ヒムス県のT3近くでダーイシュがシリア軍の兵員輸送バスを襲撃し、5人を殺害する一方、米主導の有志連合はガーセム・ソレイマーニー司令官の命日に合わせた報復攻撃を警戒してタンフ国交通行所の基地から一時撤退(2022年1月3日)

SANA(1月3日付)は、シリア軍筋の話として、ヒムス県タドムル市近郊の第3石油輸送ステーション(T3)の東50キロに位置する地域で1月2日午後7時頃、シリア軍の兵員輸送バス1輌がダーイシュ(イスラーム国)の23ミリ機関砲による攻撃を受け、兵士5人が死亡、20人が負傷したと伝えた。

兵員輸送バスは、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市とタドムル市を移動中に狙われた。

実行犯は米国が占領するタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)で保護と支援を受けているテロ・グループ。

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一方、シリア人権監視団によると、タンフ国境通行所に基地に駐留する有志連合部隊は、2020年1月3日に暗殺されたイラン・イスラーム革命防衛隊のゴドス軍団のガーセム・ソレイマーニー司令官の命日に合わせた報復攻撃を警戒して、基地から一時撤退した。

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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クルド民族主義組織PYDが主導する北・東シリア自治局の支配下にあるダイル・ザウル県、ハサカ県内のモスクで窃盗や略奪が深刻化(2022年1月3日)

反体制系サイトのオリエント・ニュース(1月3日付)は、クルド民族主義組織の民主統一党(PYD)が主導する自治政体の北・東シリア自治局や人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるダイル・ザウル県、ハサカ県内のモスクで窃盗や略奪が深刻化していると伝えた。

シリア民主軍が犯人の追跡を十分に行っていないことが原因だという。

同ニュースの特派員によると、例えば、ハサカ市にあるウムラーン・モスクでは、12月24日、発電機や電気ケーブルが盗まれたという。

ウムラーン・モスクが窃盗被害に遭ったのは、過去18日間で3度目だという。

また12月22日には、同市内のサラーフッディーン・モスク(西ヌシューワ地区)で絨毯や拡声器が、フルカーン・モスク(アスカリー地区)でバッテリー、募金箱に納められていた募金が盗まれたという。

一方、ダイル・ザウル県でも、12月24日、サブハ町にあるイーマーン・モスクのムアッズィンの部屋に空き巣が入り、金品が盗まれ、その数日前にはハジーン市にあるアッブード・アクラ・モスクでバッテリーなどが盗まれたという。

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Orient News, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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フール・キャンプでイラク人難民1人がダーイシュのメンバーによって銃で撃たれて死亡(2022年1月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第3区で、イラク人難民1人がダーイシュ(イスラーム国)のメンバーによって銃で撃たれて死亡した。

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアアザーズ市、バザーア村、マーリア市、バーブ市で、トルコの電力会社が電気代を値上げしたことに対するデモ(2022年1月3日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市、バザーア村、マーリア市、バーブ市で、トルコの電力会社が電気代を値上げしたことに対するデモが発生した。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1286758591790762

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市近郊のサーリヒーヤ村のシリア軍検問所が米軍の車列の進行を阻止(2022年1月3日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のサーリヒーヤ村に設置されているシリア軍検問所が村を通過しようとした米軍の装甲車5輌からなる車列の進行を阻止し、これを退却させた。

アイン・フラート(1月3日付)によると、米軍の車列の進行を阻止した検問所にはシリア軍第154旅団の部隊が駐留していた。

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、‘Ayn al-Furat, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍の広報センターは声明を出し、2021年のダーイシュに対する「テロとの戦い」の成果を発表(2022年1月3日)

シリア民主軍の広報センターは声明を出し、2021年のダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」の成果を発表した。

その詳細は以下の通り:

  • 単独、あるいは米主導の有志連合との合同での治安作戦の総数:115回
  • 解体したテロ細胞の数:93組織
  • 無力化したテロ細胞メンバー、容疑者の数:802人
  • 作戦中の死者:8人
  • 失敗に追い込んだ作戦の数:47件
  • 未然に防いだ作戦の数:16件
  • 撤去・解体した爆発物の数:87個

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1760390150817581

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県タッル・タムル町一帯などを砲撃(2022年1月3日)

ハサカ県では、ANHA(1月3日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のタウィーラ村、タッル・タウィール村、ウンム・カイフ村、タッル・ジュムア村、ダルダーラ村、タッル・シャンナーン村を砲撃した。

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ラッカ県では、ANHA(1月3日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のファーティサ村、ジャフバル村、ナヒール休憩所、M4高速道路沿線を砲撃した。

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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マヤーディーン市の和解センターでの指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが終了(2022年1月3日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月3日付)によると、12月19日に再開されたマヤーディーン市の和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが終了した。

1月4日からはシュマイティーヤ町で手続きが開始される予定。

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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米軍の車輌128輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラクに出国(2022年1月3日)

ハサカ県では、SANA(1月3日付)によると、米軍の冷蔵トレーラー、タンクローリー60輌、戦車・装備を積んだ貨物車輌60輌、装甲車8輌の計128輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラクに出国した。

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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ロシア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県各所に13回の爆撃を実施(2022年1月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方各所に対して5回、サルミーン市に対して2回、アルマナーズ市近郊の養鶏所に対して3回の爆撃を行った。

この爆撃により、アルマナーズ市近郊の養鶏所で子供複数を含む5人が負傷した。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1286623475137607

https://www.facebook.com/watch/?v=4692922300793141

https://www.facebook.com/watch/?v=5029209957165944

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるマアッラト・ヌウマーン市一帯を砲撃した。

一方、「決戦」作戦司令室の支配下にあるサルミーン市に設置されているトルコ軍の拠点で、暖房機器のショートによる火災が発生し、兵士3人が負傷し、トルコ領内の病院に搬送された。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村に対して3回の爆撃を実施した。

これに対し、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるジューリーン村を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるトルコマン山地方、サルマー町一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タスィール町とアドワーン村を結ぶ街道で、反体制武装集団の元メンバーが何者かによって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反2件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3128866114022790

AFP, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で27人、北・東シリア自治局支配地域で14人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で7人(2022年1月3日)

保健省は政府支配地域で新たに27人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月3日現在のシリア国内での感染者数は計50,364人、うち死亡したのは2,908人、回復したのは32,881人となった。


https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/223502236624427

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに14人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、4人が死亡したと発表した。

これにより、1月3日現在のシリア国内での感染者数は計37,203人、うち死亡したのは1,509人、回復したのは2,514人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性6人、女性8人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市2人、カーミシュリー市2人、マーリキーヤ(ダイリーク)市3人、フール・キャンプ1人、ナウルーズ・キャンプ1人、アレッポ県のシャフバー地区(タッル・リフアト市)2人、ラッカ県のラッカ市3人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1760421664147763

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月3日に新たに7人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、26人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡2人、ハーリム郡1人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡4人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計92,980人、うち死亡したのは2,336人、回復したのは67,711人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1745456415659242

AFP, January 3, 2022、ACU, January 3, 2022、ANHA, January 3, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 3, 2022、Reuters, January 3, 2022、SANA, January 3, 2022、SOHR, January 3, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民293人と国内避難民(IDPs)6人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は738,026人、2019年以降帰還したIDPsは105,653人に(2022年1月3日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月2日に難民293人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民287人(うち女性87人、子供147人)、ヨルダンから帰国したのは6人(うち女性2人、子供3人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は738,026人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者340,918人(うち女性102,452人、子ども173,577人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,108人(うち女性119,181人、子ども202,530人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,091人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は967,306人(うち女性290,291人、子供493,029人)となった。

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一方、国内避難民6人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは6人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は6人だった。

シリア人権監視団によると、シリア政府支配地に帰還したのは2世帯。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,653人(うち女性41,388人、子供34,074人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,249人(うち女性423,947人、子供677,840人)となった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3128870114022390

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 3, 2022をもとに作成。

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