ロシア軍戦闘機がシリア領空で米軍偵察機に急接近し、乗組員4人の命を危険に晒す(2023年7月18日)

AP(7月18日付)は、米当局者らの話として、ロシア軍戦闘機がシリア領空で米軍偵察機に急接近し、米軍機が乱気流のなかでの航行を余儀なくされ、乗組員4人が命の危険にさらされていたと伝えた。

同当局者らによると、事件は16日の正午前に発生、ロシア軍のSu-35戦闘機1機が米軍のMC-12偵察機に対し、安全な航行を妨げ、事故や人命の損失につながる可能性のある危険行為を行ったという。

AFP, July 18, 2023、ANHA, July 18, 2023、AP, July 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2023、‘Inab Baladi, July 18, 2023、Reuters, July 18, 2023、SANA, July 18, 2023、SOHR, July 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア外務省はシリア政府が国連および関連機関に対してイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を通じた越境(クロスボーダー)人道支援を6ヵ月に限り認めたことに関して、歓迎の意を表明(2023年7月18日)

ロシア外務省は声明を出し、7月13日にシリア政府が国連および関連機関に対して、イドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を通じた越境(クロスボーダー)人道支援を6ヵ月に限り認めたことに関して、歓迎の意を表明した。

声明は、シリア政府の決定に関して、越境人道支援が、①シリア政府との完全な連携のもとに実施されること、②イドリブ県を支配する、国連安保理によってテロ組織に指定されている組織と連絡をとらないこと、③赤十字国際委員会(ICRC)とシリア・アラブ赤新月社が物資の輸送を監督すること、④早期復旧プロジェクトを推進すること、を条件として行われるものであることを強調している。

SANA(7月18日付)が伝えた。

AFP, July 18, 2023、ANHA, July 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2023、‘Inab Baladi, July 18, 2023、Reuters, July 18, 2023、SANA, July 18, 2023、SOHR, July 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

外務在外居住者省はフランス外務省使節団によるシリア北東部への違法な入国をもっとも厳しい表現で非難(2023年7月18日)

外務在外居住者省公式筋は声明を出し、フランス外務省の使節団によるシリア(北東部)への違法な入国をもっとも厳しい表現で非難し、同使節団が分離主義組織と会談したことがシリアの主権と領土の一体性への侵害だとしたうえで、「テロのと戦い」はシリア国家と協力することで、分離主義組織との協力することは、シリアへの敵対行為、主権侵害、領土統一への抵触にあたると主張した。

SANA(7月18日付)が伝えた。

**

7月3日、ステファン・ロマテ外務省危機支援センター所長を代表とするフランス使節団がハサカ県のカーミシュリー市にある北・東シリア自治局の渉外委員会を訪れ、同委員会や人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の幹部と会談していた。

会談により、ロジュ・キャンプに収容していたダーイシュ(イスラーム国)のフランス人メンバーの家族35人(女性10人、子供25人)の身柄をフランスの使節団に引き渡すことが合意された。

AFP, July 18, 2023、ANHA, July 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2023、‘Inab Baladi, July 18, 2023、Reuters, July 18, 2023、SANA, July 18, 2023、SOHR, July 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

サッバーグ人民議会議長はアラブ諸国や国連を含む60の国や機関の長に書簡を送り、トルコによるハサカ県のアルーク村の揚水施設の稼働停止に対する非難の意を伝える(2023年7月18日)

ハンムーダ・サッバーグ人民議会議長は、アラブ諸国や国連を含む60の国や機関の長に書簡を送り、トルコやその支援を受ける「傭兵」(シリア国民軍諸派)によるハサカ県のアルーク村の揚水施設の稼働停止に対する人民議会の非難の意を伝えるとともに、トルコの違法かつ非道徳的な行為を止めさせるための圧力をかけるよう呼びかけた。

SANA(7月18日付)が伝えた。

AFP, July 18, 2023、ANHA, July 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2023、‘Inab Baladi, July 18, 2023、Reuters, July 18, 2023、SANA, July 18, 2023、SOHR, July 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは過去24時間にマグニチュード1.3~3.0の地震が5回発生したと発表(2023年7月18日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にアレキサンドレッタ地方(トルコのハタイ県)、ラタキア県北西部を震源とするマグニチュード1.3~3.0の地震が5回発生したと発表した。

SANA(7月18日付)が伝えた。

AFP, July 18, 2023、ANHA, July 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2023、‘Inab Baladi, July 18, 2023、Reuters, July 18, 2023、SANA, July 18, 2023、SOHR, July 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イドリブ県南部でシャーム解放機構がシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害(2023年7月18日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構がザーウィヤ山地方とシリア政府の支配下にある県南部の境界地帯でシリア軍兵士1人を狙撃し、殺害した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ムザイリーブ町で麻薬密売に関与していると見られるシリア軍兵士1人が正体不明の武装集団の襲撃を受け死亡した。

AFP, July 18, 2023、ANHA, July 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2023、‘Inab Baladi, July 18, 2023、Reuters, July 18, 2023、SANA, July 18, 2023、SOHR, July 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がハサカ県タッル・タムル町近郊を砲撃(2023年7月18日)

ハサカ県では、ANHA(7月18日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町近郊のカブール・ガラージナ村一帯を砲撃した。

AFP, July 18, 2023、ANHA, July 18, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 18, 2023、‘Inab Baladi, July 18, 2023、Reuters, July 18, 2023、SANA, July 18, 2023、SOHR, July 18, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に14回にわたって違反したと発表(2023年7月18日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に14回にわたって違反したことを確認したと発表した。

グリノフ副センター長はまた、米国が違法に占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)では、F-16戦闘機2機とターフーン戦闘機1機による領空侵犯を6件確認したと付言した。

RIAノーヴォスチ通信(7月18日付)が伝えた。

RIA Novosti, July 18, 2023をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコのエルドアン大統領:「シリア北部からの撤退は同地でテロと戦っているがゆえに受け入れられない」(2023年7月17日)

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はサウジアラビア訪問に先立ってイスタンブールのアタテュルク国際空港で記者会見を行い、シリア北部からの撤退は、同地でテロと戦っているがゆえに受け入れられないと述べた。

エルドアン大統領は以下の通り述べた。

我々はシリアとの扉を閉ざす立場にはない。
我々はアサド大統領と会談に反対はしていない。それは可能だ。すべては彼らの我々へのアプローチ方法にかかっている。
残念だが、今のところ、アサド大統領とトルコがシリア北部から撤退して欲しいと考えている。しかしそうしたことはあり得ない。我々はそこでテロと戦っているからだ。
同地からの脅威に常に晒されているのはトルコだ。アサド大統領は他の国に対しても同じ表現を用いることができるのか? できない。だから我々は公正なアプローチを待っているのだ。

アナトリア通信(7月17日付)が伝えた。


AFP, July 17, 2023、 Anadolu Ajansı, July 17, 2023、ANHA, July 17, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2023、‘Inab Baladi, July 17, 2023、Reuters, July 17, 2023、SANA, July 17, 2023、SOHR, July 17, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領は7月31日の時点で予備役勤務が6年半以上に達している将兵の予備役を終了する管理命令を発出(2023年7月17日)

軍武装部隊総司令官を務めるアサド大統領(大将)は、2023年7月31日の時点で予備役勤務が6年半以上に達している将兵の予備役を終了する管理命令を発出した。

同命令は2023年9月1日付で発効される。

SANA(7月17日付)が伝えた。

AFP, July 17, 2023、ANHA, July 17, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2023、‘Inab Baladi, July 17, 2023、Reuters, July 17, 2023、SANA, July 17, 2023、SOHR, July 17, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍がラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃し、兵士2人負傷(2023年7月17日)

ラッカ県では、ANHA(7月17日付)やシリア人権監視団によると、トルコ軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のフワイジャ村・タイバ村間に設置されているシリア軍の陣地を砲撃し、兵士2人が負傷した。

一方、トルコ軍は、占領下の「オリーブの枝」地域内に位置するタッル・アブヤド市南のクールマーザ村とバッルー・ガソリンスタンド一帯に設置されている陣地9ヵ所を撤収した。

**

ハサカ県では、ANHA(7月17日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市出身の若い男性が、国境地帯でトルコ軍の狙撃を受けて死亡した。

AFP, July 17, 2023、ANHA, July 17, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2023、‘Inab Baladi, July 17, 2023、Reuters, July 17, 2023、SANA, July 17, 2023、SOHR, July 17, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダイル・ザウル県のハラーフィー街道でダイル・ザウル軍事評議会の司令官が乗った車がダーイシュのスリーパーセルと見られる武装集団の襲撃を受け、護衛1人死亡(2023年7月17日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるハラーフィー街道で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するダイル・ザウル軍事評議会の司令官が乗った車がダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルと見られる武装集団の襲撃を受け、護衛1人が死亡した。

AFP, July 17, 2023、ANHA, July 17, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2023、‘Inab Baladi, July 17, 2023、Reuters, July 17, 2023、SANA, July 17, 2023、SOHR, July 17, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部で活動家らが小児がん患者をトルコで支援するための「がん患者を救え」キャンペーンを開始(2023年7月17日)

バラディー・ニュース(7月17日付)は、シャーム解放機構の支配下にあるシリア北西部で、活動家らが小児がん患者をトルコで支援するための「がん患者を救え」キャンペーンを開始したと伝えた。

同サイトによると、シリア北西部にはがん患者3200人がトルコでの治療を必要としており、そのほとんどが小児がん患者だだという。

だが、バーブ・ハワー国境通行所のマーズィン・アッルーシュ広報局長によると、トルコ当局は2月6日のトルコ・シリア大地震発生以降、がん患者の受け入れを拒否している。

AFP, July 17, 2023、ANHA, July 17, 2023、Baladi-News, July 17, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2023、‘Inab Baladi, July 17, 2023、Reuters, July 17, 2023、SANA, July 17, 2023、SOHR, July 17, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダルアー県のマハッジャ町とジャースィム市で男性2人が銃で撃たれて死亡(2023年7月17日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、マハッジャ町で正体不明の武装集団が男性1人を銃で撃ち殺害した。

また、ジャースィム市では、レバノンのヒズブッラーに協力する男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

AFP, July 17, 2023、ANHA, July 17, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 17, 2023、‘Inab Baladi, July 17, 2023、Reuters, July 17, 2023、SANA, July 17, 2023、SOHR, July 17, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に10回にわたって違反したと発表(2023年7月17日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に10回にわたって違反したことを確認したと発表した。

グリノフ副センター長はまた、米国が違法に占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)では、F-16戦闘機2機による領空侵犯を4件確認したと付言した。

RIAノーヴォスチ通信(7月17日付)が伝えた。

RIA Novosti, July 17, 2023をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イラクのスーダーニー首相はシリアを初の公式訪問:アサド大統領は共同記者会見でトルコがテロを支援していると非難(2023年7月16日)

イラクのムハンマド・シヤーウ・スーダーニー首相がシリアを公式訪問した。

イラクの首相がシリアを訪れるのは、2011年にシリアに「アラブの春」が波及して以降初めて。

https://youtu.be/ueQxxfL51_M

https://youtu.be/-M2_B0pIJ8w





ダマスカス国際空港に専用機で降り立ったスーダーニー首相は、首都ダマスカスの人民宮殿でアサド大統領らの出迎えを受けた。

首相には、フハード・フサイン副首相兼外務大臣、アスィール・サルマーン通商大臣、カイス・ラヒーマ合同作戦司令部副司令官(大将)が同行した。

アサド大統領はスーダーニー首相らと会談し、貿易、運輸、工業といった分野での二国間関係や連携の強化、「テロとの戦い」に向けた共同の取り組みなどについて意見を交わした。

会談で、アサド大統領は、イラクとシリアがさまざまな状況下で互いに示してきた姿勢は両国を結び付ける歴史的な姉妹関係を真に現してきたとしたうえで、この関係を国家、国民の両レベルで発展させ続けたいと述べた。

また、スーダーニー首相らの今回の訪問が、制度重視の関係構築や両国協力関係飛躍の好機だとの味方を示した。

会談には、シリア側からはフサイン・アルヌース首相、ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣、ムハンマド・サーミル・ハリール経済対外貿易大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府特別顧問、アブドゥルカリーム・イブラーヒーム参謀総長、アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官、ルーナー・シブル大統領府特別顧問(政治報道局長)、サッターム・ダンダフ在イラク・シリア大使が同席した。

会談後、アサド大統領とスーダーニー首相は共同記者会見を開いた。

アサド大統領は会見で以下の通り述べた。

スーダーニー首相と公式使節団、メディア使節団を歓迎する…。今回の重要な訪問は、両国民の深い関係のありよう、世界史において最古の、そしてもっとも深い歴史を有する両国の歴史の深さゆえに重要なのだ。

この地域…シャームのくにぐにと二大河のくにぐには古代史、そして現代史における偉業を作り出してきたもっとも重要な場だった。両国共通の歴史がシリア、イラク両国の国民に多くの共通性を与え、それは共通の主義主張、関心、情熱に反映されてきた。我々はこれらをさまざまな段階において確かに感じ取り、シリア国民が20年前に戦争に苛まれたイラク国民に寄り添った時に感じ取り、イラク国民が15年余り前にシリアへの攻撃が始まった当初からシリア国民に寄り添った時に感じ取った。この戦争において、イラクは、政府と国民共に、バーチャルではなく、真にシリアの声となっていた。アラブ世界、中東地域、国際社会といったさまざまな場でシリアの声となり、シリアに対して行われるあらゆる攻撃、そしてそれを正当化するすべての口実を拒否してくれた。イラク国民は数ヵ月前に発生した(トルコ・シリア)大地震に際して、真のきょうだいとして、組織、個人の双方が被災したシリアのきょうだいを組織的、かつ自発的に救援してくれた。

この戦争において、イラクは人が捧げることができるもっとも高価なもの、血を捧げてくれた。この血はシリアとイラクの共通の血であり、イラクの西を、シリアの東を守ってくれた。両アラブ国民、軍を守ってくれた。二つの国は一つに団結し、血は団結し、我々にとって共通の未来が一つになった。この場を借りて、シリア・アラブ軍およびシリアの予備部隊のきょうだいと協力して勝利を収めたイラク・アラブ軍、人民動員隊に敬意を表したい。

これらすべてゆえに、今回の訪問は意義深く、ここに、一連の目標、すなわち二国間関係の強化に至る実質的なステップをとることへの両国首脳としての我々の責任がある。とくに、我々は今日、世界レベルでの大きな課題を前に会談した。第1に、世界船体が、安全保障面、政治面、そしてもちろん経済面で苦難に直面し、それが我々の国にも影響を及ぼしている。とりわけ、我々はテロという課題、そして「テロとの戦い」における協力という課題に直面している。我々が依然として活発に生きながらえていると見ているこのテロは、世界、とりわけ西側からの支援ゆえに死に絶えていない。ここでいう「西側」と意味を我々はみな承知している。なぜなら、テロは、独立、自決、国益を追求する国々に打撃を与えるための西側のツールだからだ。さらに、一部近隣諸国が、拡張主義的理由であれ、イデオロギー的理由であれ、このテロへの支援に直接関与していることも我々は承知している。こうした大いなる課題に加えて、シリアとイラクに割り当てられているユーフラテス川の水の略奪も行われており、それは、深刻な不作、疫病や伝染病の蔓延ゆえに渇きと飢えをもたらしている。こうした課題のほかにも、アラブ人に対する侵略、パレスチナ、エルサレム、そして聖地への侵略、そのほか我々がアラブ諸国として直面している課題がある。また、麻薬の問題もあり、それは今日、各国が直面するもっとも危険な「害虫」であり、テロと何ら変わらない。それは、テロとまったく同じ方法で社会を破壊し得る。

私と(スーダーニー)首相は多くの問題を議論した。もちろん、最近のアラブ情勢についても話し合った。我々は、それを完全とは言えないまでも、相対的に前向きなものと評価することができる。この状況が拡大協議の中心をなし、これをどう利するについて重点的に議論を行った。悪化する国際情勢へのアラブ諸国への悪影響を抑えるために好転する新たな状況をどのように利用し、アラブ諸国の協力をどう強化するかだ。

我々はみな、最近の事態の好転が国際社会を混乱に陥れている者たちを満足させていないことを承知している。彼らは歴史の歯車を元に戻そうと早速動き出した。それゆえに、我々の国は二国間、多国間、さらにはアラブ連盟を通じて協力を増進させ、すでに実現した成果を維持し、今後発展させていくことを求められている。我々はもちろん幾つもの論点を議論したが、議論はまだ終わっておらず、記者会見の後も議論を継続する。だが、我々は記者会見の予定を遅らせたくなった。二国間の経済関係も、会見後、継続する議論の軸をなしている。両国の利益を反映し、シリアに対する不当な包囲の悪影響を軽減しつつ、両国関係強化を実現するための実質的な措置についての議論だ。議論された論点、提起されたアイデアは、両国の関係機関がフォローアップし、実効可能な措置へと熟成、発展、変容することになる。多くの論点、提案、アイデアがある。それらは有望だと考えることができる。だが、今日はその詳細を議論することはなく、実施の準備ができるまで待たねばならない。

改めて首相に熱烈な歓迎の意を表したい。今回の訪問が質的飛躍だけにとどまらず、両国の友愛関係において、現実的、実効的、現実的なものと確信している。独立後何十年にもわたって、両国では許されなかった、あるいは状況が許さなかった関係が軌道に乗り始めた。我々がこの世界で目の当たりにしている暗い状況のなかで、両国関係を真剣かつ効果的に構築する好機だ…。シリアの我々にとって、イラクのアイデンティティは正真正銘のアラブのアイデンティティだ。

SANA(7月16日付)が伝えた。











https://youtu.be/P63WaWnV6rs

AFP, July 16, 2023、ANHA, July 16, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2023、‘Inab Baladi, July 16, 2023、Reuters, July 16, 2023、SANA, July 16, 2023、SOHR, July 16, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】アレッポ県は地震によって家屋などの不動産が全壊したアレッポ市の被災者の氏名を記載した第4回目のリストを作成・発表(2023年7月16日)

アレッポ県は地震によって家屋などの不動産が全壊したアレッポ市の被災者の氏名を記載した第4回目のリストを作成・発表した。

名簿に記載されているのは915人で、いずれもアレッポ市サラーフッディーン地区、アアザミーヤ地区、アクラミーヤ地区の住民。

SANA(7月16日付)が伝えた。

AFP, July 16, 2023、ANHA, July 16, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2023、‘Inab Baladi, July 16, 2023、Reuters, July 16, 2023、SANA, July 16, 2023、SOHR, July 16, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア中央銀行は1米ドル=9,500シリア・ポンド、1ユーロ=10,666.60シリア・ポンドに引き下げたと発表(2023年7月16日)

シリア中央銀行は、12日付の送金為替速報で、1米ドル=9,500シリア・ポンド、1ユーロ=10,666.60シリア・ポンドに引き下げたと発表した。

SANA(7月16日付)が伝えた。

AFP, July 16, 2023、ANHA, July 16, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2023、‘Inab Baladi, July 16, 2023、Reuters, July 16, 2023、SANA, July 16, 2023、SOHR, July 16, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍のドローンがアレッポ県マンビジュ市近郊でシリア民主軍の軍用車を爆撃し、民間人1人負傷(2023年7月16日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊のハサン・アーガー村近くを通るティシュリーン・ダム街道を走行中の人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の軍用車を爆撃し、民間人1人が負傷した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコ占領下の「平和の泉」地域郊外で、シリア国民軍に所属するマリク・シャー師団の戦闘員2人が兵舎で何者かによって殺害された。

AFP, July 16, 2023、ANHA, July 16, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2023、‘Inab Baladi, July 16, 2023、Reuters, July 16, 2023、SANA, July 16, 2023、SOHR, July 16, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に12回にわたって違反したと発表(2023年7月16日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に12回にわたって違反したことを確認したと発表した。

グリノフ副センター長はまた、米国が違法に占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)では、F-16戦闘機2機とMS-12V偵察機1機による領空侵犯を3件確認したと付言した。

RIAノーヴォスチ通信(7月16日付)が伝えた。

RIA Novosti, July 16, 2023をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国防総省の匿名高官:米国はシリア領空で激しさを増しているロシアの「侵犯行為」に対処するため、多くの軍事的な選択肢を検討している(2023年7月15日)

AP(7月15日付)は、米国防総省の匿名高官が、米国がシリア領空で激しさを増しているロシアの「侵犯行為」に対処するため、多くの軍事的な選択肢を検討していると述べたと伝えた。

同高官は、選択肢の詳細については明らかにしなかったが、米国はシリアにおいて掌握しているいかなる領土も譲歩せず、イスラーム国に対する「テロとの戦い」にかかる同国西部での飛行を継続させると付言した。

米国(有志連合)は、ヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)を占領、北・東シリア自治局の支配地各所に基地を設置し、違法駐留を続けている。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、AP, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県内で盗奪した石油を積んだタンクローリー35輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由してイラク領内に移動(2023年7月15日)

ハサカ県では、SANA(7月15日付)によると、県内で盗奪した石油を積んだタンクローリー35輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)を経由してイラク領内に移動した。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

【トルコ・シリア大地震】国立地震センターは過去24時間にマグニチュード1.9~2.6の地震が3回発生したと発表(2023年7月15日)

国立地震センターは声明を出し、過去24時間にアレキサンドレッタ地方(トルコのハタイ県)、ヒムス県南西のレバノン領内)、ラタキア県西の地中海を震源とするマグニチュード1.9~2.6の地震が3回発生したと発表した。

SANA(7月15日付)が伝えた。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ当局がラッカ県のタッル・アブヤド国境通行所を通じてシリア難民約42人を追放(2023年7月15日)

ラッカ県では、ANHA(7月15日付)によると、トルコ当局がタッル・アブヤド国境通行所を通じてシリア難民約42人をトルコ領内からトルコ占領下の「平和の泉」地域に強制出国させた。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍が、シリア国民軍に所属するシャーム戦線と第55師団に、アレッポ県アアザーズ市入口の検問所スルターン・ムラード師団に引き渡すよう要請(2023年7月15日)

シリア人権監視団によると、トルコの占領下にある「ユーフラテスの盾」地域内に位置するアレッポ県北部に展開するトルコ軍が、シリア国民軍に所属するシャーム戦線と第55師団に対して、同地域内のアアザーズ市の入口に設置されている検問所(シャット検問所)を同軍所属のスルターン・ムラード師団に引き渡すよう要請した。

シャット検問所は、シャーム戦線がアアザーズ市からカフルジャンナ村にいたる街道に設置している検問所の一つ。

引き渡し要請が行われた理由は不明だが、スルターン・ムラード師団は、トルコ占領下の「オリーブの枝」地域内に位置するアレッポ県アフリーン市近郊のシャッラーン町からカフルジャンナ村にいたる街道に部隊を集結させて、緊張が高まっているという。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム解放機構支配下のイドリブ県とアレッポ県で同機構による住民の逮捕や住居への不法侵入に抗議するデモ(2023年7月15日)

シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県のダイル・ハッサーン村、アレッポ県のサッハーラ村で、シャーム解放機構による住民の逮捕や住居への不法侵入に抗議するデモが行われた。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

国際司法裁判所はシリア政府による拷問容疑に対してカナダとオランダが起こした訴訟の初公判を延期(2023年7月15日)

国際司法裁判所(オランダ・ハーグ)は声明を出し、シリア政府による拷問容疑に対して、カナダとオランダが起こした訴訟に関して、シリア政府の要請に応じて初公判を延期すると発表した。

初公判は7月19日に行われる予定だったが、10月10日と11日に延期されるという。

延期は双方の見解と主張を踏まえたうえでの決定。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコの諜報機関がアレッポ県マンビジュ市近郊での作戦でPKKメンバーを無力化(2023年7月15日)

アナトリア通信(7月15日付)は、トルコの諜報機関がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアレッポ県マンビジュ市近郊での作戦で、クルディスタン労働者党(PKK)/人民防衛隊(YGP)/民主統一党(PYD)/クルディスタン社会連合(KCK)のメンバーで、2020年にトルコ占領下の「オリーブの枝」地域内に位置する同県アフリーン市で石油トレーラーに爆弾を仕掛けて爆発させ、子供11人を含む民間人40人を殺害、47人を負傷させたとされるハイサム・ジュムア容疑者を無力化したと伝えた。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアフリーン市一帯を砲撃した。

AFP, July 15, 2023、Anadolu Ajansı, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア当事者和解調整センターは米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に14回にわたって違反したと発表(2023年7月15日)

ロシア当事者和解調整センターのオレグ・グリノフ副センター長は、米主導の有志連合が過去24時間に、シリア領空での偶発的衝突を回避するために米国とロシアが2019年12月9日に交わした「非紛争議定書」に14回にわたって違反したことを確認したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(7月15日付)が伝えた。

RIA Novosti, July 15, 2023をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロイター通信:OCHAは安保理宛「メモ」でシリア政府が越境(クロスボーダー)人道支援を許可する際に示した条件を「容認し得ない」と問題視(2023年7月14日)

国連のステファン・ドゥジャリク事務総長付報道官は記者会見で、7月10日に期限が終了したイドリブ県のバーブ・ハワー国境通行所を経由した越境(クロスボーダー)での人道支援の継続をシリア政府が認めたことに関して、バッサーム・サッバーグシリア国連代表が国連安保理に提出した書簡への対応を検討中だと述べた。

一方、ロイター通信(7月14日付)は、国連人道調整事務所(OCHA)がシリア政府が越境人道支援を許可するにあたって示した「二つの容認し得ない条件」を問題視していると伝えた。

同通信社が入手したとされるOCHAの安保理宛「メモ」によると、「シリア政府の許可は、同政府が指定した期間において、国連がバーブ・ハワー国境通行所を経由して越境人道活動を合法的に実施する根拠となり得る」としつつ、シリア政府が示した二つ条件については容認し得ないとの姿勢が示されているという。

OCHAによると、「シリア政府は第1に、国連がテロリストと指定された組織と連絡をとるべきではないと強調し」、「国連と実施パートナーは、運営上の必要に応じて、関連諸国や非国家当事者と関与し続けるべきである」との条件を示しているという。

OCHAは、これらの条件に関して、メモのなかで、こうした関与が「支援を必要とする民間人への安全かつ適切なアクセスを行ううえで不可欠で、国際人道法と合致している」と疑義を呈すとともに、赤十字国際委員会(ICRC)とシリア・アラブ赤新月社がシリア北西部における人道支援物資の配布を監督し、促進するよう求めるシリア政府の要求についても「国連の独立性とも矛盾しており、また、同地にはICRCもシリア・アラブ赤新月社が存在しないため、現実的だ」と主張しているという。

なお、このメモが誰によって作成されのか、OCHAの公式の立場を記したものなのかどうかは不明。

AFP, July 15, 2023、ANHA, July 15, 2023、al-Durar al-Shamiya, July 15, 2023、‘Inab Baladi, July 15, 2023、Reuters, July 15, 2023、SANA, July 15, 2023、SOHR, July 15, 2023などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.