『サフィール』(8月5日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団の襲撃を率いたとされるダーイシュ(イスラーム国)のアミール、アブー・ハサン・フィラスティーニー氏が、シリアのダマスカス郊外県カラムーン地方無人地帯での軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員との戦闘で死亡した、と報じた。
アルサール村襲撃に関しては、シャームの民のヌスラ戦線の武装集団によるものとの報道が主流である。
だが、襲撃のきっかけとなったレバノン軍による摘発活動で、8月3日に逮捕されたイマード・アフマド・ジュムア氏(シリア人)が率いるイスラームの暁大隊もダーイシュに忠誠を誓っており、アルサール村での混乱は、ヌスラ戦線、イスラーム戦線といった武装集団が対シリア・レバノン国境で連携関係を保っていることを示すことになった。
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ベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団の襲撃に伴うレバノン軍と武装集団の戦闘は4日目を迎え、レバノン軍によると4日間で死者総数は16人、負傷者総数は86人となった。
ARA News(8月5日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村を襲撃した武装集団(シャームの民のヌスラ戦線)とレバノン軍の停戦を仲介するためにアルサール村に向かっていたウラマー委員会の使節団が武装集団の襲撃を受け、団長のシャイフ、サリーム・リファーイー氏ら5人が負傷した。
負傷したウラマー委員会一行は、武装集団との交渉を行い、ナハールネット(8月5日付)によると、同日晩にはレバノン軍と武装集団の停戦合意が成立した。
停戦合意は、武装集団が拘束した兵士・内務治安郡総局隊員の釈放、外交人武装集団のアルサール村一帯からの撤退などを骨子としていた。
MTV(8月5日付)によると、戦闘に参加していない武装集団メンバー約3,000人がアルサール村一帯からの撤退の意思を表明していた。
だが、停戦合意成立の数時間後、武装集団はアルサール村のワーディー・ラアヤーンとワーディー・アターの軍検問所を襲撃し、合意を反故にした。
またNNA(8月5日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)が同地一帯に検問所を設置し、住民の移動を制限したという。
一方、ナハールネットによると、武装集団によって拉致されていた内務治安軍総局の隊員2人が解放された。
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ムスタクバル潮流は声明を出し、ベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団の襲撃に関して、「ヒズブッラーとその同盟者にアルサール村の事件の責任の多くがある」と批判した。
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ヒズブッラーは声明を出し、ベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団の襲撃に関して「ヒズブッラーはアルサールの事件に介入していない」と述べ、同村の攻略への参加を否定した。
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自由国民潮流代表のミシェル・アウン議員(元司令官)は、変化改革ブロックの定例会合後、ベカーア県バアルベック郡アルサール村への武装集団の襲撃に関して「テロリストと交渉すべきではないと警告する。我々はダーイシュ(イスラーム国)ではなく、むしろダマスカス(シリア政府)と交渉すべきだ」と述べた。
アウン議員はまた「シリアとの交渉は双方(シリアとレバノン)の国益になる…。国境警備はレバノンとシリアの責任であり、二国間の過去の合意に基づくものだ」と付言した。
ナハールネット(8月5日付)が伝えた。
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シリア民主主義者連合(シリア革命反体制勢力国民連立)は声明を出し、レバノンのベカーア県バアルベック郡アルサール村へ武装集団(シャームの民のヌスラ戦線、ダーイシュ(イスラーム国)の襲撃とレバノン軍との交戦に関して、「国内の戦いを国外に持ち込むことを拒否する」と発表した。
AFP, August 5, 2014、AP, August 5, 2014、ARA News, August 5, 2014、Champress, August 5, 2014、al-Hayat, August 6, 2014、Kull-na Shuraka’, August 5, 2014、August 6, 2014、al-Mada Press, August 5, 2014、MTV, August 5, 2014、Naharnet, August 5, 2014、NNA, August 5, 2014、Reuters, August 5, 2014、al-Safir, August 5, 2014、SANA, August 5, 2014、UPI, August 5, 2014などをもとに作成。
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