HFL:ロシアが支援するシリア軍第5軍団第8旅団の将兵数百人が東部砂漠地帯でのダーイシュとの戦闘を拒否し、離反・逃亡(2022年1月14日)

HFL(1月14日付)は、ロシアの支援を受けるシリア軍第5軍団所属の第8旅団(アフマド・アウダ司令官)の士官らを含む兵士数百人が離反し、国内外に逃亡したと伝えた。

離反・逃亡は、ロシアがシリア東部のダーイシュ(イスラーム国)との戦闘のために第8旅団の拠点を設置しようとしたことを同旅団の複数のグループが拒否し、ロシアがこれらのグループへの支援を打ち切ったのを受けたもの。

離反・逃亡した将兵は元反体制武装集団メンバー。

AFP, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、HFL, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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ムドゥン(レバノンニュース・サイト):パレスチナのファタハはシリア政府にヤルムーク・キャンプ統轄の権利を付与することに同意(2022年1月14日)

レバノンのニュース・サイトのムドゥン(1月14日付)は、ファタハ(パレスチナ国民解放運動)中央委員会のジブリール・ラジューブ委員会(少将)を団長とする使節団の1月10日のシリア訪問に関して、シリア最大のパレスチナ難民キャンプであるダマスカス県のヤルムーク・キャンプの処遇についてシリア政府側と合意を交わしたと伝えた。

同サイトはシリア・パレスチナ双方の複数の消息筋から得た情報によると、この訪問で、ファタハは、シリア政府に対してヤルムーク・キャンプを統轄する権利を付与する見返りとして、同キャンプの復興に向けた資金を集めるため、シリア政府がめざす欧米諸国、一部アラブ諸国、トルコなどとの関係改善に向けた取り組みを支援することに同意したという。

AFP, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、al-Mudun, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のブーカマール市とダイル・ザウル民政評議会の支配下にある東岸のバーグーズ村を結ぶ商業用の通行所開設(2022年1月14日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のブーカマール市とダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にある東岸のバーグーズ村を結ぶ商業用の通行所が開設された。

通行所開設は、軍関係者出席のもとに行われたが、開通は夜間のみだという。

AFP, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がラッカ県とダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュに対して12回の爆撃を実施(2022年1月14日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がラッカ県ラサーファ砂漠、ダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対して12回の爆撃を実施した。

また、シリア軍と国防隊からなる部隊がダイル・ザウル県ブーカマール市近郊のドゥワイル村一帯の砂漠地帯で、ダーイシュに対する掃討作戦を実施した。

AFP, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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ラッカ県でシリア政府との和解(社会復帰)拒否を訴える抗議デモが組織される一方、ダイル・ザウル県では社会復帰を済ませた42人以上が拘束される(2022年1月14日)

ラッカ県では、ANHA(1月14日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタブカ市中心部にあるカニーサ(教会)交差点で、同市とラッカ市の住民ら約数百人が、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで開始された指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続き(和解プロセス)に反対する抗議デモを行った。

参加者は、「殉教者らが和解するまで、我々は和解しない」、「和解は侮辱であり、反逆だ」といったプラカードを掲げて抗議の意思を示した。

また、タブカ市一帯地域で暮らすブー・ハミース部族は声明を出し、シリア政府との和解を拒否するとしたうえで、北・東シリア自治局への支持を表明した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、県内での和解プロセスで大規模社会復帰手続きを終えた指名手配者、脱走兵、兵役忌避者ら42人以上を拘束した。

拘束されたは、マリーイーヤ村、ジャフラ村、ブーライル村、ザバーリー村、ムーハサン市の住民で、兵役に就かせることが目的だという。

AFP, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍がシリア政府とアレッポ県アイン・アラブ市東のタッル・クーラーン村を砲撃し、シリア軍兵士1人負傷(2022年1月14日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市東のタッル・クーラーン村を砲撃し、シリア軍兵士1人が負傷した。

また、ANHA(1月14日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のシャフバー・ダムを砲撃した。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコ占領下のアアザーズ市近郊のズィヤーディーヤ村で住民数十人が電気代引き下げを求めて抗議デモを行った。

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ハサカ県では、SANA(1月14日付)、ANHA(1月14日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のダルダーラ村、アッブーシュ村、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のタッル・ワルド村、ルバイアート村を砲撃した。

AFP, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県、ハマー県で砲撃戦(2022年1月14日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるトゥラムラー村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、バイニーン村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のヒルバト・ナークース村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ウンム・ワラド村とムサイフラ町を結ぶ街道で軍事情報局傘下の民兵のメンバー1人が何者かによって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反12件(イドリブ県2件、ラタキア県3件、アレッポ県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3136944093214992

AFP, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で31人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で2人(2022年1月14日)

保健省は政府支配地域で新たに31人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者118人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、1月14日現在のシリア国内での感染者数は計50,641人、うち死亡したのは2,941人、回復したのは34,194人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/230084639299520

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月14日に新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、108人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡0人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡2人、アフリーン郡0人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計93,022人、うち死亡したのは2,353人、回復したのは69,232人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1751742285030655

AFP, January 14, 2022、ACU, January 14, 2022、ANHA, January 14, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 14, 2022、Reuters, January 14, 2022、SANA, January 14, 2022、SOHR, January 14, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民333人と国内避難民(IDPs)16人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は741,556人、2019年以降帰還したIDPsは105,675人に(2022年1月14日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月13日に難民333人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民321人(うち女性96人、子供163人)、ヨルダンから帰国したのは12人(うち女性4人、子供6人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は741,556人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者344,342人(うち女性103,481人、子ども175,321人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,214人(うち女性119,214人、子ども202,587人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,091人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は970,836人(うち女性291,253人、子供494,661人)となった。

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一方、国内避難民16人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは16人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は16人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,675人(うち女性41,396人、子供34,080人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,271人(うち女性423,955人、子供677,846人)となった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3136941046548630

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 14, 2022をもとに作成。

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