ロシアは全土停戦を監視するためのホットラインをトルコと開設する一方、トランプ米新政権に停戦への参加を呼びかける意向(2016年12月29日)

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、セルゲイ・ラブロフ外務大臣、セルゲイ・ショイグ国防大臣とシリア情勢への対応を協議するための会合を開き、トルコおよびロシアの仲介のもと、30日午前0時に発効予定のシリア政府と反体制武装集団7組織の全土停戦に関して、シリア政府を支援し、同国内での「テロとの戦い」を継続する意思を示した。

プーチン大統領は、「成立した合意はもちろん脆く、特別なケアが必要となる…。しかし、それは我が国の国防省、国防省、そして地域の我々のパートナーの協業と努力の具体的な結果だ」と述べ、トルコの取り組みを高く評価、シリア全土停戦に関して「ロシア、イラン、トルコは停戦監視の責任を負うとともに、和平プロセスを保障するための役割を果たす」と強調した。

ロシア国防省によると、シリア政府との停戦に応じた反体制武装集団は、シャーム軍団、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、シャーム革命家、ムジャーヒディーン軍、イドリブ自由軍、シャーム戦線の7組織で、その兵力は6万2,000人におよぶという。

一方、ロシア大統領府は、プーチン大統領とレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が電話会談で、ダーイシュ(イスラーム国)を筆頭とするテロ組織を停戦から除外することを改めて確認したと発表した。

RT(12月29日付)などが伝えた。

SANA, December 29, 2016

SANA, December 29, 2016

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プーチン大統領との会合に出席したショイグ国防大臣は、停戦が除外される組織に関して「停戦合意に参加しない武装した反体制派はテロリストとみなされる」としたうえで、停戦監視のためのホットラインをトルコと開設したことを明らかにした。

また、トルコとの間で停戦に向けて2ヶ月にわたって、反体制武装集団の拠点を地図に記すことを中心に協議を重ねてきたと付言した。

一方、ラブロフ外務大臣は、「ロシアは国連加盟国に対してシリアをめぐる合意の実施に参加するよう呼びかけることになる。ドナルド・トランプ氏を指導者とする新生米国に参加を求めることになる」と述べた。

AFP, December 29, 2016、AP, December 29, 2016、ARA News, December 29, 2016、Champress, December 29, 2016、al-Hayat, December 29, 2016、Iraqi News, December 29, 2016、Kull-na Shuraka’, December 29, 2016、al-Mada Press, December 29, 2016、Naharnet, December 29, 2016、NNA, December 29, 2016、Reuters, December 29, 2016、RT, December 29, 2016、SANA, December 29, 2016、UPI, December 29, 2016などをもとに作成。

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