アル=カーイダ系組織のシャーム・ファトフ戦線が主導する反体制派は国連事務所が入るアレッポ市内のシャフバー・シャーム・ホテルを砲撃(2016年11月1日)

アレッポ県では、SANA(11月1日付)によると、アレッポ市東部ブスターン・カスル地区に展開する反体制武装集団(アレッポ・ファトフ軍作戦司令室所属組織)が、国連が事務所を置くシャフバー・シャーム・ホテルを砲撃し、ホテルの15階、16階、17階部分、近くの居住ビルが被害を受けた。死傷者はなかった。

RT(11月1日付)によると、シャフバー・ホテルは反体制武装集団の戦車砲から発射された砲弾を被弾したという。

『ハヤート』(11月2日付)によると、シャフバー・ホテルには国連職員7人が勤務している。

一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が包囲を続けるアレッポ市東部の解囲をめざすシャーム・ファトフ戦線主導のファトフ軍とアレッポ・ファトフ軍作戦司令室が、アレッポ市南西部のダーヒヤト・アサド地区、マンヤーン村一帯、第1070集合住宅計画地区一帯で、シリア軍および親政権武装勢力と戦闘を続けた。

また、SANA(11月1日付)によると、反体制武装集団(ファトフ軍、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室)は、アレッポ市ハムダーニーヤ地区を砲撃し、4人が負傷した。

このほか、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室は声明を出し、アサド政権がアレッポ市西部の住民を「人間の盾」として利用していると批判した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、イドリブ県との県境に位置するカルクール村一帯で、シャーム自由人イスラーム運動と正体不明の武装集団が交戦した。

また県南部に人道支援物資を搬送した車列がハマー市に帰任途中に、カフル・カドフ村近郊で正体不明の武装集団の襲撃を受けた。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(11月1日付)によると、ロシア軍がカフルタハーリーム町を空爆、町内の病院、学校、医学部などが被弾した。

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ラタキア県では、ARA News(11月1日付)によると、反体制武装集団が県北部のトゥッファーヒーヤ山一帯でシリア軍と交戦した。

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ダルアー県では、SANA(11月1日付)によると、シリア軍がダルアー市避難民キャンプ一帯、ビラール・ハバシー・モスク一帯でシャーム・ファトフ戦線と交戦した。

これに対して、シャーム・ファトフ戦線は、イズラア市を砲撃し、1人が負傷した。

一方、ARA News(11月1日付)によると、シリア赤新月社と赤十字国際委員会の支援チームがダルアー市内に食糧物資(貨物トレーラー32輌分)を搬入した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(11月1日付)によると、反体制武装集団(イスラーム軍)がハラスター市地下に掘削した全長160メートル、深さ14メートルの地下トンネルをシリア軍が発見、これを破壊した。

AFP, November 1, 2016、AP, November 1, 2016、ARA News, November 1, 2016、Champress, November 1, 2016、al-Hayat, November 2, 2016、Iraqi News, November 1, 2016、Kull-na Shuraka’, November 1, 2016、al-Mada Press, November 1, 2016、Naharnet, November 1, 2016、NNA, November 1, 2016、Reuters, November 1, 2016、RT, November 1, 2016、SANA, November 1, 2016、UPI, November 1, 2016などをもとに作成。

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