バラダー渓谷(ダマスカス郊外県)でシリア軍、ヒズブッラーがシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団への攻勢を強める(2017年1月10日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(1月10日付)によると、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員が、首都ダマスカスの水源があるバラダー渓谷のアイン・フィージャ町、バスィーマ町一帯で、シャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団への攻撃を再び激化、シリア軍戦闘機・ヘリコプターが「樽爆弾」などで同地に激しい空爆を加えた。

シリア人権監視団によると、シリア軍が発射した地対地ミサイルと思われる砲弾複数発がアイン・フィージャ町一帯に着弾、またシリア軍、ヒズブッラー戦闘員がシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団と激しく交戦した。

一方、東グータ地方のハズラマー村一帯でもシリア軍が、イスラーム軍、ラフマーン軍団、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

al-Hayat, January 11, 2017

al-Hayat, January 11, 2017

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、サラーキブ市でファトフ軍に所属するジハード主義組織戦闘員が乗った車に仕掛けられた爆弾が爆発し、複数の死傷者が出た。

また戦闘機(所属明示せず)が、ファトフ軍支配下のハーン・シャイフーン市を空爆、またシリア軍がマダーヤー町、タッル・アース村、タマーニア町を砲撃した。

一方、SANA(1月10日付)によると、シャーム・ファトフ戦線などからなるファトフ軍が包囲を続けるシリア政府支配下のフーア市が砲撃を受けた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がラターミナ町、ラハーヤー村を空爆した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市で反体制メディア活動家アブー・イバーダ・ヒムスィー氏(54歳)の遺体が発見された。

この活動家は、正体不明の集団によって1月6日に誘拐されて以降、行方不明となっていた。

AFP, January 10, 2017、AP, January 10, 2017、ARA News, January 10, 2017、Champress, January 10, 2017、al-Durar al-Shamiya, January 10, 2017、al-Hayat, January 11, 2017、Iraqi News, January 10, 2017、Kull-na Shuraka’, January 10, 2017、al-Mada Press, January 10, 2017、Naharnet, January 10, 2017、NNA, January 10, 2017、Reuters, January 10, 2017、SANA, January 10, 2017、UPI, January 10, 2017などをもとに作成。

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