軍・治安部隊がバーニヤース市を包囲、EU諸国が国内で行使される暴力行為を激しく非難(2011年4月11日)

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国内の暴力

タルトゥース県では、複数の人権活動家によると、軍・治安部隊がバーニヤース市を包囲し、10日に死亡した4人の葬儀を住民が執り行うなか、学校、商店は閉鎖され、公的機関の業務も停止した。

al-Hayat, April 12, 2011

al-Hayat, April 12, 2011

バーニヤース市の治安状況に関して、デモの指導者の一人アナス・シャフリー氏はAFP(4月10日付)に対して、軍が「30両の戦車で町を包囲している」と語った。

また「シャッビーハ」と呼ばれる武装集団が住宅地に発砲するだけでなく、「軍にも発砲し、住民と軍の内戦を誘発しようとしている」と述べた。

人権活動家の一人によると、「軍に発砲の停止を求める呼びかけが、モスクのミナレットから(市民によって)なされており」、「兵士3人が発砲を拒否して、デモ参加者に加わろうとしたが、上官が発砲、負傷した」という。

ラフマーン・モスクのシャイフ、アナス・アイルート師はバーニヤース市民の名のもとに声明を出し、市民に対して発砲する「シャッビーハ」を逮捕するため軍・治安部隊に直ちに介入するよう求めた。

同声明によると、ラアス・ナブア地区の住民と同地区に展開する軍・治安部隊に対してシャッビーハがクーズ地区から集中砲火を浴びせている、という。

また同声明は、バーニヤース市民がアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領やリフアト・アサド前副大統領といった「外国分子」と結託していないとしたうえで、「自らの権利のもとに要求を行っているにもかかわらず、悪党(シャッビーハ)と彼らに追随する者の攻撃を受けている」と述べ、自らの惨状を訴えた。

一方、レバノン日刊紙『アフバール』(4月11日付)は、シリア当局が最近アフマド・アブドゥッラーを名のるシリア人イスラーム主義者をバーニヤース市で逮捕し、レバノンの複数の勢力から資金援助を受けていたと自供した、と報じた。

同報道によると、アブドゥッラー氏は、シリア国内でのデモ、抗議行動、衝突で何度も目撃されていた、という。

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Akhbar al-Sharq, April 11, 2011

Akhbar al-Sharq, April 11, 2011

ダマスカス県では、シリア人権連盟のアブドゥルカリーム・リーハーウィー所長によると、ダマスカス大学理学部前でダルアー市とバーニヤース市でのデモの犠牲者を追悼するために学生十数人がデモを断行し、治安部隊がこれを強制排除、複数の学生を逮捕した。

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県では、AFP(4月10日付)が自由擁護シリア・センター所長のハリール・マアトゥーク弁護士の話として伝えたところによると、反体制活動家で作家のファーイズ・サーラ氏がガズラーニーヤ町の自宅で逮捕、連行された。

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SNN, April 11, 2011

SNN, April 11, 2011

パリ在住の思想家ブルハーン・ガルユーン氏はフェイスブックで、アラブ諸国の国民に向けて声明を出し、「近代史上もっとも危険な状態にある」シリア国民と連帯し、自由を求めるよう呼びかけた。

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イスラーム無所属潮流のガッサーン・ナッジャール氏は声明を出し、自身の息子や孫がアレッポの空軍情報部の嫌がらせや脅迫に遭っていると抗議した。

諸外国の動き

フランス外務省は、シリアでの暴力行為を強く非難し、「デモ参加者への力の行使から即時に手を引く」よう呼びかけた。

そのうえで「改革と抑圧は矛盾している」と強調した。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はアサド政権に対して「デモの権利と表現の自由の尊重」を求めた。

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ドイツ政府報道官は、アンゲラ・メルケル首相がシリア政府、具体的にはアサド大統領個人に対して「平和的表現、平和的デモの権利を擁護する」よう求めていると述べた。

AFP, April 11, 2011、al-Akhbar, April 11, 2011、Akhbar al-Sharq, April 11, 2011, April 12, 2011、Facebook、al-Hayat, April 12, 2011、Kull-na Shurakaʼ, April 11, 2011、Reuters, April 11, 2011、SANA, April 11, 2011などをもとに筆者作成。

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