視団によると、シリア軍がマアッラト・ヌウマーン市とサラーキブ市に向かって進軍を続けるなか、24日だけでサラーキブ市の住民3,000人以上がアレッポ県北西部のアフリーン郡方面に避難した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機、シリア軍戦闘機およびヘリコプターがカッバーナ村一帯を爆撃した。

また、シリア軍地上部隊が反体制武装集団と交戦、シリア軍兵士8人、武装集団戦闘員5人が死亡した。

**

ハマー県では、SANA(12月24日付)によると、シリア軍防空部隊が、スカイラビーヤ市上空に飛来した反体制武装集団の無人航空機(ドローン)を撃破した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市マンシヤ地区の路上に仕掛けられていた爆弾が、シリア政府との和解に応じたスンナ青年旅団の元司令官の車が通過した瞬間に爆発し、元司令官が死亡した。

ドゥラル・シャーミーヤ(12月24日付)によると、殺害された元司令官はウィサーム・ムサーラマ氏で、シリア政府との和解後、軍事情報局に勤務していた。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を55件(イドリブ県21件、ラタキア県16件、アレッポ県6件、ハマー県12件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を47件(イドリブ県20件、ラタキア県19件、アレッポ県6件、ハマー県2件)確認した。

AFP, December 24, 2019、ANHA, December 24, 2019、AP, December 24, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 24, 2019、Reuters, December 24, 2019、SANA, December 24, 2019、SOHR, December 24, 2019、UPI, December 24, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから327人、ヨルダンから555人の難民が帰国、避難民2人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年12月24日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月24日付)を公開し、12月23日に難民882人が新たに帰国したと発表した。


このうちレバノンから帰国したのは327人(うち女性98人、子供167人)、ヨルダンから帰国したのは555人(うち女性167人、子供283人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は503,561人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者160,208人(うち女性48,453人、子ども82,002人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者343,353人(うち女性103,049人、子ども175,099人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,676,088人(うち女性2,002,826人、子供3,404,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 732,841人(うち女性220,160人、子供374,023人)となった。

**

一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は37,655人(うち女性11,516人、子供17,095人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,306,251人(うち女性394,075人、子供660,861人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 24, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.