トルコ軍参謀本部(参謀総長)は声明を出し、アレッポ県アフリーン市一帯での西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に対する軍事作戦「オリーブの枝」を開始したと発表した。
声明によると、作戦は20日午後5時に開始され、トルコ南部国境の治安と安定の確立が目的で、国際法および「テロとの戦い」にかかる国連安保理での諸決議に準じ、シリアの領土の一体性を尊重するかたちで実施されるという。
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アレッポ県では、ANHA(1月20日付)によると、「オリーブの枝」作戦の開始を宣言したトルコ軍が、アフリーン市および同地近郊の6カ村に対して越境爆撃を実施した。
アフリーン市に対する爆撃では、アシュラフィーヤ地区にあるルーバール避難民キャンプも標的となった。
また同市近郊では、ラージュー村一帯(マームールー村、フジャイカー村、フービカ村、ムーサークー村、ジスル・ハシャーリカ村など)、シーラーワー町一帯(アーキバ村など)、シラー村一帯(アイン・ダクナ村など)の村々、ライルーン山一帯、ブルブル山一帯が爆撃を受けた。
このほかにも、トルコ軍はタッル・アブヤド市に近いマンナグ村、マンナグ航空基地を爆撃したという。
これらの爆撃により、少なくとも民間人8人が死亡した。
これに関して、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊はの総司令部は声明を出し、トルコ軍の空爆が、100カ所あまりを標的とし、民間人6人、戦闘員3人が死亡、民間人13人が死亡したと発表した。
標的となった地点のほとんどは民間人の居住地だったが、人民防衛隊、人民女性部隊、そして人民防衛隊主体のシリア民主軍に参加するシリア革命家軍の拠点も狙われたという。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(1月20日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌がマンビジュ市西で何者かによって仕掛けられた爆弾の爆発に巻き込まれ、乗っていた司令官3人が死亡した。
AFP, January 20, 2018、ANHA, January 20, 2018、AP, January 20, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 20, 2018、Januaryu 21, 2018、al-Hayat, January 21, 2018、Reuters, January 20, 2018、SANA, January 20, 2018、UPI, January 20, 2018などをもとに作成。
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