北・東シリア自治局は日本の人道支援に謝意を示す一方、IDPsへの支援が「意図せず」トルコの占領を合法化することにつながると懸念を表明(2019年12月19日)

北・東シリア自治局の人道問題局は声明を出し、シリア北東部に対する日本の人道支援の取り組みに謝意を示すとともに、自治局支配地域への支援物資搬入が制限されているとし、懸念を表明した。

声明によると、国連安保理決議第2169号に基づき、国連関連機関が、支援物資を積んだ車輌3万台分が定められた国境通行所からシリアに入国したが、2019年に北・東シリア自治局の支配地域に届けられたのはたった40台分だけだったという。

また、シリアに対する支援物資1700万ドル分のうち、北・東シリア自治局に届けられたのは、100万ドル分だけだという。

同声明によると、国連は現在、トルコがハサカ県ラアス・アイン市やラッカ県タッル・アブヤド市一帯を占領したことで発生した国内避難民(IPDs)を支援するために取り組みを行っているが、この過程で、日本が行う支援が「意図せず、(にトルコによる)占領の合法化に貢献し、人口構成の変更を支えてしまっている」という。

一方、シリア政府は、これらのIDPsに対する充分は支援が行えておらず、10月30日にOCHAに対してその旨を通達、これを受けて、日本政府は在ダマスカス日本大使館を通じて、シリア北東部への支援を申し出たという。

AFP, December 19, 2019、ANHA, December 19, 2019、AP, December 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2019、Reuters, December 19, 2019、SANA, December 19, 2019、SOHR, December 19, 2019、UPI, December 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県でダーイシュがシリア軍・国防軍を攻撃し4人殺害(2019年12月19日)

ダイル・ザウル県では、バーディヤ24(12月19日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が県西部のアドマーン村で国防軍の車を襲撃し、2人を殺害した。

ダーイシュはまた、ビシュリー山麓の砂漠地帯でもシリア軍の拠点を攻撃し、兵士2人を殺害した。

AFP, December 19, 2019、ANHA, December 19, 2019、AP, December 19, 2019、al-Badiya 24, December 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2019、Reuters, December 19, 2019、SANA, December 19, 2019、SOHR, December 19, 2019、UPI, December 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍と国民軍はハサカ県のM4高速道路の南側を砲撃(2019年12月19日)

ハサカ県では、ANHA(12月19日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がスルーク町とアイン・イーサー市(ラッカ県)間に位置するカンタリー近郊のM4高速道路の南側の地域を砲撃した。

**

アレッポ県では、ANHA(12月19日付)によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、シャワーリガ砦を砲撃した。

AFP, December 19, 2019、ANHA, December 19, 2019、AP, December 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2019、Reuters, December 19, 2019、SANA, December 19, 2019、SOHR, December 19, 2019、UPI, December 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ占領下のハサカ県タッル・ハラフ村での爆発で住民5人死亡(2019年12月19日)

ハサカ県では、SANA(12月19日付)によると、トルコの占領下にあるタッル・ハラフ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民5人が死亡、11人が負傷した。

AFP, December 19, 2019、ANHA, December 19, 2019、AP, December 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2019、Reuters, December 19, 2019、SANA, December 19, 2019、SOHR, December 19, 2019、UPI, December 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はイドリブ県南東部の戦略的要衝ウンム・ジャラール村を制圧、シャーム解放機構、国民解放戦線などからなる「必勝」作戦司令室は徹底抗戦の意志を表明(2019年12月19日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がウンム・ジャラール村、ハリービー村、サキーヤート村一帯でシャーム解放機構や国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる反体制武装集団と交戦、県南東部の戦略的要衝ウンム・ジャラール村を制圧した。

この戦闘で、反体制武装集団戦闘員29人、シリア軍兵士17人が死亡した。

シリア軍はまた、地上部隊がマアッラト・ヌウマーン市を地対地ミサイルなどで砲撃し、女性1人と女児1人を含む5人が死亡、戦闘機がダイル・サンバル村、マガーラ村、バーラ村、カフルナブル市、ブナイン村、マアッラト・ヌウマーン市一帯を爆撃し、ダイル・サンバル村で女性1人が死亡した。

さらにヘリコプターがジャルジャナーズ町、タッル・マルディーフ村、ガドファ村、マアッルシューリーン村、マアッルシャムシャ村、タッル・マンス村、タッフ村、カルサア村を「樽爆弾」で爆撃した。

一方、ロシア軍はタッル・マルディーフ村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッル・シャマーリーン村、マアッルシューリーン村、サラーキブ市およびその一帯、ハーン・スブル村を爆撃し、タッル・マルディーフ村、マアッラト・ヌウマーン市で女性2人と子ども2人を含む5人が死亡した。

これに対して、シャーム解放機構や国民解放戦線は、タッル・カラーティーン村、マガーラ村を砲撃した。

また、シャーム解放戦線、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室は声明を出し、イドリブ県住民に向けて支配地域を死守し、同地をシリア軍とどの同盟者(ロシア)の墓場にするとの意志を表明、また反体制武装集団に対して共闘を呼びかけた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団、SANA(12月19日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ライラムーン地区、ハムダーニーヤ地区、第3000団地計画地区を砲撃し、住民3人が負傷した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がカッバーナ村一帯を爆撃した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を54件(イドリブ県18件、ラタキア県16件、アレッポ県12件、ハマー県8件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を51件(イドリブ県42件、ラタキア県8件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

AFP, December 19, 2019、ANHA, December 19, 2019、AP, December 19, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 19, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 19, 2019、Reuters, December 19, 2019、SANA, December 19, 2019、SOHR, December 19, 2019、UPI, December 19, 2019などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから342人、ヨルダンから906人の難民が帰国、避難民6人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年12月19日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月19日付)を公開し、12月18日に難民1,248人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは342人(うち女性103人、子供175人)、ヨルダンから帰国したのは906人(うち女性272人、子供462人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は498,279人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者158,003人(うち女性47,790人、子ども80,876人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者339,028人(うち女性101,750人、子ども172,893人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,676,088人(うち女性2,002,826人、子供3,404,805人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 727,559人(うち女性218,198人、子供370,691人)となった。

**

一方、国内避難民6人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは6人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した6人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は37,640人(うち女性11,516人、子供17,095人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,306,236人(うち女性394,075人、子供660,861人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 19, 2019をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.