シリア・アラブ戦線は発足声明を発表し、テロリストによる統治、外国の占領を拒否、国連安保理決議第2254号に沿った移行期の実施を主唱

シリア・アラブ戦線は、アサド政権崩壊以前のシリア・アラブ軍創設記念日にあたる8月1日に合わせて、フェイスブックを通じて発足を宣言する映像を公開した。

映像ではまず、ファーティマ・ジャイルーディーヤ氏がまず、シリア・アラブ軍創設記念日に寄せて、過去14年にわたるシリアに対する戦いを「世界が経験した最も苛烈で強大な戦争」と位置づけたうえで、軍の犠牲は「一時の敗北によって消し去られるものではない」と断じ、「アッラーの戦士たちは、この大地から消え去ることはない」としたうえでシリア・アラブ戦線の名の下に、「祖国の復活」を宣言すると表明した。

続いて、ジャイルーディーヤ氏は発足声明(声明第1号)を読み上げた。

声明の内容は以下の通り:

標語・スローガン:祖国、名誉、忠誠

原則と目標

第1 国土の解放と国家主権の回復
1. 複数の占領勢力に占領されているシリア・アラブの国土を、いかなる例外もなく解放する。なかでも、ゴラン高原に対するイスラエルの占領と、国家崩壊後にイスラエルが拡張したシリア領土のすべてを解放する。これは、シリア・アラブ共和国の全領土に対する主権を回復し、シオニスト、トルコ、米国によるものを含め、あらゆる形態の占領、介入、支配、および外国勢力によるシリア支配を終わらせるためである。また、外国勢力のさまざまな利益と野心に従って、シリアを外国勢力間の影響力争いや紛争の舞台に変えることを拒否する。
2. シリアを分断して弱体化させ、その国民を服従させ、資源を略奪し、シオニスト・米国・NATOの計画の野心に従属する脆弱な断片へと変えることを目的とした、分割、分離、恒久的勢力圏の計画を拒否する。また、シリア国民の利益、自由、主権に反する、いかなる外国勢力の野心も拒否する。
3. シリア国民だけが正統性の源泉であり、憲法上の手段と自由で公正な選挙を通じて、自らの指導部を選び、将来を形作る権利と決定権を有することを確認する。ゆえに、「革命」と呼ばれるものすべてを含む、外国に従属する革命政権は、権力を強奪し、主権を放棄し、国土とそのすべての能力を、祖国の自由と国民の尊厳を犠牲にして、占領者とその野心に引き渡すという祖国の敵の計画を実行する道具にすぎない。
4. 関連する国際的な準拠枠、とりわけ国連安保理決議第2254号に即して、公正かつ包括的な移行を実現する国民的政治プロセスに従って活動する。同決議は、恣意的な解釈を許さない法的枠組みであり、安保理自体が同決議を廃止する決定を行わない限り、誰も無視することのできない国連の準拠枠である。同決議は、すべての構成主体が参加する18ヵ月間の移行期政権が依拠する有効な統治の枠組みとなる。この期間に新憲法を制定し、1年半以内に国民投票に付す。軍と治安機関を再編し、18ヵ月の期間が終了した時点で議会選挙と大統領選挙を実施する。同決議は国家崩壊後に出されたものではなく、爆発的事態を回避するとの名目で、存続していた政権に履行を迫るために採択された。これは今日の状況にも当てはまる。権力の強奪はシリアの問題を解決せず、国内の爆発的事態を防ぐこともない。テロ組織の指導者たちが自らの首領を大統領として忠誠を誓う行為に、正統性を与えるものでもない。したがって、このプロセス全体は、外国に従属する、テロリストによる非合法な革命政権が消滅した後に始まる。我々が提案する新憲法には、本戦線の構想に示された条項が盛り込まれる。

第2 国家と市民権
1. シリアのアラブ人としての奥行きは、シリアの力を構成する最も重要な基盤の一つであり、歴史の深部に根差し、広がりを持つアイデンティティへの帰属であることを確認する。ただし、これはシリア国民を構成するいかなる民族または集団も、帰属、固有性、あらゆる権利と義務における平等から排除することを意味しない。
2. 正当かつ公正なアラブの諸問題、とりわけパレスチナ問題を擁護するうえで、シリアが歴史的、戦略的に果たしてきた役割を再び確立する。
3. 平等な市民権、法の支配、司法の独立、公共の自由ならびに意見・表現の自由の保護に基づく、近代的な民主主義シリア国家を建設する。宗派主義、人種差別、憎悪言説を排し、すべてのシリア人の間で平等と機会均等を確立する。宗教、宗派、民族、政治的帰属を理由とするいかなる差別も認めない。ただし、政治的帰属については、それが主権と尊厳の本質、および敵に対する明確な立場に反しないことを条件とする。
4. 自由な市民権の基準に即して、シリアのすべての人々の文化的、社会的、政治的、宗教的、民族的多様性を等しく尊重する。シリア社会のあらゆる集団と多様な特色が織り成す、多様性と調和の姿を豊かにするものを尊重し、市民権と国民統合の枠内で、シリア社会を構成するすべての集団を尊重して、その完全な権利を保障する。
5. 行政と地域開発の効率を高めると同時に、シリア国家の統一と主権を維持する行政的地方分権を採用する。

第3 正義と国民和解
1. シリア・アラブ戦線は、アラウィー派、ドゥルーズ派、クルド人、キリスト教徒、スンナ派を含むシリアの各構成主体が被った犯罪と重大な人権侵害の案件を、あらゆる能力を用いて国際的な司法機関と法廷に提出する。その一部、とりわけアラウィー派とドゥルーズ派に対するものは、ジェノサイド犯罪の水準に達した。これらには、女性の奴隷化、包囲、拉致など、人類にとって恥ずべき犯罪が伴った。あらゆる神聖なものを侵し、あらゆる一線を越えたテロリストに公正な処罰を科す。シリアを構成するすべての集団の保護は、最も重要な国民的義務だからである。
2. 拉致された者、行方不明者、強制失踪者全員の消息を明らかにし、テロリストの刑務所に恣意的に拘束されている人々の釈放に取り組む。家族が自らの子らの消息と、彼らに何が起きたのかという真実を知る権利を保障し、その責任者の責任を追及する。
3. 教会や聖廟を含む礼拝所と宗教的聖地に対して行われた攻撃を記録し、公正な司法手続きを通じて、その責任者の責任を追及する。
4. 被害者とその家族の権利を保障し、略奪された財産を取り戻し、不当な解雇を受けた人々の問題に対処する。また、シリアを支配するテロ勢力が所有者から略奪し、または領土拡張や占領の野心を抱く外国勢力の利益のために担保とした土地、不動産、財産について、所有者の権利を保護する公正な法的制度を設ける。
5. いわゆる「キャンプ」の現状への対処に取り組む。そこでは、シリア国民が悲惨な状況下で苦しんでいる。彼らは利用され、国家に対する非難と攻撃を引き起こす道具へと変えられた。その後、外国に従属するテロリストの革命政権とその支援者によって利用価値を失うと、困窮、飢餓、貧困の爪の間に放り出された。
6. あらゆる能力を用い、信頼性と真剣さを備えたすべての関係当事者と協力し、シリアから避難した人々の安全で公正な帰還に取り組む。帰還者の安全と権利を保障し、虚偽と欺瞞が明らかになった偽りの人道的主張を掲げる外国の計画のために、避難民とその苦痛が利用されることを防ぐ。
7. 真実、正義、責任追及、被害回復に基づく包括的な国民和解を実現し、信頼を再構築して、国家と社会の統一を維持する。

第4 軍、治安、主権
1. シリア軍はシリアのすべての人々から構成される統一された国民軍であり、宗教的、民族的な性格に左右されない。シリアを包摂するアイデンティティを反映し、祖国、その主権、領土の一体性を守るという重い誓いを担う。軍は国土を囲む防壁であり、名誉を担い、国家を守る砦であり、主権の誇りであり、存在の威厳である。
2. 国民を保護し、その権利を守ることを保証するため、専門的かつ法的な原則に基づいて国の治安機関を再建する。

第5 経済、開発、国家資源
1. 経済を再生し、すべてのシリア人に尊厳ある生活のための必要条件を確保する包括的な国家計画を開始する。国の富と資源を保護し、国益に反する形での浪費や処分を防止する。
2. 汚職と闘い、戦争で破壊されたものを復興し、シリア全土を対象とする均衡ある開発の基盤を構築する。
3. シリアの遺跡と文明遺産を保護し、略奪された文化財の回収に取り組み、その違法取引を防止する。

第6 政治と対外関係
国家の意思決定の独立とシリアの主権を完全に堅持しつつ、相互尊重と共通利益に基づく、各国との均衡ある政治関係を構築する。

続いて、アドナーン・アッザーム氏(フランス)、アラー・ハッザーニー氏(オランダ)、ワスィーム・ハラスターニー氏、ラマー・ムーサー氏(カナダ)、サラーフ・サラーマ氏(エジプト)が戦線の正式な発足に合わせて演説を行った。

そのうえで、ジャイルーディーヤ氏が、自身が事務総長に、シリアの夜明け運動の総監であるアキール・ハナーヌー氏が事務次長に、アドナーン・アッザーム氏が事務局長に任命されたと発表、また戦線の各評議会と活動体系における名称、役職、任務については、数日中に順次明らかにすると付言した。

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シリア・アラブ戦線はフェイスブックを通じて、シリアの暁運動が戦線に参加したことを宣言した声明を発表した。

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