シリア軍によるアレッポ市東部での軍事作戦開始を受け、ロシア・シリア両軍の爆撃が激化し、90人あまり死亡(2016年9月23日)

アレッポ県では、ロイター通信(9月23日付)は、シリア軍アレッポ県作戦司令室が22日に、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部に対する軍事作戦の開始と発表した直後から、ロシア・シリア両軍による空爆が激化し、数時間で民間人91人が犠牲となったと伝えた。

犠牲者は、空爆によって約40棟の建物が破壊されたことによるもので、死者のほとんどが子供だという。

これに関して、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアレッポ市カーティルジー地区を空爆し、子供3人を含む一家7人が死亡、またアレッポ市南部バシュカーティーン村でも空爆によって子供6人、女性3人を含む12人が死亡した。

戦闘機はまた、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、シャイフ・サイード地区、サラーフッディーン地区、サーリヒーン地区、スッカリー地区、サーフール地区、バーブ・ナイラブ地区、シャイフ・ファーリス地区、カッサーラ地区など反体制武装集団の支配下にある東部一帯、同市北部のフライターン市を空爆、シリア軍がタッル・ムサイビーン村、アンジャーラ村を砲撃し、多数が死傷した。

さらに空爆によって、アレッポ市ハナーヌー地区、アンサーリー地区にある民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)の拠点2カ所も破壊され、利用不能となった。

一方、SANA(9月23日付)によると、反対背武装集団がアレッポ市マールティーニー地区を砲撃し、2人が負傷した。

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ラタキア県では、ARA News(9月23日付)によると、シリア軍および親政権民兵がキンサッバー町一帯で反体制武装集団と交戦し、シリア軍側に20人以上の死者が出た。

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ヒムス県では、ARA News(9月23日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がラスタン市を空爆し、4人が死亡した。

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ハマー県では、SANA(9月23日付)によると、シリア軍がマアルダス村、タイバト・イマーム市、ズール・タイバ村でファトフ軍の拠点、車輌を空爆した。

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ダルアー県では、SANA(9月23日付)によると、シリア軍がガーリヤ橋北部一帯、ダルアー市南部のナツメヤシ農場一帯で反体制武装集団と交戦した。

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クナイトラ県では、SANA(9月23日付)によると、シリア軍が県北部のマシャーティー・ハドル地区一帯でシャームの民のヌスラ戦線(シャーム・ファトフ戦線)などからなる反体制武装集団と交戦した。

AFP, September 23, 2016、AP, September 23, 2016、ARA News, September 23, 2016、Champress, September 23, 2016、al-Hayat, September 24, 2016、Iraqi News, September 23, 2016、Kull-na Shuraka’, September 23, 2016、al-Mada Press, September 23, 2016、Naharnet, September 23, 2016、NNA, September 23, 2016、Reuters, September 23, 2016、SANA, September 23, 2016、UPI, September 23, 2016などをもとに作成。

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