政府支配下のユーフラテス川西岸と東岸を結ぶ橋が新設される一方、「イランの民兵」はロシア軍が設置したヘリポートを接収(2022年1月16日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、国防隊、「イランの民兵」の高官・関係者が見守るなか、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸地域と、同じく政府の支配下にある東岸を結ぶ橋が開設された。

橋はダイル・ザウル市ハウィーカ地区と、東岸のハトラ村、ムッラート村、マズルーム村、フシャーム町、タービヤト・ジャズィーラ村、サーリヒーヤ村、フサイニーヤ村の7カ村を結ぶもので、武器、装備などの輸送が目的だという。

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一方、ドゥラル・シャーミーヤ(1月16日付)が複数のメディア筋の話として伝えたところによると、ロシア軍によって設置されたヘリポートを「イランの民兵」が接収した。

ヘリポートはロシア軍が数カ月前にダイル・ザウル市のサドコブ社近くに設置したもので、「イランの民兵」はこのヘリポートを物資輸送のために利用しているという。

AFP, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022などをもとに作成。

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フール・キャンプに収容されていたダイル・ザウル県からの避難民200人以上が帰村する一方、キャンプでダーイシュによって殺害されたと思われるイラク難民の男性1人が遺体で発見される(2022年1月16日)

ハサカ県では、ANHA(1月16日付)によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプに収容されていたダイル・ザウル県からの国内避難民(IDPs)が帰村した。

北・東シリア自治局がフール・キャンプのIDPsを帰村させるのは、今回で49回目。

シリア人権監視団によると、帰村したのは22世帯217人。

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シリア人権監視団によると、一方、フール・キャンプでは、ダーイシュ(イスラーム国)によって殺害されたと見られるイラク難民の男性1人の遺体が発見された。

AFP, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022、January 18, 2022などをもとに作成。

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スィーマルカー国境通行所前でイラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたカリーラー部隊の若者の遺体の引き渡しを求める座り込みデモに自治局ジャズィーラ地域社会問題労働委員会とカーミシュロー地区遺族評議会メンバーが参加(2021年1月16日)

ハサカ県では、ANHA(1月16日付)によると、イラク・クルディスタン民主党の部隊によって殺害されたクルディスタン労働者党(PKK)の民兵組織である人民防衛部隊(HPG)所属のカリーラー(カレラ)部隊のメンバー5人の遺体引き渡しを求めて、北・東シリア自治局ジャズィーラ地域の殉教者遺族機構がスィーマルカー国境通行所前の広場にテントを設置して続けている座り込みデモに、同自治局ジャズィーラ地域社会問題労働委員会メンバーとカーミシュロー地区遺族評議会メンバーが参加、テント前で抗議行動を行った。

AFP, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022などをもとに作成。

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ヨルダンの国境地帯で密輸業者と国境警備隊が戦闘となりヨルダン軍大尉1人死亡、3人負傷(2022年1月16日)

ヨルダン国営のペトラ通信(1月16日付)は、ヨルダン軍総司令部高官の話として、シリアとの国境地帯で早朝に密輸業者と同軍国境警備隊に発砲し、戦闘となり、ムハンマド・ヤースィーン・ムーサー・フダイラート大尉が死亡、3人が負傷したと伝えた。

密輸業者らはシリア領内に逃走したという。

AFP, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Petra, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県シュマイティーヤ町とラッカ県サブハ町の和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2022年1月16日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月16日付)によると、1月4日にシュマイティーヤ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

ダイル・ザウル県で昨年12月14日以降に手続きを済ませた指名手配者、脱走兵、兵役忌避者は28,000人以上に達している。

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ラッカ県では、SANA(1月16日付)によると、1月12日にサブハ町に設置された和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022などをもとに作成。

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シリア赤新月社は中国大使館と米2,520トンの食糧支援受給にかかる文書に署名(2022年1月16日)

シリア赤新月社は首都ダマスカスの本部で中国大使館と米2,520トンの食糧支援受給にかかる文書に署名した。

SANA(1月16日付)が伝えた。

AFP, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がイドリブ県ザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村を爆撃(2022年1月16日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村に設置されているトルコ軍拠点にシリア軍が発射した迫撃砲弾1発が着弾し、複数が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

この砲撃の直後、ロシア軍戦闘機もザーウィヤ山地方のファッティーラ村、カンスフラ村を爆撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフル・ヌーラーン村一帯を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍第4師団に従軍していた元反体制武装集団の司令官の車がダルアー市マタール地区で爆弾の爆発に巻き込まれ、この司令官が死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反8件(イドリブ県2件、ラタキア県1件、アレッポ県3件、ハマー県2件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反1件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3138356036407131

AFP, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で33人(2022年1月16日)

保健省は政府支配地域で新たに33人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者203人が完治し、3人が死亡したと発表した。

これにより、1月16日現在のシリア国内での感染者数は計50,710人、うち死亡したのは2,947人、回復したのは34,597人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/231381375836513

AFP, January 16, 2022、ACU, January 16, 2022、ANHA, January 16, 2022、al-Durar al-Shamiya, January 16, 2022、Reuters, January 16, 2022、SANA, January 16, 2022、SOHR, January 16, 2022などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民294人と国内避難民(IDPs)10人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は742,183人、2019年以降帰還したIDPsは105,685人に(2022年1月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、1月15日に難民294人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民285人(うち女性85人、子供145人)、ヨルダンから帰国したのは9人(うち女性3人、子供5人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は742,183人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者344,943人(うち女性103,661人、子ども175,627人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,240人(うち女性119,222人、子ども202,601人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,828,099人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は971,463人(うち女性291,541人、子供495,150人)となった。

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一方、国内避難民10人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは10人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は10人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,685人(うち女性41,397人、子供34,088人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,281人(うち女性423,956人、子供677,854人)となった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3138353589740709

Ministry of Defence of the Russian Federation, January 16, 2022をもとに作成。

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