トルコの支援を受ける国民軍戦闘員がシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構との合意に基づき、戦闘員をアレッポ県からイドリブ県に派遣(2019年12月30日)

シリア人権監視団は、複数の信頼できる情報筋の話として、トルコの支援を受ける国民軍とシリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が戦闘員の派遣にかかる合意を交わし、国民軍がアレッポ県アフリーン郡に展開する第2軍団と第3軍団の全軍にイドリブ県への再展開を指示したと発表した。

シャーム解放機構はこれまで、アフリーン郡方面からイドリブ県への国民軍の戦闘員の進入を禁じてきたが、合意では、第2軍団と第3軍団は国民解放戦線の作戦司令室の指揮下でシリア軍との戦闘に参加するという。

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(12月30日付)は、四輪駆動車多数からなる国民軍の車列が30日早朝にアレッポ県からイドリブ県内に入り、各地に展開したと伝えた。

国民軍の増援部隊は、対戦車ミサイル、重火器などで完全武装した戦闘員約300人からなるという。

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国民軍ハムザ師団のアブドゥッラー・ハラーワ司令官はザマーン・ワスル(12月30日付)に対して、自身の部隊が所属する「第2軍団が今日イドリブ県郊外に入った。これは同地で活動する諸派との合意を受けた3度目の部隊派遣となる」と述べた。

ハラーワ司令官によると、イドリブ県に入った国民軍戦闘員は1,500人で、500人ずつ3度に分けて派遣されたという。

AFP, December 30, 2019、ANHA, December 30, 2019、AP, December 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2019、Reuters, December 30, 2019、SANA, December 30, 2019、SOHR, December 30, 2019、UPI, December 30, 2019などをもとに作成。

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リビア国民合意政府報道官「トルコがシリア国民軍を移送しているのではなく、アサド政権の方がダーイシュ・メンバーを含む戦闘員をハフタル将軍のために派遣している」(2019年12月30日)

リビアの国民合意政府(GNA)のムスタファー・アジャミー報道官は、「(ハリーファ・)ハフタル(将軍)の民兵(リビア国民軍)の支配下にあるリビア東部とシリアの首都ダマスカス(アサド政権)との間の極秘の運行記録を握っていると述べた。

アジャミー報道官によると、「我々は数日前から、シリアのいわゆる「シャーム・ウィング」航空会社の複数便がハフタル(将軍)の支配下にあるベンガジ市に着陸したことを監視している。これらの便はシリアからやって来ている」としたうえで、「これらの便は長時間着陸はしていなかった。おそらくは、これらの便にはシリア人の戦闘員が乗っており、ハフタル(将軍)の隊列に加わり、その一部はシリアのダーイシュ(イスラーム国)に所属していると思われる」と述べた。

一方、トルコがシリアの民主軍の戦闘員をトリポリ市に移送したとの報道については「ハフタル(将軍)の部隊がプロパダンダを行い、メディアを巻き込んで、スーダン人、ロシア人、エジプト人といった傭兵を隊列に加えているという事実を否定しようとしている」と述べた。

アラビー21(12月30日付)が伝えた。

AFP, December 30, 2019、ANHA, December 30, 2019、AP, December 30, 2019、Arabi 21, December 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2019、Reuters, December 30, 2019、SANA, December 30, 2019、SOHR, December 30, 2019、UPI, December 30, 2019などをもとに作成。

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シリア・ロシア軍がイドリブ県、アレッポ県を爆撃し子ども1人とホワイト・ヘルメットのメンバー1人が死亡(2019年12月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターが、シャーム解放機構の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市およびその一帯、マアッルシューリーン村、ダイル・ガルビー村、タッル・マンス村を「樽爆弾」で爆撃し、マアッラト・ヌウマーン市近郊で子ども1人とホワイト・ヘルメットのメンバー1人が死亡した。

また、シリア軍戦闘機が、マアッルディブサ村、タッル・マンス村、カフルバッティーフ村、マアッラト・ヌウマーン市、マンタフ村を爆撃した。

シリア軍はさらに、地上部隊がダイル・シャルキー村、タッルマンス村、マアッルシューリーン村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がICARDA地区、シャイフ・アフマド村、ウンム・アトバ村、タッル・ハディーヤ村、ザンマール町を爆撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市の旧税関地区近くに設置されているシリア軍の国境監視所に仕掛けられていた爆弾が爆発し、兵士1人が死亡、3人が負傷した。

AFP, December 30, 2019、ANHA, December 30, 2019、AP, December 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2019、Reuters, December 30, 2019、SANA, December 30, 2019、SOHR, December 30, 2019、UPI, December 30, 2019などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:レバノンから327人、ヨルダンから781人の難民が帰国、避難民2人(うちルクバーン・キャンプからの帰還者0人)が帰宅(2019年12月30日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報(12月30日付)を公開し、12月29日に難民1,108人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは327人(うち女性98人、子供167人)、ヨルダンから帰国したのは781人(うち女性234人、子供398人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は510,719人となった。

内訳は、レバノンからの帰国者163,426人(うち女性49,419人、子ども83,644人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者347,293人(うち女性104,231人、子ども177,109人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

45カ国で難民登録したシリア人の数は6,682,935人(うち女性2,004,881人、子供3,408,297人)。

また、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は 739,999人(うち女性222,308人、子供377,675人)となった。

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一方、国内避難民2人が新たに帰宅した。

うちダマスカス郊外県東グータ地方に帰宅したのは0人、ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由してダマスカス郊外県、ヒムス県などに帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは2人、イドリブ県アブー・ズフール町郊外の通行所およびハマー県スーラーン町の通行所を経由して帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所を経由して帰還した2人のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は0人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は37,662人(うち女性11,516人、子供17,095人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,306,258人(うち女性394,075人、子供660,861人)となった。

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 30, 2019をもとに作成。

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シリア外務在外居住者省はシリア・イラク領内のイラク人民防衛隊ヒズブッラー大隊の拠点に対する米軍の爆撃を「イラクの主権と独立を守る公的機関への血塗られた攻撃」と非難(2019年12月30日)

シリアの外務在外居住者省高官筋は、29日に米軍が行ったシリア・イラク領内のイラク人民防衛隊ヒズブッラー大隊の施設に対する爆撃に関して、「イラクの国家の決定に基づいてその主権と独立を守ろうとする公的機関の人民動員隊の部隊への血塗られた攻撃」と非難、イラクの国民および諸機関との完全なる連帯を表明し、米国にイラクの内政に干渉しないよう訴えた。

SANA(12月30日付)が伝えた。

AFP, December 30, 2019、ANHA, December 30, 2019、AP, December 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, December 30, 2019、Reuters, December 30, 2019、SANA, December 30, 2019、SOHR, December 30, 2019、UPI, December 30, 2019などをもとに作成。

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