ロシアの仲介によるシリア政府とイスラーム軍の停戦交渉が決裂(2015年11月19日)

シリア人権監視団は、ダマスカス郊外県東グータ地方で、シリア政府と反体制武装集団との間で行われていた停戦交渉が決裂したと発表した。

決裂の理由は明らかでないという。

『ハヤート』(11月18日付)は、複数の消息筋の話として、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動するイスラーム軍が、ロシアとの間で1週間の停戦に向けた交渉を行っている、と伝えていた。

また、『ハヤート』(11月20日付)は、停戦交渉が、戦闘停止期間を15日間とするかたちで進められ、18日早朝に戦闘は収束に向かっていたと伝えた。

これに関して、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、最終合意を見越して、ドゥーマー市とハラスター市の前線で早朝の数時間に戦闘が収まっていたとしたうえで、「両当事者の接触は続いている」ことを明らかにした。

アブドゥッラフマーン代表によると、停戦は19日の午前6時に発効する予定だったが、「人道支援、反体制武装集団が拘束しているアラウィー派の人質の釈放をなどをに関する合意文書について当事者間で意見が対立」し、合意は見送られたという。

またシリア人権監視団によると、シリア政府との停戦交渉にあたっているのは、東グータ地方における最大武装勢力と目されているイスラーム軍で、「武装集団を支援する諸当事者との接触にロシアが直接的な役割を果たしている」という。

イスラーム軍はサウジアラビアと親密な関係にあり、このことからシリア軍と東グータ地方のジハード主義武装集団の停戦交渉が、ロシアだけでなく、サウジアラビアの仲介のもとで行われていることがうかがえる。

また、イスラーム軍は、ロシア軍によるシリア領内での空爆作戦の開始を受け、アラウィー派の人質を「人間の盾」として利用すると発表、その画像を公開していた(http://syriaarabspring.info/?p=23823)。

これに対して、シリアの治安機関高官筋も「接触は続けられており…、結果が出るまでには数日、ないしは数週間かかるだろう」と述べた。

そのうえで「我々は流血を止めるためのいかなる関係正常化に対しても開放的な姿勢をとっている」と付言した。

一方、クッルナー・シュラカー(11月19日付)は、匿名筋の話として、東グータ地方での停戦交渉の詳細に関して、戦闘停止期間が11月19日の午前6時から15日に設定され、この期間に停戦違反がなければ期間を延長するかたちで交渉が進められていたと伝えた。

同匿名筋によると、交渉は、イスラーム軍とロシアの高官との間で行われているという。

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シリア政府とイスラーム軍の停戦交渉決裂を受け、シリア人権監視団によると、シリア軍戦闘機がダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市各所を5回にわたり空爆し、子供2人、法医学者1人を含む6人が死亡した(シリア人権監視団がその後20日に発表したところによると12人)。

シリア軍はまた、アルバイン市、ハッザ町、ハッザ町・ハムーリーヤ市街道一帯を6回にわたり空爆した。

このほか、シリア軍はダーライヤー市、ダイル・マクラン町・イフラ村街道一帯に対しても砲撃を加え、ダーライヤー市には「樽爆弾」22発が投下された。

一方、マルジュ・スルターン村一帯では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦、ワーフィディーン難民キャンプ各所に迫撃砲弾複数発が着弾した。

他方、SANA(11月19日付)によると、シリア軍がドゥーマー市、ハーン・シャイフ・キャンプ一帯でイスラーム軍などの反体制武装集団の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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これに対して、ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マズラア地区で爆弾の爆発によると思われる爆音が聞こえ、これと時を同じくして同地区、サンマーナ地区、アダウィー地区、ザブラターニー地区、ダマスカス大学機械電気工学部キャンパス一帯に迫撃砲弾複数発が着弾し、少なくとも2人が死亡した。

ARA News, November 20, 2015

ARA News, November 20, 2015

 

AFP, November 19, 2015、AP, November 19, 2015、ARA News, November 19, 2015、Champress, November 19, 2015、al-Hayat, November 20, 2015、November 21, 2015、Iraqi News, November 19, 2015、Kull-na Shuraka’, November 19, 2015、al-Mada Press, November 19, 2015、Naharnet, November 19, 2015、NNA, November 19, 2015、Reuters, November 19, 2015、SANA, November 19, 2015、UPI, November 19, 2015などをもとに作成。

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