ドイツの裁判所は難民認定申請中のシリアのムハーバラート元士官に対して組織的な殺人・拷問に関与したとして終身刑を宣告(2022年1月13日)

ドイツの裁判所は、シリアのムハーバラート(諜報機関)元士官(大佐)のアンワル・ラスラーン氏(58歳)に対して、シリアで民間人に対する組織的な殺人・拷問に関与したとして終身刑を言い渡した。

ラスラーン氏は、2011年4月から2012年9月にかけて、ダマスカス県にあるハティーブ収容所、通称「(軍事情報局)第251課」の尋問部隊の隊長を務めていたとされる人物。

2012年に、シリア国内で市民に対する大量殺りくがあったとして、軍を離反し、トルコを拠点とする反体制派に合流した。

その後、2014年にドイツに入国し、難民認定を申請していたが、2019年に逮捕された。

ドイツの検察は、ラスラーン氏が同部隊に配属中に、58件の殺人、4,000件以上の拷問や性的暴力に関与したとして主張していた。

今回の判決では、ラスラーン氏が27人の殺害に関与していると認定した。

今回の判決は、シリア政府関係者による違法な拷問や殺人に対する初の有罪判決で、ドイツの検察当局は、今回の裁判に関して「国家主導の拷問の実態を審理する世界初の刑事裁判」と評していた。

AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がヒムス県とダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュに対して爆撃を実施し、戦闘員11人殺害(2022年1月13日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にある県北部のシャハーバート村やシリア政府の支配下にあるダイル・ザウル市に面するサーリヒーヤ村の通行所にいたる街道で、住民らが生活状況改善を求めるデモを行い、タイヤを燃やすなどして道路を封鎖、抗議の意思を示した。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの近くで、住民1人が何者かによって銃で撃たれて死亡した。

一方、米主導の有志連合の貨物車輌など約15輌からなる車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、県内各所の米軍基地に向かった。

AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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スィーマルカー国境通行所前でイラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたカリーラー部隊の若者の遺体の引き渡しと通行所再開を求める座り込みデモが続く一方、マーリキーヤ市でも抗議デモが行われる(2021年1月13日)

ハサカ県では、ANHA(1月13日付)によると、イラク・クルディスタン民主党の部隊によって殺害されたクルディスタン労働者党(PKK)の民兵組織である人民防衛部隊(HPG)所属のカリーラー(カレラ)部隊のメンバー5人の遺体引き渡しを求めて、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の殉教者遺族機構がスィーマルカー国境通行所前の広場にテントを設置して続けている座り込みデモに、カーミシュリー市が参加、テント前で抗議行動を行った。

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また、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマーリキーヤ(ダイリーク)市で、「スィーマルカー(国境)通行の封鎖は(レジェップ・タイイップ・)エルドアンの政策に屈し、その名を実行することだ」と銘打った抗議デモが行われ、マアバダ(カルキールキー)町、マーリキーヤ市、バルアーフ村、カルヒー(クージャラート)村、ヤアルビーヤ(タッル・クージャル)町、ジュワーディーヤ(ジャッル・アーガー)村の住民数百人が参加、イラク・クルディスタン自治政府による同通行所の再開を訴えた。

AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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アルヌース首相はイランのガーゼム道路都市建設大臣、ミクダード外務在外居住者大臣はパレスチナのアッターリー農業大臣と会談(2022年1月13日)

フサイン・アルヌース首相は、シリアを訪問中のロストム・ガーゼム道路都市建設大臣(兼シリア・イラン合同経済閣僚委員会のイラン側議長)を代表とするイラン使節団と首都ダマスカスで会談した。
SANA(1月13日付)が伝えた。

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パレスチナ自治政府のリヤード・アッターリー農業大臣を団長とする使節団がシリアを訪問し、首都ダマスカスでファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談した。

https://www.facebook.com/Mofaexsy/posts/3174993869454385

AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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シリア民主軍はラッカ県でのシリア政府による和解プロセスを阻止するため通行所を閉鎖(2022年1月13日)

ラッカ県では、SANA(1月13日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが開始された。

これに関して、アイン・フラート(1月13日付)が地元消息筋の話として伝えたところによると、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、北・東シリア自治局の支配下にあるユーフラテス川東岸と政府の支配下にある東岸(サフナ町一帯)を結ぶ水上通行所とウカイラシー村に設置されている通行所を閉鎖した。

閉鎖措置は1月15日まで続けられる予定で、シリア政府がサフバ町に設置した和解センターで開始された大規模社会復帰手続きがを阻止するのが目的。

女性、子供、50歳以上の男性の往来は免除される。

一方、トルコのガジアンテップ市で活動するシリア部族評議会の報道官を務めるマダッル・ハマード・アスアド氏はアラビー21(1月13日付)の取材に対して、「ラッカ県の構造は完全に部族的なもので、部族の子息の大多数は体制に反体制している」としたうえで、シリア政府が行う和解プロセス(社会復帰手続き)を「ロシア・イランの後押し」によるものだと批判、「和解劇場は信用できない」と拒否する意向を示した。

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また、ダイル・ザウル県では、SANA(1月13日付)によると、1月4日にシュマイティーヤ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、‘Arabi 21, January 13, 2022、‘Ayn al-Furat, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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アレッポ県とハサカ県のトルコ占領地各所で爆発が相次いで発生、複数が死傷(2022年1月13日)

アレッポ県では、ANHA(1月13日付)によると、トルコ占領下のアアザーズ市の中心街(アスヤーナ地区)で、シリア国民軍の軍用車輌を狙った爆発が発生した。

シリア人権監視団によると、爆発は人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍憲兵隊の車輌を狙ったもので、戦闘員1人が死亡、複数が負傷した(ドゥラル・シャーミーヤ(1月13日付)によると、住民3人が死亡)。

また、アフリーン市中心のいわゆるカーワー交差点近くでも爆発が発生した。

ドゥラル・シャーミーヤによると、爆発は自爆攻撃によるもの。

なお、12日にもバーブ市でシリア国民軍の軍用車輌を狙った爆発が発生している。

ドゥラル・シャーミーヤによると、この爆発は、自爆ベルトを着た男性によるもので、子供1人が死亡した。

このほか、シリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市東のカラ・ムーグ村にあるシリア軍の分隊の陣地を狙撃、兵士1人を殺害した。

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ハサカ県では、ANHA(1月13日付)によると、トルコ占領下のラアス・アイン(スィリー・カーニヤ)市で爆発が発生した。

一方、SANA(1月13日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアブー・ラースィーン(ザルカーン)町近郊のウンム・ハイル村、タッル・タムル町近郊のアッブーシュ村を砲撃し、民家などに被害が出た。

AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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イドリブ県、アレッポ県での「決戦」作戦司令室との戦闘でシリア軍兵士4人死亡(2022年1月13日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村一帯に潜入を試みたが、「決戦」作戦司令室の迎撃を受けて、兵士3人が死亡した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍はまた、スフーフン村、ファッティーラ村、カンスフラ村、フライフィル村、バーラ村、バイニーン村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるアウラム・クブラー町を砲撃し、シリア軍兵士1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村、フマイマート村を砲撃した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・ジン村でシリア政府との和解に応じた元反体制武装集団ヘルモン連合の司令官が何者かによって銃で撃たれて死亡した

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反10件(イドリブ県7件、ラタキア県0件、アレッポ県3件、ハマー県0件)確認したと発表した。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3136204819955586

AFP, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で30人(2022年1月13日)

保健省は政府支配地域で新たに30人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月13日現在のシリア国内での感染者数は計50,610人、うち死亡したのは2,939人、回復したのは34,076人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/229518309356153

AFP, January 13, 2022、ACU, January 13, 2022、ANHA, January 13, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 13, 2022、Reuters, January 13, 2022、SANA, January 13, 2022、SOHR, January 13, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民332人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は741,223人に(2022年1月13日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月12日に難民332人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民325人(うち女性98人、子供165人)、ヨルダンから帰国したのは7人(うち女性2人、子供4人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は741,223人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者344,021人(うち女性103,385人、子ども175,158人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,202人(うち女性119,210人、子ども202,581人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,091人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は970,503人(うち女性291,253人、子供494,661人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,659人(うち女性41,390人、子供34,075人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,255人(うち女性423,949人、子供677,841人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3136203313289070

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 13, 2022をもとに作成。

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