アレッポ県ダーラ・イッザ市で街路にハイエナが徘徊しているのが確認される(2022年1月21日)

ウェブサイト「ドゥラル・シャーミーヤ」や「オリエント・ニュース」などによると、1月21日、アレッポ県西部の郊外地域に位置するダーラ(ダーラト)・イッザ市の街路で、複数頭のハイエナが歩き回っている映像がSNS上で拡散された。

地元の複数筋によると、ここ数日同地域では極度の低気圧に起因する寒波が発生しており、山で飢えたハイエナが、同市まで食べ物をあさりに来たと考えられるという。

同地域の山頂では、気温がマイナス8度以下まで低下している模様。

al-Durar al Shamiya, January 22, 2022、Orient News.net, January 21, 2022、Youtubeなどをもとに作成。

(C)木戸皓平 All rights reserved.

トルコ軍のドローンが、グワイラーン刑務所襲撃・脱獄事件の混乱収拾のため応援に駆けつけようとしていたタッル・タムル町評議会の車輌を爆撃、乗っていたタッル・タムル軍事評議会の兵士2人が死亡(2022年1月21日)

ハサカ県では、ANHA(1月21日付)によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)1機が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町評議会の車輌を爆撃し、これを破壊した。

この車は、ダーイシュ(イスラーム国)・メンバーによるグワイラーン刑務所襲撃と収監者脱獄による混乱を制圧する任務にあたる内務治安部隊(アサーイシュ)を応援するためにハサカ市に向かう途中だった。

シリア人権監視団によると、この爆撃でタッル・タムル軍事評議会の兵士2人が死亡した。

AFP, January 21, 2022、ANHA, January 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2022、Reuters, January 21, 2022、SANA, January 21, 2022、SOHR, January 21, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

スィーマルカー国境通行所前でイラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたカリーラー部隊の若者の遺体の引き渡しを求める座り込みデモにヤアルビーヤ町住民が参加(2021年1月21日)

ハサカ県では、ANHA(1月21日付)によると、イラク・クルディスタン民主党の部隊によって殺害されたクルディスタン労働者党(PKK)の民兵組織である人民防衛部隊(HPG)所属のカリーラー(カレラ)部隊のメンバー5人の遺体引き渡しを求めて、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の殉教者遺族機構がスィーマルカー国境通行所前の広場にテントを設置して続けている座り込みデモにヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町住民が参加、テント前で抗議行動を行った。

AFP, January 21, 2022、ANHA, January 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2022、Reuters, January 21, 2022、SANA, January 21, 2022、SOHR, January 21, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸各所で正体不明の武装集団がシリア民主軍の検問所、拠点4カ所を襲撃(2022年1月21日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸各所で正体不明の武装集団が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の検問所、拠点を襲撃する事件が4件発生した。

襲撃事件が発生したのは、ズィーバーン町にあるシリア民主軍の司令部、同町にあるズィーバーン区本部、キバル村内の拠点、カスラ村とキバル村を結ぶ街道に設置されている検問所で、複数の兵士が負傷した。

AFP, January 21, 2022、ANHA, January 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2022、Reuters, January 21, 2022、SANA, January 21, 2022、SOHR, January 21, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア民主軍、アサーイシュ、米主導の有志連合がグワイラーン刑務所襲撃犯と脱獄者を追跡、激しい戦闘の末事態を収拾(2022年1月21日)

ハサカ県では、ANHA(1月21日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局が共同支配するハサカ市内のグワイラーン地区(北・東シリア自治局支配下)にあるグワイラーン刑務所(工業高校)、ユーフラテス大学経済学部一帯、北・東シリア自治局ハサカ地区の首府があるズフール地区で1月20日夜から21日朝にかけて、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍のテロ撲滅部隊(YAT)と米主導の有志連合が、20日の刑務所襲撃事件を実行したダーイシュ(イスラーム国)・メンバーと脱獄者を追跡、激しく交戦した。

この戦闘で、シリア民主軍は逃亡を試みたダーイシュ・メンバー5人を殺害、脱獄者89人を拘束、市内各所で掃討作戦を実施した。



**

シリア民主軍の広報センターによると、ダーイシュ・メンバーらはズフール地区などで民家に立て籠もり、シリア民主軍に向けて発砲、住民を人間の盾として逃走を試みたという。

その際、ダーイシュ・メンバーを匿うことを拒否し、抵抗した住民に対して無差別に発砲し、2人を殺害、8人を負傷させた。

シリア民主軍広報センターによると、立て籠もったダーイシュ・メンバーらはまた、シリア民主軍に投降しようとした仲間に対しても発砲し、7人を殺害した。

**

内務治安部隊(アサーイシュ)の総司令部が発表した声明によると、この戦闘でアサーイシュの隊員1人が死亡、7人が負傷、住民3人がダーイシュ・メンバーによって殺害された。
一方、戦闘を取材していたANHAのバースィル・ラシード記者が胸部と腹部に銃弾2発を浴び、病院に搬送された。

**

シリア人権監視団によると、一連の戦闘でダーイシュ・メンバー39人、住民5人、シリア民主軍、アサーイシュ、刑務所守衛ら23人が死亡した。

**

ANHAによると、米主導の有志連合もシリア民主軍とアサーイシュを支援し、戦闘機複数機でダーイシュ・メンバーらが立て籠もったユーフラテス大学経済学部内の技術監督者工学技術研究所に対して爆撃を行った。

シリア人権監視団によると、有志連合(米軍)の戦闘機はこのほかにも、ズフール地区とグワイラーン刑務所近くに対して2回の爆撃を実施した。

https://www.youtube.com/watch?v=Me7BaXXEp8g&t=40s

**

一連の戦闘を受けて、ANHAやSANA(1月21日付)によると、シリア民主軍と、イスラーム国の襲撃事件実行犯・脱獄者との戦闘を避けるため、住民298世帯以上がズフール地区から市内の安全な場所に避難した。

また、アサーイシュの総司令部は声明を出し、市内に外出禁止令を発出し、住民に外出を控えるよう呼び掛けた。

**

その後、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官はツイッターのアカウント(https://twitter.com/mazloumabdi)を通じて、事態収拾に成功したと発表した。

また、北・東シリア自治局防衛委員会(防衛省に相当)のザイダーン・アースィー共同委員長も声明を出し、事態収拾を完了したと発表した。

**

シリア人権監視団によると、約3,500人が収監されている。

AFP, January 21, 2022、ANHA, January 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2022、Reuters, January 21, 2022、SANA, January 21, 2022、SOHR, January 21, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアレッポ県タッル・リフアト市近郊のマイヤーサ村とスーガーニカ村を米国製のTOW対戦車ミサイルで攻撃し、シリア軍兵士2人負傷(2022年1月21日)

アレッポ県では、ANHA(1月21日付)によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマイヤーサ村とスーガーニカ村を米国製のTOW対戦車ミサイルで攻撃し、シリア軍兵士2人が負傷した。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・ヌーラーン村、カフル・アンマ村、アターリブ市一帯を砲撃、カフル・ヌーラーン村一帯で「決戦」作戦司令室と交戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアーッラト・ナアサーン村、ザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、バーラ村、ダイル・サンバル村、バイニーン村を砲撃し、ダイル・ザンバル村、アーフィス村一帯で交戦した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のズィヤーラ村、カーヒラ村、アンカーウィー村を砲撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町とタッル・シハーブ町を結ぶ街道地域で正体不明の武装集団が住民1人を銃で撃って殺害した。

またムザイリーブ町でも正体不明の武装集団が住民1人を銃で撃って殺害した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3141805536062181

AFP, January 21, 2022、ANHA, January 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 21, 2022、Reuters, January 21, 2022、SANA, January 21, 2022、SOHR, January 21, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で40人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で3人(2022年1月21日)

保健省は政府支配地域で新たに40人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者230人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月21日現在のシリア国内での感染者数は計50,902人、うち死亡したのは2,962人、回復したのは35,698人となった。

**

反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月21日に新たに3人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、273人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡1人、ハーリム郡0人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡2人、アフリーン郡0人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計93,050人、うち死亡したのは2,359人、回復したのは71,028人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1757815974423286

AFP, January 21, 2022、ACU, January 21, 2022、ANHA, January 21, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 21, 2022、Reuters, January 21, 2022、SANA, January 21, 2022、SOHR, January 21, 2022などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民386人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は743,874人に(2022年1月21日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月20日に難民386人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民347人(うち女性104人、子供177人)、ヨルダンから帰国したのは39人(うち女性12人、子供20人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は743,874人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者346,550人(うち女性104,143人、子ども176,446人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,324人(うち女性119,248人、子ども202,644人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,828,099人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は973,154人(うち女性292,049人、子供496,012人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,685人(うち女性41,397人、子供34,088人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,281人(うち女性423,956人、子供677,854人)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3141800782729323

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 21, 2022をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.