ダマスカス郊外県でシーア派の男性が殺害される(2025年7月25日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアブー・フダー地区で正体不明の武装グループが男性1人を銃で撃ち殺害した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダルーシャー町に近い街道で、シーア派のタクシー運転手が頭部を銃撃され、死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の治安機関のボランティア隊員が正体不明の武装グループによって銃撃され死亡した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市フルカーン地区でオートバイに乗った正体不明の2人組が住民1人を至近距離から銃撃し、殺害した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市サビール地区にあるキリスト教会近くで、オートバイに乗った武装した男が爆弾を投げつける事件が発生した。

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フランス最高裁判所はアサド前大統領の戦争犯罪への関与に関する逮捕状について将来発行することを許可しつつ、法的免責を維持することを決定(2025年7月25日)

APによると、フランス最高裁判所は、バシャール・アサド前大統領の戦争犯罪への関与に関する逮捕状について将来発行することを許可しつつ、法的免責を維持する決定を下した。

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シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会のガザール議長:「シャルア移行期政権によるドゥルーズ派への対応はアラウィー派に対する過去の虐殺の再現だ」(2025年7月25日)

シリア・ディアスポラ・アラウィー派イスラーム最高評議会はフェイスブックを通じて、ガザール・ガザール議長のビデオ声明を発表した。

声明のなかで、ガザール議長は、3月に沿岸部などで発生したアラウィー派らに対する殺戮、略奪などの事件の真相究明を目的とする独立調査国民委員会からからの最終報告書について、結果の正当性を否定し、アフマド・シャルア移行期政権に圧力をかけるよう国際社会に呼びかけた。

また、シャルア移行期政権によるドゥルーズ派への対応を非難し、アラウィー派に対する過去の虐殺の再現だと述べた。

ガザール議長の発言の主な内容は以下の通り。

シリアは完全なテロリズム体制に支配され、国民を互いに対立させ、存在そのものを奪おうとしている。
歪められた宗教が支配し、流血を神聖化し、真実を捏造し、正義を口実に暴力と略奪を正当化している。
評議会は委員会を設立時から認めていないし、調査結果も受け入れない…。委員会は「国際社会の良心を欺くための情報操作の手段だ。
アラウィー派や他の住民に対する殺害・誘拐・焼き討ち・拘束・略奪・虐殺などの犯罪の責任は現体制にあり…、国家主権を装った無法状態によって正当化されている。
教会や聖地、ドゥルーズ派なども標的となっている。犯人は同一であり、流される血も同じだ。
流血の終結と全国民にとって受容可能な解決策には、根本的な政治的解決が不可欠だ。
数千人にのぼる失踪者・政治犯の釈放と、虐殺と戦争犯罪の責任追及が必要であり…、正義なくして和解も平和もあり得ない。もしこの暴力と混乱が阻止されなければ、それはシリア全土に拡大する。

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ハマー市のアッラーマ・ムハンマド・ハーミド・モスクでの金曜礼拝後、モスク内で混乱が発生(2025年7月25日)

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ハマー市のアッラーマ・ムハンマド・ハーミド・モスクでの金曜礼拝後、モスク内で混乱が発生した。

混乱は、ムハンマド・ハーミド師の息子が説教で、シリア国内に蔓延する宗派主義と分断の言説の高まりに対して警鐘を鳴らし、過激主義を否定し、すべてのシリア国民の間における平和的共存の重要性が強調したことがきっかけ。

この説教に、一部の礼拝者が「挑発的」だとして反発、罵声や怒号が飛び交い、説教師に対する口頭での暴言、さらには暴行寸前の騒ぎにまで発展した。

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ダイル・ザウル県でダーイシュによるシリア民主軍への攻撃が多発(2025年7月25日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、CONOCOガス田の製油所近くで、重火器を装備し、オートバイに乗ったダーイシュ(イスラーム国)のスリーパーセルのメンバーがシリア民主軍の検問所を襲撃した。

また、ハワーイジュ村でも、オートバイに乗ったダーイシュのスリーパーセルのメンバーが自動小銃でシリア民主軍所属の軍用車両を襲撃した。

さらに、サウア村での検問所でも、ダーイシュのスリーパーセルのメンバーが拳銃でシリア民主軍隊員1人を銃撃、隊員を負傷させた。

シリア人権監視団によると、ブサイラ市で、ダーイシュのスリーパーセルがシリア民主軍部隊を襲撃し、兵1人を殺害、2人を負傷させた。

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シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官はパリでバロ外務大臣とフランスと会談(2025年7月25日)

ANHAによると、シリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官は、フランスのジャン・ノエル・バロ外務大臣とフランスの首都パリで会談した。

会談は、フランスおよび米国の共同後援のもと、シリア民主軍とアフマド・シャルア移行期政権との間で予定されている交渉会議に向けた準備の一環。

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イドリブ県タルマニーン村にある住宅建物内で爆発が発生し、住民3人が死亡、3人が負傷(2025年7月25日)

イドリブ県では、SANAによると、タルマニーン村にある住宅建物内で原因不明の爆発が発生し、住民3人(うち女性1人、子供1人)が死亡、3人(うち女性1人、子供1人)が負傷した。

シリア人権監視団によると、原因はガスボンベの爆発。

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シリア正教アンティオキア全東方総主教区のイグナティウス・アフレム2世カリーム総主教が人民議会選挙高等委員会の委員らと会談(2025年7月25日)

SANAによると、シリア正教アンティオキア全東方総主教区のイグナティウス・アフレム2世カリーム総主教は、首都ダマスカスのマール・ギルギス大聖堂で、人民議会選挙高等委員会の委員らと会談、選挙に関する見解を交わし、次期議会の構成に関する仕組みの提示した。

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スワイダー県では、シャルア移行期政権の国防省部隊の制服を着た部族系の武装勢力が迫撃砲や重機関銃で無差別に攻撃(2025年7月25日)

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、アフマド・シャルア移行期政権の国防省部隊の制服を着た部族系の武装勢力がウンム・ザイトゥーン村の周辺を、迫撃砲や重機関銃で無差別に攻撃した。

シリア人権監視団によると、このほか、ウルガー村など3ヵ所でもベドウィン・部族系武装勢力などによる停戦違反が確認された。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダイル・アリー町で、ベドウィン系武装勢力によって拉致されていたナジュラーン村の住民6人が解放された。

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ダルアー県では、SANAによると、ナワー市で地元の有力者や住民、民間防衛機構(ホワイト・ヘルメット)の隊員らが、拉致された同機構の緊急対応センター長のハムザ・アマーリーン氏の消息解明を求めて集会を開催した。

また、SANAによると、スワイダー県で拘束されていたベドウィン部族の新たな家族を複数受け入れた。

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シャイバーニー外務在外居住者大臣はパリでフランスのバロ外務大臣およびバッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使と会談(2025年7月25日)

SANAによると、アスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣は、フランスの首都パリで、フランスのジャン・ノエル・バロ外務大臣およびトーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使と会談した。

会談では、シリアの統一、主権、安定を支持すること、テロとの戦いに向けた協力、暴力行為の実行者の責任追及に関する努力への支援が強調された。

また、シリア民主軍との3月10日合意の履行に向けた協議を継続することでも一致した。

会談を受けて、外務在外居住者省は、フェイスブックなどを通じて声明を発表した。

声明では、以下の点で合意に至ったことが明らかにされた。

・シリアの統一、安定、領土全体における主権を保証する移行プロセスを成功に導くための実質的努力への迅速な関与
・あらゆる形態のテロと戦うための共同協力への取り組み、および治安上の課題に対処するための国家機関の能力支援
・政府主導による政治的移行の道筋への支援、とりわけ北・東シリアおよびスワイダー県での国民的和解と社会的結束の強化
・3月10日合意の完全履行に向けて、シリア政府とシリア民主軍との協議を可能な限り早期にパリで開催すること
・暴力行為の加害者に責任を問うための努力支援、ならびに透明性ある報告書の成果を歓迎する姿勢の確認。これには、シリア沿岸部での事件調査を担当した独立国家委員会の最近の報告書も含まれる
・シリア近隣諸国がシリアの安定を脅かすことのないよう確認する一方で、シリア側も近隣国の安全保障を脅かす存在とならないよう努め、地域全体の安定を守ることを改めて確認

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米中央軍(CENTCOM)は2014年のダイル・ザウル県でのシュアイタート部族に対する虐殺の首謀者のダーイシュ幹部を殺害(2025年7月25日)

米中央軍(CENTCOM)は、Xを通じて以下の通り発表した。

本日未明、アレッポ県バーブ郡において、CENTCOM部隊は急襲作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)幹部のディヤー・ザウバウ・ムスリフ・ハルダーニーと、ダーイシュ関係者の息子2人、アブドゥッラー・ディヤー・ハルダーニーおよびアブドゥッラフマーン・ディヤー・ザウバウ・ハルダーニーを殺害した。
このダーイシュ関係者らは、米国および有志連合、ならびにシリアの新政権に対する脅威となっていた。
現場には女性3人と子ども3人もいたが、彼らに被害はなかった。
米中央軍のマイケル・エリック・クリラ司令官(大将)は次のように述べた:
「我々はダーイシュのテロリストを、彼らがどこにいようとも容赦なく追い詰める。ダーイシュは、寝ている場所でも、活動している場所でも、隠れている場所でも安全ではない。我々はパートナーや同盟国とともに、地域、同盟国、そして我が国を脅かすダーイシュのテロリストを恒久的に打倒することに尽力する。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、この攻撃と前後して、スィッリーン町に設置されている米主導の有志連合の基地に輸送機が複数機、ヘリコプターの護衛を伴い同地上空に飛来していた。

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イナブ・バラディーによると、スアイタート虐殺犠牲者家族連盟は、殺害されたハルダーニーが、2014年8月から9月にかけて、ダイル・ザウル県のガラーニージュ市、カシュキーヤ村、アブー・ハマーム市で発生したシュアイタート部族に対する虐殺(800人以上死亡)の実行責任者であると発表した。

ハルダーニーはイラク国籍のダーイシュ・ユーフラテス州の西部地区総督(ワーリー)を務めていた幹部で、同地治安部門の責任者でもあった。

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国防省代表団の防衛産業展示会「IDEF 2025」視察続く(2025年7月25日)

SANAによると、トルコで開催中の防衛産業展示会「IDEF 2025」に参加している国防省代表団は、ASFAT社のブースを訪問し、同社が開発した最新の防衛・軍事技術について視察を行った。

SANAによると、国防省代表団はまた、トルコ陸軍のセルチュク・ベイラクダルオール司令官(大将)および第1軍のメティン・トゥカル司令官(大将)と会談した。

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国防省はまた、フェイスブックを通じて、国防省代表団が海軍各部隊の展示を視察した。

また、フェイスブックを通じて、戦闘機、ヘリコプター、無人航空機部門の展示を視察した。

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ロイター通信:「シリアは密かに経済を再編、指揮を執るのは大統領の兄」(2025年7月24日)

ロイター通信は、「シリアは密かに経済を再編、指揮を執るのは大統領の兄」(ティムル・アズハリ、フェラス・ダラティー共著、ダマスカス発)と題した記事を配信した。

記事の内容は以下の通り。

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ダマスカスが反体制派の手に落ちて数週間後のある夜、有力な実業家のもとに「シャイフ」との面会を求める深夜の電話がかかってきた。

指定された住所には見覚えがあった。バッシャール・アサドの経済帝国のもとで、同様の実業家たちが定期的に恐喝を受けていた場所である。

だが、そこにはすでに新たな支配者たちがいた。

長く黒い顎髭をたくわえ、腰には拳銃を携えたその「シャイフ」は、自らの名を戦闘員の仮名「アブー・マリヤム」とだけ名乗った。現在、彼はシリア経済を再構築する委員会の責任者である。

彼は、わずかにオーストラリア訛りのある丁寧なアラビア語で、実業家に質問を投げかけた。

「彼は、私の仕事や、どれだけ稼いでいるかを尋ねてきた」と実業家は語った。「私はずっと彼の銃を見ていた」。

ロイター通信の調査によれば、シリア新政権は、腐敗とアサド政権に対する長年の制裁によって破綻した経済を、ある集団の男たちの指導のもと、密かに再構築しようとしている。そのメンバーの正体はこれまで仮名の背後に隠されていた。

この委員会の使命は、アサド時代の経済の遺産を分析し、どの部分を再構築し、どの部分を残すかを判断することにある。

公的な監視から遠く離れたところで、この委員会は総額16億ドルを超える資産を取得した。その額は、企業持ち分の取得や現金の押収などに関与した関係者の証言に基づいており、少なくとも15億ドル相当は、3人の実業家から押収された資産によるものである。そこには、アサド政権の側近たちがかつて支配していた複合企業グループの一部である国内主要通信会社などの企業も含まれ、その通信会社の価値は少なくとも1億3,000万ドルとされる。

ロイター通信の調査によれば、シリア経済再建の監督を務めているのは、アフマド・シャルア大統領の兄ハーズィム・シャルアである。そして、委員会の実質的な指導者である「アブー・マリヤム・オーストラリー」の正体は、アブラハム(イブラーヒーム・スッカリーヤというレバノン系オーストラリア人である。彼は、テロ資金供与の容疑により、オーストラリア政府の制裁対象リストに記載されている人物だ。

彼はインターネット上で、自らを「クリケットとシャーワルマーが好きな実業家」と紹介している。

シリアの秘密経済委員会は、アブラハム・スッカリーヤというオーストラリア出身の男が主導しており、彼は少なくとも二つの偽名を使っている。一つは仕事上で使用する戦闘員名「アブー・マリヤム」、もう一つはSNSでのアカウント名「イブラーヒーム・ビン・マスウード」である。

シリアの新政府は、バッシャール・アサド政権下で恐れられていた治安・情報機関を解体し、市民はここ数十年で最も自由に発言できるようになっている。しかし現在、シリア経済を担うのは、大統領の親族と戦闘名のみで知られる男たちの混成チームであり、この構造が、多くの実業家や外交官、分析家たちの懸念を呼んでいる。彼らは「かつての「宮殿のオリガルヒ」が別の形で置き換えられようとしているのではないか」と危惧している。

ロイター通信のこの調査報道は、100人以上の実業家、仲介者、政治家、外交官、研究者へのインタビューに基づいており、財務記録、電子メール、会議議事録、新設企業の登記記録など、多数の内部資料も確認された。

政府はこの委員会の存在や活動について一切公表しておらず、一般のシリア国民には全く知られていない。委員会の権限や実態を知るのは、直接取引のあるごく一部の人々のみである。しかし、この委員会の活動は、シリア国民すべての生活と生計、そしてグローバル経済への再統合を目指す国の将来にまで影響を及ぼす可能性がある。

ある委員会メンバーはロイター通信に対し、「アサド政権下での腐敗の規模はあまりにも大きく、企業構造そのものが利益の追求というよりも資産の横領を目的として設計されていた。そのため、経済改革の選択肢は非常に限られている」と語った。委員会には、不正利得を得たと疑われる実業家を、シリア国民の多くが望むように法廷に立たせる、企業を強制的に押収する、そしてアサド時代に利益を得たまま現在も国際的な制裁下にある人物と非公開で取引を結ぶ、といういずれかが可能である。

しかし、いずれの方法にもリスクが伴う。たとえば、裕福層と貧困層、アサド時代に成功した者と苦しんだ者との間に新たな対立を生みかねない。そのため、委員会はアサド時代に富を築いた実業家を起訴したり、企業を差し押さえたりするよりも、むしろ彼らと交渉を行い、逼迫する資金を回収すると同時に、経済の主導権を確保し、混乱を招かないかたちで経済活動を継続させる道を選んだ。

この件に関して、シリア政府、ハーズィム・シャルア、アブラハム・スッカリーヤは、ロイター通信からの度重なる問い合わせや質問に対して一切回答しなかった。大統領府は質問を情報省に転送し、ロイター通信は先週、情報大臣との対面会談の場でこの調査結果を提示し、その詳細を明示したうえで、書面で質問を行ったが、記事公開までに情報省からの返答はなかった。
2025年2月、サウジアラビアのリヤドを訪問したアフマド・シャル大統領と、その兄ハーズィム・シャルア。この訪問が、ハーズィムが大統領の兄として公の場に姿を見せた初めての機会となった。

過去7ヵ月間、委員会はシリアで最も裕福な大物実業家たちと交渉を重ねてきた。その中には、米国の制裁対象となっている人物も含まれていると、情報筋は語る。また、委員会はアサド大統領宮殿から運営されていた複数の企業群の掌握にも進展を見せている。

アサドと関係のある実業家たちの多くは、たとえば、麻薬や武器の密輸に関して制裁を受けた航空業界の大物や、アサドの軍によって住民が追い出された町から金属を回収・精錬していたとされる実業家などが含まれる。彼らは、国家による訴追を回避し、ある程度の利益を保持しているが、それは代償と引き換えである。すなわち、現金および企業支配権の一部を委員会側に差し出すことで、恩赦を受けるという「取引」である。だが、この「恩赦と引き換えの取引」は、正義を求めるシリア国民の怒りを買うリスクを伴っている。

欧米の上級外交官4人は、出自不明の影の人物たちの手に経済的権力が集中していることが、シリアの国際金融システムへの再統合に向けた信頼性や外国投資の障害となりうると警告している。

委員会の活動について語ったメンバーによれば、委員会はこれまでに数十人と面会しており、ある者には免責を与え、またある者には資産の一部を求めたという。最終的には、企業が民営化されたり、公私連携(PPP)として再編されたり、国有化されたりすることで、その収益が主権基金に組み入れられ、一般市民であるシリア国民がその恩恵を受けることになると彼は述べた。

2025年7月9日、アフマド・シャルア大統領は、大統領府に直属する主権基金の設立を発表した。この基金について事情に詳しい3人の証言によれば、その監督は大統領の兄であるハーズィム・シャルアが担うとされている。同日、シャルア大統領はハーズィムの長年の側近が代表を務めるシリア開発基金の設立も発表した。また、最近では政令により投資法の改正を発表している。ハーズィムおよびスッカリーヤはいずれも政府内で公的な役職に就いているとは発表されていないが、ロイター通信の調査により、この2人が投資法改正案の最終文書の編集に関わっていたことが判明した。

米マサチューセッツ州スミス大学で中東研究を専門とするスティーヴン・ハイデマン教授は、ロイター通信に対し、シリアが主権基金を設立するのは「時期尚早」だと語った。彼はこの基金が「不明確な休眠資産」に依存していることを問題視し、さらに大統領を含む運営側に過度の裁量を与えることが説明責任を損なうと警告した。

このような新政府の秘密主義的な政策推進の詳細が明るみに出たのは、米国政府がアサド政権時代に発動されたシリア国家に対する経済制裁を解除する動きを進めているタイミングである。本報道に対するコメントを求められた米国務省高官は、ドナルド・トランプ大統領が制裁を解除するのは「シリアに偉大さの可能性を与えるためだ」と述べた。

また、同高官はロイター通信に対し、「大統領(トランプ)は、シャルア大統領がこの歴史的な機会を活かし、重要な進展を実現するべきだと明言している」と語った。

銀行に現れたパン職人

シリア経済の「暗号解読」を担う委員会が果たしている重要な役割は、イドリブで資金を管理する権限を持っていた彼らの経歴に基づいている。イドリブはシリア北部の丘陵地にある飛び地で、旧イスラーム過激派組織のシャーム解放機構がシャルアの指導の下で権力を集中させた地域である。

イドリブで暮らし、また戦っていた者たちは、アフマド・シャルア大統領を含め、偽名の使用が常であった。当時のシャルアはシャーム解放機構の指導者「アブー・ムハンマド・ジャウラーニー」として知られていた。シャーム解放機構はもともと、アル=カーイダのシリア支部「ヌスラ戦線」として始まり、その指導者たちはアサド政権を打倒する2024年12月までは、世界の多くからテロリストと見なされていた。

2016年にアル=カーイダと決別した後、シャーム解放機構は財政および統治の制度を発展させたと、シャーム解放機構に詳しいシリア人は語っている。2018年には、トルコからの燃料派生品の輸入に関して独占権を有する石油企業ワタドを設立し、独自の銀行シャーム銀行も創設した。

シャーム解放機構がビジネス分野へ進出する背後には、アブー・アブドゥッラフマーンという人物がいた。彼はかつてパン職人だったが、後に高位の軍司令官へと転身した人物であると、委員会のメンバーおよびシャーム解放機構の高官2人がロイター通信に語っている。

シャーム解放機構系のSNSアカウントに投稿された写真に写るアブー・アブドゥッラフマーンは、ロイター通信の取材によれば、新政府の財務を監督する委員会メンバーの1人である。

関係者によると、アブー・アブドゥッラフマーンはイドリブにおいて、当初アフマド・シャルアに忠誠を誓う少数の人物から成る臨時グループとして経済委員会を設立した。その後、会計士、弁護士、交渉人、実行部隊など数十人規模の機関へと発展させた。なお、この委員会は国家の公式な統治機構には属していない。

また、委員会は2つの部門を備えており、一つは収益の獲得を目的とする経済部門で、これはアブー・マリヤムが統括、もう一つはその資金を管理する財務部門で、アブー・アブドゥッラフマーンが指揮しているという。

シャーム解放機構関係者3人によると、アブー・アブドゥッラフマーンの本名はムスタファー・カディードである。ダマスカス陥落の翌日、彼はシリア中央銀行の2階に拠点を構えたと、元行員2人が証言している。ロイター通信は彼の最側近を通じてコメントを求めたが、ロイター通信の調査報告書を受け取ったことは認めたものの、カディード本人からの回答は得られなかった。

シリアの一部政府関係者や銀行員の間では、アブー・アブドゥッラフマーンは「影の総裁」として知られており、中央銀行2階に居を構える彼には、2階上にいる正式な総裁の決定に対して拒否権を持つとされている。

ロイター通信が、シリア経済の再編とアブー・アブドゥッラフマーンの関与について調査結果を提示したところ、シリア中央銀行のアブドゥルカーディル・フスリーヤ総裁は「それは事実ではない」と書面で回答したが、詳細説明の要請には応じなかった。

元中央銀行職員2人の証言によれば、主要な決定事項にはすべてアブー・アブドゥッラフマーンの承認が必要であるという。彼らは彼について「温厚だが権力集中を好む」と述べ、「かつて宮殿がすべてを決めていた頃と何も変わらない」と話している。
数ヵ月前に同氏と面会したある訪問者は、彼の紹介に困惑したという。アブー・マリヤムと同様、彼も「シャイフ」と呼ばれていた。「シャイフ」という語には宗教的意味合いもあるが、敬称としても用いられる。

現在、シリア経済の再構築を担う委員会の財務部門は、中央銀行によって運営されており、その実質的な責任者がアブー・アブドゥッラフマーンことムスタファー・カディードである。前出の元職員2人は「彼の同意なしには重要な決定は下せない」と証言している。

また、もう一人の「シャイフ」、アブー・マリヤムの本名はアブラハム・スッカリーヤであることがロイター通信の調査で明らかになっている。

スッカリーヤは、オーストラリアのブリスベン出身で、2013年に兄のアフマドがシリア軍の検問所でトラック爆弾を爆発させた前日に同国を出国した。オーストラリア検察によれば、彼の兄アフマドはシリアにおける最初のオーストラリア人自爆犯として知られている。さらに、スッカリーヤ兄弟のもう1人、ウマルは、2016年にヌスラ戦線に数万ドルを送金した罪で有罪を認め、オーストラリアで4年半の禁固刑を受けている。

オーストラリア検察が最高裁判所に提出した文書には、スッカリーヤ兄弟の活動内容が記載されており、これは弟ウマルが自身の判決に対して上訴した際に提出されたものである。ロイター通信はウマル本人の所在を突き止めることができず、元弁護士も取材への回答を拒否した。

オーストラリア政府は、アブラハム・スッカリーヤが依然として制裁対象にあることを認めたが、彼の現在の役割について把握しているか否かについては「個人に関する情報にはプライバシー保護のためコメントしない」として明言を避けた。

オーストラリア外務貿易省のウェブサイトには、アブラハム・スッカリーヤ(ブリスベン出身)がテロ組織の一員として制裁対象であることが掲載されている。彼はアサド政権を打倒したイスラーム系組織の指導者として、新たなシリア政府の経済委員会を率いている。

彼はX上では「イブラーヒーム・ビン・マスウード」という別の偽名を使用しており、彼を個人的に知る6人がこれを確認している。「ビン・マスウード」のプロフィールでは、自らを「ビジネスオーナー」「シャーワルマー愛好家」「クリケットファン」と紹介し、イドリブの戦争被害やイスラーム教義に関する投稿を行っている。

彼のかつてのオーストラリア時代のチームメートによれば、スッカリーヤは若い頃、非常に負けず嫌いなクリケット選手だったという。現在もX上でクリケットについて語っており、英語によるポッドキャストにも出演して、中東におけるイランの影響や、2022年ワールドカップでモロッコが4位に入ったことについて、イスラーム教徒としてどう捉えるべきかといった話題にも触れている。

ロイター通信は、アブラハム・スッカリーヤに対し、シリア経済再編における自身の役割や本報道のその他の調査内容について、Xのアカウントおよび最側近を通じて直接メッセージでコメントを求めたが、回答は得られなかった。

一方、アフマド・シャルア暫定大統領の兄であるハーズィム・シャルアは、LinkedInのプロフィールによると、かつてイラクのアルビールでペプシコのゼネラルマネージャーを務めていた人物である。彼はイドリブへのソフトドリンク供給の主要業者でもあったと、過去を知る関係者2人が語っている。ペプシコ社には、ハーズィム・シャルアの同社での勤務実態や、彼の過去・現在の活動についてコメントを求めたが、返答はなかった。

ハーズィム・シャルアは現在、新生シリアにおける経済・投資関連全般にわたる広範な権限のもと、経済委員会の業務を監督している。彼は政府における公式な職位には就いていないが、2025年2月のサウジアラビア公式訪問の際には、大統領のすぐ隣に同行し、メディアに姿を見せている。

ハーズィム・シャルアは、大統領の初の外遊となるサウジアラビア訪問時、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子にシリア代表団の中で最初に紹介された人物であったと、サウジ国営メディアが撮影した映像で確認されている。ただし、会談後に公開された公式資料には彼の名前は記されていなかった。

「マキャヴェリ」

2024年12月、委員会はダマスカスに到着すると、当初はフォーシーズンズ・ホテルに本部を構えた。ここは国連シリア代表部や各国の外交関係者の拠点でもあると、ホテル従業員および事情に詳しいシリア人2人が証言している。

委員会のメンバーおよびシャーム解放機構の他の幹部たちは、部屋やスイートを無料で提供されていたと、事情に詳しい2人が明らかにしている。

また、ホテルスタッフおよび複数の関係者によると、フォーシーズンズの薄暗いシガーラウンジにあった充実したバーは、「シャイフ」たちのための非公開会談や和解交渉に対応するため撤去された。

なお、このホテルは2019年以降、フォーシーズンズ社によって運営されていないと、同社は説明している。ちょうどその年、米国はホテルのオーナーであるサーミル・ファウズを制裁対象とした。フォーズは本報道についてコメントしなかった。

2024年12月に投稿されたフォーシーズンズ・ホテル・ダマスカスの「XOバー」の写真。アサド政権崩壊後、この空間は新経済委員会の交渉ルームへと姿を変えたと関係者は語っている。

その後、委員会は徐々に、かつて有力実業家やアサド政権の経済総責任者ヤサール・イブラーヒームが使用していたオフィスへと拠点を移した。イブラーヒームはアサド失脚後、アラブ首長国連邦に居住しており、本報道へのコメントには応じなかった。

委員会は早い段階で、不正利得が疑われる実業家たちを訴追しない方針を固めた。その理由について、ある委員会メンバーは「彼らの土俵で戦うことになるからだ」と語った。アサド政権崩壊後、何人かの判事は解任されたが、多くは職にとどまっている。委員会関係者および交渉に関与した会計監査人によれば、新政府は、裁判制度に精通した実業家に法廷で敗北する可能性や、複雑な金融取引において証拠が不足し有罪判決を得られないリスクを懸念していた。
関係者によれば、潜在的な投資家を怖がらせないために、企業の強制押収(没収)という手段は退けられた。シリアには、1958年のエジプトとの短期的な統一時代から国家による国有化の歴史があり、内戦中にはアサド政権が反体制派の資産を差し押さえるという事例も続出していた。

その結果、選択肢として残されたのは、「実業家との取引」である。つまり、彼らが資産を手放す代わりに、シリアでの事業復帰を許可するという方式である。新政権も、彼らの専門的知見から利益を得ることができる。

交渉に詳しいある銀行関係者は、「新しいシリア指導部はフィデル・カストロではない」、むしろ「マキャヴェリ的だ」と述べている。

こうして、新しいシリア政府は、アサド時代の経済構造の解体を開始した。当時の経済は、アサドおよびその側近にリベートを支払うことを条件に主要セクターを割り当てられた大富豪たちと、アサドの経済顧問ヤサール・イブラーヒームが直接運営する企業帝国とに二分されていた。

その企業帝国は関係者の間で「グループ(The Group)」として知られていた。

グループ

2020年当時、アサドはロシアとイランの支援により内戦で勝利を収めたかに見えた。

その頃、アサド政権は「アフド」(と名付けられた100社以上の企業連合体を設立したと、創設当初から計画に関与していた人物および企業文書が示している。
これらの企業は、アサド政権の高官や側近たちが実業家と利益を共有する構造となっており、そのすべてを監督していたのがイブラーヒームだった。アサド政権崩壊後、これら企業の所有構造はさらに不透明さを増した。

アラビア語の「アフド(Al Ahed)」には、「統治」や「誓約」など複数の意味がある。

ロイター通信が確認したところによれば、2020年に一般公開を想定して制作された未公開広告映像が存在し、そこではアサドとアフドが直接結びつけられており、この企業体を「戦後シリアの復興を支援する民間企業」として描いている。

映像では、崩れた建物や避難民の様子が空撮され、不安と恐怖が漂う場面から始まるが、その後、勇壮な音楽とともに建設現場や豊かな農地、生産ラインの様子へと切り替わる。

ロイター通信が入手した2020年制作の未公開広告映像の一部には、内戦からの復興を支援する民間企業としてのアフドを描き、バッシャール・アサドとその妻アスマーが少年を慰める姿が映されている。

ナレーションはこう語る。「ときに、戦争に打ち勝つのは、誰かの笑顔だったり、顔の悲しみをすべて拭い去ってくれる人だったりすることがある」。その言葉に重なるように、アサド夫妻が涙を流す子どもの頬を優しくなでるシーンが流れる。「我々は前進することを決意し、自分たちの夢に似た、新たな現実を創ることにした」。

また、ロイター通信が確認した2021年の内部プレゼンテーションのスライドには、アフドのもとに設立された実体企業とペーパーカンパニー群が示されており、通信、銀行、不動産、エネルギーといった主要経済分野を掌握する目的が明記されている。

2024年12月8日、ダマスカスが陥落すると、経済帝国を束ねていたイブラーヒームは国外へ逃亡した。彼の姉であるナスリーンは、「グループ」が支配権を失ったことを嘆いたという。

「我々は、もはやこれらの企業とは一切関係がない。彼らが好きなように運営すればいい」と、イブラーヒームの姉ナスリーンは関係者に向けて送ったWhatsAppメッセージで述べている。ナスリーン本人には取材できなかった。

委員会は、アサド政権時代の企業支配構造を示すこのプレゼン資料を入手し、それを手引きとして企業の買収を進めている。ロイター通信が確認した更新版の資料には、かつてのアサド政権の国旗が新政権のものに差し替えられているという。

シリアの政治経済に詳しいロンドン大学キングス・カレッジのレイナウド・レンダース教授は、「ヤサール・イブラーヒームはシリア経済のほぼすべての分野に食い込んでおり、2024年には国家総生産の最大30%を支配していた可能性がある」と分析している。世界銀行の推計によると、2023年のシリアのGDPは62億ドルで、戦前の約10分の1にまで減少していた。

「グループ」の元財務責任者によれば、その中核事業の総価値は最大9億ドルに達したという。ただし、それ以外にもアサド政権が財閥に強制的に提携させたことで得た資産、たとえば国内主要通信会社シリアテルなどもあり、戦争が長引く中で経済を「食い物にしていた」とされる。

こうした提携の中には、米国から制裁を受けている砂糖・不動産王サーミル・ファウズ、複数業種にわたるビジネスを展開するムハンマド・ハムシュー、そして大規模な石油・小麦事業を展開していたカーティルジー兄弟(ムハンマドおよびフサーム)らが含まれる。

ムハンマド・ハムシューは、戦前に多部門にわたる経済活動を行っていたアサド時代の大物実業家の1人であり、現在は新政権と交渉を始めている。

「グループ」の財務管理は、当初、委員会にとって困難だった。というのも、アサド政権の経済総責任者ヤサール・イブラーヒームの側近であるアフマド・ハリールという人物のみが、銀行口座への法的アクセスを持っていたからであると、「グループ」の元上級管理職3人が証言している。

委員会は、イブラーヒームおよびハリールに対して、帝国の80%を引き渡す代わりに免責を与えるという提案を行ったが、交渉は難航したという。関係者によれば、イブラーヒーム、ハリール、カーティルジー兄弟はいずれも本報道に対してコメントを拒否し、ムハンマド・ハムシューのみが不正行為を否定した。

それでも、委員会は中間管理職との取引を通じて徐々に支配を拡大した。

イブラーヒームの側近だった主要スタッフの1人は、免責と引き換えに「グループ」の内部データを提供したと証言している。

また、数ヵ月にわたり委員会と協力してきたもう1人の財務担当者は、アサド時代の企業帝国のうち少なくとも半分がすでに接収されたと述べた。これには国内の主要通信会社シリアテルも含まれており、ロイター通信が確認した法人登記文書によれば、現在は委員会が任命したメンバーが署名権を持って同社を支配している。一方、シリアテル側はロイター通信の一部調査内容が「誤っている」と主張しているが、詳細な反論には応じなかった。

米国務省の高官は、現在も維持されている米国の対シリア制裁について、「説明責任を促進するためのものだ」と語った。

「シリアにおける広範かつ持続的な安定は、過去14年間にすべての当事者が行ってきた人権侵害に対する、意味ある正義と説明責任の実現にかかっている」という。

新しい「航空会社」?

ロイター通信が確認した文書と、事情に詳しい3人の証言によると、「グループ」に属していた大企業のいくつかは現在、名称を変更して操業を再開している。

これには、シリア唯一の民間航空会社シャーム・ウィングスも含まれている。

同航空会社は、所有者イサーム・シャンムートとの和解に基づき、新会社フライ・シャームへと改組されたと、航空業界の上級関係者3人、シャーム・ウィングスの従業員1人、さらにロイター通信が確認した法人登記記録が示している。

シャーム・ウィングスおよびイサーム・シャンムートは、以下の疑いで米国および欧州連合(EU)の制裁対象となっている。

国家による訴追免除との引き換えに、シャーム・ウィングスのオーナーであるイサーム・シャンムートは同社の株式の45%を手放したと、ロイター通信が確認した文書に記されている。また、シャンムートは5,000万ドルを支払い、さらに所有する航空機2機を国営のシリア航空に譲渡したと、航空業界の情報筋が証言している。残る3機の航空機はいずれもエアバスA320型で、「フライ・シャーム(Fly Cham)」のカラーに再塗装されたものの、尾翼番号はそのままとされた。

シャンムートは自動車販売代理店シャンムート・オートについては保有を継続しているという。

シャーム・ウィングスの広報担当者はコメントを拒否した。フライ・シャームの広報担当者は次のように述べた。「シャーム・ウィングスは閉鎖された。フライ・シャームはまったく新しい会社だ」。その後の声明では、詳細については委員会に直接問い合わせるようロイター通信に指示した。

一方、国営のシリア航空のゼネラル・ディレクターであるサーミフ・ウラービーは、2025年5月に国営通信社のSANAに対し、「新たに2機の航空機が国家機材に加わる予定だ」と述べたが、詳細には触れなかった。
その数日後、シャーム・ウィングスのA320機(尾翼識別番号:YK-BAG)がシリア航空の塗装を施された姿で確認された。

崩壊した村

シリアで最大級の実業家たちの中にも、新政府との取引に応じた者がいる。

2019年に「戦争復興利権」で利益を得た疑いで米国の制裁を受けたサーミル・ファウズは、約8億〜10億ドル相当と見られる商業資産のおよそ80%を新政府に引き渡したと、取引に詳しい人物が語った。これには中東最大級の製糖工場、鉄の溶鉱炉、その他の複数の工場が含まれているという。

また、金属加工、電線製造、電子機器、映画スタジオなど幅広い分野を手がけてきたムハンマド・ハムシューは、6億4,000万ドルを超える資産の約80%を引き渡したと、関係者3人が明らかにしている。その結果、彼は約1億5,000万ドルの資産を保持し、家族も一部の企業を維持しているという。

ダマスカス郊外のアドラー工業都市にあるこの溶鉱所は、ハムシューの主要資産の一つであり、現在は委員会の管理下にある。

今回の取引の一環として、ハムシューは「グループ」が部分的に接収していた利益率の高い製鋼工場を放棄した。

彼は、シリア反体制派や人権団体、他の実業家たちから、アサド政権によって破壊された市街地から回収された金属をこの工場で加工していたと非難されている。

米財務省は、ハムシューが政府との関係を通じて財を成し、またアサド大統領の実弟で第4師団を率いたマーヒル・アサドの「フロントマン」(名義人)として活動していたと主張している。西側諸国政府は、第4師団がカプタゴンの違法製造および取引に関与していたと指摘している。

ハムシューは2025年1月にシリアへ帰国し、現在はダマスカスの高級住宅街マーリキー地区にある自宅ペントハウスで国家の保護を受けて生活している。ロイター通信記者は、彼の住宅入口に制服姿の武装警備員が常駐しているのを複数回確認している。

アサド政権の崩壊によりシリアに新たな時代が訪れるという期待は高まっていたが、アフマド・シャルア政権は困難に直面しており、最近ではドゥルーズ派が多数を占める南部地域で流血の事態が発生している。

アサド政権下で通商大臣や顧問を務めたアムル・サーリムは、シャルア新政権の「現実的アプローチ」が破綻状態にある国家には有益となり得るとしながらも、「和解の透明性の欠如」や「明確な基準の不在」が新たな権力乱用を招く危険があると警鐘を鳴らした。

「私自身も取引を持ちかけられたが断った。私は何も悪いことをしていないからだ」とサーリムはロイター通信に語った。

こうした取引は、アサド政権と結びついた著名人たちが司法の裁きを受けることを望んでいる多くのシリア国民の怒りを買っており、2025年6月には小規模な抗議デモが2件発生した。

「これはシリア国民への侮辱だ。アサドのビジネスマンや、アサドと手を組んでいた者たちの復帰には、街頭で強い不満が出ている」と、ハムシューの帰還に対して抗議を行った活動家のアブドゥルハミード・アッサーフは語っている。

ロイター通信の取材に対し、ムハンマド・ハムシューは委員会と交渉を行ったことを認めたが、和解が成立するまでは詳細を控えると述べた。

「私は実業家や投資家たちに、シリアへの注目を促したい。シリアは自由市場経済を採用しており、多様で将来有望な投資機会に満ちた肥沃な地である」と語った。

シリアは現在、急速に投資の誓約を集めており、2025年7月23日から始まった2日間の投資会議では、サウジアラビアの投資大臣が率いる経済代表団が訪問した。主要経済分野において最大60億ドル規模の投資案件が議論されている。

一連の和解プロセスが終盤を迎える中で、委員会の一部メンバーが公職に就くようになった。少なくとも2人が、アフマド・シャルア大統領が2025年5月に設置した不正蓄財管理委員会に正式に任命されている。

委員会関係者によれば、これまで「影で行ってきた作業を公式化」する試みの一環だという。

「これは内外からの完全なリブランディングだ」と、同関係者は語っている。

「シャイフ」という敬称の使用は徐々に廃止され、アラビア語の「サイイド」(氏)に置き換えられつつある。電話会議や打ち合わせはいまだに深夜に及ぶこともあるが、書類手続きなどは日中の営業時間内に処理されている。
また、委員会のメンバーたちは、かつてのカーキやカジュアルな服装からスーツへの着用が義務づけられ、拳銃の露出も禁じられたという。

委員会のメンバーたちには、カーキ色のズボンやカジュアルな服装の代わりにスーツを着用するよう指示が出されており、また、ピストルを目に見えるところに出さないようにとの命令も受けていると、そのメンバーは語った。

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イスラエルのダーマー戦略問題担当大臣とシャイバーニー外務在外居住者大臣が米国の仲介のもとパリで会談(2025年7月24日)

トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使は、Xを通じて、以下の通り投稿した。

今夜、パリでシリア人およびイスラエル人と会談した。我々の目標は対話と緊張緩和であり、それを正確に達成した。すべての当事者が、これらの努力を継続することへのコミットメントを改めて表明した。

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アクシオスによると、イスラエルとシリアの閣僚級高官が、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使の仲介のもと、フランスの首都パリで4時間にわたり会談し、両国間の緊張緩和について協議した。

会談に出席したのは、イスラエルのロン・ダーマー戦略問題担当大臣とアスアド・ハサン・シャイバーニー外務在外居住者大臣。

イスラエル当局によると、会談の目的は、シリア南部での安全保障合意を交わし、先週のような危機の再発を防ぐこと。

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シリア民主軍はバッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使に対してスワイダー県での殺戮に介入するよう要請(2025年7月24日)

シリア民主軍の広報責任者ファルハード・シャーミー氏は、アル・ヤウムTVのインタビューに応じ、トーマス・バッラク在トルコ米大使兼シリア担当特使に対してスワイダー県での殺戮に介入するよう要請したことを明らかにした。

シャーミー氏は、スワイダー県での事件について、アフマド・シャルア移行期政権が治安手段と武力に依存し、諸社会集団の権利を無視するという「誤った政策」の延長であり、それが政府と国民との間に亀裂を生んでいる」と非難した。

また、シャルア移行期政権とシリア民主軍の対立について、移行期政権が内政よりも外政を重視し、対外的保証に基づき政策を決定していること、同政権がシリア民主軍との交渉を「単に自身の影響力拡大の手段」としか見なしていないことが核心にあると述べた。

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欧州連合理事会はスワイダー県での武装勢力による民間人殺害などの暴力を強く非難(2025年7月24日)

欧州連合理事会は、声明を出し、スワイダー県での武装勢力による民間人殺害などの暴力を強く非難、透明性があり、信頼性と公平性を備えた調査の実施を強く求め、国際人道法および人権法の重大な違反行為の加害者がすべて、関係する国際的な仕組みの支援も受けつつ、責任を問われ、法の下に裁かれるべきであると表明した。

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シャルア移行期政権の高官筋はパリで行われたシリア民主軍との交渉での政権側の姿勢を批判(2025年7月24日)

アフマド・シャルア移行期政権の高官筋は、イフバーリーヤ・チャンネルに対して、フランスのパリで行われたシリア民主軍との交渉での政権側の姿勢について以下の通り述べた。

・シリア国家は、国家の統一と主権的機関の原則に反するような、威圧や事前条件の押し付けに基づくいかなる言説も、過去にも将来にも受け入れない。
・真の国民対話は、武力による圧力の下ではなく、いかなる外部勢力にも頼らず、国家の統一とシリア国家の権威への完全なコミットメント、そして正統な機関への忠誠を通じてのみ実現される。
・「武器の放棄拒否」や「軍事ブロックの維持」といった主張は、完全に受け入れがたいものであり、統一国家軍の構築原則や、今年3月にアフマド・シャルア暫定大統領とマズルーム・アブディそうしれ間との間で署名された合意の基本と矛盾している。
・シリア軍機構の外にあるいかなる軍事組織も、国家にとって正当なものとは見なされず、武装の継続や国家機関からの分離を維持しようとするいかなる試みも、緊張と分断を深める道であり、包括的な国家的解決にはつながらない。
・スワイダー県や沿岸地域での出来事を口実に、国家機関への統合拒否やその意図を疑う行為は、断じて非難されるべきであり、世論を扇動し、事実を歪曲しようとする露骨な試みを反映している。
・シリア国家は、あらゆる困難にもかかわらず、スワイダー県での流血や内乱を防ぐために多大な努力を払い、引き続き全県でその国民的役割を果たしており、いかなる構成員の違いによっても区別を行っていない。
・シリア国民のアイデンティティは、特定の地域や軍事組織から形成されるのではなく、一つの憲法と統一された国家機関を有する国家への帰属を通じて築かれるものである。
・「独自のアイデンティティ」への呼びかけは、国民性の原則と矛盾し、いかなる状況下でも容認されない分離主義的な呼びかけである。
・シリア国家は、責任から逃れたことはなく、常に祖国の全人民を差別なく保護する唯一の当事者であり続け、平和と安定の実現に向けて、国民すべてとの対話を継続する。
・シリア政府は、持続的な政治的解決への唯一の道は、国家の庇護下へ戻り、いかなる先入観的条件や武力による脅迫、外部プロジェクトへの依存から離れた形で、国家主権と領土一体性の下で真剣な国民対話を開始することにあると強調した。

**

なお、アラビーヤ・チャンネルは23日、速報でシリア民主軍のマズルーム・アブディー総司令官がアフマド・シャルア移行期政権の関係者と会談するため、フランスの首都パリに到着したと報じていた。

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イスラエル軍報道官:クナイトラ県ハドル村地域で前線移動型医療施設の稼働を再開(2025年7月24日)

イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、Xを通じて、以下の通り発表した。

第210師団と医療部隊の部隊は、シリア南部のハドル村地域において、数週間閉鎖されていた前線移動型医療施設の稼働を再開した。この施設は、負傷者の選別および治療の提供を目的として設置されている。
この医療施設は、広範な医療対応を提供し、一般診療および外傷治療の両分野において多様な医療サービスを提供するものであり、同地域に暮らすシリア人ドゥルーズ派住民のためのものである。

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シリアの政治活動家、有識者らがシリア救国戦線を結成し、反体制派の統一と民意の回復を主唱(2025年7月24日)

シリア人権監視団ダルアーの囚人などによると、シリアの政治活動家、有識者らが、シリア救国戦線の結成を発表した。

同戦線は、現状をシリア史における「分岐点かつ決定的瞬間」と強調、反体制派の統一と民意の回復を主唱した。

マンスール・アブドゥッラーがXに転載した発足声明では、暫定憲法宣言の修正と3ヵ月以内に新たな国民会議の開催を現下の要求だとしたうえで、アフマド・シャルア移行期政権に対して今後以下の措置を講じるよう求めている。

1. スワイダー県における完全かつ恒久的な停戦の実施、医療・救援物資の迅速な直接搬入(市街地・村落・部族地域含む)、人的・物的損失への具体的な補償措置の即時実施。
2. 民間・人権・アラブ・国際機関の監督のもとで、すべての当事者による攻撃と違反行為の再発防止の保証。
3. あらゆる住民の強制移住の即時停止、シリア国内におけるいかなる人口構成の強制変更の非難、すべてのシリア人が自らの土地と家に戻る権利の承認。武力による事実変更はすべて違法かつ非難されるべきであり、法律によって処罰されるべきである。
4. 国家枠組み外のすべての武器を非合法と見なし、すべての軍事勢力は新たなシリア国家に武器を引き渡す義務を負うことを明確に宣言。この武装解除プロセスは、速やかに開催される全国包括会議のもとで時期と手続きが定められる。
5. 独立・中立的な調査委員会の設立。これは、人権団体およびその独立性と信頼性が認められたシリア市民社会組織からの代表者、人権専門家、監視員で構成される。
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37台の貨物車輛からなる米主導の有志連合の車列がイラク・クルディスタン地域からシリアに入り、カスラク村にある基地に物資を輸送(2025年7月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、37台の貨物車輛からなる米主導の有志連合の車列が、イラク・クルディスタン地域からシリアに入り、カスラク村にある基地に物資を輸送した。

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ハサカ県アリーシャ・キャンプに収容されていた国内避難民(IDPs)45世帯231人がダイル・ザウル県に帰村(2025年7月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア地域民主自治局の管理下にあるアリーシャ・キャンプに収容されていた国内避難民(IDPs)45世帯231人がダイル・ザウル県に帰村した。

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ラタキア県、ヒムス県でアラウィー派住民が相次いで殺害(2025年7月24日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市内のサラーフッディーン地区で、正体不明の武装グループの銃撃で前政権の諜報活動に関与していたとされる3人が殺害された。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザーヒラ・ジャディーダ地区にある診療所で、医師が正体不明の武装グループによって殺害された

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、スクービーン村で、前日に消息を絶っていた50歳代のアラウィー派の男性が、同村の軍関係施設の南側の監視所前で銃弾3発を受けて死亡している状態で発見された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャルカリーヤ村のアラウィー派の住民2人が放牧中に正体不明の武装グループの銃撃を受け死亡した。

これを受けて、シャルカリーヤ村の住民は、タイヤを燃やして道路を封鎖するなどの抗議活動を行った。

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イドリブ県フーア市東のマアッラトミスリーン市近郊にあるトルキスタン・イスラーム党の弾薬庫で爆発が発生し、少なくとも12人が死亡(2025年7月24日)

イドリブ県では、シリア人権監視団は、フーア市東のマアッラトミスリーン市近郊にあるトルキスタン・イスラーム党の弾薬庫で爆発が発生し、少なくとも12人が死亡した。

死者の中には女性1人、子ども1人、身元不明の2人が含まれており、負傷者はおよそ107人にのぼるという。
シリア人権監視団によると、爆発は、所属不明の航空機が上空を飛行する中で起きた。

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ムスタファー情報大臣は西側メディアの記者らの報道姿勢を批判(2025年7月24日)

ハムザ・ムスタファー情報大臣は、Xを通じて、以下のように述べ、西側メディアの記者らの報道姿勢を批判した。

多くの報道は東洋主義的な語り口に彩られ、方法論的な欠陥が見られた。その多くは、事前に形成されたイデオロギー的立場に起因しており、微妙なひいきから不当な敵意に至るまでの幅を持っていた。シリアの複雑な現状に耳を傾けるのではなく、多くの記者たちは最初から決めてかかった印象を再確認するために現地入りし、情報省が提供した支援や便宜も無視された。
シリアは決して完璧を主張しているわけではなく、自らの欠点を率直に認めている。しかし、広い文脈を無視し、狭く定型的な物語に依拠する姿勢は、状況をより深く、公正かつ包括的に理解しようとする誠実な試みを損なうものだ。

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2025年7月13日以降のスワイダー県での戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃などでの死者は21日の段階で1,386人に(2025年7月24日)

スワイダー軍事評議会のターリク・シューフィー司令官は、ANHAのインタビューに応じ、スワイダー県の現地状況は依然として安全ではないとしたうえで、「攻撃側は停戦を守っておらず、戦線に接する村々で無辜の市民を標的とした複数の違反行為が、音声と映像で記録されている」と語った。

シューフィー司令官はまた、「これらの違反行為の責任は、政府軍に支援された部族勢力にある」と非難、「組織的なジェノサイドや宗派を背景とした民間人の逮捕・処刑」に関する報告書を、すでに複数の国際機関に提出したことを明らかにした。

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シリア人権監視団によると、2025年7月13日以降のスワイダー県での戦闘、処刑、イスラエル軍の爆撃などでの死者は、21日の段階で1,386人となった。

内訳は以下の通り。
・スワイダー県出身者:657人(うち民間人124人、子ども10人、女性24人)
・国防省・内務省治安部隊要員:469人(うちベドウィン部族出身40人、レバノン人戦闘員1人)
・イスラエル爆撃により死亡した兵士:15人(国防・内務省所属)
・イスラエル爆撃により死亡した民間人:3人(うち女性1人、身元不明2人)
・記者1人が戦闘中に死亡
・国防・内務省の要員による即決処刑犠牲者:238人(うち女性30人、子ども8人、高齢男性1人)
・ドゥルーズ派武装勢力によるベドウィン住民の即決処刑:3人(うち女性1人、子ども1人)





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SANAによると、ダルアー県は、スワイダー県内で拘束されていたベドウィン部族出身の家族248人を受け入れた。

受け入れられた人々の大半は女性と子ども。

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シリア・サウジ投資フォーラムが首都ダマスカスの人民宮殿で開催:総額60億ドルにおよぶ46件の協定および覚書が締結(2025年7月24日)

SANAによると、シリア・サウジ投資フォーラムが首都ダマスカスの人民宮殿で開催され、ムハンマド・バシール・エネルギー大臣、シリア中央銀行のアブドゥルカーディル・フスリーヤ総裁、アレッポ県のアッザーム・ガリーブ知事、シリア商業会議所連合のアラー・アリー会長、サウジアラビアのハーリド・ビン・アブドゥルアズィーズ・ファーリフ投資大臣、サウジアラビアの実業家らが出席し、アフマド・シャルア暫定大統領立ち合いのもと、ファイハー白セメント製造工場プロジェクト、デジタル化プロジェクト、サウジ証券取引所ととダマスカス証券取引所による金融データ連携投資ファンド創設、ヒムス県での社会還元型巨大プロジェクト、カシオン山の観光都市、文化都市、医療都市、メトロプロジェクトなど、総額60億ドルにおよぶ46件の協定および覚書が締結された。

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SANAによると、シリアのムハンマド・ニダール・シャッアール経済産業大臣とサウジアラビアのハーリド・ビン・アブドゥルアズィーズ・ファーリス投資大臣は、ダマスカス郊外県のアドラー工業都市で、シリア初となるファイハー白セメント製造工場プロジェクトの着工式に出席した。

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米下院の金融サービス委員会はシーザー法の廃止ではなく、修正を目的とする法案を可決(2025年7月23日)

イナブ・バラディーによると、

米下院の金融サービス委員会は7月22日(シリア時間23日)、シーザー・シリア市民保護法(シーザー法)の修正を目的とする法案(H.R. 4427)を可決した。

同法案には、制裁法の延長が盛り込まれており、賛成31票、反対23票で通過した。

反対票を投じた議員らは、法律の全面撤廃を求めた。

法案の条文の内容は以下の通り。

第1条:略称
本法律は「2025年シリア制裁説明責任法(Syrian Sanctions Accountability Act of 2025)」と名づけられる。
第2条:シリア商業銀行に対する特別免除の見直し
本法律の公布日から360日以内に、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)の長官は、下院金融サービス委員会および上院の銀行・住宅・都市問題委員会に対し、以下の内容を含む報告を行わなければならない:
1. 2025年5月23日にシリア商業銀行に付与された特別免除の影響評価。これには、その免除が米国の国家安全保障や外交政策の目的にかなっていたかどうかの評価が含まれる。
2. 特別免除の継続または修正、あるいは同銀行に関する結論の変更が妥当かどうかに関する勧告。
第3条:国際通貨基金および世界銀行における措置
(a)一般規定:
財務長官は、国際通貨基金(IMF)および国際復興開発銀行(世界銀行)の米国代表理事に対し、以下の事項を支援するよう、その発言権と投票権を行使するよう指示するものとする:
1. シリアにおける健全なデータ報告および定期的な経済監視体制の回復。
2. シリア政府への技術支援の提供。これは、金融通信の改善、マネーロンダリング防止、兵器拡散防止、腐敗対策の強化に資するものであり、国際基準に準拠することが求められる。
3. シリアにおける経済成長の優先課題に取り組むための戦略。
(b)議会への報告義務:
この法律の公布から180日以内、そしてその1年後に、財務長官は上下両院の金融サービス委員会および外交委員会に対し、前述の活動に関する報告を行う義務がある。
(c)失効規定:
本条の規定は、この法律の公布から2年後に失効する。

第4条:米国輸出入銀行によるシリアへの制限の見直し
この法律の公布から180日以内に、米国輸出入銀行総裁は次の措置を取らなければならない:
1. シリアに対する既存の制限措置が引き続き妥当かどうかの判断を行う。
2. この判断に関する報告を、下院金融サービス委員会および上院銀行・住宅・都市問題委員会に提出する。
第5条:シリア政府に対する制裁の修正
2019年に制定されたシーザー法は、以下の通り修正される:
(1) 第7431条(a) の修正:
〇「180日以内で再延長可能な期間」という文言を削除する。
〇以下の項目(1)~(4)が要件として適用される:
1. シリアの領空が、もはや焼夷弾(ナパーム弾など)、樽爆弾、化学兵器、従来兵器(航空ミサイルや爆弾を含む)を用いて民間人を標的とするために政府によって使用されていないこと。
2. シリア政府の支配地域が、国際支援から遮断されることなく、安定的に人道支援を受けており、移動の自由や医療へのアクセスが保障されていること。
3. シリア政府がすべての政治犯を強制拘束から解放し、国際的な人権団体が拘禁施設を完全に調査できるようにしていること。
4. 政府軍が、医療施設、学校、住宅地、市場などの集会所を意図的に攻撃していないこと(国際基準への違反がないこと)。
〇上記に加え、以下の2項目が新たに追加される:
・シリア政府が、違法薬物カプタゴンの製造および国際的拡散への対策において、検証可能な措置を講じていること。
・シリア政府が、宗教的少数派を違法に標的にしたり、司法手続きを経ずに拘束したりしていないこと。
(2) 第7432条の修正:
〇「再延長可能な期間の指定」に関する文言を削除。
〇「免除が継続している間、180日ごとに報告書を提出する義務」に関する規定を削除。
(3) 第7438条:失効日について
この条項では、シーザー法修正の有効期限が以下のいずれか早い方によって終了することが定められている:
1. 米大統領が、第7431条(a)の条件1〜8が、連続2年間にわたりシリア政府によって満たされたことを示す報告書を議会に提出した日から30日後。
2. あるいは、2029年12月31日。

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第30回日・EU定期首脳協議は声明で「平和で包摂的で安定した政治的な未来に向けて努力するシリアの人々への支援」を表明(2025年7月23日)

石破茂内閣総理大臣は、訪日中のアントニオ・コスタ欧州理事会議長およびウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長との間で、第30回日・EU定期首脳協議を行った。

外務省によると、共同声明ではシリア情勢について以下の通り言及がなされた。

25. 日本とEUは、中東における地域の平和と安定の促進にコミットしている。我々は、ガザにおける即時かつ恒久的な停戦の実現、全ての人質の解放及び人道的行動の原則に沿った、ガザへの人道援助の妨げのない流入へのコミットメントを再確認する。我々は、全ての当事者が常に、人道支援従事者を含む全ての民間人の保護を確保しなければならないことを想起する。我々は、二国家解決に基づく永続的で持続可能な和平を追求することの重要性を強調する。我々は、西岸地区の情勢の更なる悪化を強く非難する。我々は、平和で包摂的で安定した政治的な未来に向けて努力するシリアの人々への支援を表明する。我々はまた、レバノンの安定化、復興及び改革に向けた努力への支援を表明する。

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