米下院はシリア政府、ロシア、イランへの制裁を目的とするシーザー・シリア市民保護法案を可決(2019年12月11日)

米下院(定数435)は、シリア政府への制裁を目的としたシーザー・シリア市民保護法案(H.R.31 – Caesar Syria Civilian Protection Act of 2019)を賛成377票、反対48票で可決した。

シーザー・シリア市民保護法案は、2016年に超党派の議員によって提出された法案で、シリア国民に対する犯罪を続けるシリア政府・軍の高官、シリアを後援する個人・法人、そしてシリア政府を支援するロシア、イランなど諸外国の個人・法人に対して制裁を科すことを定めている。

下院で可決された法案は、上院での審議に回され、上院での可決後に大統領の署名をもって施行される。

法案全文は、https://www.congress.gov/bill/116th-congress/house-bill/31/textを参照のこと。

AFP, December 12, 2019、ANHA, December 12, 2019、AP, December 12, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 12, 2019、Reuters, December 12, 2019、SANA, December 12, 2019、SOHR, December 12, 2019、UPI, December 12, 2019などをもとに作成。

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アスタナ14会議はクルド民族主義勢力と米国による「分離主義的アジェンダ」に異議を表明、油田地帯を違法に占領する米軍の撤退を求める(2019年12月11日)

カザフスタンの首都ヌルスルターン(旧アスタナ)で12月10日に開幕していたシリア政府と反体制武装集団の停戦を目的とするアスタナ14会議が2日間の議事を終えて閉幕した。

会議は、シリア政府代表、反体制派代表(シリア軍事革命諸勢力代表団)、保障国であるロシア、トルコ、イラン、そしてヨルダン、イラク、レバノンの代表による個別会談、ないしは三者会談を通じて行われ、シリア政府代表と反体制派代表の直接交渉はなされなかった。

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会議の保障国であるロシア、イラン、トルコは閉幕声明で、「自治に向けたイニシアチブ」(米国が支援する北・東シリア自治局による自治)などシリア領内で新たな現状を創り出そうとするあらゆる試みが、「テロとの戦い」を口実とした違法な行為だと断じ、シリアの主権、領土の一体性に反する分離主義的なアジェンダに異議を表明、1998年にシリアとトルコが交わしたアダナ合意の重要性を強調した。

三カ国はまた、シリア領内の(米国による)油田地帯の支配についても違法だと非難、シリア政府に返還しなければならないと強調した。

和平プロセスについては、国連安保理決議第2254号に基づく政治プロセスを推し進める意志を改めて示したうえで、制憲委員会(憲法委員会)設置の重要性を強調した。

人道支援については、その政治化に異議を唱え、前提条件なしの支援を国際社会に呼びかけた。

また、難民、国内避難民(IDPs)の帰還の必要についてもこれを確認し、国際社会に支援を呼びかけた。

一方、三カ国は、最近のイスラエル軍による越境攻撃についても、国際法違反、主権侵害と非難した。

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ロシアの代表団を率いるアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使は会議閉幕に合わせて開かれた記者会見で、米国の駐留を含むあらゆる問題について協議したことを明らかにしたうえで、この駐留が違法で、シリア領内の天然資源を搾取しようとしていると非難、撤退する必要があると強調した。

また、復興プロセスや人道支援については政治化すべきでないと述べ、西側諸国による制裁が解除されるべきだと付言した。

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イランの代表を率いるアリー・アスガル・ハージー外務大臣補は、テロとの戦いを貫徹する必要があると述べるとともに、シリアの主権を維持、領土を保全すべきだと強調、制憲委員会(憲法委員会)に改めて指示を表明した。

ハーッジー大臣補はイドリブ県のほとんどがテロ組織によって掌握されていると指摘、また米国によるシリア北東部の油田地帯支配は拒否されるべきだと指弾した。

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シリアの代表を率いるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、「テロとの戦い」を貫徹するとの意志を改めて示すとともに、トルコがアスタナ会議での制約に違反して、テロ組織への支援を続け、シリアの領土を占領していると非難した。

AFP, December 11, 2019、ANHA, December 11, 2019、AP, December 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2019、Reuters, December 11, 2019、SANA, December 11, 2019、SOHR, December 11, 2019、UPI, December 11, 2019などをもとに作成。

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アスマー大統領夫人のおじのタリーフ・アフラス氏とその子息が税関局による資産凍結を解除される(2019年12月11日)

ドゥラル・シャーミーヤ(12月11日付)は、財務省の複数の情報筋の話として、アスマー・アフラス大統領夫人のおじのタリーフ・アフラス氏とその子息が、税関局による資産凍結を解除されると伝えた。

これは、アフラス氏が財務当局から納付を命じられていた関税および追徴金の支払いに応じたため。

AFP, December 11, 2019、ANHA, December 11, 2019、AP, December 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2019、Reuters, December 11, 2019、SANA, December 11, 2019、SOHR, December 11, 2019、UPI, December 11, 2019などをもとに作成。

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シリア民主軍のアブディー総司令官は米国とロシアにトルコ占領地への難民帰還を阻止するよう呼びかける(2019年12月11日)

人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、ツイッターのアカウント(https://twitter.com/MazloumAbdi/)を通じて、「ロシアと米国は(トルコによって)占領されている地域の人口動態の変更を阻止する責任を果たさねばならない。我々はこの二カ国に義務を果たし、元々暮らしていた住民を帰還させる仕組みを作るよう呼びかける」と綴った。

アブディー総司令官はまた「(ラッカ県の)タッル・アブヤド市と(ハサカ県の)ラアス・アイン市に百万人を移住させる取り組みを始めるとトルコ大統領が発表したことは、非常に危険で、これらの都市に異邦人を入植させようとするものだ」と批判した。

https://twitter.com/MazloumAbdi/status/1204480737891770368

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ハサカ県とアレッポ県を結ぶM4高速道路一帯地域へのシリア軍の展開が完了、ヒトやモノの移動が再開(2019年12月11日)

SANA(12月11日付)は、ハサカ県とアレッポ県を結ぶM4高速道路一帯地域へのシリア軍の展開が完了、その安全が確保され、ヒトやモノの移動が再開されたと伝えた。

AFP, December 11, 2019、ANHA, December 11, 2019、AP, December 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2019、Reuters, December 11, 2019、SANA, December 11, 2019、SOHR, December 11, 2019、UPI, December 11, 2019などをもとに作成。

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北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるマルアナーズ村、マンナグ航空基地一帯(アレッポ県)をトルコ軍と国民軍が砲撃(2019年12月11日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局とシリア政府の共同支配下にあるマルアナーズ村、マンナグ航空基地一帯をトルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が砲撃した。

一方、トルコ占領下のバーブ市で、国民軍所属のスルターン・ムラード師団の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、メンバー1人が死亡した。

このほか、アフリーン解放軍団は声明を出し、8~9日にシャッラー村近郊のマイダーニカ村・カルマク村間の街道とアアザーズ市近郊で国民軍所属のスルターン・ムラード師団とハムザ師団を攻撃し、戦闘員9人を殺害したと発表した。

ANHA(12月11日付)が伝えた。

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シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構がイドリブ県南東部の放棄された大隊基地を制圧(2019年12月11日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月11日付)やシャーム解放機構に近いイバー・ネット(12月11日付)によると、シャーム解放機構のアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊とアブー・バクル・スィッディーク軍がシリア軍との激しい戦闘の末に、県南東部の放棄された大隊基地を制圧した。

シリア人権監視団によると、この戦闘でシリア軍兵士10人、シャーム解放機構戦闘員5人が死亡した。

同監視団によると、シリア軍地上部隊は、放棄された大隊基地(シャーム解放機構支配下)に進軍を試み、同地を砲撃、ロシア軍戦闘機もが同地を爆撃した。

シリア軍地上部隊はまた、タッフ村、ダイル・シャルキー村、ダイル・ガルビー村、ウンム・ジャラール村一帯、イウジャーズ村一帯、アブー・ズフール町一帯、ラッファ村、ハルバ村、サルジュ村、カルサンタ村、アブー・マッキー村、ビダーマー町を砲撃した。

さらに、シリア軍戦闘機がウンム・ティーナ村を爆撃した。

これに対して、反体制武装集団は無人化大隊基地一帯でシリア軍地上部隊を迎撃するとともに、マダーヤー村一帯を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がズィヤーラ町を砲撃した。

一方、SANA(12月11日付)によると、シリア軍がフライカ村で反体制武装集団の無人航空機(ドローン)を撃墜した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯を「樽爆弾」で爆撃した。

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ダマスカス郊外県では、サウト・アースィマ(12月12日付)によると、東グータ地方ドゥーマ市にある総合情報部の検問所が何者かの襲撃を受けた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県9件、ラタキア県6件、アレッポ県4件、ハマー県5件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を12件(イドリブ県2件、ラタキア県3件、アレッポ県5件、ハマー県5件)確認した。

AFP, December 11, 2019、ANHA, December 11, 2019、AP, December 11, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 11, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 11, 2019、Reuters, December 11, 2019、SANA, December 11, 2019、Sawt al-‘Asima, December 12, 2019、SOHR, December 11, 2019、UPI, December 11, 2019などをもとに作成。

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