2011年4月20日のシリア情勢

国内の暴力

ヒムス市、アレッポ市、ダルアー市など反体制デモが続いた。

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ダルアー県では、AFP(4月20日付)によると、ダルアー市とその周辺地域出身の大学生約4,000人がウマリー・モスク前で政府によるデモ禁止に抗議してデモを行った。

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アレッポ県では、AFP(4月20日付)や反体制活動家によると、数十人がアレッポ大学でデモを行い、デモを阻止しようとする体制支持者や治安当局と衝突、37人が逮捕された。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン会長はAFP(4月20日付)に対して、反体制活動家のマフムード・イーサー氏がヒムス市で19日に逮捕されていたと発表した。

逮捕は、イーサー氏がジャズィーラ放送での対談で、アブドゥー・ハドル・タラーウィー准将とその両親およびいとこの殺害と遺体の損傷に関する即時調査を呼びかけた直後に行われた。

アサド政権の動き

Akhbār al-Sharq, April 20, 2011

Akhbār al-Sharq, April 20, 2011

当局はバーニヤース市やバイダー町での反体制運動弾圧を指揮していたとされる政治治安部のバーニヤース支局長アムジャド・アッバース少佐を支局長から解任した。

同少佐は、バイダー町の住民に暴行を加えている映像(4月12日にユーチューブにアップ)に映っていた。またバーニヤース市の複数の目撃者は、「先週日曜日(17日)早朝に市内で発砲した複数の車が同少佐の事務所前から出発した」ことを明らかにした。

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ダマス・ポスト(4月21日付)は、アサド大統領がアレッポ県の代表者40人と会談し、3月半ば以降の国内での抗議デモなどに関する意見を交換したと報じた。

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クッルナー・シュラカー(4月22日付)は、シリア・クルド・イェキーティー党のワイス・ウスマーン・シャイヒーがアレッポ市で空軍情報部によって逮捕されたと報じた。

ハサカ県アイン・アラブ市で反体制デモに参加したのが逮捕の理由だという。

反体制勢力の動き

シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン会長はAFP(4月20日付)に対して、政治治安部のバーニヤース支局長アムジャド・アッバース少佐の解任を歓迎し、「正しい道への前向きな一歩」と評価した。

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『ミスリー・ヤウム』(4月20日付)は、アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領が、西側諸国に対して、シリアでの反体制運動弾圧を国連で審議し、国際刑事裁判所に提訴するよう呼びかけた。

レバノンの動き

レバノンの治安当局は声明を出し、金曜日(22日)にトリポリ市でのデモ実施を求める二つの呼びかけを「法的条件を満たしていない」として禁じた。

呼びかけの一つは、イスラーム解放党が行ったもので、シリアでの抗議行動との連帯を求めており、もう一つは、シリア政府を支持する3月8日勢力の諸政党によるもの。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アーディル・サファル内閣による非常事態令解除の閣議決定に関して、「疑う余地なく、シリア政府の決定は安定と市民の平和を保障するための国益から発していると考える」と高く評価した。

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ヒラリー・クリントン米国務長官は抗議行動を行う市民への暴力行使を非難し、シリア政府に逮捕と恣意的拘束、収監者の拷問を停止しなければならないと述べた。

米国務省報道官は、アーディル・サファル内閣による非常事態令解除の閣議決定に関して「自由への制限が軽減するとは考えていない」と却下した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はアーディル・サファル内閣による非常事態令解除の閣議決定を「正しい方向に向けた…ステップ」と評価した。

英国外務省は「治安状況混乱を鑑み」シリアから待避するよう国民に勧告した。

AFP, April 20, 2011、Akhbār al-Sharq, April 20, 2011、Damas Post, April 21, 2011、al-Ḥayāt, April 21, 2011、Kull-nā Shurakāʼ, April 20, 2011, April 21, 2012, April 22, 2011、al-Miṣrī al-Yawm, April 20, 2011、Naharnet.com, April 20, 2011、Reuters, April 20, 2011、SANA, April 20, 2011などをもとに作成。

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