シリア軍は反体制派支配下のアレッポ市東部を再び包囲:アレッポ市南西部郊外の士官学校一帯でアル=カーイダ系のファトフ軍を掃討(2016年9月4日)

アレッポ県では、SANA(9月4日付)によると、シリア軍は、「同盟諸部隊」とともに、アレッポ市南西部郊外の士官学校(兵器科など)一帯でファトフ軍を掃討、8月上旬に喪失していた同地を奪還、またアレッポ市南部および北部郊外一帯に通じる反体制武装集団の兵站路に対して集中的な空爆を実施した。

士官学校一帯の制圧により、シリア軍はアレッポ市ラームーサー地区、および同市東部街区への反体制武装集団の兵站路すべてを再び遮断、アレッポ市東部街区は再び孤立状態に陥ったという。

また反体制武装集団の兵站路に対する空爆は、ハーン・トゥーマーン村、マアッラーター村、フライターン市、アルド・マッラーフ地区農場一帯、ウワイジャ地区などに対して実施された。

SANA, September 4, 2016

SANA, September 4, 2016

一方、『ハヤート』(9月5日付)によると、ロシア軍の航空支援を受けたシリア軍が、ヒズブッラーやシリア人・アラブ人民兵とともに、アレッポ市南西部郊外の士官学校一帯の奪還をかけて、ファトフ軍と激しく交戦し、兵器科を完全制圧した。

戦闘はまた、航空技術科や砲兵科内および周辺の丘陵地帯でも行われたという。

SANA, September 4, 2016

SANA, September 4, 2016

これに対して、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室は、アレッポ市北部のカースティールー街道一帯への砲撃を行うと発表、同市東部地区の封鎖解除をめざす意思を表明し、同地一帯の住民に対して72時間以内に避難するよう呼びかけた。

また、SANAによると、体制武装集団はアレッポ市北西部のヌッブル市、ザフラー町を砲撃し、女性2人が死亡した。 

AFP, September 4, 2016、AP, September 4, 2016、ARA News, September 4, 2016、Champress, September 4, 2016、al-Hayat, September 5, 2016、Iraqi News, September 4, 2016、Kull-na Shuraka’, September 4, 2016、al-Mada Press, September 4, 2016、Naharnet, September 4, 2016、NNA, September 4, 2016、Reuters, September 4, 2016、SANA, September 4, 2016、UPI, September 4, 2016などをもとに作成。

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