西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は声明を出し、25日のダーイシュ(イスラーム国)によるアイン・アラブ市奇襲・侵入の詳細を公表した。
同声明によると、「傭兵」(外国人)からなるダーイシュ戦闘員が25日早朝、「自由シリア軍」の軍服を着て、「革命旗」(委任統治領シリアの旗)を掲げてスィッリーン町方面からアイン・アラブ市南部から市内中心部に侵入する一方、トルコ国境(ミュルシトプナル国境通行所)からも別働隊が市内北部に侵入したという。
アイン・アラブ市に潜入したダーイシュ戦闘員の数は80~100人におよび、市内中心部に着くや、女性、子供、老人、そして男性数十人を殺害し、民間人数十人を人質にとったという。
これを受け、人民防衛隊、女性防衛部隊、そしてアサーイシュが大規模な掃討作戦を開始し、3日間の戦闘でダーイシュ戦闘員のほとんどを殲滅、1人を逮捕、7人がトルコ領内に、8人がアイン・アラブ市南部に敗走したという。
アイン・アラブ市南部に敗走したダーイシュ戦闘員8人はその後、人民防衛隊により全員殺害されたという。
3日間に及ぶ戦闘では、民間人233人が死亡(うちアイン・アラブ市での死者は210人、バルフ・ブーターン村での死者は23人)、273人が負傷したという。
AFP, June 28, 2015、AP, June 28, 2015、ARA News, June 28, 2015、Champress, June 28, 2015、al-Hayat, June 29, 2015、Iraqi News, June 28, 2015、Kull-na Shuraka’, June 28, 2015、al-Mada Press, June 28, 2015、Naharnet, June 28, 2015、NNA, June 28, 2015、Reuters, June 28, 2015、SANA, June 28, 2015、UPI, June 28, 2015などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.