パレスチナ・ファタハ中央委員会のラジューブ委員長がシリアを訪問し、ミクダード外務在外居住者大臣と会談(2022年1月9日)

ファタハ(パレスチナ国民解放運動)中央委員会のジブリール・ラジューブ委員会(少将)を団長とする使節団がシリアを訪れ、首都ダマスカスでファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣と会談した。

SANA(1月9日付)によると、ラジューブ委員長は会談冒頭、アサド大統領に宛てたパレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領の親書をミクダード外務在外居住者大臣に手渡した。

ミクダード外務在外居住者大臣は、シリアがパレスチナ人民の権利回復を支持し、パレスチナとともにイスラエルの占領、侵略、国際法違反に対抗する意思を改めて示すとともに、パレスチナ諸派間の統合と対話が重要だとの見解を示した。

これに対して、ラジューブ委員長は、パレスチナ国家樹立と難民帰還実現への決意を述べたうえで、「テロとの戦い」におけるシリアの勝利に祝意を述べ、シリア国民に対する一方的制裁が解除されることを主唱した。

AFP, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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カタール文化省はドーハ国際ブックフェアに反体制派が占拠を続けるシリア大使館の参加を呼び掛ける(2022年1月9日)

カタールの文化省はフェイスブックの公式アカウント(https://www.facebook.com/MCSQA)などを通じて、首都ドーハで開催(1月13~22日)予定の第31回ドーハ国際ブックフェア(https://31.dohabookfair.qa/)に、シリア大使館の参加を呼び掛けた。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=2274700839349674&id=286110394875405

在カタールのシリア大使館(https://www.facebook.com/syrembassydoha/)は、トルコのイスタンブールを拠点とするシリア革命反体制国民連立(シリア国民連合)によって占拠されているが、カタールの文化省は参加を呼びかける画像に、シリア国旗ではなく、「シリア革命旗」(委任統治領シリアの国旗)を表示し、シリア政府ではなく、在カタールの反体制活動家らに参加を呼びかけた。

https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1876150295903592&id=133293440189295

なお、カタールの文化省は、在カタール・シリア大使館と合わせて、イタリア、ロシア、韓国、フランス、日本、パレスチナ、インドネシア、キルギスの大使館にも参加を呼び掛けている。

AFP, January 10, 2022、ANHA, January 10, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2022、Reuters, January 10, 2022、SANA, January 10, 2022、SOHR, January 10, 2022などをもとに作成。

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ラッカ県大スワイディーヤ村でシリア民主軍が住民が抗議デモを強制排除、子供1人が巻き添えとなって死亡(2022年1月9日)

ラッカ県では、SANA(1月9日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にある大スワイディーヤ村で、住民が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍による収穫物の略奪などに抗議するデモを行った。

これに対して、シリア民主軍は実弾を使用して強制排除を試み、住民多数が負傷した。

シリア人権監視団によると、シリア民主軍の強制排除によって子供1人が死亡した。

AFP, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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シリア政府の支配下にあるハラータ油田のパイプラインをダーイシュ・メンバーと思われる武装集団が破壊(2022年1月9日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるハラータ油田のパイプラインをダーイシュ(イスラーム国)メンバーと思われる武装集団が破壊した。

また、ダーイシュ・メンバーと思われる武装集団が複数のオートバイに分乗して、ラーイド油田の守衛を襲撃、撃ち合いとなった。

AFP, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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トルコ軍がラッカ県、アレッポ県に対して激しい砲撃を続けるとともに、アイン・アラブ(コバネ)市をドローンで爆撃(2022年1月9日)

ラッカ県では、ANHA(1月9日付)によると、タッル・リフアト市一帯の占領地に展開するトルコ軍とシリア国民軍が同地近郊のアリーダ村、ジャラン村、カズアリー村、ズィヌービヤー村、フッリーヤ村、アフマディーヤ村、ハーニー村、アイン・アラブ市近郊のファーティサ村、M4高速道路沿線を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(1月9日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市近郊のクールタッバ村を砲撃した。

また、アイン・アラブ市がトルコ軍の無人航空機(ドローン)の爆撃と思われる攻撃を2度にわたって受けた。

これに関して、シリア人権監視団は、トルコ軍ドローンがアイン・アラブ市内の2カ所を爆撃したと発表した。

トルコ軍とシリア国民軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市一帯、同市近郊のスムーカ村、ワルディーヤ村を砲撃した。

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまた、タッル・リフアト市近郊のハスィーヤ村、バイルーニーヤ村に展開するシリア軍と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の拠点に対して砲撃を行った。

これに対して、シリア軍はトルコ占領下のマーリア市近郊のダービク村などを砲撃した。

一方、SANA(1月9日付)によると、トルコ占領下のマーリア市でトルコの支援を受ける武装集団どうしが衝突し、住民1人が巻き添えとなって死亡、複数が負傷した。

AFP, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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シュマイティーヤ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年1月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月9日付)によると、1月4日にシュマイティーヤ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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米軍は違法に駐留を続けるハサカ県ルマイラーン油田に石油精製設備を設置(2022年1月9日)

ハサカ県では、SANA(1月9日付)が、ルマイラーン油田局の複数筋の話として、同油田など各所に違法に基地を設置し、部隊を駐留させている米軍が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と協力して、ルマイラーン油田に石油精製設備を設置し、同地での石油盗奪の動きを強めていると伝えた。

一方、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌、タンクローリーなど35輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、県内各所の米軍基地に向かった。

AFP, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方への砲撃を続ける一方、トルコ軍はシリア人戦闘員150人に対して地対空ミサイルの使用にかかる教練・講習を実施(2022年1月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、カフル・ウワイド村、ファッティーラ村、スフーフン村、バイニーン村、カンスフラ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるサラーキブ市郊外、マアッラトミスリーン市郊外、ダーディーフ村一帯を砲撃した。

一方、「決戦」作戦司令室の支配下にあるマストゥーマ村のバアス前衛基地に駐留するトルコ軍部隊が、シリア人戦闘員150人に対して地対空ミサイルの使用にかかる教練・講習を実施した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市バハール地区で8日深夜、正体不明の武装集団が和解男性1人を襲撃、襲われた男性は9日に死亡した。

また、ナスィーブ村ではシリア政府との和解の応じた元反体制武装集団の司令官が乗った車の通過に合わせて、仕掛けられていた爆弾が爆発し、乗っていた元司令官が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3133302393579162

AFP, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で20人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で9人(2022年1月9日)

保健省は政府支配地域で新たに20人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、2人が死亡したと発表した。

これにより、1月9日現在のシリア国内での感染者数は計50,502人、うち死亡したのは2,926人、回復したのは33,598人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/227113072930010

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で1月9日に新たに2人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、102人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡1人、ハーリム郡0人、アリーハー郡1人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡0人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計93,008人、うち死亡したのは2,342人、回復したのは68,403人となった。

https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1749691008569116

AFP, January 9, 2022、ACU, January 9, 2022、ANHA, January 9, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 9, 2022、Reuters, January 9, 2022、SANA, January 9, 2022、SOHR, January 9, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民306人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は739,968人に(2022年1月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月8日に難民306人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民287人(うち女性87人、子供147人)、ヨルダンから帰国したのは19人(うち女性6人、子供10人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は739,968人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者342,796人(うち女性103,017人、子ども174,535人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,172人(うち女性119,201人、子ども202,564人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,091人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は969,248人(うち女性290,876人、子供494,021人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,659人(うち女性41,390人、子供34,075人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,255人(うち女性423,949人、子供677,841人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3133301746912560

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 9, 2022をもとに作成。

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