シリア政府と西クルディスタン移行期民政局が分割共同支配するカーミシュリー市(ハサカ県)でダーイシュによる自爆テロが発生、40人以上が死亡、140人が負傷(2016年7月27日)

ハサカ県では、SANA(7月27日付)によると、シリア政府と西クルディスタン移行期民政局が分割共同支配を行っているカーミシュリー市の西部地区で爆弾を積んだ車が自爆、住民44人が死亡、140人が負傷(外務在外居住者省が国連事務総長と安保理議長に宛てて送付した書簡によると、この自爆テロで民間人48人が死亡、140人が負傷)、同地の住宅や生活インフラが甚大な被害を受けた。

自爆テロが発生した西部地区のハラーリーヤ交差点とマディーナト・シャバーブ交差点間の街道は、西クルディスタン移行期民政局の管轄地域。

西クルディスタン移行期民政局アサーイシュが発表した声明によると、自爆したのは「爆弾を積んだ貨物車輌」だったという。

シリア人権監視団によると、現場一帯は、西クルディスタン移行期民政局関連の施設が密集しており、そのなかにはジャズィーラ地区防衛委員会(国防省に相当)もあり、自爆テロは同地のチェックポイント近くで発生したという。

『ハヤート』(7月28日付)によると、自爆テロ発生直後は、二度にわたり爆発が発生したとの情報が流れたが、その後、2度目の爆発が現場近くの灯油タンクへの引火が原因だったことが判明した。

なおこの灯油タンクはカーミシュリー市西部地区一帯に電力を供給する発電施設のタンクで、シリア人権監視団によると、タンクの爆発によって被害が増大したという。

SANA, July 27,  2016

SANA, July 27, 2016

SANA, July 27,  2016

SANA, July 27, 2016

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事件発生から数時間後、ダーイシュ(イスラーム国)はアアマーク通信を通じて声明を出し、「アブー・アーイシャ・アンサーリー同志が爆弾を積んだ自身の貨物車輌で、カーミシュリー市西部地区にクルド人背教者どのものビル群の中心に到達…、そのただなかで車輌を爆発させた」と発表し、犯行を認めた。

同声明によると、この自爆テロは「マンビジュ市での空爆で有志連合が行う犯罪への報復」だという。

ARA News, July 27,  2016

ARA News, July 27, 2016

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一方、外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長に宛てて書簡を送り、そのなかでカーミシュリー市でのダーイシュ(イスラーム国)の自爆テロに関して、停戦や和平協議再開に向けた取り組みを久慈港とするものだと批判、安保理に対してテロを支援する国々への断固たる制裁措置を早急に講じるよう求めた。

SANA(7月27日付)が伝えた。

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このほか、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、カーミシュリー市でのダーイシュ(イスラーム国)による自爆テロを厳しく非難しつつ、アル=カーイダの系譜を汲む国際テロ組織ではなく、「国際社会は、アサド政権と同政権が支援するテロ勢力に代表されるテロの根源を根絶するためのステップとして、国際法に沿った政治解決に貢献するべき」と呼びかけた。

また、シリア革命反体制勢力国民連立に参加するシリア・クルド国民評会も声明を出し、自爆テロを非難、「我々はすべての勢力に、不正とテロに対して一致団結するよう呼びかける」と表明した。

AFP, July 27, 2016、AP, July 27, 2016、ARA News, July 27, 2016、Champress, July 27, 2016、al-Hayat, July 28, 2016、Iraqi News, July 27, 2016、Kull-na Shuraka’, July 27, 2016、al-Mada Press, July 27, 2016、Naharnet, July 27, 2016、NNA, July 27, 2016、Reuters, July 27, 2016、SANA, July 27, 2016、UPI, July 27, 2016などをもとに作成。

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