ケリー米国務長官がロシアのプーチン大統領とダーイシュ、ヌスラ戦線への爆撃連携に関する新提案について協議か?(2016年7月14日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、モスクワを訪問中のジョン・ケリー米国務長官と会談し、シリア情勢、ウクライナ情勢への対応などについて意見を交わした。

会談には、セルゲイ・ラブロフ外務大臣も同席した。

ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、米国側がダーイシュ(イスラーム国)とシャームの民のヌスラ戦線に対する「テロとの戦い」での連携に関してロシア側に新提案を行ったとする『ワシントン・ポスト』(7月12日付、https://www.washingtonpost.com/world/national-security/as-kerry-pushes-for-coordination-with-russia-in-syria-others-in-administration-cry-foul/2016/07/12/83623008-484d-11e6-bdb9-701687974517_story.html?tid=a_inl)の報道に関して「メディアでのリークに関してコメントはしない。米国が直接提案の内容を知らせてくるのを待っている」としつつ、「ロシアは当初から、「テロとの戦い」を効果的に行うには、情報交換だけでなく、共通の取り組みを連携させ、共に行動することが必要だと強調してきた」と述べた。

『ワシントン・ポスト』は、米国がロシアに対して、シリア領内での軍事的な協力関係の強化、とりわけダーイシュとヌスラ戦線の司令拠点、教練キャンプ、兵站路を特定し、空爆するための諜報の交換について提案、ケリー国務長官がロシア側にこれを文書で伝えた、と報じていた。

しかし、ケリー国務長官がこの報道に関してコメントを拒否、「モスクワに行って、プーチン大統領と会う…。このことについて話す十分な時間を設け、みなに我々がどこに至ったかを説明するつもりだ」と述べるにとどめた。

なお、ケリー米国務長官は15日、ラブロフ外務大臣とシリア情勢などへの対応について具体的協議を行う予定。

AFP, July 14, 2016、AP, July 14, 2016、ARA News, July 14, 2016、Champress, July 14, 2016、al-Hayat, July 15, 2016、Iraqi News, July 14, 2016、Kull-na Shuraka’, July 14, 2016、al-Mada Press, July 14, 2016、Naharnet, July 14, 2016、NNA, July 14, 2016、Reuters, July 14, 2016、SANA, July 14, 2016、UPI, July 14, 2016などをもとに作成。

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