ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動、自由シリア軍南部戦線などがダルアー市に設置した「南部の嵐の戦い」作戦司令室本部をジハード主義武装集団が攻撃し、本部にいた複数名が負傷、また本部の外に駐車されていた車複数台が破壊された。
クッルナー・シュラカー(6月28日付)によると、作戦司令室を攻撃したのは、タフリール旅団を名乗る武装集団で、「司令官らの殺害が目的ではなく、司令官らを脅迫し、行動を促し、作戦司令室から戦場に彼らを駆り立てようとした」のだという。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月28日付)によると、ダルアー市攻略に向け「南部の嵐の戦い」作戦を継続する「革命家」(自由シリア軍南部戦線、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団)が、ダルアー市郊外のマディーナ・リヤーディーヤ地区に対してロケット弾攻撃を行い、パノラマ兵舎に設置されていたシリア軍作戦司令室を破壊、司令官の1人ニダール・スライマーン准将らを殺害した。
クッルナー・シュラカー(6月28日付)によると、シリア軍はこれに対して、ハウラーン法務局が刑務所として利用していた建物を「樽爆弾」などで空爆し、シリア政府に協力したとして拘置されていた収監者、窃盗犯、殺人犯ら多数が脱走、またシリア人権監視団によると、シリア軍はブスル・ハリール市一帯に対しても砲撃を行った。
なお、シリア人権監視団によると、25日に本格化したダルアー市での攻防戦では、ヌスラ戦線側の戦闘員70人、シリア軍側の兵士・戦闘員34人が死亡しているという。
他方、SANA(6月28日付)によると、シリア軍がダルアー市北東部郊外のシャイフ・フサイン丘でシャームの民のヌスラ戦線の戦闘員ら数十人を殲滅し、同地を制圧した。
またダルアー市内の電力会社一帯でハウラーン殉教者旅団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ダマスカス郊外県東グータ地方から反体制武装集団(イスラーム軍)が撃ったと思われる迫撃砲弾1発がアマーラ地区に着弾し、住民4人が死亡、13人以上が負傷した。
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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ハドル村の南西部一帯で、シリア軍、国防隊が、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。
一方、SANA(6月28日付)によると、ジャバーター・ハシャブ村、タルジャナ村、アフマル丘一帯、クナイトラ市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、サアラ航空基地に近いシャイフ・フサイン丘一帯で、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦、またシリア軍はカスル村一帯を砲撃した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がキスワ市郊外農園地帯を砲撃する一方、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。
またシリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員は、ザブディーン村・ダイル・アサーフィール市回廊で交戦した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、フーシュ・ハッジュー村、マシュラファ村一帯で、シリア軍、国防隊がシャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、シリア軍が同地一帯を砲撃した。
一方、SANA(6月28日付)によると、ザアフラーナ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ヒムス軍団、ファールーク大隊の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がハージブ村、マギーラート・シブリー村を「樽爆弾」で空爆する一方、ワディーヒー村近郊のマフルーカート丘一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団(パレスチナ人)がジハード主義武装集団と戦闘を続けた。
またアレッポ市内では、シリア軍、バアス大隊が、ハーリディーヤ地区、ライラムーン・シャイハーン回廊、サラーフッディーン地区でジハード主義武装集団と交戦した。
このほか、アレッポ市ハラク地区をシリア軍が「樽爆弾」で空爆し、子供4人と女性1人を含む7人が死亡した。
一方、SANA(6月28日付)によると、アアザーズ市、ウワイジャ地区、タームーラ村、シャワーヤー丘、ファーフィーン村、ナイラブ航空基地西部、アレッポ市ザバディーヤ地区、ハナーヌー地区で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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ハマー県では、SANA(6月28日付)によると、ジャンナト・クラー村、アイン・ハンムラー村、カストゥーン村、フワイジャ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ファトフ軍の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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イドリブ県では、SANA(6月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、マジャース村、タッル・サラムー村、ウンム・ジャリーン村をシリア軍が空爆し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
一方、ARA News(6月28日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線がインターネットを通じて声明を出し、ダーナー市などの支配地域の裕福な住民に対して、ザカートを支払うよう通達し、資金面での支援を求めた。
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ラタキア県では、SANA(6月28日付)によると、ザーヒヤ山一帯、カトフ・ルンマーン村、サルマー町、カスブ村、ダルーシャーン村、ラウダ村、キンサッバー町一帯をシリア軍が攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, June 28, 2015、AP, June 28, 2015、ARA News, June 28, 2015、Champress, June 28, 2015、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2015、al-Hayat, June 29, 2015、Iraqi News, June 28, 2015、Kull-na Shuraka’, June 28, 2015、al-Mada Press, June 28, 2015、Naharnet, June 28, 2015、NNA, June 28, 2015、Reuters, June 28, 2015、SANA, June 28, 2015、UPI, June 28, 2015などをもとに作成。
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