ロシア連邦議会使節団がダマスカスを訪問し、アサド大統領および反体制勢力代表の間の仲介プロセス開始を試みる(2011年9月17日)

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反体制勢力の動き

国民民主変革諸勢力国民調整委員会大会準備委員会の複数の消息筋はAKI(9月17日付)に対して、17日、18日に、「リビアのシナリオを回避するため」、シリア政府に対して行程表を示すための大会(第2回大会)を開催することを明らかにした。この行程表の内容に関して、以下7点が合意されるという。

1. 政府による大衆運動およびその合法性の承認。国民が民主的・多元的政体を建設する権利の承認。

2. 暴力と軍・治安部隊を通じた対応の停止、軍・治安部隊の都市からの撤退、治安維持のみへの治安維持部隊の任務の制限。

3. すべての政治犯釈放。

4. 軍・治安機関による事態収拾を選択した高官、殺戮、拷問を犯した者の起訴。

5. 平和的デモ権の承認。

6. 憲法第8条への対処、ないしは新憲法制定。

7. 新体制に向けた過渡期を指導する挙国一致内閣を通じた行政権を行使、移行期間の宣言。

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フランスのパリで欧米諸国各国在住の反体制活動家が開会を開き、シリア世俗民主勢力連立の発足を発表。

主な参加者はランダ・カスィース(シリア近代民主主義党)、バッサーム・ビータール(在米)、ムルシド・ハズナウィー。

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パリでシリア革命在外委員会を名乗る新たな組織が結成される。同組織は革命の諸目的を実現するために必要な支援活動を任務とする。

Kull-na Shuraka’, September 17, 2011

Kull-na Shuraka’, September 17, 2011

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ダルアー市、ダイル・ザウル市、ヒムス市、ハマー市、イドリブ市、マアッラト・ヌウマーン市、ダマスカス郊外県各地などで、16日(金曜日)のデモの犠牲者の犠牲者の葬儀が行われ、数万人が参列した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市での軍・治安部隊の逮捕・捜索活動により、2人(男女それぞれ1人)が殺害された。

一方、SANA(9月18日付)は、イドリブ県ハーン・シャイフーンで武装テロ集団が治安維持部隊を要撃、1人が殉職、1人が負傷したと報じた。

ダルアー県では、地元調整諸委員会によると、ダーイル町、ジャースィム市、フラーク市、ナマル町などに軍・治安部隊、シャッビーハが突入し、逮捕・捜索活動を行った。

シリア革命調整連合によると、ヒムス市アシーラ地区、ナーズィヒーン地区、カラム・ザイトゥーン地区で軍・治安部隊が逮捕・捜索活動を行った。またラスタン市でも軍・治安部隊が逮捕・捜索活動を行った。

一方、SANA(9月18日付)は、ヒムス県クサイル地域のダブア村で、武装テロ集団が治安維持部隊を要撃し、5人が負傷したと報じた。

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パリ在住の反体制活動家ブルハーン・ガルユーン氏は『ハヤート』(9月18日付)に対して、「デリケートな事情」が反体制勢力の統一を妨げている、と述べた。「デリケートな事情」が何を意味するかに関して詳述はなかった。

また「反体制勢力糾合のため様々なレベルで活動が行われている。そのなかには自ら統一に向かっている地元調整諸委員会も含まれている」と述べた。

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在米反体制活動家のラドワーン・ズィヤーダ氏(ダマスカス人権研究センター創設者)は、『リベラスィオン』(9月17日付)のインタビューに応え、西側諸国に対して、国連での対シリア安保理決議採択のため「影響力を行使」するよう呼びかけた。

Kull-na Shuraka’, September 17, 2011

Kull-na Shuraka’, September 17, 2011

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反体制活動家のサラーフッディーン・ビラール氏(在独)はパリで、自由将校運動司令官のフサイン・ハルムーシュ大佐は、「トルコの避難民キャンプ外で、トルコ人男性とシリアの反体制勢力への武器供与について話し合う約束をしていたが、約束当日に失踪、捕らえられて、シリアに強制送還された」ことを明かした。

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ミシェル・キールー氏は、『シャルク・アウサト』(9月17日付)のインタビューに答え、レバノン・マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教の発言に関して、「彼は自分の教会の名で話しただけで、シリアのキリスト教徒の同意を得て話したわけではない…。マロン派はシリアでは少数派で、アレッポとヒムス北東部のフルウ山、そしで暮らしているに過ぎない。またラタキアに限られた数が暮らしているに過ぎない…」と非難。

アサド政権の動き

シリア政府は、「すべての県」で新学期を開始すると発表した。教育省は「就業困難な学生、教育活動が困難な教員には適切な措置を講じる」と発表した。

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タルトゥース県の県・大学レベルでの国民対話会合で、小説家のハイダル・ハイダル氏が7項目からなる報告書を提出。

ハイダル氏は、国民のニーズに応えるような憲法改正、具体的には、政教分離の保障、大統領の任期制限、一党支配の廃止、外国と関係のない国内の反体制勢力を含んだ挙国一致内閣の発足、殺戮の責任者の処罰、表現・批判の自由の保障などを求めた。

また反体制的スタンスで知られるイブラーヒーム・イスタンブーリー氏(作家、翻訳家)は、街頭での示威行動を通じた体制打倒が混乱をもたらすだけと述べ、反対の意思を示し、対話を呼びかけた。またすべての政治犯の釈放を要求した。

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『クッルナー・シュラカー』(9月17日付)は、国民対話会合で、2000年のアサド大統領就任をめぐる軍、バアス党、進歩国民戦線、人民議会の動きを腐敗と絡めて批判したアミーン・サンマーン氏が17日午後にバッシャール・アサド大統領の命令により逮捕された、と報じた。

諸外国の動き

ロシア連邦議会使節団が昨日、ダマスカスを訪問し、バッシャール・アサド大統領および反体制勢力代表と会談し、両者の仲介プロセスの開始を試みた。

団長を務めるロシア議会上院(連邦会議)のイリヤス・ウマハノフ副議長は、SANA(9月18日付)に対して、「他国の内政干渉を受け入れないというロシアの政治原則に基づき、我々はシリアでの国民対話推進に参与・協力する用意がある。これは暴力ではなく、正常な雰囲気のもとで行われねばならない」と述べた。

訪問は4日間の予定である。

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米国各地の大学の牧師からなる使節団がシリアを訪問し、17日にアサド大統領と会談。

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レバノンのアドナーン・マンスール外務大臣は、9月の国連安保理議長国を務めるレバノンが、シリアのアサド政権を非難するいかなる声明も支持しないことを改めて強調した。

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『サフィール』(9月17日付)は、レバノン当局の話として、レバノン人1人(イブラーヒーム・M)、シリア人2人(アースィフ・F、バースィル・Q)がシリアに武器を密輸しようとして逮捕されたと報じた。

3人はベイルート郊外のジュダイダ街道で軍治安当局によって身柄を拘束され、またその際、RPG、カラシニコフ、暗視ゴーグルなどを押収した。これらの武器は反体制勢力の手に渡る予定だった。

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トルコ外務省は、フサイン・ハルムーシュ大佐の逮捕に関して、「シリア人避難民の承諾を得ず、送還することは決してない」と述べ、同大佐を拘束し、シリア側に引き渡したことを否定。

AFP, September 17, 2011、AP, September 17, 2011、al-Hayat, September 18, 2011, September 19, 2011、Kull-na Shuraka’, September 17,
2011, September 18, 2011、Naharnet, September 18, 2011、Reuters, September
17, 2011、al-Safir, September 17, 2011、SANA, September 18, 2011、al-Sharq al-Awsat, September 17, 2011などをもとに作成。

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